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グランプリ・フフホト2017最終日5階級レポート

(2017年7月16日)

※ eJudoメルマガ版7月16日掲載記事より転載・編集しています。
最終日男女5階級(90kg級、100kg級、100kg超級、78kg級、78kg超級)レポート
グランプリ・フフホト2017
■ 90kg級 フセン・ハルモルザエフがアレクサンダー・クコルとの決勝を制して優勝を飾る
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90kg級決勝、フセン・ハルモルザエフがアレクサンダー・クコルから右内股「技有」

(エントリー14名)

【入賞者】
1.KHALMURZAEV, Khusen (RUS)
2.KUKOLJ, Aleksandar (SRB)
3.MAGOMEDOV, Magomed (RUS)
3.GANTULGA, Altanbagana (MGL)
5.WANG, Xuewen (CHN)
5.ERDENEKHUU, Munkhjargal (MGL)
7.BU, Hebilige (CHN)
7.KLAMMERT, David (CZE)

第1シードのアレクサンダー・クコル(セルビア)と第2シードのフセン・ハルモルザエフ(ロシア)がともに全試合一本勝ち(反則含む)で決勝に進出、華麗な右内股で「技有」を奪ったハルモルザエフが優勝を飾った。「ハバレリ」のイメージが強いハルモルザエフだが、決勝で見せた右内股は教科書どおりと評して良い正統派、非常に完成度の高い技であった。ヨーロッパ選手権(3位)ではベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)に勝利しグランプリ・デュッセルドルフ大会(2位)のリベンジも果たしており、世界選手権でも十分表彰台が狙えるレベルに達していると見て良いだろう。

また、決勝で敗れたクコルもリオデジャネイロ五輪以降グランドスラム2大会に勝利、さらにヨーロッパ選手権で優勝と安定した成績を残し続けており、今大会でもしっかりと2位を確保。世界選手権表彰台レベルの大物に勝利した経験がないこと、また代名詞となるような技やスタイルを持たないことで評価を一段下げざるを得ないが、大会出場を継続することで順調に地力をつけてきており、第1シードで迎える世界選手権でどこまで勝ち上がれるのかが非常に楽しみだ。

【準々決勝】
アレクサンダー・クコル(セルビア)○崩上四方固(3:11)△ワン・シュウエン(中国)
ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)○大外返(1:47)△ブ・ヘビリゲ(中国)
フセン・ハルモルザエフ(ロシア)○反則[指導3](3:46)△ダヴィド・クラメルト(チェコ)
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)○GS反則[指導3](GS0:38)△エルデネフー・ムンフジャルガル(モンゴル)

【敗者復活戦】
ワン・シュウエン(中国)○小外掛(3:04)△ブ・ヘビリゲ(中国)
エルデネフー・ムンフジャルガル(モンゴル)○浮落(GS0:17)△ダヴィド・クラメルト(チェコ)

【準決勝】
アレクサンダー・クコル(セルビア)○崩上四方固(2:17)△ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)
フセン・ハルモルザエフ(ロシア)○反則[指導3](1:28)△マゴメド・マゴメドフ(ロシア)

【3位決定戦】
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)○崩袈裟固(3:20)△ワン・シュウエン(中国)
ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)○反則[指導3](3:17)△エルデネフー・ムンフジャルガル(モンゴル)

【決勝】
フセン・ハルモルザエフ(ロシア)○優勢[技有・内股]△アレクサンダー・クコル(セルビア)
ハルモルザエフが右、クコルが左組みのケンカ四つ。組み手争いが続き、1分4秒、両手で相手の組み手を切った咎でハルモルザエフに「指導1」が与えられる。2分8秒、クコルが背中を持って前に出るとハルモルザエフが思い切りの良い右内股、懐深くまで飛び込んだ一撃にクコルは一回転して畳に落ちるが、あまりの切れ味に回転しすぎてしまい「技有」に留まる。3分14秒、ハルモルザエフが場外際で展開を切ろうと不用意に右内股巻込を仕掛けると、クコルはこれをめくり返して隅落「技有」獲得。しかし、このポイントは流れが切れた後の技として取り消されてしまう。これ以降大きな動きはなく、3分38秒にはハルモルザエフに故意に場外に出た咎で「指導2」が追加されたのみでそのまま試合が終了。


