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平成29年全日本柔道選手権全試合詳細④準々決勝〜決勝

(2017年5月19日)

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。
平成29年全日本柔道選手権全試合詳細④準々決勝〜決勝
■ 準々決勝
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王子谷剛志が尾崎央達から右内股「一本」

王子谷剛志(旭化成)○内股(2:41)△尾崎央達(センコー)

王子谷が右、尾崎が左組みのケンカ四つ。尾崎はこれまで同様低い左背負投を仕掛けて試合の主導権を握りにかかる。王子谷はこの技に対してカウンターの左内股を狙うがこれは不発。2分30秒、王子谷が奥襟と袖を得て万全の組み手を完成させるとこの形を嫌った尾崎が再び低い左背負投。しかし、王子谷はこの組み立てを完全に読んでおり尾崎が踏み出すと同時に動作を開始、相手の頭を下げさせ作用足を送り込むと引き手の牽引を効かせて乗り越えるように右内股で捲って「一本」を獲得する。3回戦までは技によるポイントがなかった王子谷だがここに至って少しずつ調子が出てきた様子。難敵尾崎を「一本」で下してベスト4一番乗りを果たした。

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七戸龍が垣田恭兵から腕挫十字固「一本」

七戸龍(九州電力)○腕挫十字固(3:24)△垣田恭兵(旭化成)

九州地区予選では七戸が右内股「一本」で勝利しているカード。
七戸が右、垣田が左のケンカ四つ。七戸は引き手で釣り手側の袖を持った右内股で垣田を牽制。続いて長い手足を利して垣田の間合いの外から右内股に右大内刈と一方的に技を飛ばし続ける。同地区対決ゆえか相性ゆえか、はたまた前戦で小川雄勢と演じた大消耗戦の影響かこの試合では垣田持ち前の曲者ぶりが鳴りを潜め、淡々と試合が進行。1分18秒と3分1秒にはそれぞれ消極的と取り組まない咎で垣田に2つの「指導」が累積する。2つ目の「指導」の直後、後のなくなった垣田は左背負投で勝負に出て七戸の股中深くまで潜り込むが、七戸はこれを跨いだまま受け止め残った釣り手を取って腕挫十字固。超級選手とは思えぬダイナミックな動きに満場の観客息を飲み、七戸の体が畳に着くと同時に垣田が「参った」を表明して勝負あり。七戸が盤石の試合運びで垣田を一蹴、昨年に続く準決勝進出を決めた。

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ウルフアロンが左小外掛で上川大樹を大きく崩す

ウルフアロン(東海大4年)○GS反則[指導3](GS1:24)△上川大樹(京葉ガス)

ウルフが左、上川が右組みのケンカ四つ。開始から激しい組み手争いが続き1分17秒に両者に取り組まない「指導」。二本持って自分の形を作りたい上川だが、ウルフの変幻自在の組み手捌きの前に十分な形を作ることができない。結局、双方組み手に終始しこれといった技が出ないまま時間が経過、3分49秒に両者に消極的との咎による「指導」が追加されたほかはポイントのないまま本戦の5分間が終了する。GS延長戦に入ると上川の消耗を見て取ったウルフは強気の組み手を展開して攻勢に出る。GS37秒には左方向への肩車で上川を体側から叩き落とし、以降も攻めの手を緩めず。そして左小外掛で上川を畳に這わせたGS1分24秒、上川に3つ目の「指導」が宣告されて試合決着。ウルフが巧みな組み手と試合運びで最後まで試合をコントロール、上川に力を出させないまま初のベスト4入りを果たした。

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加藤博剛が百瀬優から巴投「有効」

加藤博剛(千葉県警察)○優勢[有効・巴投]△百瀬優(旭化成)

国士舘の先輩後輩による対決。
加藤が左、百瀬が右組みのケンカ四つ。加藤は序盤からこの日冴えている巴投を連発。攻防一体となった組み立てに百瀬はまったく技を仕掛けることができない。2分1秒、引き手を持ち合わない咎で双方に「指導」。直後の2分27秒、加藤は再三仕掛けている巴投で百瀬を横に落として「有効」を獲得する。リードを許した百瀬は右内股を放って追い上げを図るが、加藤は巴投を織り交ぜながら試合を流してクロージング。このまま巴投「有効」で加藤の勝利が決まった。敗れた百瀬はこの試合を以て現役を引退。会場中から大きな拍手が送られ、感極まった百瀬の目には涙が光っていた。

