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第66回インターハイ柔道競技・男子個人戦ひとこと展望

(2017年8月7日)

※ eJudoメルマガ版8月7日掲載記事より転載・編集しています。
第66回インターハイ柔道競技・男子個人戦ひとこと展望
■ 60kg級・武岡毅と市川龍之介、二人の全国王者が準決勝で激突濃厚
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全国高校選手権2連覇の市川龍之介(千葉・習志野高)と、昨年度インターハイの覇者武岡毅(東京・足立学園)が優勝争いの軸。3年生の強者2人が決着をつけるべく、高校カテゴリ最最後のタイトル奪取に挑む。

これに高校選手権2位の福田大悟(滋賀・比叡山高)、昨年度アジアカデ55kg級を制した豊島我空(佐賀・佐賀商高)を加えた4人が上位候補。この4人はいずれもブロックが分かれ、市川には村上一騎(大分・柳ヶ浦高)、武岡には顕徳大晴(兵庫・神港学園高)、福田には中内快(高知・高知追手前高)とそれぞれ刺客が配された。トーナメントの山場は市川と武岡の両王者が激突するトーナメント左側の準決勝。

優勝候補筆頭は今季団体戦でも充実の柔道を披露している武岡と見ておきたい。

■ 66kg級・巧さの西願寺哲平に、投げの魅力押し出す湯本祥真と若狭智也が挑む
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1年生で高校選手権を制した西願寺哲

高校選手権を制した西願寺哲平(埼玉・埼玉栄高)、全日本カデで桂嵐斗(長崎日大高・今大会不出場)と決勝で戦った若狭智也(石川・鶴来高)、団体戦でレギュラーとして全国大会2冠を経験している湯本祥真(神奈川・桐蔭学園高)、おなじく強豪東海大福岡高でレギュラーを張る、際の強さ抜群の津嘉山崇(福岡・東海大福岡高)を優勝候補として挙げておきたい。4強それぞれブロックが分かれ、ベスト4以降での直接対決に期待がかかる。

もともと左右の袖釣込腰と組み手の上手さという泥臭い柔道でしぶとく結果を残し続けて来た西願寺は、ピストルグリップ、ポケットグリップによる攻撃が許された今春のルール改正を経て相手にとってはまことに厄介な試合巧者の属性を増している。対照的に若狭は技の切れ味、湯本は思い切りの良い大技を売りにしており、今大会は結果に特化してしぶとく試合を作る西願寺と、投げにこだわる若狭・湯本のスタイルがぶつかる面白い構図。後者2人はともに大きい選手を苦にしないが、技の切れ味ゆえ軽量選手相手には思わぬミスをすることも多々。興味深いトーナメントだ。

■ 73kg級・塚本綾が初の個人戦獲りにチャレンジ、勝部翔と村上優哉が迎え撃つ
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団体戦で印象的な活躍を見せて来た塚本綾がついに個人戦に出場する

績ある選手多士済々の階級だが、敢えてここは高校選手権に出場していない塚本綾(東京・日体大荏原高)を優勝候補に挙げておきたい。前代から団体戦のレギュラーとして大型選手相手にも度々印象的な一本勝ちを重ね、柔道自体の「強さ」がある選手。威力ある投技に初動の早い寝技と保有武器の良さはもちろんだが、そのスケール感は同階級内の背比べには収まらないレベルにある。柔道のまっとうさが個人戦の成績に反映されにくい傾向はあるが、モノの良さは今大会随一と評しておきたい。

春の高校選手権を制した勝部翔(京都・京都学園高)、飛び道具的な一芸技ではなくしっかり「柔道の寝技」で難敵を抑え続ける村上優哉(兵庫・神戸国際大附高)が対抗グループの中心。これを内村秀資(大阪・東海大仰星高)、佐藤虎太郎(神奈川・桐蔭学園高)らが追う。