※日本代表選手の出場はなし

■ 100kg級 羽賀龍之介が復活Vを達成
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100kg級決勝、羽賀龍之介が左内股でキリル・デニソフを攻める

(エントリー15名)

【入賞者】
1.HAGA, Ryunosuke (JPN)
2.DENISOV, Kirill (RUS)
3.ZANKISHIEV, Kazbek (RUS)
3.DVARBY, Joakim (SWE)
5.KUMRIC, Zlatko (CRO)
5.PACEK, Martin (SWE)
7.LOPORCHIO, Giuliano (ITA)
7.WON, Jonghoon (KOR)

リオデジャネイロ五輪以来の国際大会となった羽賀龍之介(旭化成)が復活優勝を飾った。世界ランクもシード圏内の8位(キリル・デニソフ(ロシア)と同ポイント)まで上昇し、結果についてはミッション達成と言えるだろう。

羽賀は1回戦こそ僅か7秒の左内股「一本」と好調な滑り出しであったが、以降の試合では内股を警戒して組み合おうとしない相手に苦戦。組み手にこだわるあまり度々組み手をリセットしてしまい、反対に自分に「指導」が累積してしまう苦しい展開が続いた。羽賀の柔道は良くも悪くも内股を中心に組み立てられたものであり、得意技の左内股は「一本」を取れる武器であると同時に展開を作ることや、存在を匂わせることで他の技に繋げることもできる汎用性の高いものである。しかし、今大会では一発にこだわるあまり「指導2」で追い込まれるまで用途を「投げ」に限定してしまい、自分から戦略の幅を狭めてしまっていたように思われる。デニソフとの決勝では投げにこだわるあまりスコアを悪くして精神的余裕までも失い、審判に対して相手の「指導」をアピールするという世界チャンピオンらしからぬ態度も見受けられた。(審判は決勝ラウンドでは滅多に見ない「新顔」であり、組み合おうとせず試合を先送りするデニソフに「指導」が与えられるのが妥当な場面ではあった)

確かに羽賀の内股は世界屈指の威力を誇る素晴らしい技だが、今大会で追い詰められてから見せたような内股を軸に展開自体も組み立てていく柔道が羽賀本来のスタイルのはずである。ルカシュ・クルパレク(チェコ)が階級を上げたために空位となっている王座を奪還する鍵は内股一発へのこだわりを抑制し、反対に内股を駆使した戦い方をすることではないだろうか。

【準々決勝】
マーティン・パチェック(スウェーデン)○後袈裟固(4:00)△ジュリアーノ・ルポルキオ(イタリア)
羽賀龍之介○優勢[技有・内股]△ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)
カズベク・ザンキシエフ(ロシア)○腕挫十字固(0:45)△ウォン・ジョンフン(韓国)
キリル・デニソフ(ロシア)○出足払(2:24)△ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)

【敗者復活戦】
ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)○GS小外刈(GS0:09)△ジュリアーノ・ルポルキオ(イタリア)
ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)○横四方固(1:52)△ウォン・ジョンフン(韓国)

【準決勝】
羽賀龍之介○腕挫十字固(2:26)△マーティン・パチェック(スウェーデン)
キリル・デニソフ(ロシア)○谷落(1:11)△カズベク・ザンキシエフ(ロシア)

【3位決定戦】
カズベク・ザンキシエフ(ロシア)○反則[指導3](2:31)△ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)
ヨアキム・ドファービー(スウェーデン)○反則[指導3](3:31)△マーティン・パチェック(スウェーデン)

