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第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート③三回戦

(2017年3月31日)

※ eJudoメルマガ版3月31日掲載記事より転載・編集しています。
第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート③三回戦
■ Aブロック
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桐蔭学園高の関根聖隆が東海大静岡翔洋高・北田晃大から一本背負投「技有」

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最終戦、湯本祥真が米山竜生を攻める

桐蔭学園高〇二人残し△東海大静岡翔洋高
(先)佐藤虎太郎×引分×村松考紀(先)
(次)関根聖隆〇小内巻込(1:42)△磯部昴佑(次)
(次)関根聖隆〇合技(1:35)△北田晃大(中)
(次)関根聖隆×引分×南條伯海(副)
(中)湯本祥真×引分×米山竜生(大)
(副)千野根有我
(大)村尾三四郎

桐蔭学園は2回戦でベンチに取り置いた佐藤虎太郎を先鋒に、前戦大将に座ったまま出番がなかった関根聖隆を次鋒に投入。まず全員に一巡武道館の畳を踏ませるローテーション作戦で第2戦に臨む。

しかし73kg級の強者佐藤は村松考紀を崩し切れぬまま引き分け。右袖釣込腰に右腰車、終盤は奇襲の左大外刈と手数は出るものの、投げるには至らず。動きがもう一つだった前日の個人戦の出来を引きずっている印象で、相手が予期するより一瞬早く決定的な深さまで入ってしまう佐藤の良さがどうしても発揮出来ない。前戦で漂った苦戦ムードを畳に残したまま、試合は第2試合に引き継がれる。

しかしここで畳に上がった主将・関根はさすが。次鋒磯部昴佑から左の「一本大外」でまず「技有」獲得、さらに1分42秒に左の小内巻込を決めて文句なしの「一本」。続いて中堅の北田晃大を畳に迎えると組み合うなりすかさず左一本背負投に飛び込んで「技有」獲得。さらに先に引き手で袖を得て左相四つの北田の釣り手を封殺、相手に柔道をさせぬまま片襟を差して1分35秒に左背負投「技有」を追加、合技の「一本」で2人抜き達成。関根は続く南條伯海戦を手堅く引き分けて退場、最終戦は湯本祥真が米山竜生と攻め合いのまま3分を戦い抜いて引き分け。この試合はスコア二人残しを以て桐蔭学園が勝利することとなった。

前日の個人戦無差別を決勝まで戦った関根であるが、この人の出来にブレはなし。逆にもし関根が不調であれば、どこか波に乗り切れないこの日のチームがズルズル悪い流れにのまれてしまいかねないところだった。簡単にはいかないことが判明した全国大会、しかしそれでも、最悪でも「関根がいる」ことが確認出来た、桐蔭学園にとっては価値ある一番であった。

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大将同士の対決、長崎日大高・山口貴也が埼玉栄高・岩田歩夢を袈裟固「一本」に仕留める

長崎日大高〇一人残し△埼玉栄高
(先)蠣﨑洸太×引分×西願寺哲平(先)
(次)ニコーグディエレッヅ×引分×豊永貫太(次)
(中)山口雅矢×引分×蓜島創(中)
(副)永田賢斗×引分×梅野雅崇(副)
(大)山口貴也〇崩袈裟固(2:15)△岩田歩夢(大)

長崎日大がシード校埼玉栄を打倒。抜き役を期待された先鋒蠣﨑洸太が66kg級個人王者西願寺哲平とかちあって引き分けたが、以降3試合も隙を見せずに引き分け。自軍のシナリオである「エース同士の最終戦対決」に盤面をしっかり引き寄せる。

そして大将同士の対決で畳にあがった山口貴也が岩田歩夢から大外刈「有効」、そのまま袈裟固に抑え込んで盤石の「一本」。これで見事ベスト8への勝ち上がりを決めた。埼玉栄は前代からの戦力ダウンと招待試合シリーズの不出来にも関わらずシード校ピックアップの栄に浴したが、その高い評価にふさわしい試合を見せることが出来なかった。

