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【ブダペスト世界柔道選手権2017特集】歴史が変わった1日、志々目愛が絶対王者ケルメンディ倒し初優勝飾る・女子52kg級即日レポート

(2017年8月29日)

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。
【ブダペスト世界柔道選手権2017特集】歴史が変わった1日、志々目愛が絶対王者ケルメンディ倒し初優勝飾る・女子52kg級即日レポート
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決勝、志々目愛が角田夏実から内股「一本」

ハンガリー・ブタペストで行われている世界柔道選手権は29日、日程第2日目の女子52kg級、男子66kg級の競技が行われ、両階級とも日本勢が優勝。52kg級では志々目愛(了徳寺学園職)が角田夏実(了徳寺学園職)との日本人決勝を制して初優勝を果たした。

志々目は準決勝で、優勝候補の大本命マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)とマッチアップ。2013年リオ世界選手権、2014年チェリャビンスク世界選手権、2016年リオ五輪とすべて優勝し4年にわたって世界大会無敗(※2015年アスタナ大会は欠場)の絶対王者にGS延長戦の内股「技有」で土をつけて会場を驚かせると、決勝は角田にも内股「一本」で快勝。初戦のサラ・メネゼス(ブラジル)戦を皮切りに5戦すべてで投技を決める素晴らしい出来で世界の頂点を極めた。

2位入賞の角田も素晴らしい出来、得意の巴投と寝技に徹底的にこだわって5勝のうち寝技による一本勝ちが3、うち得意の腕挫十字固が2、残りの2勝が巴投によるものと持ち味を存分に発揮してのメダル獲得だった。世界選手権で銀メダル1度、銅メダル2度のエリカ・ミランダを消耗戦の末巴投「一本」に仕留めた試合は圧巻であった。

ケルメンディは志々目戦敗退の動揺から立ち直れず、3位決定戦ではミランダの外巻込「技有」を食い、そのまま抑え込まれて一本負け。銅メダルはミランダと、ナタリア・クズティナ(ロシア)の胸に輝くこととなった。大会通じて好調で前半戦の主役の一であったギリ・コーヘン(イスラエル)は準決勝で角田、決勝でクズティナと連敗、最終成績は5位だった。

入賞者リスト、優勝者のコメントと準々決勝以降のスコア、3位決定戦以降と日本代表選手全試合の戦評は下記。

■ 52kg級
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52kg級入賞者。左から角田、志々目、ミランダ、クズティナ。

(エントリー52名)

【入賞者】
1.SHISHIME, Ai (JPN)
2.TSUNODA, Natsumi (JPN)
3.KUZIUTINA, Natalia (RUS)
3.MIRANDA, Erika (BRA)
5.COHEN, Gili (ISR)
5.KELMENDI, Majlinda (KOS)
7.BUCHARD, Amandine (FRA)
7.KRASNIQI, Distria (KOS)

志々目愛選手のコメント
「うれしい気持ちはありますけど、いまはまず試合が終わってホッとしています。決勝で戦った角田選手はここまで2戦していて1勝1敗。しっかり勝たなければと思って戦いました。(-準決勝については?)ケルメンディ選手はこの階級では絶対女王、日本人で勝った人がまだいない相手ですが、絶対倒そうと思っていました。リオに出られなかった悔しい思いを、少しでも乗り越えることが出来るのではと、頑張りました。3年後の東京オリンピックに向けて、これからもしっかりやっていきたい」

【準々決勝】
マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)○優勢[技有・内股]△アモンディーヌ・ブシャー(フランス)
志々目愛○内股(4:00)△ナタリア・クズティナ(ロシア)
角田夏実○GS巴投(GS2:30)△エリカ・ミランダ(ブラジル)
ギリー・コーヘン(イスラエル)○GS大外刈(GS0:38)△ディストリア・クラスニキ(コソボ)

【敗者復活戦】
ナタリア・クズティナ(ロシア)○GS反則[指導3](GS1:36)△アモンディーヌ・ブシャー(フランス)
エリカ・ミランダ(ブラジル)○優勢[技有・裏投]△ディストリア・クラスニキ(コソボ)