【決勝】
羽賀龍之介○GS反則[指導3](GS3:01)△キリル・デニソフ(ロシア)
左相四つ。デニソフが足技や奥襟で優位を演出し、1分6秒、羽賀に消極的の咎で「指導1」。組み合って技を仕掛けたい羽賀だが一発にこだわるあまり自ら組み手を離してしまう展開が続き、2分には両者に「指導」が与えられる。ここまでは完全にデニソフのペースであったが、「指導2」で後のなくなった羽賀が不十分な形ながら技を出すようになると形勢徐々に羽賀の側に傾き始める。その結果、本戦では勝負がつかずに「指導1」対「指導2」のデニソフリードで試合はGS延長戦へと突入。延長戦に入ると羽賀が左内股でデニソフを崩す場面が増え、左内股でデニソフを場外へと追い出したGS1分14秒にはデニソフにも「指導2」が与えられる。これ以降、デニソフのスタミナが切れてきたこともあり羽賀優位で組み合う時間が増え、GS3分1秒、巴投で引き込んだデニソフに偽装攻撃の咎で「指導3」が宣告され決着。羽賀が復帰戦優勝決めた。

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100kg級1回戦、羽賀龍之介がフ・ゲルヘンを左内股「一本」、僅か7秒の早業だった。

【日本代表選手勝ち上がり】

羽賀龍之介(旭化成)
成績:優勝


[1回戦]
羽賀龍之介○内股(0:07)△フ・ゲルヘン(中国)

[準々決勝]
羽賀龍之介○優勢[技有・内股]△ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)

[準決勝]
羽賀龍之介○腕挫十字固(2:26)△マーティン・パチェック(スウェーデン)

[決勝]
羽賀龍之介○GS反則[指導3](GS3:01)△キリル・デニソフ(ロシア)

■ 100kg超級 ルカシュ・クルパレクが100kg超級2度目となるワールドツアータイトルを獲得
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100kg超級決勝、ルカシュ・クルパレクがウルジバヤル・デューレンバヤルから隅返「技有」

(エントリー13名)

【入賞者】
1.KRPALEK, Lukas (CZE)
2.ULZIIBAYAR, Duurenbayar (MGL)
3.KIM, Sungmin (KOR)
3.VOLKOV, Andrey (RUS)
5.BONDARENKO, Stanislav (UKR)
5.LI, Bo (CHN)
7.KRIVOBOKOV, Anton (RUS)
7.KHAMMO, Iakiv (UKR)

ルカシュ・クルパレク(チェコ)が優勝、100kg超級に階級変更をして2度目となるワールドツアータイトルを獲得した。クルパレクは階級変更初の出場となったグランプリ・デュッセルドルフ大会こそ5位であったが、それ以降はグランプリ・アンタルヤ大会優勝、ヨーロッパ選手権3位(準々決勝で優勝したグラム・ツシシヴィリに敗退)と安定して成績を残し続けている。

さらに、クルパレクは今大会の準決勝と決勝で逆技の右背負投も見せており、100kg超級で戦っていくための新しい戦い方も模索している模様。今大会のクルパレクの戦いぶりからは常に余裕が感じられ、リードを許すまでは一段底を残したまま戦っていたという印象がある。今年の世界選手権でも十分表彰台を狙える実力があり、台風の目となることは間違いなさそうだ。


【準々決勝】
アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)○横四方固(2:08)△アントン・クリヴォボコフ(ロシア)
ルカシュ・クルパレク(チェコ)○優勢[技有・隅返]△キム・スンミン(韓国)
スタニスラフ・ボンダレンコ(ウクライナ)○小外掛(1:18)△リ・ボー(中国)
ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)○不戦△イアキフ・ハモー(ウクライナ)

【敗者復活戦】
キム・スンミン(韓国)○裏投(2:26)△アントン・クリヴォボコフ(ロシア)
リ・ボー(中国)○不戦勝△イアキフ・ハモー(ウクライナ)

