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グランドスラムエカテリンブルグ2017・第1日男子3階級レポート

(2017年5月26日)

※ eJudoメルマガ版5月26日掲載記事より転載・編集しています。
第1日男子3階級(60kg級、66kg級、73kg級)レポート
グランドスラム・エカテリンブルグ大会2017
■ 60kg級・永山竜樹圧勝V、名だたる強豪まったく寄せ付けず
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60kg級決勝、永山竜樹がアミラン・パピナシビリから開始早々に内股「技有」

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永山は小外刈で3つ目の「技有」奪取、パピナシビリをまったく寄せ付けない

(エントリー19名)

【入賞者】
1.NAGAYAMA, Ryuju(JPN)
2.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
3.OGUZOV, Albert(RUS)
3.REVOL, Cedric(FRA)
5.GARRIGOS, Francisco(ESP)
5.KARAKIZIDI, Savva(RUS)
7.CHKHVIMIANI, Lukhumi(GEO)
7.GOMIS, Joaquin(ESP)

人材多き、なかなかのハイレベルトーナメント。その中を21歳の新鋭・永山竜樹(東海大3年)が圧倒的な強さで優勝を飾った。1回戦のクサバ・スザボ(ハンガリー)戦こそ硬さが見られて小外刈「技有」に一本背負投「一本」と奪うまでに3分17秒を擁したが、2回戦の大山場、第2シードのダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)戦からは動き良し。この試合は相手の変則組み手を全て投技で剥がして主導権確保、最後は窮したダシュダヴァーのクロスグリップを得意の裏投で迎え撃って「技有」(GS0:18)、もと世界選手権銀メダリストを相手にせずベスト8入り決定。続く準々決勝はアルベルト・オグゾフ(ロシア)を左一本背負投で叩き落しての「ブリッジ反則」で破り、準決勝は2回戦で2014年チェリャビンスク世界選手権覇者のガンバット・ボルドバータル(モンゴル)を破って勝ち上がって来たサワ・カラキジディ(ロシア)を3つの「技有」に袖釣込腰「一本」(3:57)とこれもまったく相手にせず余裕をもって決勝進出決定。

決勝では今大会の第1シードで、リオデジャネイロ五輪で髙藤直寿を破ったアミラン・パピナシビリ(ジョージア)と対戦。まさしくシーンの主役級との対決であったが、この試合も永山の勢いは衰えず、早々に内股「技有」、裏投「技有」と連取し、さらに戦意喪失気味の相手に容赦なく小外刈「技有」と合計3回投げつけて圧勝。名だたる強豪たちをまったく寄せ付けず、まさしく独走で優勝を決めた。

今大会は技自体の威力はもちろん引き出しの多さという永山の長所が存分に発揮されていた。組み手と連動したトリガーの豊富さ、特に組み際の上手さは特筆もの。今のところ世界の強豪たちもどう対応すべきか方策見いだせず、戸惑ったまま永山にひたすら投げられ続けているという体だ。

永山はグランドスラム東京で見事優勝を果たしながら、国際大会の「メジャーデビュー」というべきグランドスラムパリでは予選ラウンド敗退。とはいえこれは階級最大の不確定要素であるディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)との異能者対決という特殊なステージで敗れたもので、日本のファンにとっては永山の強さは隠れもないものであった。しかしながら結果は結果というべきか、今大会のIJFの公式プレビュー記事は実績のあるパピナシビリやモンゴル勢2名を推すばかりで永山の名前はまったく挙げられず。その力を知るものとしてはまったく不当に感じられたものだが、さすがにこれで状況はまったく変わるであろう。世界選手権は、髙藤と永山の優勝候補2人を送り込む日本勢がこの階級の主役として扱われること間違いなしだ。

第3シードのガンバットは前述の通りサワ・カラキジディ(ロシア)にGS延長戦の末「指導2」対「指導3」で敗れ、初戦で姿を消している。グランプリ・デュッセルドルフでイェルドス・スメトフ(カザフスタン)を大外刈「技有」で破って名を揚げたペリム・フェリペ(ブラジル)は、これも初戦で無名のヨアキン・ゴメス(スペイン)にGS延長戦小内刈「技有」で敗れた。