■ 準決勝
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七戸龍が王子谷剛志に右背負投、意外な技に会場が大いに沸く

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王子谷が七戸の腕を極めながら縦四方固に抑え込む

王子谷剛志(旭化成)○縦四方固(2:38)△七戸龍(九州電力)

右相四つ。七戸は王子谷の前進に合わせて引き手で釣り手側の袖を持って右内股。続く展開では組み際の右背負投で王子谷を腹から畳に落とし会場を大きく沸かせる。しかし組み手争いによる膠着を経た2分過ぎ、王子谷は右方向への支釣込足で七戸を崩すと掬った腕を極めたまま浴びせ倒して縦四方固に抑え込むことに成功。七戸の動きに合わせて拘束を強め「一本」を獲得する。この試合に懸ける七戸の覚悟と出来は素晴らしいものであったが、王子谷が地力の高さでそれを捻じ伏せた形。五輪代表争いの激戦を経てなお一流選手として気持ちを切らさずにしっかり新しい武器を積んで来た七戸、そしてこれを押し返す王子谷と全日本選手権の場にふさわしい好試合であった。

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加藤博剛がウルフアロンから巴投「有効」

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ウルフが左大内刈で加藤を激しく攻め立てる

ウルフアロン(東海大4年)○反則[指導3](4:45)△加藤博剛(千葉県警察)

試合巧者同士による一番。
左相四つ。開始直後の28秒、加藤が袖の絞り合いから巴投に潜り込み「有効」を奪取。いきなりビハインドを負ったウルフは左内股に左大内刈と放って追い上げを図るが、2分22秒にクロスグリップを長く持ちすぎ反対に「指導」を失ってしまう。これでポイント上では差が広がったものの、ウルフの猛攻を凌ぎ続けた加藤はさすがに消耗。3分5秒と3分39秒に消極的と首抜きの咎で立て続けに2つの「指導」を失ってしまう。この状況を受けてウルフは「指導3」を奪っての逆転勝利を狙い攻勢を加速。一度は加藤の巴投で流れが切れるが、それでもひるまず左大内刈に支釣込足と連続で技を出し続ける。残り15秒、堪えきれなくなった加藤が畳に伏せると合議の末に3つ目の「指導」が宣告されて試合決着。ウルフが土壇場で逆転勝利を果たし、王子谷の待つ決勝の畳へと駒を進めた。

■ 決勝
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王子谷剛志の口とウルフアロンの顎が接触、両者激しく出血する

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王子谷が右内股でウルフを崩し、直後ウルフに2つ目の「指導」が宣告される

王子谷剛志(旭化成)○GS指導2(GS2:20)△ウルフアロン(東海大4年)

皇后盃に続いてこの天皇杯も決勝は東海大の先輩と後輩による対決。
王子谷が右、ウルフが左組みのケンカ四つ。地力に勝る王子谷は不用意に際を作らず圧を掛けながら前進。2分16秒には右小内刈に支釣込足と連続で技を出して消極の「指導」を引き出す。ここから膠着状態が続いての4分過ぎに、ウルフが左内股で王子谷の懐深くまで侵入。ポイントが想起される良いタイミングでの技に会場大いに沸くが王子谷はあくまで崩れず、落ち着いてこれを潰す。4分40秒には脇を差しあった状態からウルフが背中越しに帯を掴んで密着、王子谷は右内股でこれを剥がすと振り向きざまに右小外掛を仕掛けてウルフを大きく崩す。これも決まってもおかしくない一撃だった、結果はノーポイント。王子谷が「指導1」をリードしたまま本戦が終了し決着はGS延長戦へと持ち越される。

GS延長戦が始まると「指導」ビハインドを負っているウルフは脇を差して後ろ襟を掴む得意の形で密着。王子谷が右内股で迎え撃つとウルフも左小外掛に打って出て、投げによる決着の予感漂う激しい攻防が展開される。GS1分18秒にウルフが釣り手で帯を掴んで隅返を仕掛けると王子谷の口とウルフの顎が激しくぶつかり両者出血。止血のためにしばし試合が中断される。試合が再開されると自身の出血に試合中止もあり得ると踏んだ王子谷が急加速。両襟で圧を掛けてウルフに膝を着かせ、続く展開でも右内股を連続で放ってウルフを畳に這わせる。この攻防を受けて主審は王子谷の攻勢を認め、GS2分20秒にウルフに2つ目の「指導」を宣告。王子谷が見事2連覇を達成した。


取材・文:原輝地、林さとる、eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。

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