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素根輝の四人抜きで南筑が大成を下す、夙川学院は層の厚さで敬愛振り切って決勝へ・第91回金鷲旗高校柔道大会女子マッチレポート③準決勝

(2017年8月21日)

※ eJudoメルマガ版8月21日掲載記事より転載・編集しています。
素根輝の四人抜きで南筑が大成を下す、夙川学院は層の厚さで敬愛振り切って決勝へ
第91回金鷲旗高校柔道大会女子マッチレポート③準決勝
※第2試合の記録と内容に誤りがありましたので再送致します。


取材・文:eJudo編集部

■ 準決勝
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準決勝、次鋒同士の第2試合で夙川学院高の岡田萌が敬愛高・都留麻瑞から大内刈「一本」

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夙川学院高の副将・長谷川瑞紀が敬愛高の大将・中原爽から大内刈「一本」

夙川学院高(兵庫)○不戦1人△敬愛高(福岡)
(先)阿部詩×引分×西村美穂(先)
(次)岡田萌○大外刈△都留麻瑞(次)
(次)岡田萌○優勢[技有]△安藤志津佳(中)
(次)岡田萌△大外刈○多田純菜(副)
(中)新名寧々×引分×多田純菜(副)
(副)長谷川瑞紀○大内刈△中原爽(大)
(大)吉峰芙母絵

先鋒戦は夙川学院高の阿部詩が右、敬愛高の西村美穂が左組みのケンカ四つ。西村は先んじて両袖を抑え、両袖の左体落、さらに左大腰と次々仕掛ける。いずれも掛け潰れたが、強豪阿部の機先を制さんと意欲的な試合ぶり。阿部は1分過ぎから右背負投、一本背負投と前に出始めるが、西村は組み際の左内股に「ケンカ四つクロス」の形からの崩し技で阿部とまともに組み合うことを峻拒。形を変えながら攻めては離れる西村の柔道を阿部はなかなか捕まえきれず、2分54秒に試みた西村の内股を誘っておいての隅落もあと一歩取り切れないまま「待て」。残り1分を過ぎたところから阿部が明らかにペースを上げ、組み際の右背負投に右大内刈、右腰車に右袖釣込腰とポイント級の技を連発するが、西村は必死にこらえ続けて終了ブザー。結果、この試合は引き分けに終わった。西村は阿部に1人も抜かせぬまま畳を降りてミッション完遂。一方の阿部は序盤に西村の手数攻撃を許し過ぎたことが最後まで響き、抜き役の仕事を果たせぬまま退場することとなった。

この引き分けを受けた次鋒同士による第2試合、夙川学院は今大会「一本」を量産して復調気配の岡田萌が登場。岡田は都留麻瑞との両袖の絞り合いから左釣込腰と左大腰の放列で抜け出し、「指導1」をリードした2分44秒の組み際に左大外刈一閃「一本」。敬愛に渡りかけた流れをすぐさま引き寄せなおす殊勲の1点を挙げる。

続く第3試合は畳に残った岡田が左、敬愛の中堅・安藤志津佳が右組みのケンカ四つ。岡田はこの試合も意欲的、左大腰で腰を寄せては左大内刈、さらに一段腰を深く入れての左大腰と連続で繰り出し攻勢。安藤は1分過ぎから先んじて奥襟を叩いて飛び込むことを繰り返して打開を図るが、岡田がこれを大腰と大内刈で弾き返すという攻防が続く。1分12秒、安藤に「指導1」。岡田の左大腰の放列に弾き返されてなかなか岡田の体にアプローチ出来ない安藤、業を煮やしたかここで過程を飛ばしての抱きつき攻撃に打って出る。密着しての投げ合いに持ち込まんとする積極策、しかし岡田これを迎え撃ちながら鋭く左大内刈。安藤激しく畳に落ちて「技有」。試合時間は2分10秒、残り時間は1分50秒。

安藤奮起してここから猛攻、片手の右内股で岡田を浮かすと、落ち際に引き手を拾いに出てあわやポイント奪回という場面を作り出す。守勢となった岡田に3分11秒「極端な防御姿勢」の咎で「指導」、残り10秒には偽装攻撃による「指導2」が与えられるが安藤はあと一歩及ばず。この試合は岡田が「技有」優勢で勝利して2人抜き達成、夙川学院のリードは「2」となった。

第4試合は敬愛の副将・多田純菜の前に、これが3試合目となる岡田はさすがに消耗。開始僅か40秒、多田の大外刈が疲労困憊の岡田を捉え「一本」で勝負あり。夙川学院のリードはひとつ詰まって「1」となる。

第5試合は夙川学院の中堅新名寧々が畳に残った多田を左腰車、左内股と攻め立てて猛攻。多田はなかなか技を出せない。しかし新名も弱点である決めの甘さが露呈、落ち際でことごとく手を放してしまい、挙げたポイントは残り51秒で多田に与えられた「指導」1つのみ。この試合も引き分けに終わって、敬愛はついに大将中原爽が畳に姿を現すこととなる。

この第6試合は夙川学院の副将・長谷川瑞紀が中原を圧倒。開始20秒の大内刈「技有」で早々に試合の趨勢を決めてしまうと、一か八かの後の先の技を狙って待ち構える中原に怖じず、1分23秒再びの左大内刈「一本」。

これで全戦終了。夙川学院が不戦一人(2人残し)を以て勝利決定、とうとう大将吉峰芙母絵を取り置いたまま決勝まで駒を進めることとなった。エース阿部が引き分けながらも、総合力比べで強豪・敬愛に勝利した形。夙川学院の長所である層の厚さが存分に表れた試合であった。

