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山梨学院大が4年連続8度目の優勝、決勝は出口クリスタの挙げた1点を守りきる・平成29年度全日本学生柔道優勝大会女子5人制レポート

(2017年7月11日)

※ eJudoメルマガ版7月11日掲載記事より転載・編集しています。
山梨学院大が4年連続8度目の優勝、決勝は出口クリスタの挙げた1点を守りきる
平成29年度全日本学生柔道優勝大会女子5人制レポート
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4連覇を狙う昨年の優勝校・山梨学院大

全日本学生柔道優勝大会(66回、女子26回)は6月24日に日本武道館で開幕。
初日に行われた女子五人戦の優勝候補筆頭は、新添左季に出口クリスタと適正階級に豪華な戦力を揃えた山梨学院大。これを持ち前の育成力の高さをテコに挑みかかる環太平洋大、さらに能智亜衣美に津金恵と「階級落ち」ながらトップ選手を揃えた筑波大が後を追うという構図。

淑徳大、帝京大らも含めた上位を狙う強豪校はほぼ綺麗に山が分かれた。まずはトーナメントを4つに割って、各ブロックの勝ち上がりを簡単に追いかけてみたい。

※先鋒と次鋒57kg以下、中堅と副将70kg以下、大将無差別、試合ごとのオーダー順変更可)


取材・文:林さとる/eJudo編集部

■ 1回戦~準々決勝
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2回戦、山梨学院大の大将・泉真生が中京大の野村沙也から小外掛「一本」

【Aブロック】

昨年の覇者で第1シードに座る山梨学院大と、ノーシード配置からスタートした強豪校東海大が順当に準々決勝へと進出。

山梨学院大、初戦の徳山大戦は主力を温存したこともありマークしたスコアは2対0。本来の力からすればやや低調な滑り出しであったものの、3回戦は中京大を3-1で下し危なげなく準々決勝まで勝ち上がった。

一方の東海大はエースの朝比奈沙羅が世界選手権を間近に控えたためか出場を回避。しかし、大駒不在の状態ながらも総合力の高さでしっかりと勝ち上がりベスト8進出を果たした。

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準々決勝、山梨学院大の先鋒月野珠里が東海大の松村樹希から右内股「一本」。

[Aブロック準々決勝]
山梨学院大 3-0 東海大
(先)月野珠里○内股(3:25)△松村樹希
(次)出口クリスタ○袈裟固(2:10)△竹内鈴
(中)新添左季×引分×多田隈玲菜
(副)佐藤史織○反則[指導3](3:00)△甲斐春梨
(大)岡田実咲×引分×佐藤杏香

迎えた準々決勝は57kg級枠の前衛に月野珠里、出口クリスタと強力2枚を擁する山梨学院大がまず2点を先制。早々に勝負を決するべく中堅に配置された新添左季が煮え切らない戦いぶりで引き分けてしまったものの、副将の佐藤史織が甲斐春梨から「指導」3つを奪って手堅く勝利。大将戦を待たずしてベスト4進出を決めた。

[Aブロック1回戦]
山梨学院大 2-0 徳山大
中京大 2-1富士大
平成国際大 2-0 大阪体育大
東海大 3-0 九州共立大

[Aブロック2回戦]
山梨学院大 3-1 中京大
東海大 3-0 平成国際大

[Aブロック準々決勝]
山梨学院大 3-0 東海大

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2回戦、帝京大の次鋒・渡邉貴子が桐蔭横浜大の馬場彩子から浮技「技有」

【Bブロック】

東京地区王者の帝京大と関西地区王者の龍谷大が準々決勝で激突。帝京大は武庫川女子大との初戦を全員が「一本」(反則含む)を奪う5-0の圧勝で勝ち上がり、2回戦の桐蔭横浜大戦も2-0で勝利。ポイントゲッター佐俣優依の調子が上がり切らないという不安要素を抱えながらも、順当にベスト8へと駒を進めた。

一方の龍谷大は初戦で強豪帝京科学大と対戦、1回戦最大の注目カードとなったこの試合は先鋒の中内柚里が西尾直子と引き分けて相手の出端を挫くと、黒木七都美と米澤夏帆の大駒2枚で過たず得点を挙げて2対0で勝利した。福岡大との2回戦でも先鋒の黒木が相手のポイントゲッター立川莉奈を引き分けで止め、続く中内柚里と米澤が得点するという盤石の内容で勝利。みごと準々決勝の畳へと辿り着いた。