【準決勝】
ルカシュ・クルパレク(チェコ)○横四方固(3:20)△アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)
ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)○反則[指導3](3:29)△スタニスラフ・ボンダレンコ(ウクライナ)

【3位決定戦】
キム・スンミン(韓国)○反則(0:58)△スタニスラフ・ボンダレンコ(ウクライナ)
※腕挫脇固の形で体を捨てたことによる反則
アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)○肩固(2:47)△リ・ボー(中国)

【決勝】
ルカシュ・クルパレク(チェコ)○横四方固(3:51)△ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)

クルパレクが左、ウルジバヤルが右組みのケンカ四つ。ウルジバヤルが相手の上腕を掴むモンゴル組み手で激しく密着、釣り手のみの体落で相手を伏せさせた43秒、クルパレクに消極的の咎で「指導1」が与えられる。ここからはクルパレクが奥襟を持って間合いを詰め、ウルジバヤルがそれをいなして距離を取るという形で試合が進行。2分40秒に技の出ないウルジバヤルに「指導1」が与えられ、直後の2分45秒には相手の組み手を嫌って畳に伏せたウルジバヤルに偽装攻撃の咎で「指導2」が追加される。この時点で試合は完全にクルパレクのペースであったが、3分10秒、脇を差し合っての攻防からクルパレクの左小外掛の戻り際にウルジバヤルが右小外掛を合わせて「技有」を奪取。終盤に大きなリードを得ることに成功する。残り時間的にもこのままウルジバヤル勝利かと思われたが、ここからクルパレクは一つペースを上げて追い上げを図り、3分45秒に得意の隅返でウルジバヤルを大きく転がし「技有」を奪還。そのまま横四方固で抑え込み逆転の「一本」を獲得する。クルパレクが金メダリストの底力を見せつけて100kg超級2つ目となるタイトルを獲得した。

※日本代表選手の出場はなし

■ 78kg級 階級変更のベルナデッテ・グラフが優勝、佐藤瑠香はグラフに敗れて3位
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78kg級決勝、ベルナデッテ・グラフがカレン・スティーフェンソンから移腰「一本」

(エントリー13名)

【入賞者】
1.GRAF, Bernadette (AUT)
2.STEVENSON, Karen (NED)
3.LEE, Jeongyun (KOR)
3.SATO, Ruika (JPN)
5.PARK, Yujin (KOR)
5.BABINTCEVA, Aleksandra (RUS)
7.ZHANG, Kaili (CHN)
7.TURCHYN, Anastasiya (UKR)

リオデジャネイロ五輪後に階級を78kg級へと上げたベルナデッテ・グラフ(オーストリア)がヨーロッパオープン・ブカレスト大会に続く優勝を果たした。グラフは準決勝の佐藤瑠香(コマツ)戦では背中を抱いて近距離での力勝負を挑む強気の柔道を展開、決勝のカレン・スティーフェンソン(オランダ)戦でもこの程度の選手を相手に技術はいらぬとばかりに豪快な移腰「一本」(1:14)で勝利しており、78kg級でも十分以上に戦えている印象だ。グラフは前述のヨーロッパオープン・ブカレスト大会決勝でオドレイ・チュメオ(フランス)にも勝利しており、今年の世界選手権でも表彰台候補の一人として考えておいた方が良いだろう。

日本代表の佐藤は前述のとおり準決勝でグラフに横掛「技有」(GS2:16)で敗退。3位決定戦ではアレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)に「指導3」(3:47)で勝利して3位を確保したが、一貫して煮え切らない戦いぶりだった。膝の手術からの復帰直後ということもあり本調子でなかったことはあるだろうが、全3試合のなかで深くまで入った技はほとんど見られず、グランドスラム・パリ大会で課題となった攻めの遅さは全く解消されていないという印象。佐藤の実力自体は十分世界選手権の表彰台に届くレベルにあると思われるが、今大会の戦いぶりから代表としての覚悟を感じることは少々難しかった。8月の世界選手権では、自身に与えられた出場枠が63kg級の「代表なし」と引き換えに与えられたものであることを意識した、気持ちのこもった試合も見せてもらいたい。今大会の敗戦を糧に佐藤が一層奮起することに期待したい。