【準決勝】
志々目愛○GS技有・内股透(GS5:30)△マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)
角田夏実○優勢[技有・巴投]△ギリ・コーヘン(イスラエル)

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3位決定戦、ナタリア・クズティナがギリ・コーヘンから縦四方固「一本」

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ミランダはケルメンディを倒しての銅メダル獲得に大喜び

【3位決定戦】
ナタリア・クズティナ(ロシア)○縦四方固(2:04)△ギリ・コーヘン(イスラエル)
右相四つ。組み手の攻防が続いての49秒、コーヘンが勢い良く奥を叩くとこれを嫌ったクズティナが膝をついてしまい「指導」。この日好調のコーヘンは格上のパワーファイターであるクズティナに対してもあくまで強気の戦いぶり。しかし、続く展開で袖を絞りあった状態からクズティナが巧みにコーヘンを場外に誘導、1分10秒にコーヘンに故意に場外に出た咎で「指導1」が与えられスコアはあっという間にタイとなる。1分39秒、コーヘンが袖の絞り合いから左一本背負投を放つとクズティナ大きく崩れて畳に着地。コーヘンらしい思い切りの良い技であったが、技の終わりにコーヘンが一瞬気を抜いた隙をクズティナは見逃さず、正面から相手の足を跨いで胴体に乗り上げ、あっという間に縦四方固。反応の遅れたコーヘンは相手のなすがまま、気づいた時には抑え込みが完成していたという体、ほとんど抵抗出来ぬまま「一本」。これまでの好調ぶりからは想像しがたい、あまりにあっけない幕切れにコーヘンは茫然。クズティナが落ち着いた戦いぶりで、しっかり表彰台を確保した。

エリカ・ミランダ〇優勢[技有・外巻込]△マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)
ミランダ、ケルメンディともに左組みの相四つ。ともに奥襟を叩き、ぶつかりあってはさらなる優位を求めて、あるいは相手の優位を嫌っていったん離れる様相が続く。ミランダは左一本背負投、ケルメンディは内股で攻撃するも双方散発。
残り46秒、ケルメンディが釣り手で奥襟、引き手で袖と良い形を得るが間合いを測って一瞬出遅れる。このエアポケットを狙ってミランダが思い切り良く左外巻込。いったん手を大きく揚げて勢いを増し、腰を高く突き出して引っ掛けたこの一撃をケルメンディまともに食って驚きの「技有」失陥。残り時間僅か、ミランダに偽装攻撃の「指導」が入るが、大勢動かずそのまま終戦。ミランダは畳上を飛び跳ねて大喜び。志々目戦のショックから立ち直れなかったか、この試合のケルメンディは明らかに精彩を欠いていた。

【決勝】
志々目愛○内股(2:29)△角田夏実
左相四つ。両者軽く手を出しながら相手の様子を窺う形で試合がスタート。展開は比較的スロー、31秒には双方に「指導」が与えられる。志々目は先に組み手を完成させての投げ一発を狙い、一方の角田は志々目に十分な形を作らせる前に巴投で引き込んでの寝勝負を志向する。この構図だけを考えれば、最低限組み手に応じてもらわねば自分の形を作れない志々目に対して、一方的に持って引き込みさえすれば良い角田は前提条件として明らかに有利。この机上計算の通り、序盤は角田が徹底した先制攻撃で試合の主導権を握る。しかし、1分30秒を過ぎた辺りから状況が変わり始め、あまりに徹底した組み際先制攻撃の連発に偽装攻撃の「指導」を警戒したか、角田が志々目の組み手に応じ始める。しかし志々目はあくまで慎重、2分38秒には主審は角田の手数を評価する形で志々目のみに「指導2」を宣告することとなる。これでリードを得た角田だが、続く攻防でまたもや志々目の組み手に応じ、奥襟を与えてしまうミス。志々目今度は躊躇せず、得意の左内股に飛び込む。肩から畳に突っ込みながら軸足で畳を蹴って追い込み、角田が耐えるとみるや一瞬頭を着いて投げを支え、投げの完成に必要な滞空時間を確保。最後は相手を乗り越えるように投げ切って「技有」を獲得する。強烈な一撃に会場が沸く中、主審は試合を止めるとこのポイントを「一本」に訂正。志々目が同門対決を制して見事世界選手権初優勝を達成した。

