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東海大、日本大らシード校が順当に勝ち上がり、明治大は激戦ブロック制してベスト4入り決める・第66回全日本学生柔道優勝大会男子レポート①1回戦~準々決勝

(2017年7月17日)

※ eJudoメルマガ版7月17日掲載記事より転載・編集しています。
東海大、日本大らシード校が順当に勝ち上がり、明治大は激戦ブロック制してベスト4入り決める
第66回全日本学生柔道優勝大会男子レポート①1回戦~準々決勝
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選手宣誓を行う東海大主将・ウルフアロン

平成29年度全日本学生柔道優勝大会(男子66回、女子26回)は6月24日に開幕、最注目カテゴリである男子は初日に1回戦、最終日の25日は決勝までの競技が行われた。

優勝候補筆頭は連覇を狙う東海大。主将の世界選手権100kg級代表ウルフアロンを筆頭に戦力充実、東京大会ではそのウルフを負傷で欠きながらも他をまったく寄せ付けずに26回目の優勝を攫っている。これをエース小川雄勢を軸に東京大会で準優勝した明治大、持ち前のチームワークの良さで悲願の東海大打倒を狙う日本大、1,2年生に重量級の有力選手を多数抱えブレイク近しと噂される国士舘大、今年も好選手を並べた一昨年の王者筑波大ら強豪チームが追い掛けるというのが今年度大会大枠の構図。

まずはトーナメントを4つに割って、準々決勝までの戦いを簡単に振り返ってみたい。

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2回戦、東海大の五将伊藤好信が甲南大・宇口宗汰から一本背負投「一本」

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3回戦、東海大の次鋒太田彪雅が桐蔭横浜大・中川恭兵から大外刈「一本」

上側の山からは第1シードの東海大が順当にベスト8入り。2回戦の甲南大戦は先鋒から安達健太、前田宗哉、伊藤好信、奥野拓未、太田彪雅、香川大吾、西本幸弥という布陣で臨み、次鋒前田が北田雄海と引き分けたものの一本勝ち(奥野の「指導3」による勝利を含む)を6つ並べて6-0で勝利。桐蔭横浜大とマッチアップした3回戦は先鋒から立川新、太田彪雅、尾方寿應、ウルフアロン、村田大祐、影浦心、香川大吾というオーダーで臨み、次鋒太田が中川恭平から挙げた大外刈「一本」(0:53)、中堅ウルフが片桐章男から奪った隅返「技有」に横四方固「一本」、そして副将影浦心が大場悠斗を仕留めた後袈裟固「一本」(1:29)を以て3-0で勝利。危なげなく準々決勝進出を決めた。

下側の山からは日本体育大がこれも順当に準々決勝まで勝ち進んだ。1回戦の埼玉大戦は先鋒天野拓実が阿河夢斗と引き分けたものの以後は「一本」ラッシュで最終スコアは6-0。2回戦はメンバーを微調整、先鋒から松井海斗、斗石凛太郎、長井達也、長井晃志、天野拓実、オドバータルハンガル、岡田友徳と2年生以下を中心に布陣して徳山大に対峙。五将長井達也が並里樹に内股返「一本」で敗れ大将岡田も失点したが、他試合はすべて一本勝ちの5-2で余裕をもって勝ち抜け。3回戦の関東学園大戦は岡田と入れ替えて起用された1年生副将・大吉賢が失点したものの先鋒から三将までの5連勝で既に勝敗は決しており、この試合も5-2で勝利してベスト8入りを決めた。

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準々決勝、東海大の次鋒太田彪雅がオドバートルハンガルを攻める

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松井海斗が残り20秒で大外刈、西本幸弥は返しを狙ったまま倒れこれが「一本」

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東海大の中堅ウルフアロンが日本体育大・大吉賢から左小外刈「技有」

