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【ブダペスト世界柔道選手権2017特集】橋本壮市は比較的好配置、Aシード選手全員に「刺客」配され序盤戦は注目試合が頻発・男子73kg級直前展望

(2017年8月29日)

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。
【ブダペスト世界柔道選手権2017特集】橋本壮市は比較的好配置、Aシード選手全員に「刺客」配され序盤戦は注目試合が頻発・男子73kg級直前展望
→ブタペスト世界柔道選手権2017組み合わせ(PDF)
→ブタペスト世界柔道選手権2017組み合わせ/live結果(webページ)

エントリーは73名。「概況×有力選手紹介」で示した予想からの、シード選手の配置のズレはなし。

事前のシード予想の時点でも比較的バランス良く強豪選手が分かれていた本階級。ドローを経たこの段階でもノーシードの強豪選手がある程度均等に配置され、最終的にはどのブロックにも見どころのある、魅力的なトーナメントとなった。

まずは恒例であるシードから漏れた上位選手の配置を確認したい。
シード枠から外れた上位選手はラシャ・シャブダトゥアシヴィリ(ジョージア)、デニス・イアルツェフ(ロシア)、ムサ・モグシコフ(ロシア)の3人。ここに足技一発というある飛び道具的な武器を持つヴィクター・スクヴォトフ(UAE)を加えた4人までが、本階級のドローにおける注目選手と規定される。先に上記4人の配置を羅列しておくと、シャブダトゥアシヴィリがプールA下側の山、イアルツェフとスクヴォトフがともにプールB上側の山、モグシコフがプールC上側の山。これを前提に、プールAから順に組み合わせを解説する。

【プールA】
第1シード:橋本壮市(パーク24)
第8シード:マルセロ・コンティーニ(ブラジル)
有力選手:ミクロス・ウングヴァリ(ルーマニア)、ラシャ・シャブダトゥアシヴィリ(ジョージア)

[選手配置]
まずは第1シード選手・橋本壮市(パーク24)のブロックであるプールA。
もともとは二線級のマルセロ・コンティーニ(ブラジル)が対抗馬扱いのBシードに配されるという最も楽な山であったが、そのコンティーニの真下の位置に「俺が本当のシード選手だ」とでもいわんばかりに、リオデジャネイロ五輪銅メダリストのシャブダトゥアシヴィリが配された。新顔のシード選手に超強豪が刺客として送り込まれることは今年度大会ではもはやおなじみとなっているが、せっかくシード権を獲得したにも関わらず初戦で五輪のメダリストと戦わなければならないコンティーニには気の毒というほかない。
下側の山にはイゴール・ヴァンドケ(ドイツ)、マーティン・ホヤック(スロベニア)、ベンジャマン・アクスス(フランス)といったワールドツアーの常連組が多数配置されており、上記3人の勝者がベスト16でシャブダトゥアシヴィリと戦うことになるはずだ。

橋本がシード位置に座る上側の山には、地元ハンガリーのベテラン選手であるミクロス・ウングヴァリ(ハンガリー)が配された。こちらの山にはほかにこれといった選手はおらず、両者がぶつかるベスト16が予選ラウンド唯一の山場だ。ウングヴァリは戦術派のベテラン選手であり、地元開催の今大会に相当な気迫で臨んでくると思われるが、技術のみならず体の強さでも階級トップクラスに位置する橋本を相手にアップセットを演じるだけの底力はないと見る。

[勝ち上がり展望]
準々決勝のカードは橋本対シャブダトゥアシヴィリになるはず。相手を懐に抱き込むこむ形を基本形とするシャブダトゥアシヴィリは担ぎ技主体の橋本とは相性が悪いと思われ、ここは橋本の勝利と予想する。

【プールB】
第4シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第5シード:ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)
有力選手:デニス・イアルツェフ(ロシア)、ヴィクター・スクヴォトフ(UAE)

[選手配置]
ドローの結果、本階級最大の激戦区となった。ヒダヤット・ヘイダロフ(アゼルバイジャン)がシードを張る下側の山は、逆サイドにワールドツアー常連の好選手ドミトロ・カニヴェツ(ウクライナ)がいるくらいでほかに目立った名前はなし。