【日本代表選手勝ち上がり】

角田夏実(了徳寺学園職)
成績:2位


[1回戦]
角田夏実〇崩袈裟固(1:02)△ソース・バラサニアン(アルメニア)
角田左組み。いち早く二本持ち、斜めにスライドして相手を動かすと、右構えのバラサニアンは中途半端に持ったまま角田について来る悪手。角田間を置かず巴投に飛び込み、両脚でコントロールして17秒「技有」。そのまま立たせず、相手の左腕を抱えて変形の崩袈裟固。変形ゆえ審判の「抑え込み」判断が遅れたがそのまま動かず宣告を待ち、1分2秒ぶじ「一本」に辿り着く。圧勝。

[2回戦]
角田夏実〇腕挫十字固(3:19)レアンドラ・フレイタス(ポルトガル)
左相四つ。角田はまず両足を使った巴投で先制攻撃。1分30秒過ぎには引き手を手繰って良い形の組み手を完成、さらに小外刈で崩して寝技を展開し、完全に主導権を掌握。
1分59秒、角田の組み手に圧を感じたレアンドラが左背負投に掛け潰れ、偽装攻撃の「指導」。以後も角田は絡みつくような左小外刈をベースに攻め続け、視界良好。
2分41秒、左体落でレアンドラを腹這いに崩すと背中に食いついて腕挫十字固を狙う。レアンドラ必死に耐えるがこの防御は体系だったものではなく刹那的、角田は確信に満ちた様子で腕を引っ張り出し、伸ばし極めて「一本」。

[3回戦]
角田夏実〇腕挫十字固(1:15)△アンジェリカ・デルガド(アメリカ)
角田、引き手で袖、釣り手で片襟を得ると巴投一撃、50秒「技有」先行。このまま背について腕挫十字固を狙う。デルガド粘るが角田の確信に満ちた手順の進行を崩すだけの引き出しはなく、1分15秒ついにその腕が伸びて「参った」。

[準々決勝]
角田夏実〇GS巴投(GS2:30)△エリカ・ミランダ(ブラジル)
勝負どころの一番は左相四つ。角田は両脚を使った巴投を2度放つが、いずれもミランダは崩れず。角田は意外にも性急な寝勝負を封印、パワーが売りのミランダに対して立っての勝負を挑み続ける。
ミランダが組み際の左大外刈、一本背負投、さらに組んでは左背負投と放って立ち勝負はやはりやや優勢。角田は2分過ぎに両足の巴投を見せた以外は出足払、大内刈と体を捨てない技で勝負を続け、試合を一進一退のまま終盤に持ち込む。
最終盤、角田が一瞬右組みにスイッチするとミランダは左一本背負投、さらに流れるような動きで得意の「腰絞め」に移行するが角田巧みに離れ、正対して胴を挟んで「待て」。試合はGS延長戦へ。
角田は延長30秒過ぎから巴投と寝技という本来の戦い方に舵を切り直し、GS1分40秒には相手の奥襟来襲に合わせて「巴十字」。あわや「一本」というチャンスを作る。
これを取り切れなかったことで流れを失うかとも思われたが、2分30秒にはミランダが奥襟を叩いて来たアクションに合わせてまたもや両脚の巴投。ミランダが立ったまま技を止めたかに思われたが、一瞬の拮抗のうちミランダの両足が畳を離れる。角田は片足を相手の裏側、片足は相手の下腹に当ててそれぞれを効果的に駆使。角田は脚を挙げながら自ら後転、ひとつの塊となったミランダは前転を強いられ、畳に背中を押し付けられる。主審迷わず「一本」を宣告、角田がベスト4入りを決める。

[準決勝]

