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グランドスラムエカテリンブルグ2017・最終日男子4階級レポート

(2017年5月27日)

※ eJudoメルマガ版5月27日掲載記事より転載・編集しています。
最終日男4階級(81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)レポート
■ 81kg級・五輪王者ハルモルザエフが快勝、地元で復帰戦飾る
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決勝、ハサン・ハルモルザエフがアッティラ・ウングバリを左内股「一本」に仕留める

(エントリー28名)

【入賞者】
1.KHALMURZAEV, Khasan(RUS)
2.UNGVARI, Attila(HUN)
3.BRIAND, Etienne(CAN)
3.REKHVIASHVILI, Zebeda(GEO)
5.DE WIT, Frank(NED)
5.KHABACHIROV, Murat(RUS)
7.CHAPARYAN, Andranik(ARM)
7.PENALBER, Victor(BRA)

リオデジャネイロ五輪王者のハサン・ハルモルザエフ(ロシア)がワールドツアー復帰戦に選んだのは地元ロシアで行われるグランドスラム大会。長期欠場(4月のヨーロッパカップ・サラエボにのみ参加、優勝)のため第4シードからのスタートだったが、初戦に組まれた日本代表・渡邉勇人(了徳寺学園職)との大消耗戦をGS延長戦の支釣込足「技有」(GS5:42)で勝ち抜いて波に乗ると、続く準々決勝はエティエンヌ・ブリオン(カナダ)から3つの「指導」を奪って快勝(3:32)、準決勝は不在期間中にツアーの主役級までのしあがったフランク・デヴィト(オランダ)をGS延長戦の内股「技有」(GS0:12)で破って決勝に進む。

決勝は組み合わせにも恵まれしぶとく勝ちあがって来たアッティラ・ウングバリ(ハンガリー)を問題にせず、あっという間の内股「一本」で勝利。素晴らしい勝ちぶりで地元の期待に応えて見せた。

3位には最終戦でデヴィトに内股「一本」で快勝したゼバダ・レクシアシビリ(ジョージア)と、エティエンヌ・ブリオン(カナダ)が入賞。第2シードのヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)は準々決勝でムラト・ハバチロフ(ロシア)にGS延長戦の内股「一本」で敗れ、続く敗者復活戦は棄権。最終成績は7位だった。

日本代表の渡邉は前述の通り2回戦で敗退。横一線で大会をスタートすれば十分表彰台の力はあるかと思われたが、12月のグランドスラム東京に続きまたもや優勝候補の直下に配置される不運。チャンスがあるうちに「下剋上」を果たして状況を変えてしまいたいところだ。

準々決勝以降の結果、および決勝と日本代表選手全試合の戦評は下記。

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81kg級入賞者。左からウングバリ、ハルモルザエフ、ブリオン、レフヴィアシヴィリ。

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3位決定戦、レフヴィアシヴィリがデヴィトを「やぐら投げ」からの内股「一本」で叩き落す

【準々決勝】
フランク・デヴィト(オランダ)○GS技有・小内巻込(GS0:13)△アンドラニク・チャパリアン(アルメニア)
ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)○反則[指導3](3:32)△エティエンヌ・ブリオン(カナダ)
ムラト・ハバチロフ(ロシア)○GS内股(GS1:24)△ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)
アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)○GS技有・浮落(GS1:18)△ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)

【準決勝】
ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)○GS技有・内股(GS0:12)△フランク・デヴィト(オランダ)
アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)○GS技有・隅落(GS1:08)△ムラト・ハバチロフ(ロシア)

【敗者復活戦】
エティエンヌ・ブリオン(カナダ)○優勢[技有・背負投]△アンドラニク・チャパリアン(アルメニア)
ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)○不戦△ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)

【3位決定戦】
エティエンヌ・ブリオン(カナダ)○優勢[技有・]△ムラト・ハバチロフ(ロシア)
ゼベダ・レフヴィアシヴィリ(ジョージア)○内股(3:38)△フランク・デヴィト(オランダ)

