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平成29年全日本柔道選手権全試合詳細②二回戦

(2017年5月12日)

※ eJudoメルマガ版5月12日掲載記事より転載・編集しています。
平成29年全日本柔道選手権全試合詳細②二回戦
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王子谷剛志が佐藤大地を小外刈で攻める

王子谷剛志(旭化成)○反則[指導3](4:18)△佐藤大地(羽黒高教)

連覇を狙う王子谷剛志が登場。対するは王子谷より二回りほど体格の小さい佐藤大地。
両者ともに右組みの相四つ。試合は序盤から王子谷が佐藤を圧倒、まず引き手で袖を得ると次いで釣り手で激しく奥襟を狙う。密度の高い前進とともに行われるこの行動に佐藤は真っ直ぐ後退し、やむなく畳を割って開始24秒で佐藤に場外の「指導」。その後も王子谷が捕まえる前に佐藤が場外へ出てしまう展開が重なる。佐藤は残り2分から組み際の右内股で見せ場を作ったが、結果的には3つの「指導」が積み重なって試合終了。内容はすべて佐藤の「場外」によるものであった。王子谷は刀を抜かずして勝利を収め、三回戦進出決定。

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山本幸紀が長尾翔太から内股「一本」

山本幸紀(日本エースサポート)○GS内股(GS1:00)△長尾翔太(兵庫県警察)

山本が左、長尾が右組みのケンカ四つ。序盤から長尾が左右の一本背負投と隅返で先手を取るのに対し、山本はあくまで崩れず、自身の際の強さを生かさんとチャンスを窺い続ける。長尾の奇襲攻撃を弾き続ける山本の体幹の強さは出色、あたかも背筋に鉄骨でも通しているかの模様。打ち続いたこの構図の攻防を経て、中盤に差し掛かるとどうやら山本に主導権が移った模様、2分36秒に山本が左内股で相手を伏せさせると長尾に「指導1」が宣告される。その後は互いに決定機を得ることが出来ず、試合はGS延長戦に突入。長尾がラッシュを掛けて山本から「指導1」を奪い返した直後の延長1分0秒、長尾が釣り手を背中に回してスクランブルを試みると、山本は落ち着いて釣り手で襟、引き手で袖を握ってハンドル動作の左内股。長尾全く耐えられず一回転し熱戦は「一本」で決着。「ベイカー世代」の一人として一線への復帰を期する山本が見事な投げを披露して二回戦を突破、王者・王子谷の待つ三回戦へと駒を進めることとなった。

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尾崎央達が下和田翔平から序盤に大内刈で「有効」を奪う

尾崎央達(センコー)○優勢[有効・小内刈]△下和田翔平(京葉ガス)

短躯重量で担ぎ技の得意な尾崎が左、長身痩躯で刈り技に威力を持つ下和田が右組み、体格も持ち技も対照的な二人の対戦はケンカ四つ。
開始早々に下和田が遠い間合いからの右小外刈で尾崎を伏せさせる。尾崎この間合いは不利と見たか、1分20秒、先に引き手を得ると左一本背負投の形で下和田の懐に飛び込み、上半身を固めながら座り込みの左大内刈で「有効」を奪う。序盤にリードを得た尾崎はその後も組み際に内巻込、外巻込を仕掛けて下和田に反撃の機会を与えずクロージング。泥臭い変調の一撃に粘りつくような組み手と先手攻撃、尾崎が一回戦に続き自身の長所を存分に発揮した形で、みごと三回戦進出を決めた。


影野裕和(愛媛県)○不戦△ベイカー茉秋(日本中央競馬会)

ベイカー茉秋は選抜体重別での肩の負傷の影響で欠場。影野の三回戦進出が自動的に決定。

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七戸龍が香川大吾の小外掛を透かして浴びせ「有効」

七戸龍(九州電力)○GS有効・浮落(GS0:42)△香川大吾(東海大3年)

優勝候補の一角を担う七戸龍の緒戦、対戦相手はあんこ型で受けの強い香川大吾。
七戸が右、香川が左組みのケンカ四つ。本戦は七戸が先んじて遠い間合いからの右大内刈、引き出しての右内股と得意の攻めを見せるも、香川がたくみに七戸の釣り手をずらして受け、要所で左内股に谷落と打ち返し展開譲らぬままタイムアップ。「指導2」対「指導1」の反則累積差で香川がリードしたまま、試合はGS延長戦に突入する。延長戦は七戸が得意の右大内刈を見せてまず展開を掴み、30秒過ぎにはこの技で香川を場外際まで追い込むとじわりと固定。嫌った香川が耐え切れずに左小外掛に突っ込むと待ち構えて身を翻し、浴びせ倒して「有効」奪取。このポイントを以って勝負あった。ベテランの七戸が組み立てと勝負勘の良さをふたつながら発揮、まず展開を掴み、難攻不落の香川に焦りが生じた一瞬を見逃さずしっかり勝負を決めた。