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副将影浦心が古賀颯人から小内刈で1つ目の「技有」

[Aブロック準々決勝]
東海大 4-1 日本体育大
(先)伊藤好信×引分×岡田友徳
(次)太田彪雅〇反則[指導3](3:30)△オドバートルハンガル
(五)西本幸弥△大外刈(3:40)〇松井海斗
(中)ウルフアロン〇横四方固(2:08)△大吉賢
(三)奥野拓未×引分×天野拓実
(副)影浦心〇優勢[技有・小内刈]△古賀颯人
(大)香川大吾〇内股(3:59)△長井晃志

迎えた準々決勝も東海大が快勝。
試合は当初拮抗、東海大は次鋒太田がアップセット要素を孕むオドバータルハンガルをしっかり「指導3」で潰したが、日体大は続く五将戦で反撃。松井海斗が西本幸弥を相手に払巻込「技有」を失いながらも残り20秒の大外刈「一本」で逆転勝ちし、3戦を消費した時点でスコアは1-1のタイ。

しかし中堅戦は主将ウルフアロンがこれも柔道に波乱要素を色濃く持つ大吉賢をしっかり追い詰め、小外刈「技有」からの横四方固「一本」で快勝。これで以後の東海大ペースが確定、副将戦では今大会初登場の古賀颯人を影浦心が小内刈と隅返の2つの「技有」を奪って下し、大将戦は香川大吾がこれも面倒な長井晃志を相手に妥協せず残り時間1秒で内股を決めて一本勝ち。最終スコアは4-1となった。

試合の進行につれ、地力の差がじわじわスコアに表れたという体の一番。日体大は前述の通り1,2年生を中心に戦い続けたが東海大のサイズと丁寧な試合運びを崩すことが出来なかった。アジア選手権81kg級を制した藤原崇太郎の投入は最後までなかった。

このブロックは東海大が圧勝を続け、対抗馬の日体大も比較的「一本」が多く試合の進行が加速。他試合場の3回戦が進行中のなか、この第1試合場だけが早々にベスト4チームが決まるという突出ぶりで、東海大の強さがひときわ印象付けられることとなった。

【Aブロック1回戦】
甲南大 2-1 日本文理大
桐蔭横浜大 3-1 皇學館大
札幌大 2-1 創価大
日本体育大 6-0 埼玉大
徳山大 ③-3 福井工業大
関西大 ②-2 東洋大
関東学園大 6-0 東日本国際大

【Aブロック2回戦】
東海大 6-0 甲南大
桐蔭横浜大 6-0 札幌大
日本体育大 5-2 徳山大
関東学園大 3-2 関西大

【Aブロック3回戦】
東海大 3-0 桐蔭横浜大
日本体育大 5-2 関東学園大

【Aブロック準々決勝】
東海大 4-1 日本体育大

■ Bブロック
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2回戦、筑波大の次鋒根津信太が中央大・吉原大智から背負投「技有」

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2回戦、近畿大の五将満井均士が慶應義塾大・林郁磨から小外掛「技有」

関東地区王者の筑波大と、関西地区決勝で天理大を破って久々の優勝を飾った近畿大の2校がベスト8入り。

筑波大のスターティングは先鋒から鳥羽潤、川井康平、田中英二朗、佐々木健志、石川竜多、田嶋剛希、石郷岡秀征。1回戦は大阪産業大を相手に川井と石川が引き分けたが5-0で危なげなく勝利し、根津信太と末木貴将、大橋賢人を入れてメンバーを微調整した2回戦は中央大にスコア3-1で勝利。2回戦と同じメンバーで臨んだ3回戦の早稲田大戦は佐々木、根津、田中、石川、鳥羽、田嶋、大橋の順に並べ、この試合は副将戦終了時点で2-1の接戦だったが最後は大将大橋が下田将大から巴投「一本」を奪ってゲームセット。最終スコア3-1でしっかり準々決勝進出を決めた。

近畿大も道程順調。1回戦で清和大を3-0、2回戦で慶應義塾大を2-0と無失点試合を2つ並べて大会を滑り出すと、3回戦の鹿屋体育大戦は5-1の圧勝。関西地区大会優勝の勢いを背に、ベスト4入りを掛けて一昨年王者の筑波大に挑戦する。

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準々決勝、筑波大の三将佐々木健志が近畿大・佐藤貴成から一本背負投「一本」

