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平成29年全日本柔道選手権全試合詳細①一回戦

(2017年5月10日)

※ eJudoメルマガ版5月10日掲載記事より転載・編集しています。
平成29年全日本柔道選手権全試合詳細①一回戦
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長尾翔太が一本背負投から大内刈に変化して青山正次郎から「技有」を奪う

長尾翔太(兵庫県警察)○GS技有・大内刈(GS0:32)△青山正次郎(福岡県警察)

大会緒戦は曲者長尾と巨漢青山という大会きっての好役者同士の対戦。試合開始が宣せられると、青山は自らをさらに大きく見せるかのごとく両手を大きく広げて構え、対する長尾は腰を左右に切る「長尾ダンス」で自らのボルテージを高めるパフォーマンス。両者が作り出す魅力的な画に場内大いに湧く。

右相四つ。青山が釣り手を先に掴んで圧力を掛けると長尾は片袖の右背負投で先手攻撃。以後も長尾が圧をかわしながら担ぎ技で先んじて攻め、3分6秒具体的な技が出ない青山に「指導1」。直後のシークエンス、青山が長尾の担ぎ技を待ち構えて裏投を狙うと、予測した長尾が右一本背負投から大内刈に変化、青山が背中から畳に落ちて主審は「一本」を宣告。しかし合議の結果青山の自滅と判断されてこれは取り消し、試合は続行となる。その後も試合の構図は大枠変わらず、青山が組み際の右外巻込をラッシュしたところで本戦5分が終了し試合はGS延長戦へ。両者に疲れが見え始めた延長32秒、長尾が本戦で手応えを得た右一本背負投から低い大内刈への連絡技で勝負に出る。崩れた青山は伏せ掛けるが、長尾はここで決めねばと一段力を振り絞って押し込み「技有」獲得。本戦では指導累積差で決着がつかない新ルールを念頭に青山が余裕を持って試合を進めていたが、長尾は我慢を重ねた末に最後は技でのポイントを奪取。殊勲の勝利であり、栄えある全日本柔道選手権のオープニングにふさわしい好試合だった。

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尾崎央達が小外掛で帯川雄大を崩す

尾崎央達(センコー)○GS反則[指導3](GS3:20)△帯川雄大(北海道警察)

短躯の尾崎が左、長身で懐の深い帯川が右組みのケンカ四つ。
釣り手で前襟を持って得意の右内股を放ちたい帯川に対して、尾崎は引き手で帯川の釣り手を抑えながら先んじて片襟の左体落を繰り出し、形を与えぬまま相手を崩しに掛かる。両者の思惑がかち合う形で試合は膠着し、1分23秒にまず消極的との咎で、3分9秒には故意に取り組まないとの判断で双方にふたつの「指導」が与えられる。以後も展開変わらぬまま本戦5分があっという間に終了。迎えたGS延長戦、尾崎が釣り手で帯川の釣り手を絞っては逆の右外巻込に入るという新しい組み立てを見せると展開は徐々に尾崎に傾き始める。この流れを帯川は止められず、尾崎が右外巻込から左小外掛と技を繋いだGS3分20秒に帯川に3つ目の「指導」が与えられて試合終了。
この試合は尾崎が持ち前の粘り強さを存分に発揮した一番。序盤に幾度も鋭い内股を閃かせてポイント奪取の予感を漂わせていた帯川であったが、時間が経つほどに心身ともに消耗を強いられ、戦意すらも削り取られていくようであった。

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影野裕和が奥嶋聡から一本背負投「有効」

影野裕和(愛媛県警察)○優勢[技有・一本背負投]△奥嶋聡(山口県警察)

中量級の好選手同士による一番は、双方右組みの相四つ。試合開始早々に影野が組み際に低い右一本背負投に飛び込んで「有効」奪取。影野はその後も右一本背負投で攻め続けて主導権を確保、2分48秒には再び右一本背負投で奥嶋を転がし「技有」も追加する。一発逆転を狙うしかない奥嶋は終盤に肩車でスクランブルを掛けるが、これは影野が冷静に潰してクロージング。危なげなく二回戦進出を決めた。

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丸山剛毅が佐藤和幸から両袖の大外刈で「一本」

丸山剛毅(パーク24)○大外刈(2:15)△佐藤和幸(愛知県警察)

