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平成29年全日本柔道選手権全試合詳細③三回戦

(2017年5月19日)

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。
平成29年全日本柔道選手権全試合詳細③三回戦
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山本幸紀の背負投は王子谷剛志に圧され掛け潰れに終わる

王子谷剛志(旭化成)○反則[指導3](3:33)△山本幸紀(日本エースサポート)

圧倒的な体躯を誇る王子谷が右、85㎏と出場者の中では小柄の部類ながら体の力は十分の山本が左組みのケンカ四つ。
王子谷は釣り手で上から前襟を取ると、肘を入れて山本の釣り手を潰して圧力を与える。対する山本は背筋に力を込めて圧に抗すると片手の左体落でいなしながら試合を進め、チャンスを伺う。両者の思惑がかち合い展開が膠着した44秒に双方に消極的の咎で「指導」。これを受けて王子谷は圧殺志向を加速。無理やり山本の頭を下げさせると顎を使って固定し、浅い右体落で山本を伏せさせると3分4秒、山本に2つ目の「指導」。直後の展開、後がなくなった山本が組み留められる前に左背負投に入るも、これは両手が離れてしまい自ら潰れる。主審は見逃さず偽装攻撃を採り、山本に3つ目の「指導」が宣告されて試合終了。試合時間は3分33秒、王子谷は二回戦に引き続き圧力のみでの勝利。やや慎重さが目立つとはいえ、まずまずの勝ち上がりで準々決勝の畳へ進む。

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尾崎央達が組み際の大内刈で影野裕和を攻める

尾崎央達(センコー)○GS反則[指導3](GS1:45)△影野裕和(愛媛県警察)

尾崎が左、影野が右組みのケンカ四つ。尾崎は一貫して組み際に左体落、一本背負投フェイントの左大内刈とを放って先手を取り続ける。何とか展開を押し返したい影野が右背負投に隅返と仕掛けるが、尾崎は一切取り合わず自らの攻めで影野の攻撃を塗りつぶし、「指導2」対「指導1」の反則累積差で尾崎優位で本戦終了、試合はGS延長戦にもつれ込むこととなる。延長に入っても試合展開は変わらず、尾崎が左一本背負投とその形からの左大内刈を組み合わせて攻め抜き、最後は左体落で影野を伏せさせたところで影野に3つ目の「指導」。試合時間は延長1分45秒、尾崎が持ち前のしぶとさをこの試合でも発揮して見事全日本選手権ベスト8の栄を勝ち得ることとなった。

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七戸龍が大外刈から内股に繋ぎ丸山剛毅を「一本」に仕留める

七戸龍(九州電力)○内股(2:10)△丸山剛毅(パーク24)

七戸が右、丸山が左組みのケンカ四つ。低く構えて組み際の担ぎ技で牽制を入れる丸山に対し、七戸は両手で捕えながら右大内刈、右内股と飛び込んで取りに掛かる。しかしいずれも踏み込みが不十分で投げ切るには至らない。一貫して丸山の反応の速さに手を焼く印象の七戸だったが、2分過ぎに釣り手で奥襟、引き手で袖と絶好の形を得ると今度はまず右大外刈で丸山の遠い脚を刈り止めて、本命の右内股に繋ぐ。動きを殺された形の丸山は七戸の長い脚の一撃をまともに食らって万事休す、限界まで開脚して透かそうと試みるがかなわず吹っ飛んで畳に沈み「一本」。試合時間は2分10秒、七戸が豪快な一本勝ちで丸山を下し順当に準々決勝進出を決めた。

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延長戦、垣田恭兵が小川雄勢の背後に回って帯を掴んでの大外落

垣田恭兵(旭化成)○GS指導2(GS3:47)△小川雄勢(明治大3年)

垣田、小川ともに左組みの相四つ。垣田は圧殺が強力な小川に対して引き手で襟を確保してからの片襟組み手を駆使、序盤から小川に釣り手を握られる前に左背負投、左小内刈、左大外刈とポイント級の技を繰り出し続ける。その後も互角以上の展開を保ったまま本戦を終えた垣田だが審判の裁定は極めて辛く得たリードは「指導1」のみ、決着はGS延長戦に持ち越される。延長に入ると垣田は一段集中力を高め、小川の横に付いて前に送り出すと、相手の後ろ帯を両手で掴んでの左大外落という大胆な発想の一撃で小川を大きく崩して山場を作る。観客席からは大きなどよめき、いよいよ逆風を感じた小川は無理やりに垣田を捕らえ圧殺、さすがに消耗している垣田は逃れられず「指導1」を失いスコアはタイとなる。この時点での経過時間は延長2分1秒。小川はここからあからさまに巻き込みを繰り返す展開奪取に腐心し、完全に勝負の行方を審判に委ねた模様。そして小川が左払巻込に入り切れず両手を離して伏せた延長3分47秒、主審は「待て」を掛けると副審二人を集める。終盤攻撃が止まった垣田への「指導」か小川の偽装攻撃への「指導」か、会場が固唾を飲んで見守る中、下された判断は小川への「指導2」、この反則ポイントを以て遂に試合は決着となる。垣田の投げへの執着心が最後は会場をも味方に付け、陣地確保に執着し続けた小川の圧殺柔道を乗り越えた一番であった。