角田夏実○優勢[技有・巴投]△ギリ・コーヘン(イスラエル)
角田が左、コーヘンが右組みのケンカ四つ。コーヘンは釣り手で背中を深く持つ強気の組み手、対する角田も脇を差して近距離での勝負に応じて気合十分。中盤までは角田が脇を掬っての左内股や左体落から得意の寝技で攻め、さらに巴投で相手を大きく崩してと優位に立って攻め続ける。しかし決め切れないまま時計の針が進み続け、2分30秒、角田が巴投の失敗により偽装攻撃の「指導」を失うとついに様相一転。これまで劣勢でも愚直に奥を叩き続けたコーヘンの圧が効き始め、以後試合は両者が密着してもつれ合う泥仕合の様相を呈するようになる。これは完全にコーヘンの土俵、3分26秒には角田が掛け潰れたところをコーヘンが隅落でめくり返し、あわやポイントという場面も現出。これは寝勝負という判断でノーポイントとなったが、角田には苦しい時間が続く。しかし、誰もが「指導1」ビハインドでのGS延長戦突入を意識し始めた3分45秒、角田が相手の懐に潜り込んで起死回生の巴投。この日多用している片足で蹴り上げ、もう片方の足で股を押して相手をコントロールする巧みな一撃、一瞬耐えたコーヘンは放物線を描いて背中から畳に落下し「技有」。この攻防が終わったところで残り時間は僅か5秒、後のないコーヘンはがむしゃらに組み付くが、角田は落ち着いてカウンターの左払腰を合わせて「技有」を追加。投げ終わりに合わせて終了ブザーが鳴り、角田が決勝進出を決めることとなった。

[決勝]
角田夏実△内股(2:29)○志々目愛

※前述のため省略。

志々目愛(了徳寺学園職)
成績:優勝


[2回戦]
志々目愛〇内股△サラ・メネゼス(ブラジル)
志々目は左組み、メネゼスは左、右と構えを変えながら対峙。志々目が左小外刈でリズムを刻み続け、28秒後手に回ったメネゼスに「指導」。
志々目は左小内刈、左小外刈を細かく入れ、1分16秒にはひときわ深く踏み込んで左小外掛。明らかに取りに出た技であったがメネゼス乗り越えて左背負投に切り返し「待て」。双方に得点が想起された攻防。
1分半過ぎ、メネゼスが右に構えると志々目思い切って左内股。メネゼス正面から受け止めて弾き返す体の強さを見せるが、直後の1分38秒消極的との咎で「指導2」。
メネゼスはやや奮起、左襟を両手で握っての右背負投、さらに巴投から横三角の連携で主導権を奪回に掛かる。しかし志々目は下がらず、右構えのメネゼスとケンカ四つの形で腰の乗り越え合いに持ち込む志々目、ここで乗り越える動きと相似の足さばきで一足の左内股。受けのタイミングを狂わされたメネゼス剛体のまままともに食って縦回転、鮮やか「一本」で試合決着。

[3回戦]
志々目愛〇崩袈裟固(3:52)△カティンカ・サボ(ハンガリー)
志々目が左、サボが右組みのケンカ四つ。志々目が奥襟を得て圧を掛けながら投げ一発を狙い、サボが両袖からの肩車を連発してこれを凌ぐという構図。31秒にはサボに対して早くも「指導1。志々目は不十分な形ながらも左大外刈、左内股とポイントが想起される技を連続で出して攻勢を維持。ポイントこそないものの一方的に試合を支配する。2分48秒、志々目は釣り手を絞られた状態から両袖の左小外刈を当て、追い込みながら鋭く刈り切って「技有」を獲得。投げ終わりから繋いだ肩固は2秒で解けてしまうが、すぐさま「秋本返し」で相手を引き込み、足を抜いて横四方固で抑え込む。相手の動きに合わせて崩袈裟固に変化しながら、今度はしっかりと抑え切り「一本」。