左相四つ。体格に劣る81kg級の丸山が積極的に動いて試合を動かしに掛かり、一方上背に大きく勝る佐藤は必要以上に動かず、まずしっかり組み止めて試合を作らんとする。その後組み手争いで試合は膠着するが、1分半過ぎに丸山が突如ペースアップし飛び込みの左内股、いきなりの威力ある一発に佐藤一瞬両足が浮くもこれは伏せて「待て」。主審が試合に介入すべきタイミングで的確に山場を作った格好のこの攻防を受け、直後佐藤に消極的との咎で「指導1」が与えられる。試合が再開されると、両者が引き手で互いの釣り手を絞り合う。誰もが再びの膠着を想起する場面であったが、その瞬間に丸山またしても突然スピードを上げ両袖の左大外刈一閃。佐藤の体が勢い良く畳に転がり、主審は迷わず「一本」を宣告。丸山、長所である投技の切れ味を存分に見せつけて二回戦進出決定。

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春山友紀が横四方固で猪又秀和を抑え込む

春山友紀(自衛隊体育学校)○崩上四方固(3:58)△猪又秀和(東京学館新潟高)

中量級の試合巧者春山と、今大会で十回出場のベテラン猪又の対戦。
右相四つ。春山が序盤から引き手の絞りを利かせつつ、片袖の背負投、袖釣込腰、さらに釣り手を引き手側の襟に差し込んでの大外刈と猪又を翻弄。2分21秒には技が出ない猪又に「指導1」が与えられる。直後春山は巴投から腕挫十字固に繋ぎ、リードにも攻撃の手を緩める気配はなし。この攻防は猪又が必死に逃れて危機を脱するが、寝技が効くと見た春山は3分23秒、今度は片襟で煽って猪又を伏せさせて横三角から横四方固で抑え込む。猪又が肩ブリッジで暴れると崩上四方固に抑え直して、3分58秒「一本」。戦術眼の高さもさることながら、春山の手立ての多さと技術の確実性は圧巻。二回戦の小川雄勢戦に向けて大いに期待の高まる、巧みな戦いぶりであった。

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垣田恭兵の小外掛に一色勇輝が大きく崩れる

垣田恭兵(旭化成)○GS反則[指導3](GS0:53)△一色勇輝(日本大3年)

大会きっての巧者であるベテラン垣田に挑むは、スケールの大きな柔道が持ち味の若手・一色。タイプの違うファイター同士による好カードである。
垣田が左、一色が右組みのケンカ四つ。序盤の組み手争いで一色が自身の襟を手で隠すと、39秒一色に「指導1」。続く展開では垣田が得意の左背負投で攻め、一色は遠間から伸びる右大外刈と右払腰を打ち返して対抗。互いの技の威力を確認しあった形のこの攻防を経て、引き手の取り合いで試合はやや膠着。3分24秒には両者に「故意に組まない」咎による「指導」が与えられる。その後は技の応酬の展開が続くが決定的なポイントには至らず、試合はGS延長戦に突入。ここから垣田が一段ギアを上げて袖釣込腰と背負投で山場を作り、最後は腰を抱いての左小外掛で相手を大きく崩したところで一色に3つ目の「指導」。両者一歩も譲らぬ熱戦は、勝負どころを見誤らずに攻め切った垣田に軍配が上がった。

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赤迫健太の内股が阪本健介を捉え、「技有」

赤迫健太(新日鐵住金)○GS技有・内股(GS0:35)△阪本健介(了徳寺学園職)

赤迫が右、阪本が左組みのケンカ四つ。赤迫は釣り手を上から入れると左引き手を奥襟に入れて「両奥」組み手、その状態から左右の浮落で阪本を振り回す。阪本は釣り手で前襟を突いて間合いを取ろうとするも抗い切れず、56秒に「指導1」失陥。以後も赤迫が強引に間合いを詰め、阪本が必死に抵抗するという構図のまま試合が進み、2分26秒に両者「指導」が追加されて本戦は終了。GS延長戦に入っても展開は変わらず、赤迫は「両奥」で左右の内股と浮落を繰り出す迫力の柔道。延長1分35秒、赤迫が遂に右内股で阪本を捉え、崩れた相手に素早く体ごと乗り込んで「技有」獲得。赤迫が圧勝で二回戦へと駒を進めることとなった。

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橋爪謙が内股から小内刈の連絡技で一戸勇人から「有効」を奪う