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準々決勝、龍谷大の副将米澤夏帆が帝京大の佐俣優依から試合終了間際に浮技「技有」。

[Bブロック準々決勝]
龍谷大 2-1 帝京大
(先)黒木七都美×引分×森由芽香
(次)中内柚里×引分×渡邉貴子
(中)冨田彩加○優勢[技有・内股透]△萩野美咲
(副)米澤夏帆○優勢[技有・浮技]△佐俣優依
(大)児島有紀△払腰(3:13)○月波光貴穂

龍谷大は黒木七都美が森由芽香を突破出来ず、帝京大も渡邉貴子が中内柚里を抜けずそれぞれポイントゲッター格を引き分けで消費。前衛でスコア差がつかなかったこの時点では後衛に佐俣と月波光貴穂の強力2枚を擁する帝京大が優位と思われたが、龍谷大は中堅冨田彩加が萩野美咲から内股透「技有」で勝利する殊勲。帝京大のポイントゲッター2枚の登場前にリードを作り出すと、さらに副将戦では米澤が試合終了間際に佐俣から殊勲の浮技「技有」を獲得してこの時点でチームの勝利を確定。大将戦は月波が豪快な払腰「一本」(3:13)で一矢を報いたものの時既に遅し。最終スコア2-1で龍谷大が準決勝進出を果たすこととなった。

[Bブロック1回戦]
帝京大 5-0武庫川女子大
桐蔭横浜大 ②代-2 松山東雲女子大
龍谷大 2-0 帝京科学大
福岡大 3-0 高岡法科大

[Bブロック2回戦]
帝京大 2-0 桐蔭横浜大
龍谷大 2-0 福岡大

[Bブロック準々決勝]
龍谷大 2-1 帝京大

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2回戦、環太平洋大の大将・鈴木伊織が立命館大の杉田綾音から袖釣込腰「技有」

【Cブロック】

昨年準優勝で第2シード配置の環太平洋大と、東北地区を制した仙台大が準々決勝に進出。

環太平洋大は星槎道都大との初戦を5対0、立命館大との2回戦を4対0と失点ゼロの圧勝でベスト8まで勝ち上がり、一方の仙台大も初戦で岡山商科大に4対0、2回戦で国際武道大に2対0とこちらも無失点の好内容で準々決勝進出を決めて来た。

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準々決勝、環太平洋大の中堅青柳麗美が仙台大の市川香代子から右「一本大外」で「一本」を奪う。

[Cブロック準々決勝]
環太平洋大 4-0 仙台大
(先)山内美輝×引分×飯塚亜美
(次)廣木あすか○横四方固(3:48)△鈴木伽奈
(中)青柳麗美○大外刈(2:08)△市川香代子
(副)土井雅子○横四方固(1:16)△下沢由季
(大)井上あかり○肩固(0:42)廣谷姫奈

先鋒戦は引き分け。優勝候補環太平洋大に仙台大が食らいつく難戦の雰囲気が生まれかけたが、ここから環太平洋大が爆発。次鋒から大将まで4人連続で「一本」を奪い、残ったスコアは4対0。環太平洋大が好チーム仙台大に格の違いを見せつける圧勝で、しっかり準決勝進出を果たした。

[Cブロック1回戦]
環太平洋大 5-0 星槎道都大
立命館大 ②代-2 日本大
国際武道大 2-0 日本体育大
仙台大 4-0 岡山商科大

[Cブロック2回戦]
環太平洋大 4-0 立命館大
仙台大 2-0 国際武道大

[Cブロック準々決勝]
環太平洋大 4-0 仙台大

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2回戦、筑波大の副将・中江美裕が広島大の藤本凛から大外刈「一本」

【Dブロック】

昨年3位の淑徳大と、多数の強化選手を擁する筑波大の強豪2校が順当にベスト8へと進出。淑徳大は1回戦で鹿屋体育大を3-0で下すと、2回戦では金沢学院大を相手に先鋒高沢眞冴の上げた1勝を守りきって1-0で勝利。

一方の筑波大は1回戦で東京地区2位の国士舘大に4-0で勝利し、2回戦でも広島大を5-0で破って浴び投げなく準々決勝進出を果たした。

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準々決勝、筑波大の副将中江美裕が淑徳大の栗原千尋から後袈裟固「一本」を奪い試合を決める。