【決勝】
ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)○内股(0:59)△アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)
ハルモルザエフが左、ウングヴァリが右組みのケンカ四つ。組み手争いを経ての1分間際、ウングヴァリの奥襟に対してハルモルザエフは釣り手を外から相手の上腕部に持ち替え、引き手を一方的に得てケンカ四つながら相四つ横変形に近い形を完成させる。そして、この形を嫌ったウングヴァリが腰を引いたところに得意の左内股。引き手を利かせて自信満々にケンケンで追い込み「一本」。ハルモルザエフが地元でのツアー復帰戦をみごとに優勝で飾った。

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2回戦、渡邉勇人がハルモルゼエフの内股を捌く

【日本代表選手全試合戦評】

渡邉勇人(了徳寺学園職)
成績:2回戦敗退

[1回戦]
渡邉勇人○横四方固(0:55)△バトムンフ・アルタンスフ(モンゴル)
渡邉が左、バトムンフが右組みのケンカ四つ。渡邉釣り手を上から持って引き手を得ると圧を掛けながら追い詰め、相手の右内股を呼び込んで谷落「技有」。そのまま横四方固で抑え込んで「一本」を獲得する。渡邉は一方的な試合運びで格下を圧倒、しっかりハルモルザエフの待つ2回戦へと駒を進めた。

[2回戦]
渡邉勇人△GS技有・支釣込足(GS5:42)△ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)
リオ五輪金メダリストのハルモルゼエフ、この試合にキャリアの行く末を掛ける渡邉ともに左組みの相四つ。ハルモルザエフは引き手で着実にピストルグリップを作り出しては釣り手をクロスに入れて押し込み、渡邉は袖釣込腰に小外刈、機を見て先んじて引き手を得ての左大外刈で攻め返す。56秒渡邉に場外の「指導」、3分25秒にはハルモルザエフがピストルグリップのまま動きを止めて「指導」を受け、両者譲らぬ攻め合いのまま試合はGS延長戦へ。延長戦も両者の組み手争いの構図は変わらぬものの、右背負投に左大外刈と効果的な技を繰り出すのは渡邉。たびたびポイント級の一撃を見せるがハルモルザエフは驚異的な懐の深さでなんとかこれを伏せて凌ぎ、延長戦はひとつの「指導」も入らぬままついに経過時間5分を超える。打ち続く厳しい組み手争いと入れどもなかなか決まらぬ技に渡邉は焦れたか、ここで両脇裏を掴む強気の組み手で打開を図る。しかしハルモルザエフはクロスグリップの形でこれを脱出、支釣込足の形で渡邉の左足を激しく蹴る。渡邉はこれに捨身技を合わせようとしたのか、タイミングがかち合ってしまい一瞬で背中から畳に落下し「技有」。激戦はハルモルザエフの勝利に終わった。

■ 90kg級・長澤憲大が優勝、キャリア2度目のワールドツアータイトル獲得なる
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90kg級決勝、長澤憲大がクリスチャン・トートから横四方固「一本」

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90kg級入賞者。左からトート、長澤、マゴメドフ、ファンテンド。

(エントリー23名)

【入賞者】
1.NAGASAWA, Kenta(JPN)
2.TOTH, Krisztian(HUN)
3.MAGOMEDOV, Magomed(RUS)
3.VAN T END, Noel(NED)
5.MARGIANI, Ushangi(GEO)
5.SHERAZADISHVILI, Nikoloz(ESP)
7.BENAMADI, Abderrahmane(ALG)
7.BETTONI, Eduardo(BRA)

上半期最後のグランドスラムという一大イベントにも関わらず、一線級のエントリーは僅少。第1シードをまだほとんど語るべき実績のないマックス・スチュワート(イギリス)が務めるという大混戦であったが、このチャンスを逃さず日本代表の長澤憲大(パーク24)がしっかり優勝を果たした。

とはいえこの日の長澤の相手はマゴメド・ロゴメドフ(ロシア)を皮切りに表彰台の門番ノエル・ファンテンド(オランダ)、そして2014年世界選手権銀メダリストのクリスチャン・トート(ハンガリー)と、本トーナメントの中では数少ない、これぞという強敵ばかり。長澤は1回戦で長身で粘戦志向のルイス・クリーバーギャニオン(カナダ)を持て余したが、残り10秒で手立てを変えて相手の膝を固定に掛かり足車「一本」。懐の深い相手にはこれだ、と見つけたこの手立てが以後の戦いの福音となった。2回戦のマゴメドフ戦はこれも長身の相手にまず作用足を突っ込んで固定、上体を引きずり出して内股「技有」で勝利、準決勝は片手技が得意でバランス感覚抜群のファンテンドを落ち着いて追い詰め、二本を得ると相手を下げておいての足車で「一本」(GS1:54)。