[Bブロック準々決勝]
筑波大 3-1 近畿大
(先)田中英二朗〇大外刈(0:53)△小柳克摩
(次)石川竜多×引分×佐藤允哉
(五)根津信太△反則(2:18)〇満井均士
(中)末木貴将×引分×橋詰一輝
(三)佐々木健志〇一本背負投(0:27)△佐藤貴成
(副)大橋賢人〇優勢[技有・巴投]△内藤竜生
(大)田嶋剛希×引分×渋川大也

競り合いから抜け出した筑波大が勝利。好調の先鋒田中が見事な「一本」を奪って先制したものの次鋒石川が引き分け、五将根津が反則負けを喫してむしろ試合のペースは近畿大に移り掛けていたが、中堅の66kg級末木が体重123kgの橋詰一輝と引き分けてまず体勢を立て直す。ここで登場した三将の佐々木は2階級上の近大期待の1年生・佐藤貴成を一本背負投「一本」に仕留めて勝ち越し。副将戦は業師大橋賢人が巴投「技有」でしぶとく勝利して突き放し、この時点でスコアは3-1。大将戦は引き分けとなり、筑波大の勝利が確定した。先鋒戦でしっかり勝利し、中盤以後要所でしっかり得点を挙げた筑波大の、結果的には快勝。

【Bブロック1回戦】
筑波大 5-0 大阪産業大
中央大 6-0 松山大
早稲田大 6-0 中京大
駒沢大 3-2 東海大学九州
近畿大 3-0 清和大
慶應義塾大 4-1 金沢学院大
鹿屋体育大 7-0 旭川大
法政大 5-0 弘前大

【Bブロック2回戦】
筑波大 3-1 中央大
早稲田大 4-0 駒沢大
近畿大 2-0 慶應義塾大
法政大 ②代-2 鹿屋体育大

【Bブロック3回戦】
筑波大 3-1 早稲田大
近畿大 5-1 法政大

【Bブロック準々決勝】
筑波大 3-1 近畿大

■ Cブロック
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3回戦、日本大の五将山下恭平が北陸大・才木朝亥寿から小内刈「一本」

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3回戦、日本大の三将一色勇輝が北陸大・田村優亘から大外刈「一本」

準々決勝に進んだのは日本大と國學院大、シード位置に配された強豪2チーム。

2回戦から登場した日本大のスターティングは先鋒から順に織方景太、青木雅道、佐藤和哉、今入晃也、萩原優太、前濵忠大、一色勇輝。初戦の2回戦は流通経済大とマッチアップ、1年生先鋒の織方景太が佐藤笙太から腕緘「一本」を奪う良い滑り出し。以後も次鋒の青木が分け、五将のポイントゲッター佐藤和哉が鋭い小内刈「技有」で優勢勝ちを果たしてと着々加点。萩原が北出淳に小内刈「技有」で敗れたが最後は全日本選手権に出場したばかりでもっか伸び盛りの一色が福永矩宜を大外刈「一本」に仕留めてフィニッシュ、最終スコアは4-1だった。

3回戦では前戦で大東文化大を2-2の内容差で下して勝ち上がって来た北陸大を全勝の7-0で粉砕。オーダーは先鋒から向翔一郎、佐藤、山下恭平、草間優登、一色、ダニエルディチェフ、木元拓人。ここまでの2試合で登録に入った1年生3人(草間、緒方、今入)をしっかり試し、レギュラー格もこれで全員が1試合を経験してと文句のない立ち上がりでベスト8進出決定。

國學院大は無失点のままベスト8入り。1回戦は関西学院大を4-0、2回戦は大正大を6-0と圧倒し、勝負どころと目された3回戦でも山梨学院大を3-0と一蹴。この試合は先鋒大瀧和が前野玲音から小外刈「技有」で勝利して先制、次鋒の二見省吾が重量級の強者藤井靖剛を引き分けで止め、五将島田隆志郎が「指導3」で迫村一輝を下してと前衛3枚で試合の行方を確定。さらに大将戦では渋谷裕次郎がもとインターハイ100kg級王者の渡辺大樹を小外掛「一本」で破ってダメ押しするという完璧な試合内容だった。高校時代に活躍した好選手を揃えた山梨学院大は覇気のない試合ぶりのままベスト16で脱落。