【準々決勝】
佐藤瑠香○縦四方固(2:26)△ジャン・カイリ(中国)
ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)○GS技有・谷落(GS0:25)△パク・ユジン(韓国)
カレン・スティーフェンソン(オランダ)○優勢[技有・隅返]△アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)
イ・ジョンギュン(韓国)○反則[指導3](3:51)△アナスタシア・タルチン(ウクライナ)

【敗者復活戦】
パク・ユジン(韓国)○GS反則[指導3](GS2:23)△ジャン・カイリ(中国)
アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)○反則[指導3](2:08)△アナスタシア・タルチン(ウクライナ)

【準決勝】
カレン・スティーフェンソン(オランダ)○反則[指導3](2:41)△イ・ジョンギュン(韓国)
ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)○GS技有・横掛(GS2:16)△佐藤瑠香

【3位決定戦】
イ・ジョンギュン(韓国)○反則[指導3](3:50)△パク・ユジン(韓国)
佐藤瑠香○反則[指導3](3:47)△アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)

【決勝】
ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)○移腰(1:14)△カレン・スティーフェンソン(オランダ)
グラフが左、スティーフェンソンが右組みのケンカ四つ。1分過ぎ、グラフが釣り手を巻き替えて強引に間合いを詰めると、これを嫌ったスティーフェンソンは後退しながら釣り手を巻き替え返して対抗。これに対してグラフは相手の腰を抱いて抱え上げ、腰を入れ替え豪快な左移腰「一本」。グラフが力強い柔道で78kg級のワールドツアー初優勝を決めた。

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78kg級3位決定戦、佐藤瑠香が右足車でアレクサンドラ・バビンツェワを攻める

【日本代表選手勝ち上がり】

佐藤瑠香(コマツ)
成績:3位


[準々決勝]
佐藤瑠香○縦四方固(2:26)△ジャン・カイリ(中国)

[準決勝]
佐藤瑠香△GS技有・横掛(GS2:16)○ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)

[3位決定戦]
佐藤瑠香○反則[指導3](3:47)△アレクサンドラ・バビンツェワ(ロシア)
佐藤が右、バビンツェワが左組みのケンカ四つ。佐藤は下から釣り手を突いて足を飛ばしながら前進、1分10秒にバビンツェワのみに片手の咎で「指導1」が与えられる。ここから試合は双方浅い技を散発するのみの膠着状態に突入、3分5秒には両者に「指導」が与えられ、バビンツェワはこの段階で「指導2」。これ以降も試合の様相は変わらず、3分47秒、技の出ないバビンツェワに消極的の咎で3つ目の「指導」が与えられ、佐藤の勝利が決まった。

■ 78kg超級 ハン・ミジンがワールドツアー初優勝、山本沙羅は準決勝で敗れて3位
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78kg超級決勝、ハン・ミジンがエリザヴェータ・カラニナから左内股「技有」

(エントリー9名)

【入賞者】
1.HAN, Mi Jin (KOR)
2.KALANINA, Yelyzaveta (UKR)
3.BATTULGA, Munkhtuya (MGL)
3.YAMAMOTO, Sara (JPN)
5.SHEKEROVA, Mariia (RUS)
5.ERDENEBILEG, Gandiimaa (MGL)
7.LI, Nan (CHN)
7.SUTALO, Ivana (CRO)

当初参加予定であったユー・ソンとマー・スースの中国2トップが揃って出場取り消し。

一気に役者が減って見どころ少なきトーナメントとなったが、その中をワールドツアー初出場のハン・ミジン(韓国)が勝ち抜き、驚きの初優勝を飾った。ハンは2015年の世界ジュニア選手権で3位になっている韓国期待の若手選手。国内の層の厚さもありワールドツアーデビューまでは時間がかかったが、今大会でしっかりと結果を出してアピールに成功した形だ。ハンが決勝でエリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)を投げた左内股は女子超級にあっては珍しい切れ味鋭い技であり、パワーが付いてくれば階級上位に成長する可能性もある。次回以降の国際大会出場に注目したい。