迎えた決勝はこれまでと打って変わって低身長のパワー派トートを相手にじっくりプレッシャーを掛けて「指導2」先行。GS延長戦で相手の掛け潰れを待ち構えて落ち着いて捲り、横四方固「一本」(GS1:22)で勝負を決めた。

1回戦から3試合続いた「形を変えながら粘る懐の深い海外選手」を固定して投げた決着は見事。これぞ国際大会で得られるべき経験というべきか、国内で素晴らしい攻撃力を誇る長澤がワールドツアーモードの戦い方を1つ上積みした日であったと捉えたい。強化側としても派遣の甲斐があった階級だったのではないだろうか。

表彰台には長澤以下、トート、ファンテンド、マゴメドフとことごとく長澤と手合わせした強豪が並んだ。リオ五輪後の空白期の結果を受けてシード順は多少揺れたが、終わってみればこれらロンドン-リオ期からの強豪がしっかり力を見せた大会となった。

五輪後81kg級から階級を上げたもと世界王者ロイック・ピエトリ(フランス)は2月のヨーロッパオープン・ローマに続いてまたもや初戦敗退。特筆すべき実績のない28歳サイド エミ・ザンベコフ(ロシア)に「指導」をリードされた末にGS延長戦の小内刈「一本」で沈んだ。膝の負傷による昨春からの不調を引きずっているというよりは、90kgで戦うだけの体の力がそもそも足りていないという印象。今後も苦戦必至と思われる。

【準々決勝】
ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)○優勢[技有・袖釣込腰]△エデュアルド・ベットーニ(ブラジル)
クリスティアン・トート(ハンガリー)○GS技有・一本背負投(GS1:59)△ウサンギ・マルギアニ(ジョージア)
ノエル・ファンテンド(オランダ)○GS技有・大外刈(GS0:34)△アブデッラマネ・ベナマディ(アルジェリア)
長澤憲大○優勢[技有・内股]△マゴメド・マゴメドフ(ロシア)

【準決勝】
クリスティアン・トート(ハンガリー)○優勢[技有・浮落]△ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)
長澤憲大○足車(GS1:54)△ノエル・ファンテンド(オランダ)

【敗者復活戦】
ウサンギ・マルギアニ(ジョージア)○優勢[技有・大外刈]△エデュアルド・ベットーニ(ブラジル)
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)○不戦△アブデッラマネ・ベナマディ(アルジェリア)

【3位決定戦】
ノエル・ファンテンド(オランダ)○GS技有・大外刈(GS0:37)△ウサンギ・マルギアニ(ジョージア)
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)○袈裟固(2:17)△ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)

【決勝】
長澤憲大○GS横四方固(GS1:22)△クリスティアン・トート(ハンガリー)
長澤が左、トートが右組みのケンカ四つ。長澤が圧を掛け、それを嫌ったトートが掛け潰れる形で試合が進行。1分39秒に主審は意外にもトートの手数を採って長澤のみに「指導」を宣告する。長澤にとっては嫌な流れだったが、2分21秒までにはトートにも偽装攻撃と場外の咎で2つの「指導」が累積。後のなくなったトートは先手攻撃と密着で長澤に揺さぶりをかけるが、長澤は全く動じずこれを捌き続ける。この構図のまま本戦が終わって勝負はGS延長戦へ。GS45秒、長澤の組み手を嫌ったトートが外巻込で掛け潰れると長澤は見逃さず捲り返して横四方固、13秒抑え込んだところでトートが「参った」。長澤が落ち着いた戦いぶりでトートを圧倒、表彰台の頂点へと辿り着いた。

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準決勝、長澤憲大からノエル・ファンテンドから足車「一本」

