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第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート④準々決勝

(2017年3月31日)

※ eJudoメルマガ版3月31日掲載記事より転載・編集しています。
第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート④準々決勝
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先鋒戦、賀持喜道がニコー・グディエレッヅエを攻める

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蠣﨑洸太が村尾三四郎の隙を突き、一本背負投に潜り込む

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長崎日大高の副将永田賢斗が、桐蔭学園高の中堅・湯本祥真から払巻込「一本」

桐蔭学園高 ○一人残し△長崎日大高
(先)賀持喜道×引分×ニコー・グディエレッヅエ(先)
(次)村尾三四郎×引分×蠣﨑洸太(次)
(中)湯本祥真○優勢[有効]△山口雅矢(中)
(中)湯本祥真△払巻込(0:18)○永田賢斗(副)
(副)千野根有我○優勢[僅差]△永田賢斗(副)
(副)千野根有我△袈裟固(0:49)○山口貴也(大)
(大)関根聖隆○優勢[技有]△山口貴也(大)

先鋒戦は桐蔭学園・賀持喜道が左相四つのニコー・グディエレッヅエを相手に大内刈、大外刈、支釣込足と次々取り味のある技を繰り出すが、この試合も懐の深いニコーを崩し切れず、奪ったポイントは1分52秒に挙げた「指導」ひとつのみ。後半は手ごたえを得たニコーが奥襟を叩いて攻め返し、この試合は引き分け。そして次鋒戦も村尾三四郎がケンカ四つの蠣﨑洸太を攻略出来ず、片手状態からの左一本背負投の侵入も許して得点の気配は薄し。55秒双方に片手の咎で「指導」、村尾の猛攻を受けて残り11秒で蠣崎に「指導2」が入るが、この第2試合も結局引き分けに終わる。賀持、村尾と注ぎ込んで無得点の桐蔭学園はこの試合も苦戦気配を払拭できず。

第3試合では湯本祥真が山口雅矢に「有効」優勢で勝利して桐蔭学園が先制に成功するも、続く第4試合では湯本が永田賢斗の払巻込で吹っ飛んで「一本」。ここでスコアはタイ、ただし勝ちぶりの良さと挑む立場の強さを考えれば以降の流れは長崎日大が獲ってもおかしくないところ。

桐蔭学園はもしここで試合を誤れば敗戦が一気に現実的になる。しかし第5試合は千野根有我が踏ん張り、畳に残った永田賢斗から「指導」累積差による優勢勝ちを果たしあくまで長崎日大を押し返し続ける。

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大将同士の対決、関根聖隆が山口貴也から一本背負投「技有」

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山口が関根を大外刈で攻める

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あと1つの「指導」奪取叶わず、長崎日大は惜敗

ここで長崎日大はエースの大将・山口貴也が登場。千野根は後衛のエース関根聖隆に襷を渡す前に少しでもこの難敵を消耗させておきたいところだが、山口は開始早々の21秒に大内刈で「有効」奪取、そのまま崩袈裟固に抑え込んであっという間の「一本」奪取。勝敗の行方はついに大将同士による一騎打ちに委ねられることになる。

大将同士の対決は関根聖隆と山口貴也ともに左組みの相四つ。長身の山口が組み手で先手を取り、上下にアオリを入れると関根が畳に潰れて「待て」。力関係ではあるいは山口が上かとも思われたこの最初の攻防を経て、しかし50秒には関根が片足を相手の股中深く入れて踏ん張り、打点高く左一本背負投。山口の体が浮き上がると腕を一段深く抱え込みながら体を捨てて決定的な「技有」奪取に成功する。

直後山口が圧を呉れると関根あっさり畳に屈し、1分0秒関根に「指導」。ここから山口は前進圧力に舵を切り、残り50秒で関根に「指導2」、残り29秒には「指導3」が積み重なるところまで試合が煮詰まる。山口過程を飛ばして左大外刈の大技を放ち関根の牙城に迫るが、あと一歩及ばずタイムアップ。この試合は関根の「技有」優勢による勝利に終着し、桐蔭学園がスコア一人残しで準決勝への勝ち上がりを決めることとなった。