[Dブロック準々決勝]
筑波大 3-1 淑徳大
(先)柴田理帆○優勢[技有・小外刈]△岡本光理
(次)内尾真子△小外刈(0:36)○高沢眞冴
(中)能智亜衣美○反則[指導3](3:52)△山田あかり
(副)中江美裕○後袈裟固(1:16)△栗原千尋
(大)粂田晴乃×引分×井上舞子

準々決勝ではまず筑波大の先鋒、ここまでの2試合で素晴らしいパフォーマンスを見せている柴田理帆が岡本光理から小外刈「技有」を奪って快勝。次鋒戦は淑徳大・高沢眞冴が内尾真子を小外刈「一本」(0:36)で破って殊勲の1点を挙げたが、それでも流れは変わらず以降の試合のペースは完全に筑波大。中堅の能智亜衣美が1階級上の山田あかりに何もさせないまま「指導3」を奪って勝利すると、副将中江美裕が後袈裟固「一本」(1:16)で栗原千尋を破ってこの時点で試合を決めた。大将戦は粂田晴乃が淑徳大の抜き役井上舞子を手堅く止め、最終スコアは3-1だった。

[Dブロック1回戦]
淑徳大 3-0 鹿屋体育大
金沢学院大 4-0 東京学芸大
筑波大 4-0 国士舘大
広島大 ②代-2 近畿大

[Dブロック2回戦]
淑徳大 1-0 金沢学院大
筑波大 5-0広島大

[Dブロック準々決勝]
筑波大 3-1 淑徳大

■ 準決勝~決勝
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準決勝、山梨学院大の次鋒出口クリスタが龍谷大の出村花恋から左小外刈「一本」。

【準決勝】

山梨学院大 4-1 龍谷大
(先)月野珠里○優勢[技有・大内刈]△黒木七都美
(次)出口クリスタ○小外刈(1:44)△出村花恋
(中)佐藤史織○優勢[技有・大内刈]△冨田彩加
(副)新添左季△優勢[技有・内股返]○米澤夏帆
(大)泉真生○上四方固(1:48)△小林幸奈

主力を全員投入した山梨学院大が、前戦で帝京大を破るアップセットを演じて勝ち上がってきた龍谷大を4対0で圧倒。後衛に新添左季と泉真生の強力2枚を揃える山梨学院大に対して龍谷大は前3枚で最低でも2勝を上げる必要があったが、先鋒戦は山梨学院大の月野珠里が龍谷大の得点源である黒木七都美に大内刈「技有」で勝利。続く出口クリスタも小外刈「一本」(1:44)で出村花恋を一蹴し、中堅の佐藤史織が大内刈「技有」で冨田彩加に勝利してこの時点でスコアは3-0。早々に山梨学院大の勝利が確定した。副将戦では龍谷大の米澤夏帆が不調の新添左季を内股返「技有」で破って一矢報いたものの、最後は泉真生が小林幸奈に上四方固「一本」(1:48)で勝利。4-1の圧勝で山梨学院大が決勝進出を果たした。

龍谷大は精力的なスカウトと育成が今年度ついに結実、全日本学生優勝大会ベスト4という大きな戦果を得ることとなった。
山梨学院大は絶好調の出口クリスタを筆頭に戦力差を見せつけたが、本来エースの役割を担うべき新添の不調はこの試合に極まれり。持ち前の思い切りの良さが鳴りを潜め、一階級下の米澤に敗戦。煮え切らない柔道で決勝に不安を残す内容だった。

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準決勝、筑波大の副将津金恵が環太平洋大の田中志歩から内股透「一本」。

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環太平洋大の大将鈴木伊織が筑波大・粂田晴乃の腕を掬って横四方固を狙うが、ここは粂田が凌ぎ切って「待て」。

筑波大 1-0 環太平洋大
(先)柴田理帆×引分×北出みく
(次)内尾真子×引分×廣木あすか
(中)能智亜衣美×引分×青柳麗美
(副)津金恵○内股透(2:39)△田中志歩
(大)粂田晴乃×引分×鈴木伊織