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優勝を決めた長澤

【日本代表選手全試合戦評】

長澤憲大(パーク24)
成績:優勝

[2回戦]
長澤憲大〇足車(3:50)△ルイス・クリーバーギャニオン(カナダ)
長澤が左、ギャニオンが右組みのケンカ四つ。上背のあるギャニオンは釣り手で背中を握っての大腰、左への「一本大外」とラッシュを見せるが長澤は冷静に対処。目論見通り1分半過ぎからギャニオン早くも消耗し、2分27秒には消極的との咎で「指導1」失陥。長澤あとは具体的なポイントを得るだけと思われたが懐の深いギャニオンに大内刈と内股では力を伝え切れず、残り33秒で2つ目の「指導」は得るがやや手こずり過ぎの印象。残り10秒、一計を案じた長澤は相手の下がり際に左足車。ようやく相手の体に支点を作ることに成功し、ギャニオン木の葉のように宙を舞う。これまでの粘りが嘘のような鮮やか「一本」で試合決着。


[準々決勝]
長澤憲大〇優勢[技有・内股]△マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
長澤が左、マゴメドフ右組みのケンカ四つ。試合が始まるなりマゴメドフが右一本背負投を見せるが両手が離れてしまい、12秒偽装攻撃の咎で「指導」。
長澤は釣り手で前襟を掴んで巧みに相手の体を操作、長身のマゴメドフに攻める暇を与えない。優位を確信した長澤、1分42秒に右内股。まず相手の股中に作用足を突っ込んで固定、そのままほとんど270度回転して上体を引きずり出す。理合は「相手の股を抑えた足車」、2回戦で見出した懐の深い相手への戦い方を思い出したと言わんばかりの長澤の巧みな技にマゴメドフ堪らず回転「技有」。長澤は以後も巧みな体捌きと効果的な技で相手を寄せ付けず。そのままタイムアップ。

[準決勝]
長澤憲大〇GS足車(GS1:54)△ノエル・ファンテンド(オランダ)
長澤が左、ファンテンドが右組みのケンカ四つ。ファンテンドは究極的には片手技しかない選手であり、かつ右組みだが左技しかない選手。試合はこれを心得切った長澤がファンテンドの組み手の切り離し、あるいは引き手争いを誘っての片手攻撃を封じるべく引き手による相手の袖の確保をしっかり心がけ、ファンテンドがこれを嫌いながら左一本背負投に打って出るという構図。ファンテンドはあらゆる手立てを使って片手状態を作り左一本背負投に左小内巻込と放つが長澤動ぜず粘り強く二本持ち続け、2分54秒にはファンテンドに片手の咎で「指導」。以後もファンテンドの陽動が続くが長澤は根負けせずに引き手を持ち続け、嫌ったファンテンドの掛け潰れにもあくまでこれを離さず精神的にも圧を掛け続ける。GS延長戦、手数志向に舵を切り直したファンテンドは片手技の掛け潰れを続けるが、長澤その手を読んでひとまず釣り手一本の大外刈の楔を打ち込み、技数上の優位すら渡さず。直後二本しっかり持つとファンテンドはさすがに根負け、長澤は作用足を伸ばして左足車一発、後ろに下げた相手の左膝を足首で固定すると前に引き出し、鮮やか「一本」。

[決勝]
長澤憲大○GS横四方固(GS1:22)△クリスティアン・トート(ハンガリー)

※前述のため戦評省略

■ 100kg級・ダークホースのサーイエニッチが優勝、得意の固技冴える
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決勝、ミクロス・サーイエニッチがニヤズ・イリヤソフを抑え込む。これは逃がしたがそのまま腕挫十字固に繋いで「一本」。

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100kg級入賞者。左からイリヤソフ、サーイエニッチ、リパルテリアニ、ボーラー。

(エントリー23名)
【入賞者】
1.CIRJENICS, Miklos(HUN)
2.ILYASOV, Niyaz(RUS)
3.BOEHLER, Laurin(AUT)
3.LIPARTELIANI, Varlam(GEO)
5.BORODAVKO, Jevgenijs(LAT)
5.IDDIR, Alexandre(FRA)
7.CORREA, Luciano(BRA)
7.FARA, Aaron(AUT)