賀持がまたもや取れず、意外な大人しさで引き分けた村尾とともにどうやら今後も冬季シリーズのような爆発力を期待するわけにはいかない情勢。さらに上位対戦で大型選手を止めねばならない湯本が「重量級に体ごと持っていかれる」という軽量選手が最も見せてはいけない絵面で「一本」失陥、巨漢千野根も課題である2試合目の我慢が利かず、関根は山口とどっちが勝ってもおかしくないギリギリの試合を演じ、絶対性に陰りが出始めた。分水嶺の試合を僅差優勢の勝利で踏ん張った千野根の奮闘と、そしてなにより相手が慣れる前に一発獲ってしまう勝負勘と取り味の高い勝負技を持った関根のパーソナリティに助けられる形でベスト4入りは決めたものの、桐蔭学園はこの試合も大苦戦。決して以後の展望開けたとは言い難い辛勝であった。

一方の長崎日大は大将山口を筆頭に、一言で言って骨の太いチームであった。大将戦の山口はビハインドゆえ圧力行動を志向し過程を飛ばしての技が多かったが、バックグラウンドを考えずにしっかり組んで投げる勝負を繰り広げればそのまま勝ってしまうのではないかという地力の高さを感じさせた。7戦の中で幾度か訪れた「勝ちを引き寄せる機会」をわずかに譲ったことが長崎日大の敗因だが、全国大会ベスト8の栄誉に恥じぬ逞しいチームであったと評しておきたい。

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国東高・下石悠生が延岡学園高・岩佐哲汰から払巻込「技有」

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国東高は副将嶌田恵介が棚橋慎之介から「有効」奪取、ついに1人差のリードを得る

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大将同士の対決、羽田野竜輝が中島大貴から内股「技有」

延岡学園高○一人残し△国東高
(先)吉野弘人×引分×和泉川武蔵(先)
(次)岩佐哲汰○優勢[有効]△平山知義(次)
(次)岩佐哲汰△合技[払巻込・後袈裟固]○下石悠生(中)
(中)小島孝太×引分×下石悠生(中)
(副)棚橋慎之介△優勢[有効]○嶌田恵介(副)
(大)羽田野竜輝○内股(0:35)△嶌田恵介(副)
(大)羽田野竜輝○優勢[技有]△中島大貴(大)

九州勢同士による激戦。両軍ともに大将に大会屈指の大駒を座らせており、この羽田野竜輝と中島大貴の両雄が畳に上がるまでに如何なるバックグラウンドを準備出来るか、そして直接対決の様相がそのまま試合を決めるはず。

延岡学園はここまで抜き役を担ってきた先鋒の吉野弘人が同階級の強豪和泉川武蔵を相手に引き分け。これまでの試合の勝利パターンが崩された格好だが、次鋒の岩佐哲汰が終了間際に支釣込足「有効」を挙げて平山知義に勝利、この奮闘の結果貴重な先制点は延岡学園の手に落ちる。しかし国東高はここから下石悠生が岩佐を払巻込と後袈裟固の合技「一本」、嶌田恵介が棚橋慎之介を払巻込「有効」とそれぞれ1人ずつを抜き返し、1人差のリードを持って延岡学園の大将羽田野竜輝を引きずり出すことに成功する。

「バックグラウンドを作る」前哨戦では国東が勝った形だが、しかしここから延岡学園のエース羽田野が大活躍。畳に残った嶌田を僅か35秒の内股「一本」で抜くと、九州新人大会100kg超級決勝の再現カードとなった中島大貴戦では内股「技有」を奪う。両襟で浮かせ、中島が手をついて耐えることを織り込んで一段早く体を投げ出して制する自信満々の一撃だった。このポイントで羽田野が優勢勝ちを果たし、結果スコア一人残しを以て延岡学園の勝利が決定。栄光の全国高等学校柔道選手権ベスト4進出権はシード校・延岡学園の手に落ちることとなった。

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安井彪翔が得意の「やぐら投げ」で吉村太一を攻める

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西野豊が安井彪翔を袈裟固で抑え込み、合技「一本」

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副将同士の対決、崇徳高の神垣和也が畳に残った西野豊から内股「一本」

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神垣が奥野友輝を抑え込む

崇徳高○二人残し△東海大仰星高
(先)兼藤仁士×引分×内村秀資(先)
(次)枇杷木勇樹×引分×大野晃生(次)
(中)安井彪翔○優勢[技有]△吉村太一(中)
(中)安井彪翔△合技(0:40)○西野豊(副)
(副)神垣和也○内股(1:21)△西野豊(副)
(副)神垣和也○崩上四方固(3:20)△奥野友輝(大)
(大)長岡季空

東海大仰星はここまでの3試合で大将に登録されて出番のなかった大野晃生を次鋒に派遣、先鋒内村秀資と並べて前衛に軽量2枚の斬り込みブロックを形成し、さらにいよいよ勝負どころと見たか奥野友輝を大将に座らせて来るべき最後の勝負に備える。一方の崇徳は再び神垣と長岡の2枚を後衛に配する後ろ重心の陣形、前衛にはバランスの良い兼藤と撃ち合いが持ち味の枇杷木というタイプが違う抜き役2枚を送り込む。