橋爪謙(長野県警察)○GS有効・小内刈(GS2:10)△一戸勇人(北海道警察)

橋爪が右、一戸が左組みのケンカ四つ。一戸が自分より一回り大きい橋爪相手に引き手で持ち勝つと、左体落と足技で試合を優位に進めて「指導2」リードのまま本戦を終える。しかしGS延長戦に入ると様相が変わり、橋爪が両襟で一戸を引き付けると先んじて左内股、一気に攻勢に転じる。最後は橋爪が左内股から左小内刈に繋いで「有効」奪取、逆転勝利で二回戦進出を決めた。

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池田賢生が小内巻込で松村颯祐から「有効」奪取

池田賢生(日本中央競馬会)○優勢[有効・小内巻込]△松村颯祐(開星高3年)

もと90kg級実業王者で現在は100kg級、均整の取れた体形の池田と、3月の全国高等学校選手権で個人無差別級を制したばかりでこちらはこれぞ重量級という大型の松村という非常に全日本らしい画の一番。
両者右組みの相四つ。序盤は池田が先んじて右の一本背負投を仕掛けて主導権を握り、技が出ない松村に1分18秒「指導」。しかしこの直後から松村は吹っ切れたように右大外刈から左小外刈、さらに潰して片手絞と積極的に攻めて主導権を奪回。池田は松村に両襟を握られて圧を受ける場面が増え、苦しい状況が続く。しかし1分12秒、松村が不用意に引き手を離し片襟になった瞬間を池田は見逃さず、右小内巻込に飛び込み「有効」奪取。以後はリードを得た池田が松村に反撃のチャンスを与えないまま試合終了。実力者池田が、若く勢いのある松村に勝負の厳しさを教えた形の一番であった。

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百瀬優が北野裕一の小外刈をかわして浴びせ倒し「有効」を奪い勝利を決める

百瀬優(旭化成)○GS有効・浮落(GS2:33)△北野裕一(パーク24)

体格と組み手を利しての圧殺を得意とする百瀬と、中量級の巧者で変化球的な技一撃の威力が売りの北野がマッチアップする好カード。
百瀬が右、北野が左組みのケンカ四つ。ともに自分の組み手を作ると過たず得意技を繰り出し、北野は隅返、百瀬は右大内刈に右足車で見せ場を作る。ただし組み手に時間を掛け過ぎて両者の攻めは散発傾向、決定的な場面がないまま本戦は終了となる。そして両者「指導1」のタイスコアで迎えた延長2分32秒、北野が左小外刈を仕掛けると百瀬かわして浴びせ倒し「有効」奪取。北野は得意技の隅返で先手を取っていたが攻勢を演出するにはやや不十分、投げずば勝てぬ新ルールの厳しさが出た一番となった。

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穴井航史(旭化成)○横四方固(5:17)△滝大輔(香川県警察)

両者右組みの相四つ。序盤から試合巧者・穴井が本領発揮、片袖の右体落、片袖の右大外刈と組み際の攻撃をまとめて、1分49秒滝に「指導1」。以後も穴井が相手に決定機を与えず優位に試合を進め、「指導1」対「指導2」でリードのまま本戦は終了。延長戦、後のない滝が相四つクロスからの右内股巻込で勝負に出ると、待ち構えた穴井は引き手を滝の腰に回して潰し寝技に移行。脇を掬って捲り返し、横四方固で抑え込む万全の形で「一本」。穴井が完璧な試合運びを披露して、二回戦進出決定。

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五十嵐唯大が木下泰成を追い込み、内股で「有効」を奪う

五十嵐唯大(愛知県警察)○優勢[有効・内股]△木下泰成(兵庫県警察)

五十嵐、木下ともに右組みの相四つ。試合開始40秒、五十嵐が先に引き手で袖を得ると木下は引き手で襟を突いて距離を取る。それを受けた五十嵐は釣り手を外から回して木下の引き手の二の腕部分を握り、追い込んでの右内股。一度相手を宙に浮かせてから体で乗り込んだこの技が決まって「有効」。以後木下は右背負投で反撃を試みるが、リードを背にした五十嵐がしっかり凌ぎ切って試合終了のブザー。五十嵐がワンチャンスをものにして優勢勝ち、二回戦進出を決めた。


取材・文:原輝地/eJudo編集部

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