その一方でトミー・マシアス(スウェーデン)がシード選手を務める上側の山は、マシアスとイアルツェフがともに初戦となる2回戦でマッチアップ、さらにその真下ではスクヴォトフと、実力者ニコラス・デルポポロ(アメリカ)がこちらも初戦となる2回戦で対戦するという、なかなか見られないレベルの激戦区となった。イアルツェフの勝ち上がりが最も現実的なシナリオだが、久々の登場となるスクヴォトフの出来次第ではこれが揺らぐ可能性も十分。マシアスとデルポポロには申し訳ないが、ファンとしてはイアルツェフとスクヴォトフの階級を代表する足業師の対戦に期待したい。

[勝ち上がり展望]
準々決勝のカードはイアルツェフ対ヘイダロフと予想。ヘイダロフは現在非常に勢いに乗っている面白い選手だが、最終的にはひとつひとつの技の威力に勝り、足技という飛び道具も持つイアルツェフが勝利する可能性が高い。ただし、このブロックには絶対的な勝ち上がり候補はおらず、有力選手として名前を挙げた全員に勝ち上がりのチャンスがある。順行運転ならばイアルツェフ、荒れた場合には若く粘戦志向のヘイダロフが勝ち上がりの第1候補だ。

【プールC】
第2シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第7シード:トハル・ブトブル(イスラエル)
有力選手:ムサ・モグシコフ(ロシア)、ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)

[選手配置]
ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)の山であるプールC、ここも上側と下側で勝ち上がりの難易度が大きく分かれた。Bシード選手であるトハル・ブトブル(イスラエル)がシード位置に座る下側の山はベスト16で対戦することになるサイインジリガラ(中国)以外に名のある選手の存在はなし。一方オルジョフがシード選手を務める上側の山には刺客としてモグシコフが送り込まれ、両者の激突は予選ラウンド3回戦という早い段階、負ければ即入賞なしの厳しすぎる配置だ。この勝者は続く4回戦でギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)と対戦せねばならず、そもそもモグシコフの初戦の相手にはワールドツアー常連組の中からピエール・デュプラ(フランス)が送り込まれている。前述のプールB上側の山よりはいくらかマシであるものの、こちらも相当な激戦区だ。

[勝ち上がり展望]
準々決勝のカードはオルジョフ対ブトブルと予想。地力の高さと世界チャンピオンへの渇望度から、勝ち上がり候補はあくまでオルジョフと見る。3回戦のオルジョフ対モグシコフの試合が実質的なブロック決勝だ。

【プールD】
第3シード:アン・チャンリン(韓国)
第6シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル) 有
力選手:アーサー・マルゲリドン(カナダ)、ディルク・ファンティシェル(ベルギー)

[選手配置]
最後はアン・チャンリン(韓国)がAシードを張るプールD。ここまでにプールB、プールCと重たいブロックが続いたが、プールDはこれと比べればだいぶ穏やかなブロックとなっている。
ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)がシードを務める下側の山は、ガンバータルの反対側に配されたディルク・ファンティシェル(ベルギー)以外に有力選手が存在せず、両者がベスト16まで勝ち進むところまではほぼ確実。

一方でアンがシードを務める上側の山では、アンの初戦の相手にアーサー・マルゲリドン(カナダ)が刺客として送り込まれた。アンの実力的には苦労するような相手ではないと思われるが、続く3回戦の相手であるモハマド・モハマディ=バリマンロウ(イラン)もなかなか骨のある選手であり、一筋縄では勝ち上がれないタフな組み合わせとなっている。

[勝ち上がり展望]
準々決勝のカードはアン対ガンバータルと予想。数値化した戦闘力ではアンが大きくリードしているが、相性的にアンはガンバータルを非常に苦手としており、少しでもアンに不調の気配があれば勝敗がひっくり返る可能性大だ。

優勝候補は橋本だが、史上初の軽量級男女4階級制覇という好成績がもたらすプレッシャー、また「日本の勝ち過ぎ」を無意識に警戒するであろう審判団の心理と、なかなかに難しい材料が揃った。健闘に期待したい。

文責:林さとる/古田英毅

※写真は権利者の許諾を得て掲載しています

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