準々決勝以降のスコアと決勝の戦評、日本選手全試合の戦評は下記。

【準々決勝】
アミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)○優勢[技有・裏投]△セドリック・レヴォル(フランス)
フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)○GS指導2(GS1:23)△ルフミ・チフヴィミアニ(ジョージア)
永山竜樹○反則(1:43)△アルベルト・オグゾフ(ロシア)
※所謂「ブリッジ反則」による
サワ・カラキジディ(ロシア)○優勢[技有・小外刈](GS1:16)△ヨアキン・ゴミス(スペイン)

【準決勝】
アミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)○肩車(0:26)△フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)
永山竜樹○袖釣込腰(3:57)△サワ・カラキジディ(ロシア)

【敗者復活戦】
セドリック・レヴォル(フランス)○優勢[技有・袖釣込腰]△ルフミ・チフヴィミアニ(ジョージア)
アルベルト・オグゾフ(ロシア)○優勢[技有・小内巻込]△ヨアキン・ゴミス(スペイン)

【3位決定戦】
セドリック・レヴォル(フランス)○優勢[技有・背負投]△サワ・カラキジディ(ロシア)
アルベルト・オグゾフ(ロシア)○大内刈(0:14)△フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)

【決勝】
永山竜樹○優勢[技有・内股]△アミラン・パピナシヴィリ(ジョージア)
右相四つ。永山左背負投で流れを整えると両袖の右内股で跳ね上げ、36秒早くも「技有」先行。以降も組み際の小外刈と左右の担ぎ技で間断なく攻めまくる。パピナシビリは引き手を織り込んで横から帯を持ち、あるいは釣り手を肩越しに入れてとなんとか主導権を取り戻そうと組み手での打開を試みるが永山ことごとく足技で外し、攻め続ける。1分39秒には少々不可解な偽装攻撃の「指導」を受けたものの、2分9秒には裏投に飛び込んで2つ目の「技有」奪取。アクション1つ1つに攻撃が跳ね返ってくる永山の変幻自在の攻めにパピナシビリは完全にお手上げ、永山2分50秒には右小外刈で3つ目の「技有」を獲得して独走状態。なぜ「一本」でないのかが不思議なほどのこの一撃でもはやパピナシビリは戦意喪失。このまま試合は終了となる。

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2回戦、永山がクサバ・スサボから小外刈「技有」

【日本代表選手全試合戦評】

永山竜樹(東海大3年)
成績:優勝

[2回戦]
永山竜樹〇一本背負投(3:17)△クサバ・スザボ(ハンガリー)
永山、スザボともに右組みの相四つ。
スザボは永山の投げを徹底警戒、後ろ重心のまま手先だけで組んでは両袖の巴投と「巴十字」を繰り返して手数を稼ぐ。37秒永山に「指導」。永山左一本背負投に打って出るも動きにキレなく投げ切れず。しかし1分36秒の組み際に右小外刈を引っ掛けて「技有」奪取、これで落ち着きを取り戻すと3分9秒にも組み際に思い切り左一本背負投に飛び込み「一本」。動きの硬さは見られるものの、まずは順当に初戦突破を決める。

[3回戦]
永山竜樹〇GS技有・裏投(GS0:18)△ダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)
右相四つ。ダシュダヴァーは奥襟、背中、あるいは先んじて引き手を抑えてと手立てを変えながら一方的に組みに掛かるが永山はこれを左袖釣込腰に左一本背負投、右背負投と全て投技でクリア。それでもダシュダヴァーが片襟の右体落で先手を取り続けたことでいったん永山の攻勢は停滞するが、精神的な優位は一貫して永山にありという印象。試合は双方ポイントないままGS延長戦へ。延長開始早々、ダシュダヴァーが釣り手を肩越しのクロスに入れると永山弾かれたように立ち位置を変えて裏投一発。完全に相手を止め、片膝を着いたまま背筋の強さで投げ切り「技有」。ダシュダヴァーは倒れたまま天を仰ぎ、次いで体を畳上に屈して悔しさをあらわにする。