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丸山剛毅が中村剛教を引込返で攻める

丸山剛毅(パーク24)○GS指導1(GS1:49)△中村剛教(大阪府警察)

中量級の選手同士の対戦、両者左組みの相四つ。
丸山は追い込みの左内股に両袖の左大外刈、一方の中村は左背負投に逆の右一本背負投と双方極めて動き良く、試合は切れ味のある技の応酬となる。1分34秒には丸山が両袖の左大外刈から送足払に繋いで中村を畳に沈めるも、これは場外に出てからの技と主審が判断しノーポイントのまま「待て」。その後も互いに鋭い投技を繰り出し合うがポイントを得るまでには至らず、勝負はGS延長戦にもつれ込む。延長戦に入ると丸山がさらに一段ギアを上げて先手志向を加速。左内股、左袖釣込腰に左大外刈と攻撃をまとめると、延長1分49秒に主審が丸山の攻勢を評価する形で中村に「指導1」。中量級対決を制し、全日本選手権ベスト16進出の栄を得たのは丸山となった。

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小川雄勢が春山友紀を内股「一本」で畳に沈める

小川雄勢(明治大3年)○GS内股(GS0:29)△春山友紀(自衛隊体育学校)

恵まれた体格を生かした圧殺が持ち味の小川と、高校・大学と国士舘のレギュラーを務め重量級と戦う経験と手立て十分の巧者・春山がマッチアップ。
小川が左、春山が右組みのケンカ四つ。小川は体格差のある対戦の定石通りに両襟を握って圧力を掛ける。対する春山は前に出ている右脚を小川の左脚に当てて真横に立ち、圧力をまともに喰うことを避けつつ一本背負投、隅返、巴投で手数を稼いでチャンスを窺う。しかし小川が粛々と圧殺を続けると時間の経過に伴って春山は心身ともに消耗。本戦終了のブザー直後には小川が左払腰で春山を畳に叩きつけるに至る。審判の制止の後で無効ではあったものの、この一撃で春山の集中は切れてしまった模様。そしてGS延長29秒、小川が今度は左内股で春山を腰に乗せるともろとも畳にダイブ、豪快な「一本」で初戦突破を決めた。

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垣田恭兵が小川竜昂を巴投「技有」で下す

垣田恭兵(旭化成)○GS技有・巴投(GS4:08)△小川竜昂(新日鐵住金)

背負投ファイター垣田と、組み手争いと一体となった攻撃が強力な小川との対戦。一回戦に引き続き垣田は超攻撃型選手とのマッチアップ。
左相四つ。双方引き手で互いの襟を突く形から小川は釣り手で奥襟を叩きながら左大外刈に左大内刈、左内股、対する垣田は両手で小川の釣り手を捕まえての左背負投と両者よく攻め合って、しかしスコアは終盤に垣田に与えられた「指導1」のみで本戦は終了。GS延長戦に入っても一進一退の息詰まる攻防が続く。そして両者ともに消耗が明らかな延長4分過ぎ、垣田の左背負投の立ち上がり際に小川が左大内刈を合わせる。あるいは決定的な形かと思われたが、しかし小川は追い足が付いて来ず前につんのめる形となってしまう。垣田がこの刈り足を透かして巴投に潜り込むと小川は背中から畳に落下し「技有」。垣田が試合時間9分8秒の死闘を制し、小川雄勢の待つ三回戦の畳へと駒を進めることとなった。

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上川大樹は松雪直斗に粘られるも崩上四方固「一本」で振り切る

上川大樹(京葉ガス)○GS崩上四方固(GS2:31)△松雪直斗(福岡県警察)