※日本代表選手の出場なし

冬季欧州シリーズで好パフォーマンスを披露、第5シードながら優勝候補の一角に挙げられていたミクロス・サーイエニッチ(ハンガリー)が優勝、待望のワールドツアー初優勝を決めた。

サーイエニッチの勝利のエンジンとなったのは寝技。2回戦はゲオルギー・バルカチ(ジョージア)をいわゆる「ボーアンドアローチョーク」に捉えて片手絞「一本」(1:51)、準々決勝でアレクサンドル・イディー(フランス)に谷落「一本」で勝利すると、準決勝はイェフゲニース・ボロダフ(ラトビア)の外巻込を潰して片羽絞「一本」(3:36)。決勝はニヤズ・イリヤソフ(ロシア)を腕挫十字固「一本」(3:50)で下してみごとツアー初優勝を決めた。

超一線級が出場していない大会とはいえ、この勝ちぶりはなかなか見事。人材多き100kg級の新たな有力選手としてファンはその名をしっかり記憶しておくべきだろう。

3位決定戦第1試合ではイディーとヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)という90kg級から階級を上げた両雄が対決。リパルテリアニがGS延長戦「指導1」で辛勝し、グランドスラム・パリに続いて階級変更後2度目の表彰台を確保した。

第1シードのマーティン・パチェック(スウェーデン)は初戦敗退。無名のファラ・アーロン(オーストリア)にGS延長戦「指導2」で敗れた。

【準々決勝】
イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)○GS大内刈(GS1:02)△アーロン・ファラ(オーストリア)
ミクロス・サーイエニッチ(ハンガリー)○谷落(3:16)△アレクサンドル・イディー(フランス)
ニヤズ・イリヤソフ(ロシア)○釣込腰(3:01)△ロウリン・ボーラー(オーストリア)
ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)○横車(2:07)△ルシアーノ・コヘア(ブラジル)

【準決勝】
ミクロス・サーイエニッチ(ハンガリー)○片羽絞(3:36)△イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)
ニヤズ・イリヤソフ(ロシア)○浮落(3:31)△ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)

【敗者復活戦】
アレクサンドル・イディー(フランス)○内股(2:46)△アーロン・ファラ(オーストリア)
ロウリン・ボーラー(オーストリア)○GS反則[指導3](GS2:42)△ルシアーノ・コヘア(ブラジル)

【3位決定戦】
ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)○GS指導1(GS3:20)△アレクサンドル・イディー(フランス)
ロウリン・ボーラー(オーストリア)○[](1:09)△イェフゲニース・ボロダフコ(ラトビア)

【決勝】
ミクロス・サーイエニッチ(ハンガリー)○腕挫十字固(3:50)△ニヤズ・イリヤソフ(ロシア)
右相四つ。組み手争いを経ての1分45秒、ガップリ四つからイリヤソフが右内股に飛び込むとサーイエニッチが股中で透かして「技有」。リードを許したイリヤソフは奥襟を持って度々密着を作り出すが、サーイエニッチは得意の寝技を交えつつ巧みに凌ぎ続ける。3分22秒には守勢に回ったサーイエニッチに「指導」が与えられるが、直後奮起し相手が仕掛けた右釣込腰を浴びせ倒して浮落「技有」を追加、そのまま相手の腕に乗り上げて変形の横四方固で抑え込む。所謂「シバロック」に近い不十分な形であったために経過時間19秒で逃してしまうが、すかさず相手の残った腕を取って腕挫十字固に連絡。今度はしっかりと極め切って「一本」。好調サーイエニッチ、得意の寝技をテコにトーナメントの頂点へと登りつめた。

■ 100kg超級・人材揃った好トーナメント、技巧派モウラが待望のツアー初優勝果たす
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決勝、ダヴィド・モウラがレヴァニ・マティアシヴィリを攻める

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準々決勝、マティアシビリが得意の担ぎ技でラファエラ・シウバから「指導」を奪う

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ついにツアー初優勝を果たしたモウラ

(エントリー21名)

【入賞者】
1.MOURA, David(BRA)
2.MATIASHVILI, Levani(GEO)
3.BATTULGA, Temuulen(MGL)
3.VOLKOV, Andrey(RUS)
5.BOR, Barna(HUN)
5.TSIARPITSKI, Uladzislau(BLR)
7.NATEA, Daniel(ROU)
7.SILVA, Rafael(BRA)