[準々決勝]
永山竜樹〇反則(1:43)△アルベルト・オグゾフ(ロシア)
※所謂「ブリッジ反則」による

永山が右、オグゾフが左組みのケンカ四つ。力に劣ることを悟るオグゾフは巴投と肩車を駆使して試合を揉めさせようと目論むが、永山は落ち着いて両袖の小外刈で相手を崩し、左背負投に連絡して粛々攻めを積む。1分33秒、オグゾフが片手の左内股から中途半端に左小内刈。この牽制に永山激しく反応、左一本背負投に飛び込んでオグゾフを大きく回す。オグゾフは頭を畳に着き、バランスを取って着地。しかし再開後10秒ほど経って主審が試合を止め、この「ブリッジによる回避行動」に反則負けを宣告して試合終了。オグゾフのアクションは明らかに意図的であり、この判定は妥当だった。


[準決勝]
永山竜樹〇袖釣込腰(3:57)△サワ・カラキジディ(ロシア)
右相四つ。ここまで極めて好調のカラキジディだが、この試合は永山が圧倒。まず左袖釣込腰で追い込んでカラキジディの右大外刈を引き出し、反応良く返して13秒大外返「技有」。カラキジディは鋭い「跳び十字」も見せて危険な香りを漂わせるが、永山の鋭すぎる投げの前に以降も次々ポイント失陥。1分38秒にはカラキジディの右背負投の立ち際に永山が右大外落を合わせて2つ目の「技有」、さらに2分28秒にはクロスグリップに反応しての裏投で3つ目の「技有」。癖のある技でベスト4まで勝ち上がったカラキジディだがさすがに意気消沈、残り3秒で永山が左袖釣込腰を豪快に決めて「一本」。永山の凄さばかりが際立つ試合となった。

[決勝]
永山竜樹〇優勢[技有・内股]△アミラン・パピナシビリ(ジョージア)

※前述のため省略

■ 66kg級・アブドゥルザリロフがGPアンタラヤに続き優勝、チバナ、ダバドルジら古参の大物たちは動き冴えず
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66kg級決勝、アブドゥラ・アブドゥルザリロフがシャーレス・チバナを攻める

【入賞者】
1.ABDULZHALILOV, Abdula(RUS)
2.CHIBANA, Charles(BRA)
3.KHAMETOV, Islam(RUS)
3.MINKOU, Dzmitry(BLR)
5.DOVDON, Altansukh(MGL)
5.SHAMILOV, Yakub(RUS)
7.NINIASHVILI, Bagrati(GEO)
7.OLEINIC, Sergiu(POR)

第1シードのダバドルジ・ツムルクフレグ(モンゴル)が初戦敗退。リオデジャネイロ五輪後の休養を経て今年2月のグランプリ・デュッセルドルフ(初戦敗退)で畳に復帰、以後グランプリ・トビリシ(2位)、グランプリ・アンタラヤ(予選ラウンド敗退)と継続して試合に出続けているが、今季はいったいに動き冴えず。今大会の不出来はその中でも特筆すべきもので、動きは鈍く、覇気はなし。ディティールを研がぬままそれでも残った地力のみで戦っているという印象で、ズミトリ・ミンコウ(ベラルーシ)と「技有」を取り合った末に、終盤一本背負投「一本」を食って畳に沈んだ。

このブロックからはリオ五輪で地元ブラジルの代表を務めたシャーレス・チバナ(ブラジル)が順当に勝ち上がったが、しかし優勝には辿り着けず。これらロンドン-リオ期の強豪を押しのけて、売り出し中の26歳アブドゥラ・アブドゥルザリロフ(ロシア)が優勝を飾った。

アブドゥルザリロフはグランプリ・アンタラヤを制して今大会は第6シード。2回戦でサシャ・フラモン(フランス)を一本背負投「一本」(2:28)、準々決勝では第3シードのセルジュ・オレイニック(ポルトガル)を袖釣込腰「一本」(1:33)、そして準決勝では第2シードのドフトン・アルタンスフ(モンゴル)を背負投「一本」(1:11)と圧勝続きで勝ち進み、迎えた決勝では左背負投と左大外刈の放列でチバナを圧倒。1分30秒には強烈な右の「一本大外」でチバナを頭から叩き落し、この攻防にチバナの「ブリッジ反則」が採られて試合終了。全試合を「一本」で勝ち抜いて優勝を決めることとなった。