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大成高の次鋒・佐藤陽子が南筑高の中堅・古賀彩佳を支釣込足で崩し、寝技へ移行。横四方固「一本」に繋ぐ

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南筑高の大将・素根輝が大内刈で大成高の次鋒・佐藤陽子から「技有」

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素根が大成高の中堅・永田かなから払腰「一本」

南筑高(福岡)○大将同士△大成高(愛知)
(先)古賀若菜×引分×山内もも(先)
(次)古野彩佳△優勢[僅差]○佐藤陽子(次)
(中)古賀彩音△横四方固○佐藤陽子(次)
(副)草場菜々美△崩袈裟固○佐藤陽子(次)
(大)素根輝○崩袈裟固△佐藤陽子(次)
(大)素根輝○払腰△永田かな(中)
(大)素根輝○払巻込△山室未咲(副)
(大)素根輝○優勢[技有]△和田梨乃子(大)

これまでオーダー変更をしていなかった南筑高が、ここにきて先鋒に古賀若菜、中堅に古賀彩音を投入。一気に2枚を変えていよいよ決戦体制を整えた。大将素根輝を畳に送り出す前に1枚でも多く大成の駒を削らんとする、万を持しての積極策だ。

しかし素根登場に至る前哨戦、いわば「作り」の戦いに勝利したのは明らかに大成。先鋒戦は48kg級の古賀若菜が63kg級の山内ももとマッチアップ、双方足を出しながらの粘戦でこの試合は引き分けとなるが、以降は大成の次鋒佐藤陽子が快走。まず古野彩佳を一方的に攻め込んで「指導2」による優勢勝ちを果たすと、続く第3試合も古賀彩音に対して体力の消耗を感じさせない積極的な試合ぶり。まず内股と小内刈を中心に攻め、古賀の体勢が伸び切るとみるや重量感ある支釣込足一撃。これで大きく崩すと横四方固に繋いで一本勝ち、手堅く2人抜きを達成。第4試合は南筑の副将草場菜々美からこれも体を生かした圧力から崩袈裟固「一本」獲得、大成は実に畳に4枚を残して本丸・素根輝に辿り着くことに成功する。

大成は大将対決に持ち込んでは希望なし、勝利するためには副将までの3人で素根を止めてしまうことが必要。最悪でもこの3人で素根の体力を削りに削って、まともに試合が出来ない状態で大将和田梨乃子を送り込みたい。

素根の側は、言うまでもなく4人抜き以外に勝利の道なし。強豪・大成を相手にこれが完遂できるのか、満場固唾を呑んでその試合ぶりを見守る。

畳に上がった素根はケンカ四つの佐藤相手に引き手で袖、釣り手で横襟とすぐさまほぼ完ぺきな組み手を作り出すと、窮した佐藤がひとまず放った右内股を見逃さずその戻りに左小外掛。見た目には浅いかと思われたが上体のコントロールだけで佐藤吹っ飛び、「技有」。素根がそのまま両手を離さず、引き手を引き、釣り手の肘を相手の脇に押し込んでセオリー通りに頭側から圧力を掛けると、耐えかねた佐藤が畳を完全に背をつける。素根は脇を差して崩袈裟固に移行、あっという間の「一本」。

素根は、続く中堅・永田かなも開始20秒の払腰「一本」で一蹴、会場はこのあたりから地鳴りのようなどよめき。

副将山室未咲に対しても素根は急がず、焦らず、チャンスが来ればいずれ獲れるとばかりに粛々圧力を掛け続ける。山室は頭を下げられたまま何も出来ず、2分7秒には勝敗の喫水線である「指導2」まで失ってしまう。続く展開、山室が素根に掴まれた左袖を切ろうと体を捩じってバランスを崩すと、チャンス到来とばかりに素根は突如凄まじい加速。払巻込をかち合わせると、山室は滞空時間極めて短く畳に落下「一本」。これで素根は3人抜き、勝負の行方は全国高校選手権無差別決勝と同カード、素根対和田梨乃子による大将対決に委ねられる。

迎えた大将同士の一番は左相四つ。和田は強気の組み手以外に素根を封ずる手立てなしと引き手で和田の左釣り手の袖を厳しく絞り、釣り手を素根の頭に被せて一方的に組む。しかし素根は被された釣り手の袖を掴んで剥がすと、絞られた釣り手をそのまま片襟に流して左大内刈。一瞬前技フェイントを入れたこの技に和田は一瞬で崩落、左後隅に吹っ飛び「技有」。
以降素根は既に決勝を見据えているとでも言わんばかりに、無理をし過ぎず相手を捌きながら、一種鷹揚な試合展開。万が一の失敗をせぬよう、かつ相手が取りにくればいつでも応じて「一本」を獲る構えだが、追い掛ける立場の和田は待ち構える素根に気圧されたか、スクランブルを掛けぬまま組み掛けては離れる組み手の「やりなおし」で時間を消費。最終盤に突進を見せたが素根に近づけてもらえずタイムアップ。

強豪・大成をまったく相手にしない4人抜き達成に、会場は感嘆、ため息、驚き入り混じった地鳴りのようなどよめきしばし鳴りやまず。南筑が春に敗れた大成にリベンジを果たし、みごと金鷲旗大会決勝への切符を手に入れた。

結果決まった決勝カードは、

夙川学院高 ― 南筑高

となった。

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