ここまでともに素晴らしい内容で勝ち上がってきた環太平洋大と筑波大による大一番。この試合は双方一歩も譲らぬまま先鋒から中堅までが引き分け。残った手札を見る限りでは、体幹の強さ抜群でかつ相手より一階級上の田中志歩と、大型選手狩りを得意としなおかつ筑波大・粂田晴乃の高校の先輩である鈴木伊織を擁する環太平洋大がやや有利かと思われたが、副将戦で筑波大の津金恵が田中志歩から華麗な内股透「一本」(2:39)を奪って様相一変。後のなくなった環太平洋大は鈴木伊織が袖釣込腰に大内刈と粂田晴乃を激しく攻め立てるが、重心の低い大型選手である粂田からポイントを獲得することができないまま時間だけが刻々経過。終盤に鈴木が袖釣込腰から押し込んで腕を掬い、抑え込みに入りかける場面もあったが、ここは粂田が凌ぎ切って「待て」。そのまま試合が終了し、接戦を制した筑波大が決勝へと駒を進めることとなった。持ち前の投げの切れ味をここぞという場面で見事に発揮した、津金のセンスの高さが光る一番であった。

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決勝、山梨学院大の先鋒出口クリスタが筑波大の柴田理帆から崩袈裟固「一本」。

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筑波大の副将津金恵が山梨学院大・新添左季の腕を取って攻めるが、無念のタイムアップ。

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筑波大の大将粂田晴乃が山梨学院大の泉真生を左袖釣込腰で攻める。

【決勝】

山梨学院大 1-0 筑波大
(先)出口クリスタ○崩袈裟固(3:43)△柴田理帆
(次)月野珠里×引分×内尾真子
(中)佐藤史織×引分×能智亜衣美
(副)新添左季×引分×津金恵
(大)泉真生×引分×粂田晴乃

山梨学院大はこれまで次鋒で起用してきた出口クリスタを先鋒に投入。出口はこの日こちらも絶好調の柴田理帆を相手に右背負投「技有」、右小外刈「技有」と奪った上で崩袈裟固「一本」を獲得する完璧な内容でベンチの期待に応える。

追い上げを図りたい筑波大だが、次鋒の内尾真子は月野珠里と辛うじて引き分け、中堅の能智亜衣美も守りを固める佐藤史織を攻めきれず引き分けに終わってしまう。筑波大の副将津金恵は1階級上の新添左季に対して敢えて腰を抱いて際を作ることで積極的に勝負に出るが、新添の地力を乗り越えるには至らずこの試合もポイントないまま引き分け。勝負は泉真生と粂田晴乃による大将戦へと委ねられることとなる。

「一本」を奪うしかない粂田は体格差を生かして前に出ながら度々両袖の袖釣込腰を放つが、地力に優る泉をとらえることができないまま試合が進行。結局この試合も引き分けに終わり、1対0で山梨学院大の4年連続8回目となる優勝が決まった。


優勝した山梨学院大はポイントゲッターの新添が機能しないアクシデントに見舞われながらも、各選手がしっかりとそれぞれのミッションを遂行。大将に泉真生が控えることで相手にプレッシャーと焦りを与えながら、先鋒出口の上げた1勝を守りきった。

次鋒に月野珠里、中堅に佐藤史織としぶとい選手を並べた山梨学院大にとって出口の挙げた先制点はまさしく福音。筑波大は内尾真子と能智亜衣美の攻撃型2枚でこれを崩さねばならなかったが、リードを背に試合を割り切るこの2名を抜くのはまさしく至難の業。副将と大将はもともと山梨学院大の得点奪取ポジションであり、防衛ポジションである次鋒枠と中堅枠の中盤戦をリードを背にして戦えたことが山梨学院大を大きく利した。盤面の選手構成を考えれば、出口の挙げた1点でまさしくすべてが決まってしまった決勝と総括出来る。


入賞者と山梨学院大・山部伸敏監督のコメントは下記。

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優勝の山梨学院大

【入賞者】
(エントリー32校)

優 勝:山梨学院大
準優勝:筑波大
第三位:龍谷大、環太平洋大

優秀選手:出口クリスタ(山梨学院大)、津金恵(筑波大)、米澤夏帆(龍谷大)、廣木あすか(環太平洋大)

山梨学院大・山部伸敏監督のコメント
「4連覇、V8。学生が頑張った結果です。自分たちで目標を立ててプレッシャーに負けずにやってくれました。研究もされていますし同じことをやっていては勝てません。全員がワンランク進化しないといけないと言って練習してきました。決勝における出口の先鋒は初めから決めていたことです。ポイントゲッターとしてよくやってくれたと思います。佐藤と同じ階級の能智選手との対戦が山場でしたが、しっかりと引き分けてくれました。この大会はあくまで前半の目標です。次の目標は体重別団体も優勝しての2冠です。」

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