アブドゥルザリロフは大量1000ポイントを獲得して、ワールドランキングは一気に4位まで上昇。ミハエル・プルヤエフを筆頭に人材多きロシアの層の厚さをあらためて見せつける形となった。

ロシア勢もう1人の期待株ヤクブ・シャミロフは3位決定戦の同国対決でイスラム・ハメトフに敗れて5位。第4シードで同国中もっともランキングが上であったアンザウル・アルダノフ(ロシア)は初戦でバグラチ・ニニアシヴィリ(ジョージア)に敗れて入賞に絡めなかった。

グランプリ・トビリシの優勝で注目されたラシャ・ギウナシヴィリ(ジョージア)は初戦でハメトフに背負投「一本」で敗れた。

準々決勝以降のスコアと決勝の戦評は下記。

【準々決勝】
シャーレス・チバナ(ブラジル)○優勢[技有・背負投]△ズミトリー・ミンコウ(ベラルーシ)
ヤクブ・シャミロフ(ロシア)○送襟絞(0:24)△バグラチ・ニニアシヴィリ(ジョージア)
ドフドン・アルタンスフ(モンゴル)○GS技有・浮技(GS0:35)△イスラム・ハメトフ(ロシア)
アブドゥラ・アブドゥルザリロフ(ロシア)○袖釣込腰(1:33)△セルジュ・オレイニック(ポルトガル)

【準決勝】
シャーレス・チバナ(ブラジル)○浮腰(4:00)△ヤクブ・シャミロフ(ロシア)
アブドゥラ・アブドゥルザリロフ(ロシア)○背負投(1:11)△ドフドン・アルタンスフ(モンゴル)

【敗者復活戦】
ズミトリー・ミンコウ(ベラルーシ)○GS技有・大内刈(GS1:07)△バグラチ・ニニアシヴィリ(ジョージア)
イスラム・ハメトフ(ロシア)○GS反則[指導3](GS3:58)△セルジュ・オレイニック(ポルトガル)

【3位決定戦】
ズミトリー・ミンコウ(ベラルーシ)○一本(2:36)△ドフドン・アルタンスフ(モンゴル)
イスラム・ハメトフ(ロシア)○優勢[技有・内股]△ヤクブ・シャミロフ(ロシア)

【決勝】
アブドゥラ・アブドゥルザリロフ(ロシア)○反則(1:47)△シャーレス・チバナ(ブラジル)
※所謂「ブリッジ反則」による
アブドゥルザリロフが左、チバナが右組みのケンカ四つ。アブドゥルザリロフは釣り手で片襟を差し、この手を激しく振りながら左背負投に左大外刈と鋭い技を連発。1分30秒には強烈な右「一本大外」に飛び込みチバナを頭から叩き落とす。再開直後の1分47秒、この技に対するチバナの受けが頭を突いての危険な回避と見なされ「反則負け」が宣告される。アブデュルザリロフ、見事地元開催のグランドスラムで優勝を飾った。

■ 73kg級・橋本壮市余裕のV、グランドスラム3連勝飾る
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73kg級決勝、橋本壮市がマルセロ・コンティーニから袖釣込腰で3つ目の「技有」

(エントリー25名)

【入賞者】
1.HASHIMOTO, Soichi(JPN)
2.CONTINI, Marcelo(BRA)
3.AXUS, Benjamin(FRA)
3.DUPRAT, Pierre(FRA)
5.MARGELIDON, Arthur(CAN)
5.VAN T WESTENDE, Sam(NED)
7.MOHYELDIN, Mohamed(EGY)
7.YONDONPERENLEI, Baskhuu(MGL)