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準々決勝、日本大の中堅佐藤和哉が國學院大・加藤宏輔から払腰「一本」

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準々決勝、日本大の副将一色勇輝が國學院大・兼原潤から払巻込「技有」

[Cブロック準々決勝]
日本大 5-1 國學院大
(先)向翔一郎〇反則[指導3]△大瀧和
(次)山下恭平△小内返(1:22)〇二見省吾
(五)青木雅道×引分×島田隆志郎
(中)佐藤和哉〇払腰(1:23)△加藤宏輔
(三)一色勇輝〇優勢[技有・払巻込]△兼原潤
(副)ダニエルディチェフ〇反則[指導3]△松谷鯉太郎
(大)木元拓人〇反則[指導3](3:30)△渋谷裕次郎

日本大が圧勝。國學院大は三将を寺島綾都から1年生の兼原潤に交代、他は快勝した3回戦とオーダー順をまったく動かさずに臨んだが、ズラリ強豪を並べたこの強敵には歯が立たなかった。
差が付き始めたのは中盤戦から。先鋒戦の敗戦を受けた國學院大は次鋒二見省悟が山下恭平から小内返「一本」を奪って追いすがったが、日本大は佐藤、一色と並べた得点ブロックで連続加点すると副将ダニエル、大将木元も「指導3」を得て快勝。勝ち越し、だめ押し、そしてスコアを伸ばしてとあっという間に國學院大を置き去り。最終スコアは5-1の大差だった。

【Cブロック1回戦】
流通経済大 6-0 北海学園大
大東文化大 ②-2 同志社大
北陸大 4-1 熊本学園大
國學院大 4-0 関西学院大
大正大 ②-2 東亜大
山梨学院大 3-1 順天堂大
名城大 6-0 仙台大

【Cブロック2回戦】
日本大 4-1 流通経済大
北陸大 ②-2 大東文化大
國學院大 6-0 大正大
山梨学院大 2-0 名城大

【Cブロック3回戦】
日本大 7-0 北陸大
國學院大 3-0 山梨学院大

【Cブロック準々決勝】
日本大 5-1 國學院大

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1回戦、国士舘大の先鋒・出水隼人が東北学院大の矢口祐輔に抑え込みを狙う

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1回戦、天理大の三将・西尾徹が岡山商科大の桑田祐希から浮落「技有」

国士舘大と明治大の強豪2校が同居し、さらに今季関西地区2位ながら陣容充実の天理大が配されるという超激戦ブロック。

まず山場となったのは国士舘大と天理大の3回戦。両者のここまでの勝ち上がりを簡単に紹介しておきたい。

国士舘大のスターティングは後衛に主力を置いて先鋒から出水隼人、寺尾拓真、仲佐怜優、加賀谷武弘、飯田健太郎、竹村昂大、山田伊織というオーダー。1回戦は次鋒寺尾が川崎滉喜に敗れ、五将仲佐が引き分けたものの他ポジションは全勝、最終スコア5-1で東北学院大を一蹴。2回戦では早くも本命オーダーを投入、先鋒から釘丸将太、磯村亮太、本間壘、山下魁輝、飯田健太郎、竹村昂大、山田伊織と並べて国際武道大と対峙し、一本勝ち7つの7-0で完勝。3年生以上は釘丸のみ、2年生2人、1年生4人というこの若いメンバーを軸に最初の山場である天理大戦に臨む。

天理大は岡山商科大を4-1で下すと、こちらも2回戦からベストオーダー投入。先鋒から山本悠司、白川剛章、河田闘志、石山潤平、西尾徹、田中慎太郎、古田伸悟と並べて星槎道都大を相手にせず。7-0の圧勝でこの試合を制して国士舘大との大一番への勝ち上がりを決めた。

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3回戦、天理大の三将西尾徹が国士舘大・竹村昂大を抑え掛かる

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国士舘大の大将飯田健太郎が天理大・古田伸悟から内股「技有」