上記有力選手の山はほぼ均等に分かれたが、左上(A)パートに塚本と内村が同居。勝てば準決勝は村上との対戦が必至で、どちらかというと左側に重心のあるトーナメントだ。

■ 81kg級・亀谷嗣温と賀持喜道、両王者激突の2回戦に注目
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高校選手権を制した亀谷嗣温

高校選手権の覇者・亀谷嗣温(大阪・近大附高)と、全日本カデ王者・賀持喜道(神奈川・桐蔭学園高)がともに左側上の(A)ブロックに配され、早くも2回戦でぶつかるという過酷な組み合わせ。他有力選手は比較的逆側の山に集中しており、この試合はトーナメントの進行を大きく揺るがす大一番。

右側の山は上側の3回戦に注目。高校選手権2位で大物感十分の奥田將人(京都・京都学園高)と九州王者でこれも柔道にスケール感十分の青栁大虎(鹿児島・鹿児島情報高)が早くも激突する。下側の山は蛎崎光汰(長崎・長崎日大高)と利根琢也(福井・福井工大福井高)、三輪魁星(愛知・大成高)のつば競り合い。空白域の左下(B)ブロックは高校カテゴリでなかなかアピールの機会がなかった山中堅盛(千葉・東海大浦安高)の奮起に期待。

■ 90kg級・「本気で東京五輪目指す」2年生村尾三四郎が優勝候補筆頭
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村尾三四郎が優勝候補の筆頭

人材豊富な階級だが、優勝候補筆頭は2年生の村尾三四郎(神奈川・桐蔭学園高)。4月の全日本カデでは、このカテゴリでは勝って当たり前とばかりに全試合一本勝ちで優勝を決めて見せた。長い手足と、一見細身の体つきからは想像しがたい体幹の強さを利して大内刈、大外刈、内股に出足払と遠間からでも一撃で相手を捕まえるその試合ぶりは圧巻。初戦(2回戦)で阿部拓真(山形・新庄東高)、3回戦では高校選手権と金鷲旗3位の延岡学園高(宮崎)の副将格吉野弘人と序盤から骨太のカードが組まれているが、勝ち上がり自体は揺るがないものと見る。準決勝の対戦候補は吉村太一(大阪・東海大仰星高)と高橋倫太郎(千葉・東海大浦安高)。

村尾の逆側の左側の山では枇杷木勇樹(広島・崇徳高)とニコーグティ(長崎・長崎日大高)が戦う3回戦、大西陸斗(愛知・大成高)と菅原孝希(東京・日体大荏原高)のが争うであろう準々決勝と注目カード多し。

「本気で東京五輪出場を目指している」という村尾、さすがにスケジュール的にこの実現は難しいのではないかと思われるが、これを目指すのであればたとえ2年生であっても今年度高校カテゴリで躓くことは許されない。言葉通り村尾の伝説スタートの大会となるか、注目して見守りたい。

■ 100kg級・関根聖隆にタフな組み合わせ、山口貴也、神垣和他との連戦必至
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昨年度大会で3位入賞の関根聖隆、今代は世代の主役として団体戦二冠を牽引している

優勝候補筆頭は主将として高校選手権と金鷲旗の2冠獲得を引っ張った関根聖隆(神奈川・桐蔭学園高)。この階級は人材豊富でトーナメント各ブロックともかなりの高密度だが、重心は明らかに関根が配された右側にあり、関根はもっとも面倒な対抗馬である山口貴也(長崎・長崎日大高)と準々決勝、さらに神垣和他(広島・崇徳高)と準決勝を戦わねばならないという過酷な配置。さらに山口のブロックには中村力也(東京・修徳高)、神垣のブロックには福井優駿(兵庫・神戸国際大附高)、棚橋慎之介(宮崎・延岡学園高)、米山竜星(兵庫・東海大静岡翔洋)が配されている。関根と山口が戦うであろう準々決勝は決勝レベルの注目カード、続いてこの勝者が戦う準決勝の神垣戦と見逃せない戦いが続く。