参加選手中唯一の大物、第1シードの橋本壮市(パーク24)が順当に優勝。有力選手少なき今大会の対戦相手の重心はむしろ前半戦にあり、初戦はニコラス・デルポポロ(アメリカ)を相手に決めを欠いてGS延長戦「指導2」(GS2:19)の勝利、山場の2戦目はピエール・デュプラ(フランス)を相手に開始50秒で体落「技有」確保、以降は強気の組み手をなんとか凌ぐ形でタイムアップの優勢勝ちと、欧州シリーズで見せた圧倒的な強さからすればここまでの出来決して良くはなし。

しかし橋本はここから加速。準決勝のアーサー・マルゲリドン(カナダ)戦はケンカ四つの相手を巧みに試合場の隅に押し込み、行き場がなくなった相手の懐に飛び込んでお手本のような体落「一本」。決勝は力量の差を感じたか偽装攻撃で決着の先送りを図るマルセロ・コンティーニ(ブラジル)にこれを許さず背負投「技有」、袖釣込腰「一本」(3:54)と圧倒。危なげなく優勝を決めた。

橋本は昨年この時期に行われたワールドマスターズに優勝して以降、東京、パリ、そして今回のエカテリンブルグとグランドスラム大会を3連勝。ワールドランキングも今大会の優勝を受けて2位から1位と上昇、選手としてまさしく充実の時を迎えている。Aシードで迎えること確実の世界選手権本番での活躍に期待したい。

参加選手の薄さもあり、今大会橋本の優勝以外に語るべきトピックは多くない。

3位にはデュプラが入賞。橋本との手合わせを見る限り今大会での表彰台は妥当な位置だが、上位陣を脅かすには少々力不足。ワールドランキングはこれでようやく20位で、世界選手権での上位進出には少なくとも2回の大物食いが必要、厳しい状況は変わらず。

第2シードのトミー・マシアス(スウェーデン)は初戦で敗れたがワールドランキング3位をキープ。実力からすれば明らかに出来過ぎ、今年度からのランキングポイント倍増措置の恩恵を受けてのいわば「暫定順位」だが、このままいけば世界選手権でのシード権獲得も十分ありうる。これまでのキャリアと実力からすればまさしく望外の世界大会入賞まで辿り着けるかどうか、五輪直後という特殊な状況で開催される2017年度世界選手権のトピックのひとつとして心にとめておきたい。

【準々決勝】
橋本壮市○優勢[技有・体落]△ピエール・デュプラ(フランス)
アーサー・マルゲリドン(カナダ)○片手絞(1:36)△モハメド・モヘイルディン(エジプト)
マルセロ・コンティーニ(ブラジル)○優勢[技有・隅落]△ベンジャマン・アクスス(フランス)
サム・ファンテヴェステンデ(オランダ)○GS技有・大内刈(GS0:46)△ヨンドンペレンレイ・バスフー(モンゴル)

【準決勝】
橋本壮市○体落(1:22)△アーサー・マルゲリドン(カナダ)
マルセロ・コンティーニ(ブラジル)○袖車絞(1:07)△サム・ファンテヴェステンデ(オランダ)

【敗者復活戦】
ピエール・デュプラ(フランス)○優勢[技有・肩車]△モハメド・モヘイルディン(エジプト)
ベンジャマン・アクスス(フランス)○こそど崖(2:31)△ヨンドンペレンレイ・バスフー(モンゴル)

【3位決定戦】
ピエール・デュプラ(フランス)○縦四方固(2:35)△サム・ファンテヴェステンデ(オランダ)
ベンジャマン・アクスス(フランス)○縦四方固(2:17)△アーサー・マルゲリドン(カナダ)