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飯田は出足払「技有」も追加してフィニッシュ

[Dブロック3回戦]
国士舘大 1-0 天理大
(先)磯村亮太×引分×山本悠司
(次)出水隼人×引分×白川剛章
(五)釘丸将太×引分×河田闘志
(中)山下魁輝×引分×石山潤平
(三)竹村昂大×引分×西尾徹
(副)山田伊織×引分×田中慎太郎
(大)飯田健太郎〇優勢[技有・内股]△古田伸悟

迎えた大一番は、先鋒から副将までの6試合が引き分け。天理大の山本悠司が体格差に怖じず組み際の右大外刈に背負投、足車と攻めた先鋒戦からは激しい試合が予想されたが、以後は攻め合うも決定的な場面はなかなか訪れず。スコア以上に双方の慎重さが目立つ、やや静かな試合展開となった。試合が動く可能性が大きいと見られた三将戦は西尾徹が竹村昂大を抑え込みかかるシーンが幾度かあり、これで竹村から持ち前の思い切りが削がれて引き分け。山田伊織と田中慎太郎の副将戦は互いに抑え込み掛かるつばぜり合いの場面あり、さらに大外刈の返し合いありとエキサイティングな攻防があったが、残り1試合でタイスコアという後のない状況を考慮したか後半山田がやや試合を纏めに掛かり、後衛を考えればあくまで行かねばならぬ立場の田中もこれを崩せず。この試合も引き分けに終わる。

迎えた大将戦は国士舘の1年生エース飯田健太郎がこれもリスク少なく柔道を展開、強敵古田伸悟を相手に「指導」1つをリードすると、釣り手の状況悪いながらも右内股を突っ込んで「技有」を獲得。しかし被さった抑え込みは古田に返されて「一本」奪取には至らず。飯田はさらにケンカ四つの古田を相手に引き手から得ておいての左出足払を叩き込んで「技有」を追加して試合を終え、結果スコア1-0で国士舘大がベスト8進出を果たすこととなった。

国士舘は1、2年生中心の若いチームにも関わらず、意外なほど静かな試合運び。高校時代インターハイ個人戦100kg超級を制して団体戦でも無双を誇った山田、自ら際を作りに行く度胸で観客を沸かせた竹村、撃ち合い上等の強気を結果に繋げて世に出た山下らの好素材がいずれも少々意外な大人しい試合ぶり、ホープ飯田も結果はほぼ完ぺきながら「仕事」に縛られた感ありで本領発揮に至らず。強敵相手に無失点勝利という結果よりも、大人しい戦いぶりという「内容」の方がより強く印象に残る一番であった。

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1回戦、明治大の先鋒・神鳥剛が龍谷大の宮ケ原拓也から払腰「技有」

下側の山からは明治大が順当に準々決勝進出。
龍谷大との1回戦は先鋒から神鳥剛、川田修平、名垣浦佑太郎、小川雄勢、児玉貢輔、並木泰雅、田中源大という布陣で臨み、先鋒からの4連勝で早くも勝利を決定。副将並木は小 川真司に小内巻込「一本」で敗れたが、大将田中が早々に小外掛「一本」で試合を締めて最終スコアは5-1。強敵福岡大を畳に迎えた2回戦は児玉と並木を下げて三村暁之と野々内悠真を投入、三村を突っ込んだ先鋒戦は落としたものの次鋒名垣浦、五将小川、副将田中と重量級3枚がしっかり一本勝ちを果たしてスコア3-1で勝ち抜け決定。

3回戦は神鳥を1度温存して金山天地を起用、先鋒野々内が引き分けた後は全勝で、帝京科学大を6-0と圧倒。準々決勝の畳で国士舘大との決戦に臨む。

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飯田健太郎と田中源大による副将戦

[Dブロック準々決勝]
明治大 2-1 国士舘大
(先)神鳥剛×引分×山下魁輝
(次)小川雄勢〇優勢[技有・払巻込]△磯村亮太
(五)名垣浦佑太郎〇優勢[技有・大内刈]△竹村昂大
(中)川田修平×引分×山田伊織
(三)金山天地△大外刈(1:39)〇釘丸将太
(副)田中源大×引分×飯田健太郎
(大)三村暁之×引分×本間壘