20kgの減量を経て昨年大会とは別人かと思えるほどに締まった体の上川が登場、対するはさらに一回り小さい松雪直斗。
両者右組みの相四つ。サイズに劣る松雪は序盤から右大内刈、右背負投で先手を取るが、右背負投を仕掛けた際に両手が離れてしまい、偽装攻撃の咎で1分23秒「指導1」失陥。さらに試合が膠着した2分26秒には両者に消極的「指導」が与えられ、反則累積差で上川がリードしたまま試合は進む。以降、上川が試合を決めに掛からんと思い切った払釣込足、右足車を放つも一回りも小さい松雪に弾き返される場面が度々現れ、結局決定的なポイントが生まれないままに試合はGS延長戦に突入。延長戦に入っても松雪の粘りが続くが、2分15秒過ぎに上川は払釣込足で相手を潰すと、釣り手を離さずに体で押し込む決定的な形を作り出す。上川そのまま崩上四方固に抑え込み「一本」、なんとか片を付けた格好で畳を降りる。昨年度2位の強者・上川、いかに松雪が粘り強いタイプとはいえさすがにこの試合は違和感あり。名刀の切れ味を誇るその技の「効かなさ」に観客席は困惑気配、なにより自身が戸惑いを隠せない模様。緒戦ゆえの硬さか、本格的な不調か、判断は三回戦の戦いぶりに委ねられる。

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赤迫健太がガップリ組んで制野龍太郎に圧力を掛ける

赤迫健太(新日鐵住金)○反則[指導3](4:11)△制野龍太郎(宮城県警察)

一回戦、「両奥」で相手を圧倒した赤迫健太と軽重量級の強者制野龍太郎の対戦。
赤迫が右、制野が左組みのケンカ四つ。赤迫はこの試合も釣り手を先に奥襟に入れると次いで引き手も奥襟に回し「両奥」で圧力を掛ける。対する制野は釣り手を脇に差して自分も本来の組み手と逆の右構えになり対抗。試合は膠着状態となり、1分20秒に両者に消極的「指導」が与えられる。赤迫が釣り手で背中を確保すると頭が下がった制野が首を抜いてしまい2分48秒にふたつ目の「指導」が与えられる。そして終盤に再び試合が膠着に陥り、4分11秒両者に消極的との判断で「指導」が付与。これで制野は累計三つの「指導」失陥となり、反則負けが確定。赤迫が粘る制野を押し切る形で三回戦進出を決定めた。赤迫、一定の圧力は掛けるが一回戦のように体を投げ出すような大技に出ることはほとんどなし。制野の際の強さと後の先を考え、敢えて一発勝負を控え「詰め将棋」に徹したかと観察される。

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ウルフアロンの華麗な内股に橋爪謙は宙を舞う

ウルフアロン(東海大4年)○内股(0:26)△橋爪謙(長野県警察)

選抜体重別100kg級を2連覇して初の世界選手権代表権も獲得、上り調子のホープ・ウルフアロンが日本武道館の畳に登場。対するは全日本選手権初出場初勝利を挙げたばかりの橋爪謙。
ウルフが左、橋爪が右組みのケンカ四つ。両者釣り手を持ち合うと橋爪は片手の右内股を二つ仕掛けて互いの力関係を窺う。しかし、ウルフは一切様子見なし、橋爪の片手内股の戻り際に引き手を得ると引き出しの左内股で勝負を決めに掛かる。橋爪の体は宙に跳ね上がり、抵抗する間もなく一回転して畳に沈没。ウルフは「一本」を確信して立ち上がって開始線へと戻る。主審意外にも「技有」を宣告するがこれはすぐさま「一本」に訂正されて決着。試合時間は僅か26秒、ウルフが見事な「一本」で順当に三回戦進出を決めた。

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池田賢生が組み際の大外刈、大野将平ついに力尽き「一本」

池田賢生(日本中央競馬会)○GS大外刈(GS4:54)△大野将平(旭化成)

今大会最注目選手の大野将平が畳に上がる。対戦相手は100kg級の巧者・池田賢生。
ともに右組みの相四つ。池田は大野の一発を警戒して引き手で襟を突き左組みの形で距離を取る。対する大野は「持てば投げれる」とばかりにじっくり組み手を進めて右大外刈、右内股と叩き込み続け、1分52秒には大野に攻勢を許した池田に消極的の咎で「指導1」が与えられる。その後も大野が攻勢を取り3分17秒には池田にふたつ目の「指導」が与えられるが、終盤陣地回復を試みた池田の突進に大野思わず畳を割り、4分28秒こちらにも「指導1」が与えられる。延長戦に入っても大野の一発の威力はなかなか衰えず、池田は我慢の柔道が続く。しかしこの忍耐が延長4分54秒に奏功、池田がいよいよ消耗が顕著となった大野を組み際の右大外刈で刈り倒し、鮮やか「一本」奪取。今大会の最長試合、実に9分54秒にわたる激戦は池田の勝利に終わった。畳を降りる大野は悔しさを滲ませながらも堂々たる態度。大会最軽量ながらも投げにこだわる自身の柔道にこだわり続けた大野の健闘に、満場から惜しみない拍手が浴びせられた。