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上川大樹の払釣込足、赤迫の巨体が足元から崩れ

上川大樹(京葉ガス)○払釣込足(3:14)△赤迫健太(新日鐵住金)

上川、赤迫の大型選手同士の一戦は両者右組みの相四つ。二回戦でやや不安な立ち上がりを見せた上川に対し、ここまで好調な勝ち上がりを見せている赤迫はこの試合も臆せず先に奥襟を叩いて、右「小内払」で崩し上川の頭を下げさせる。対する上川は落ち着いて引き手で赤迫の釣り手を落として体勢を立て直し、勢い込んだ赤迫が釣り手を片襟に入れると敢えてじっくり待ち、赤迫への「指導1」を誘ってリードを奪う。その後やや試合は膠着したが、3分過ぎに上川が一見さりげなく放った払釣込足に赤迫の体はあっという間に横倒しに畳に落下、満場あっと声を上げる中で上川が体を浴びせるとこれは文句なしの「一本」。試合時間は3分14秒。上川がいかにもこの人らしい切れ味鋭い足技を披露、二回戦で見せた不安を払拭して見事準々決勝進出を決めた。

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百瀬優の送襟絞に原沢久喜は意識を失い「一本」

ウルフアロン(東海大)○小外掛(2:27)△池田賢生(日本中央競馬会)

ウルフが左、池田が右組みのケンカ四つ。2分過ぎ、ウルフは前襟を突いて距離を取ろうとする池田に対し、釣り手を外から回して背中を握ると、引き手を襟に入れて一気に相手を引き寄せる。池田がこれを嫌うと、ウルフは片手の左内股を2つ放ってまず相手に前技への意識を植え付ける。伏線を張り終えたウルフは続く展開で釣り手で奥襟を得ると、今度は前技フェイントから、引き手で襟を確保しながら左小外掛。シンプルな組み立てに強い拘束、強烈な一撃に池田耐える間もなく畳にめり込み「一本」。試合時間は2分27秒、ウルフは二回戦に引き続き見事な一本勝ちで準々決勝に勝ち上がる。

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ウルフアロンの小外掛で池田賢生は畳に沈み「一本」

百瀬優(旭化成)○片手絞(0:38)△原沢久喜(日本中央競馬会)

百瀬、原沢ともに右組みの相四つ。
原沢は開始早々、引き手で袖、釣り手は奥襟と完璧な形を作ると思い切りよく右内股に飛び込む。しかし受けた百瀬は崩れながらもケンケンで耐え、伏せた原沢の背後を取るとすかさず寝技に以降、下から潜り込んでめくり返しに掛かる。原沢が肘を張り出してこれを堪えると百瀬はがら空きとなった原沢の襟首に手を差し込み送襟絞。百瀬が絞めを利かせながら回り込んで抑え込みに掛かると、原沢一時は仰向けに捲られるも自ら腹這いに戻してあくまで抑え込みを拒否。しかし百瀬の絞めは緩むどころか一層厳しく首に食い込み、原沢は完全に万事休す。百瀬が体重を掛けて絞め上げるとややあって原沢の動きが止まり、体の脱力が一目瞭然となる。主審が原沢の意識の喪失を確認して「一本」を宣告し、試合は終了。五輪銀メダリストが全日本選手権の畳で絞め落とされるという衝撃の場面を目の当たりにした場内は騒然、両選手が畳を降りてもなおその余韻は抜けきらず。間違いなく今大会を規定する試合として全日本史上に残る、大きなインパクトを残した一番であった。

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加藤博剛が内巻込で後藤隆太郎から「有効」を奪う

加藤博剛(千葉県警察)○GS技有・内巻込(GS2:06)△後藤隆太郎(三井物産)

左相四つ。双方相手の袖を絞り合う形で試合がスタート。後藤が左内股で掛け潰れると加藤はすかさず横三角から抑え込みを狙う。以後は加藤が一方的に技を仕掛ける流れが続いて1分19秒と2分35秒に後藤に「指導」ふたつが累積、中盤までは加藤優位で試合が進む。しかし、3分14秒に後藤が左方向への惜しい支釣込足を放つと状況が一転。以後はこの技をきっかけに息を吹き返した後藤と、ここで譲ってはすべてを失うとカン良く応じた加藤の両者が積極的に技を出し合う激しい攻防が展開される。本戦では決着がつかないままGS延長戦2分過ぎまで試合は進行。そしてGS2分6秒、加藤は左一本背負投に飛び込むと仰け反るように回転を加えて左内巻込「技有」を獲得する。加藤は後藤の粘りに手を焼いたものの、最後はしっかりと技によるポイントを得て勝ち上がりを決めた。


取材・文:原輝地/eJudo編集部

※ eJudoメルマガ版5月19日掲載記事より転載・編集しています。

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