試合は2試合連続の引き分けスタート。しかし第3試合では崇徳・安井彪翔が、2回戦の国士舘戦で貴重な1点を挙げている吉村太一から小外掛「技有」奪取の殊勲。その後払巻込「有効」を失うが3分をしのぎ切って貴重な先制点を挙げる。

崇徳としては5番手選手が奮闘して先制するという、なかなかの好展開。しかしポイントリード後の殿戦で消耗したか、安井は次戦で体重125kgの西野豊に払腰と崩袈裟固の合技「一本」で敗退。「取っても取られる」今代の悪い部分が出た格好で試合は振り出しに戻る。崇徳は出来かけた良い波をどうしても捕まえることが出来ない。

この試合も苦戦気配が漂う崇徳だが、続いて畳に上がった副将神垣和也がまたもや大仕事、西野を内股「一本」、さらに奥野を崩上四方固「一本」で抜いて一気に試合を収拾する。

最終スコアは二人残しという大差。崇徳はキーマンの2人が取れず、かつ取っては取られるバタバタの試合であったが、またも好調神垣に助けられる形で無事ベスト4入りを決めることとなった。この日ここまでの主役の一であった東海大仰星は、ここでついに力尽きた。

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副将菅原孝希が弓削凛月に横四方固で一本勝ち、日体荏原はビハインドを2度追いつきタイスコアに持ち込む

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大将同士の対決、東部直希が塚本綾から払巻込「有効」

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塚本が肩車を放って猛攻

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東部がリードを保ったまま試合終了、大成高がベスト4入りを決めた

大成高○一人残し△日体荏原高
(先)大西陸斗○大外刈(2:39)△内藤彪我(先)
(先)大西陸斗○背負投(0:35)△村上朋也(次)
(先)大西陸斗△腕緘(0:20)○森大将(中)
(次)三輪魁星△優勢[有効]○森大将(中)
(中)弓削凛月○背負投(1:05)△森大将(中)
(中)弓削凛月△横四方固(2:04)○菅原孝希(副)
(副)藤鷹裕大×引分×菅原孝希(副)
(大)東部直希○優勢[有効]△塚本綾(大)

大成の先鋒・大西陸斗が好調。キレのある動きでまず内藤彪我を大外刈「一本」、さらに村上朋也に試合開始早々の支釣込足「有効」でリードを許しながらも、すかさず背負投「一本」を決めて逆転勝利、2人抜きに成功する。
大成はこの時点で以後の視界良好。しかし第3試合では日体荏原の森大将が試合が始まるなりの背負投「有効」、さらに腕緘「一本」で大西を抜き返して一気に試合は乱戦気配。森はさらに次鋒三輪魁星を隅落「有効」で破り、ここでスコアはタイ。大成は序盤得た2人差のリードをあっという間に失ってしまう。

第5試合は畳に残った森が弓削凛月の圧力に逆らえず立て続けに「指導」2つを失陥、1分5秒には弓削得意の背負投が決まって「一本」。しかしこの弓削も続く試合では菅原孝希に谷落で転がされ、横四方固「一本」で退場。副将同士の対戦となった第7試合は大成・藤鷹裕大が畳に残った菅原と引き分け、試合はタイスコアで大将同士の対決へと持ち込まれる。

今代切っての抜き役・東部直希と、体格差のある相手にこそその本領を発揮する73kg級の強者・塚本綾の対戦は、東部が手堅く圧を掛けて「指導」2つを得ると払巻込で決定的な「有効」獲得。そのまま塚本を懐に入れずに戦い切って優勢勝ちを果たす。結果スコア一人残しを持って大成がベスト4進出を決めることとなった。

大西の2人抜きで今度こそは東部を休ませることが出来るかと思われた大成だが、さすがに強豪日体荏原相手にこれは叶わず。それでも東部の仕事をエース対決の1試合に限定したことは、1年生主体の周辺戦力を考えればむしろ健闘であったと言えるだろう。

大成、「四つ角」校の責務を無事果たしてベスト4進出決定。日体荏原はノーシードながら東京勢4校のうち唯一初戦を突破し、ベスト8まで辿り着いてなんとか地元の面目を保った。

結果決まった準決勝カードは、

桐蔭学園高 - 延岡学園高
崇徳高 - 大成高

の2試合となった。

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