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原沢久喜が横四方固で新井信吾を下す

原沢久喜(日本中央競馬会)○横四方固(3:44)△新井信吾(埼玉県警察)

リオ五輪の銀メダリスト原沢久喜の緒戦、対するは33歳にして2度目の全日本出場の栄を得た新井信吾。
右相四つ。開始42秒、原沢が引き手で袖、釣り手で奥襟を握ると思わず首を抜いた新井に「指導1」が与えられる。以後も原沢がしつこく奥襟を握り続けると、新井が嫌ったところに遠間から片襟の右大内刈に飛び込み「有効」奪取。新井は投げられた勢いを利して場外に転がり出ようと試みるが、原沢はグイとその腕を引き戻し、横四方固で抑え込んで一本勝ち。原沢は順調な試合振りで三回戦へと駒を進める。

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奥村達郎の内股を百瀬優が透かして「技有」奪取

百瀬優(旭化成)○合技[内股透・崩上四方固](3:30)△奥村達郎(日本エースサポート)

百瀬が右、奥村が左組みのケンカ四つ。奥村は釣り手を振り立て片手の右内股で展開を獲りに掛かるが百瀬は崩れず。奥村の作用足が百瀬の股間を撃つアクシデントによる中断を経て、序盤戦は百瀬優位の探り合いのまま時間が経過。1分59秒に奥村動き鋭く右内股、しかし会場が沸いたその瞬間百瀬体捌き良くこの技を透かし、奥村の高く揚がった右脚は空転「技有」。百瀬はなぜか直後ほぼ決まりつつあった抑え込みの形を解いてしまったが、この不可解なミスの後もペースは乱れず。終盤寝技に持ち込み、伏せた奥村を持ち上げてめくり返すと腕を捕まえ崩上四方固。万全の合技「一本」で三回戦進出を決めた。

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後藤隆太郎が穴井航史から小外掛で「有効」奪取

後藤隆太郎(三井物産)○優勢[有効・小外刈]△穴井航史(旭化成)

初出場同士の一番はこの試合が初戦となる後藤が左、一回戦で全日本選手権初勝利を挙げている穴井が右組みのケンカ四つ。試合巧者の穴井は片襟の右体落と巴投で要所に楔を入れ、後藤の一発を封じ続けて僅かながら展開優位。両者に決定的ポイントが入らないまま終盤まで試合が進む。延長突入の気配濃厚であったが、残り1分を過ぎたところで後藤が釣り手で背中を握ると変形の左小外掛に打って出る。左足を引っ掛けたまま右引き手で手前側の襟を掴み、後ろに引き摺り込むと穴井の体が大きく崩れ、最後は両手でコントロールして上に被さり決定的な「有効」奪取。後藤は以後はスクランブルを試みる穴井にまったく付き合わず手堅くクロージング。みごと巧者・穴井の関門を破って三回戦進出を決定した。相手の長所を殺すことに長け、めったなことでは姿勢を崩さない穴井を無理やり捕まえた小外刈の一撃は見事であった。

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加藤博剛が五十嵐唯大からダメ押しの巴投「有効」追加

加藤博剛(千葉県警察)○優勢[技有・巴投]△五十嵐唯大(愛知県警察)

二回戦最後の試合は国内随一の業師・加藤博剛と、前戦で全日本選手権初勝利を挙げ意気揚がる五十嵐唯大との対戦。
加藤が左、五十嵐が右組みのケンカ四つ。試合が始まるなり加藤が横巴投に滑り込み「技有」、さらに直後の展開で再び横巴投で「有効」も追加。試合時間1分にも満たないうちに五十嵐を大きく突き放す。加藤、以後はのらりくらりと試合を進め五十嵐に反撃のきっかけすら与えず。さらに2分44秒に巴投で「有効」を追加すると、いよいよ逃げ切り態勢に入る。試合は加藤の意図通りにブレーキが掛かって良くも悪くも見どころ激減、残り6秒で両者に故意に組まない咎による「指導1」が与えられたのみで終了。加藤が圧勝で三回戦進出を決めた。


取材・文:原輝地/eJudo編集部

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