明治大が国士舘大に競り勝った。国士舘大は明治大のエース小川雄勢を相手に次鋒磯村亮太が払巻込と浮落で2つの「技有」を失うも一本勝ちを許さずに畳を降りる奮戦。スコア1-0で明治大リードながら以後の盤面配置を考えるに国士舘大に少々試合の針が振れたかと思われる情勢だったが、五将戦で大きく試合が動く。左相四つのこの試合、横変形に構えあったところから名垣浦佑太郎が前技を匂わせながら片襟の左大内刈を捩じ入れると、変調の技に虚を突かれたか竹村横転して1分14秒決定的な「技有」。以後は決定的な場面なくこのまま試合が終了し、スコアは2-0、一気に明治大が優位に立つ。

強者同士がマッチアップした中堅戦は引き分け。三将戦は国士舘の釘丸将太がしぶとい金山天地を大外刈「一本」で下して反撃の狼煙、スコア上はこれで逆転へのおぜん立てが整った形だが、それでも国士舘の元気のなさは変わらず。副将戦は最重量級の強者田中源大に対して飯田健太郎がケンカ四つの引き手争いの陥穽に嵌り、序盤双方に片手の咎で「指導1」、1分14秒には飯田にのみ同じく片手との判断で2つ目の「指導」が与えられる。飯田はラッシュを掛けるべき場面であったが、腰が太く体が強い田中に対し強引に仕掛けることが出来ず得点の予感ないまま引き分け。大将戦は国士舘大・本間壘がこれもスクランブルを掛けることがないまま巧者三村暁之と引き分けてしまう。これで7戦が終了し、スコア2-1で明治大が勝ち抜けることとなった。

双方決して出来の良くなかった試合。明治大はエース小川が「一本」を取り切れず、ジョーカーとして機能せねばならぬはずの金山が一本負けというもっともやってはならない形で失点。ポイントゲッター級に100%のパフォーマンスがないまま淡々と力比べの試合を積み重ね、結果勝利が転がり込んで来たという印象だった。

一方の国士舘大はそれ以上に元気なし。竹村、山田、磯村、飯田、本間と過去2代に渡って高校柔道界を席捲した全国優勝経験者の1、2年生がほとんど持ち味を発揮出来なかった。特にスクランブルを掛けるべき後衛2枚の慎重さには意外の感を禁じ得ない。飯田は鮮やかな勝ちぶりで国際柔道界の話題をさらった2月のグランドスラム・パリ(優勝)以降本来の輝きを見せた試合はいまだなく、高校時代に相手の背中を捕まえての「クラッシュ」で一本勝ちを量産した本間はそもそも体を密着しての一発勝負を志向する場面すらほとんどなかった。もし柔道を改良中だとしても、そして巧者三村が相手であったことを差し引いても、1点ビハインドの大将戦というもっともその資質が生きる場面で「試合を壊す」得意のモードを繰り出さぬその慎重さは解せない。1、2年生に有望選手を揃えて来期以降の躍進に期待が掛かる国士舘大であるが、その道程に不安漂うあまりに大人しい終戦劇であった。

結果決まった準決勝のカードは、

東海大 ― 筑波大
日本大 ― 明治大

の2試合となった。

【Dブロック1回戦】
国士舘大 5-1 東北学院大
国際武道大 3-2 愛知大
天理大 4-1 岡山商科大
星槎道都大 5-0 拓殖大
明治大 5-1 龍谷大
福岡大 6-1 上武大
帝京科学大 7-0 金沢工業大
専修大 4-0 防衛大

【Dブロック2回戦】
国士舘大 7-0 国際武道大
天理大 7-0 星槎道都大
明治大 3-1 福岡大
帝京科学大 4-2 専修大

【Dブロック3回戦】
国士舘大 1-0 天理大
明治大 6-0 帝京科学大

【Dブロック準々決勝】
明治大 2-1 天理大


文責:古田英毅

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