日本代表の山本沙羅(ミキハウス)は準決勝でカラニナに右大外巻込「技有」からの後袈裟固「一本」で敗れたが、3位決定戦ではエルデネビレグ・ガンディーマー(モンゴル)に左内股「技有」からの崩袈裟固(0:41)で勝利して3位をを確保した。カラニナは2メートルの長身ながら体格に見合ったパワーは持っておらず、上位を目指すのならば負けてはいけない相手。体型的に相性の悪い相手であったことは間違いないが、山本としては苦いワールドツアーデビュー戦となってしまった。

【準々決勝】
エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)○縦四方固(1:47)△マリーア・シェケロワ(ロシア)
山本沙羅○崩袈裟固(2:55)△リ・ナン(中国)
ハン・ミジン(韓国)○袈裟固(2:59)△イヴァナ・スタロ(クロアチア)
バトトルガ・ムンフツヤ(モンゴル)○反則[指導3](3:07)△エルデネビレグ・ガンディーマー(モンゴル)

【敗者復活戦】
マリーア・シェケロワ(ロシア)○足車(1:48)△リ・ナン(中国)
エルデネビレグ・ガンディーマー(モンゴル)○GS反則[指導3](GS1:07)△イヴァナ・スタロ(クロアチア)

【準決勝】
エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)○後袈裟固(1:44)△山本沙羅
ハン・ミジン(韓国)○反則[指導3](3:32)△バトトルガ・ムンフツヤ(モンゴル)

【3位決定戦】
バトトルガ・ムンフツヤ(モンゴル)○反則[指導3](3:50)△マリーア・シェケロワ(ロシア)
山本沙羅○崩袈裟固(0:41)△エルデネビレグ・ガンディーマー(モンゴル)

【決勝】
ハン・ミジン(韓国)○GS技有・内股(GS0:45)△エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)
ハンが左、カラニナが右組みのケンカ四つ。カラニナが右小外掛でハンを畳に這わせた1分1秒、ハンに消極的の咎で「指導1」が与えられる。これ以降、ハンが左内股、カラニナが右払腰とお互いに近い間合いでの積極的な攻防が繰り広げられるが、どちらも決定打は出ず。3分間際、カラニナが右小外掛で体を預けるようにしてもたれかかるとハンは体側から落下。カラニナに「技有」が与えられる。さらにカラニナは引き込んで抑え込みを狙うが、ここはハンが凌いで「待て」。ついにポイントをリードしたカラニナだが、確認の結果「技有」は取り消しされ、試合はカラニナの「指導1」リードでGS延長戦へと突入する。GS45秒、ハンが左内股で相手の懐深くまで飛び込むとスタミナの切れたカラニナはゴロリと畳に転がり「技有」。ハンがワールドツアー初出場にして初優勝を決めた。

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78kg超級決勝、山本沙羅がエルデネビレグ・ガンディーマーに崩袈裟固「一本」

【日本代表選手勝ち上がり】

山本沙羅(ミキハウス)
成績:3位


[準々決勝]
山本沙羅○崩袈裟固(2:55)△リ・ナン(中国)

[準決勝]
山本沙羅△後袈裟固(1:44)○エリザヴェータ・カラニナ(ウクライナ)

[3位決定戦]
山本沙羅○崩袈裟固(0:41)△エルデネビレグ・ガンディーマー(モンゴル)
山本が左、エルデネビレグが右組みのケンカ四つ。山本は二本持つなり左内股で押し込み「技有」、そのまま崩袈裟固で抑え込み早々に「一本」を獲得する。山本が格の違いを見せつけて3位を確保した。


文責:林さとる/eJudo編集部

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