左側の山の勝ち上がり候補の第一は奥野友輝(大阪・東海大仰星高)だが、初戦で村田大征(岡山・作陽高)という厄介な選手とマッチアップしており、まずここをしっかり勝ち上がらばならない。組み立てのオーソドックスな重量級選手である奥野はしぶとさが売りの村田にとっては戦いやすい「的」と考えることも出来、これは注目の一番。この左側からはほか畠山竜弥(千葉・東海大浦安高)、影浦力(愛媛・新田高)、神野光稀(奈良・天理高)らが勝ち上がりを狙う。

■ 100kg超級・好人材揃った激戦階級、松村颯祐が頭ひとつ抜けた優勝候補
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松村颯祐が頭ひとつ抜けた優勝候補

世代によってはポイントゲッターが1階級下の100kg級に集まり、意外に密度が薄くなることも多い最重量級だが、今年は強豪校のエース級が軒並み名を連ねて多士済々。非常に面白いトーナメントとなった。

優勝候補筆頭は全日本選手権にも出場した高校無差別王者・松村颯祐(島根・開星高)。典型的な重量級の強者の組み立てで戦うこの大物の力が頭ひとつ抜けている。以下、高校選手権で大会通算15試合を戦って会場を沸かせた東部直希(愛知・大成高)、存在感再上昇中の長岡季空(広島・崇徳高)らが後を追う。

【Aブロック】

上側の山からは九州ジュニア100kg超級王者・中島大貴(大分・国東高)の勝ち上がりがほぼ確実。下側の山では東部直希と大渕泰志郎(千葉・木更津総合高)が早くも2回戦で激突、勝者が中島と準々決勝を争うこととなる。

【Bブロック】

上側の山では全九州大会王者羽田野竜輝(宮崎・延岡学園高)と長岡季空の優勝候補2人が3回戦で早くも対戦濃厚。柔道が比較的オーソドックスで「地力勝ち」するしかない羽田野に対し、担ぎが利いて組み手巧みな長岡の側が方法論的には有利。羽田野のスケール感が試される一番。
下側の山からは石川智啓(神奈川・東海大相模高)のベスト8入りが確実視される。金鷲旗大会では羽田野を内股「一本」に屠ってもっか好調。羽田野が3試合目であったこともありこの結果自体は一段割り引く必要があるが、石川は春以降急激に力を伸ばしており、前述2人とも十分戦える力があるとみる。準々決勝も非常に楽しみ。

【Cブロック】

激戦区。上側の山では天理高の2年生エース中野寛太(奈良・天理高)が早くも2回戦で松村颯祐に挑戦し、下側の山ではこれも2回戦で山本瑛介(東京・足立学園)と高校選手権の躍進でその素材の良さを見せつけた注目株・高木一石(静岡・湖西高)が激突する。

松村と中野はいずれも正統派重量級柔道を志向しており、このスタイルで戦えば現在の地力がそのまま結果に反映される可能性が高い。現時点では松村が上と見るが、来年度の高校柔道界を占う上でも中野がどれだけ戦えるか、どのように戦うかは非常に興味深い。

山本と高木の一番も面白い。山本は小外刈が最大の武器であり、大きな相手にも体を寄せての勝負を厭わない。一方の高木は粗削りな柔道のまま体格を利して相手を振り回す一種「魔人」的な柔道が売り、高校選手権では長岡季空を大外巻込「一本」、羽田野竜輝を横四方固「一本」で屠って会場を沸かせた未完の大器。息詰まる投げ合い必至である。

【Dブロック】

上記3ブロックの高密度状態を受け、このブロックのみ陣容が薄い。勝ち上がり候補の筆頭は岩田歩夢(埼玉・埼玉栄高)、ベスト8の対戦相手を森優心(福岡・大牟田高)と松本隼作(岡山・作陽高)が争う。


文責:古田英毅

※ eJudoメルマガ版8月7日掲載記事より転載・編集しています。

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