【決勝】
橋本壮市○袖釣込腰(3:54)△マルセロ・コンティーニ(ブラジル)
右相四つ。組み合うなり力関係の差を感じたかコンティーニは早々に両手を離しての内股巻込で掛け潰れ、橋本に展望大きく開けた感あり。橋本組み手争いの中で敢えて左組みの形を受け入れ、左背負投に飛び込んで1分12秒「技有」獲得。橋本なおも前に出ると圧を感じたコンティーニが自ら膝を屈して2分5秒に偽装攻撃の「指導」、さらに両手を離しての内股巻込で展開を切ってしまい2分37秒には再び偽装攻撃で「指導2」が与えられる。もはやスコアは一方的だが橋本は攻撃の手を緩める気配なく、3分33秒には片手で袖をコントロールする左袖釣込腰「技有」獲得。この所謂「橋本スペシャル」を決めて気を良くしたか橋本の動きはさらに鋭さを増し、残り6秒では右大外刈の餌を撒いておいての左袖釣込腰、深々相手を掴まえて「一本」獲得。橋本、圧勝で優勝を決めた。

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準決勝、橋本はアーサー・マルゲリドンを試合場の隅に追い詰め、お手本のような右体落「一本」

【日本代表選手全試合戦評】

橋本壮市(パーク24)
成績:優勝

[2回戦]
橋本壮市〇GS指導2(GS2:19)△ニコラス・デルポポロ(アメリカ)
橋本が右、デルポポロ左組みのケンカ四つ。
橋本あるいは引き手で腕を抱え、あるいは背筋を伸ばして相手の握りを剥がして一方的に持ちと、組み手を優位に展開。相手にほとんど何もさせぬまま攻め続けるが、ひたすら「投げられないための組み手」を展開しては巴投げに身を捨てるデルポポロを取り切れず。2分24秒に右体落で崩した直後に得た「指導1」のみのアドバンテージで本戦は終了、試合はGS延長戦へ。延長1分21秒に右体落で転がすと相手がブリッジで逃れ、10秒が経過したところでこれに「反則負け」が宣される。しかし両者が握手したのちにこれも取り消され、試合は続行となる。最後はGS2分19秒にデルポポロに消極的との咎で「指導」が宣告されて試合終了。偽装攻撃、あるいは消極的試合姿勢など幾度も訪れたデルポポロに「指導」が宣告されるべき間合いを逃し、かつこの低調決着。主審の技量に疑問符のつく試合であった。橋本は大枠良好も決めのダイナミックさを欠き、なかなか厳しい立ち上がり。

[準々決勝]
橋本壮市〇優勢[技有・体落]△ピエール・デュプラ(フランス)
橋本が右、デュプラが左組みのケンカ四つ。好調のデュプラ巴投で展開を作りに掛かるが橋本は冷静、相手が釣り手で背中を抱えてきた瞬間に右体落に体を沈め50秒「技有」先制。しかし直後奮起したデュプラが両脇を抱える形を作ると橋本危うしと見て膝を着いてしまう。主審が橋本に偽装攻撃の「指導」を与えるために試合を止めると、直後デュプラの強烈な払腰に橋本一回転。まさしく「一本」級であったが、これは「待て」の後ということでポイントなし、橋本は危うく難を逃れる。以降手ごたえを得たデュプラが背中を叩く強気の組み手で展開を掌握、橋本は左一本背負投を撃ち続けてなんとか試合を壊さずに持ちこたえる。残り30秒を過ぎると橋本が明らかにクロージングモードに入り、デュプラの攻めは減速を余儀なくされてそのままタイムアップ。終わってみれば「良く勝った」という苦しい一番であり、最序盤の「技有」が大きく生きた試合だった。

[準決勝]
橋本壮市〇体落(1:22)△アーサー・マルゲリドン(カナダ)
橋本右、マルゲリドン左組みのケンカ四つ。長身ながら小内巻込の得意なマルゲリドンは遠間から右小内刈を狙うが橋本心得ていなし、動ぜず。1分20秒過ぎ、橋本釣り手を振って右小内刈を放ち、マルゲリドンをコーナーに追い詰める。引き手の袖を左袖釣込腰様に織り込んで下から圧を掛けると場外に出ることを嫌ったマルゲリドンの体が浮き、瞬間橋本は右体落に飛び込む。「試合場の使い方」のお手本のような一撃鮮やかに決まって「一本」。

[決勝]
橋本壮市〇袖釣込腰(3:54)△マルセロ・コンティーニ(ブラジル)

※前述のため省略


文責:古田英毅/林さとる

※写真は権利者の許諾を得て掲載しています

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