※日本代表選手の出場なし

第1シードのダニエル・ナテア(ルーマニア)、第2シードのバルナ・ボール(ハンガリー)に第3シードのラファエラ・シウバ(ブラジル)とズラリ並んだAシード陣の顔ぶれでわかる通り、好役者が揃ったなかなかのハイレベルトーナメント。

その中を決勝まで勝ち進んだのは第5シードのダヴィド・モウラ(ブラジル)と第6シードのレヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)。ともに素晴らしい内容での決勝進出であった。

ツアーでは屈指の強豪ながら国内では二番手扱いに甘んじていたモウラはこの日好調。2回戦はシャカーママド・ミルママドフ(タジキスタン)をから内股透「技有」、準々決勝は第4シードのアンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)から上四方固「技有」を得てベスト4入り。準決勝では前戦でナテアを僅か36秒の横四方固「一本」で下し久々好パフォーマンス発揮のバトトルガ・テムーレン(モンゴル)を内股「一本」(1:13)に斬って落として決勝進出を決めた。

国内で突きあげられてもし今大会結果を残さずば4番手への凋落もあり得たマティアシヴィリも久々の本領発揮。2回戦でステファン・ヘギー(ベルギー)から背負投「一本」(1:40)、準々決勝は優勝候補のシウバをこれも背負投「一本」(GS1:58)で下し、準決勝はウラジスラウ・ツィアルピツキ(ベラルーシ)を内股「技有」で退けこの時点で久々のツアー表彰台確保決定。

階級きってのテクニシャン2人による決勝は双方退かぬままGS延長戦へともつれ込むが、ここでモウラが背負投を連発。スタミナの切れたマティアシヴィリから2つ目の「指導」をもぎ取って優勝を決めた。

ともに国内に強力なライバルを抱え、かつこの階級には珍しく担ぎ技が利く2人の再躍進はファンにとっても朗報。世界選手権を前に最重量級戦線一層の活性化を予感させる興味深い大会となった。

【準々決勝】
バトトルガ・テムーレン(モンゴル)○横四方固(0:38)△ダニエル・ナテア(ルーマニア)
ダヴィド・モウラ(ブラジル)○優勢[技有・上四方固]△アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)
ウラジスラウ・ツィアルピツキ(ベラルーシ)○袖釣込腰(1:27)△バルナ・ボール(ハンガリー)
レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)○GS背負投(GS1:58)△ラファエル・シウバ(ブラジル)

【準決勝】
ダヴィド・モウラ(ブラジル)○内股(1:13)△バトトルガ・テムーレン(モンゴル)
レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)○優勢[技有・内股]△ウラジスラウ・ツィアルピツキ(ベラルーシ)

【敗者復活戦】
アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)○谷落(4:00)△ダニエル・ナテア(ルーマニア)
バルナ・ボール(ハンガリー)○GS技有・背負投(GS1:56)△ラファエル・シウバ(ブラジル)

【3位決定戦】
アンドレイ・ヴォルコフ(ロシア)○優勢[技有・]△ウラジスラウ・ツィアルピツキ(ベラルーシ)
バトトルガ・テムーレン(モンゴル)○優勢[技有・横車]△バルナ・ボール(ハンガリー)

【決勝】
ダヴィド・モウラ(ブラジル)○GS指導2(GS1:07)△レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)
抜群の内容で勝ち上がって来た技巧派同士の対決は左相四つ。試合開始から組み手争いが続き、1分9秒には両者に「指導」。1分40秒、マティアシヴィリが組み際に左大外刈でモウラを大きく崩すが、尻餅と判断されノーポイント。3分過ぎには反対にモウラが左大外刈でマティアシヴィリを畳に這わせる。双方全く引かないまま4分間が経過し、勝負はGS延長戦へ。延長に入るとモウラがスタミナの切れたマティアシヴィリを押し込む場面が増え、GS1分7秒にはモウラが場外際で鋭い右背負投。ポイント獲得には至らなかったものの直後にマティアシビリに2つ目の「指導」が宣告され勝敗が決した


文責:古田英毅/林さとる

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