[準々決勝]
志々目愛〇優勢[技有・内股]△ナタリア・クズティナ
左相四つ。クズティナが奥襟を叩いての隅返で先手を取り、主審は積み重なった手数を根拠に志々目に「指導」を付与。1分58秒、志々目が釣り手で奥襟を得るとケンケンの大内刈で激しく追う。クズティナ踏みとどまって抱き返そうと狙い、投げ合いの中で帯を掌握。しかし志々目は技を止めず、あくまで投げ切ろうと踏ん張る強気。数秒の拮抗ののち、両者が崩れて「待て」。
志々目は相手が良く見えている印象で戦いぶり自体は危なげなし、しかし2分26秒に首抜きの「指導2」失陥、スコア的には後がなくなってしまう。奮起した志々目は、残り46秒に引き手で襟を握った左内股でクズティナを跳ね上げて伏せさせ、残り23秒にはケンケンの大内刈で激しく追ってと猛攻。クズティナは右大腰で対抗、耐えた志々目を引きずるように投げんとするが、志々目畳に叩き落して潰し、少々場が煮詰まり始めた印象。
残り5秒を切ったところで、志々目が釣り手で奥、引き手で襟を持って攻撃準備をほぼ完成。引き手の位置を気にしたか一瞬逡巡してこのままタイムアップかと思われたが、残り1秒で左内股一撃。クズティナ片手を着いて耐え、肩から落下するが志々目は両手を狭くコントロールしたまま相手を乗り越えて回し切り、劇的「技有」獲得。この時タイマーの表示は残り時間0秒、志々目劇的勝利でベスト4入り決定。

[準決勝]
志々目愛〇GS技有・内股透(GS5:30)△マイリンダ・ケルメンディ
左相四つ。ケルメンディは釣り手を振りかぶり、一直線に奥襟に振らせるおなじみのパワフルな組み手を展開。しかし研究十分の志々目はケルメンディがモーションを起こした瞬間立ち位置を変えて迎撃。これによって奥襟来襲の角度が変わり、ケルメンディはスイングをする形に軌道を修正されてしまい、一方志々目は外側から対応しやすい横軌道でやってくるこの腕を、右手を揚げて着実にガード。これによってケルメンディはなかなか万全の形を作れず、確保する位置は圧力の効きにくい肩口ばかり。結果、組んでは離れることを繰り返すこととなる。
一方強烈な左内股を持つ志々目は、二本持ちさえすればこの武器が発動できることが作戦立案の大綱。ケルメンディの奥襟を迎撃しながら釣り手確保のチャンスを狙うが、リスク管理の感覚も鋭いケルメンディの前になかなか二本が良い位置で揃わず、攻めの形が作れない。1分20秒に放った左内股は巻き込んでしまったために一瞬両手を離したまま相手に体を保持されるピンチ、1分43秒の大内刈はケルメンディが早々に離れて、効かず。

3分36秒、ケルメンディが場外際で内股を仕掛けた直後に志々目に「指導」。残り38秒では双方に「取り組まない」咎の「指導」が宣告される。この時点での累積警告はケルメンディが「1」、志々目が「2」、スコア上は志々目が後のない状況となり、試合は終盤へ。残り18秒でケルメンディの内股を志々目が透かしてあわやポイント、という攻防があったが本戦4分はこのまま終了。試合はGS延長戦へ縺れ込むこととなる。
延長になると消耗したかケルメンディがやや退潮。志々目は徐々に釣り手で奥襟を得る良い形が増え始め、GS1分48秒、GS2分41秒、GS3分18秒とたびたび左内股でこれはという場面を作り出す。GS4分20秒、ケルメンディの奥襟にクロスグリップで反応した志々目が左内股から左大内刈と思い切りのよい攻撃、この直後ケルメンディに「指導2」が与えられてスコアはついにタイとなる。意気上がる志々目はさらにクロスグリップからの左大内刈で攻め、ここに来てついに攻勢。

延長5分を超えたところで、ケルメンディが左大外刈に潰れ始め、どうやら「指導」狙いに舵を切った印象。しかしここで志々目、ケルメンディに奥襟を与えてしまう。この試合ほぼはじめて効く位置と距離で奥襟を得たケルメンディ、近い間合いから鉈を振るうような左内股。しかし志々目は瞬間足を引き、体を斜めにしたまま作用足の襲来をかわすと、引き手を利かせて乗り込みながら体を預けて投げに掛かる。この内股透が見事に決まって「技有」。

世界大会3度制覇の絶対王者ケルメンディ、ついに陥落。総試合時間9分30秒の熱戦に、大歓声の中で両者しばし畳に寝ころび、天井を見上げて嘆息。

[決勝]
志々目愛○内股(2:29)△角田夏実

※前述のため省略。

文責:林さとる/古田英毅

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