■ Bブロック
国東高〇一人残し△新田高
(先)下石悠生〇優勢[技有]△野並孝成(先)
(先)下石悠生△崩上四方固(1:55)〇亀尾一期(次)
(次)嶌田恵介〇腰車(1:48)△亀尾一期(次)
(次)嶌田恵介△優勢[有効]〇影浦力(中)
(中)中込公棋△出足払(2:02)〇影浦力(中)
(副)和泉川武蔵〇優勢[僅差]△影浦力(中)
(副)和泉川武蔵△上四方固(2:31)〇熊坂光貴(副)
(大)中島大貴〇優勢[僅差]△熊坂光貴(副)
(大)中島大貴〇優勢[有効]△井上昌也(大)

激しい抜き合いを制して国東高が準々決勝進出決定。絶対のエースである中島登場まで新田高に許した得点は「4」。いつ戦線が崩壊してもおかしくない乱戦であったが、国東は要所でしっかり抜き返し、1人差ビハインドまでで新田の攻撃を抑えて大駒・中島を畳に送り出す、中島は徹底警戒される中で副将熊坂光貴を「指導」累積差、そして大将井上昌也を「有効」優勢で破って2人抜き達成。同時にチームのベスト8進出を決めた。

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延岡学園高の先鋒吉野弘人が東海大浦安高の次鋒髙橋倫太郎から裏投「一本」

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東海大浦安高の大将山中堅盛が延岡学園高の副将小島孝太から背負投「一本」

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大将対決は羽田野竜輝が崩上四方固で一本勝ち

延岡学園高〇一人残し△東海大浦安高
(先)吉野弘人〇腕挫十字固(1:39)△浜豊将
(先)吉野弘人〇裏投(1:43)△髙橋倫太郎
(先)吉野弘人×引分×城所隆也(中)
(次)岩佐哲汰×引分×畠山竜弥(副)
(中)棚橋慎之介△背負投(0:42)〇山中堅盛(大)
(副)小島孝太△背負投(2:13)〇山中堅盛(大)
(大)羽田野竜輝〇崩上四方固(0:57)△山中堅盛(大)

この試合も大熱戦。シード校延岡学園は前戦同様、大駒を先鋒と大将にセパレート配置。抜き役の吉野弘人、抑えの羽田野竜輝と役割をはっきりさせて強豪東海大浦安を迎え撃つ。対する東海大浦安も利かん気の浜豊将と前戦で4つの「一本」をマークした高橋倫太郎を前衛に派遣してやる気十分、大将にはここぞの大舞台でこそ力を発揮するタイプの山中堅盛を置いてスクランブル事態に備える。

そして試合は吉野が浜を腕挫十字固「一本」、さらに高橋を裏投「一本」に仕留めるという、延岡学園のロケットスタートで幕を開ける。吉野は続く城所隆也とも引き分けて3人を相手にする殊勲で退場。続く第4試合も次鋒岩佐哲汰が畠山竜弥と引き分けて延岡学園の2人差リードは継続、もはや勝負あったかに思われた。しかし1人畳に残された山中堅盛はいかにもこの人らしい勝負強さを発揮、棚橋慎之介を右背負投「一本」、小島孝太も同じく右背負投「一本」で屠り去って、大将同士の対決に試合のステージを引きずり戻す。

だが山中の健闘もここまで。最終戦は開始早々に羽田野が山中を寝技に引きずり込み、消耗の激しい山中はサイズ差と羽田野の巧みな拘束に抗えず最後は大の字。この試合は崩上四方固で羽田野が勝利、延岡学園が前評判に違わぬ強さで激戦ブロックを制して見事ベスト8入りを決めた。

■ Cブロック
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先鋒戦、崇徳高の枇杷木勇樹が中京高・河添幹斗から内股「一本」

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4戦目、枇杷木は柿山龍之介の背負投を食って「技有」を失う

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枇杷木は柿山から引込返「有効」奪回、最後に足は添えたがほとんど俵返というべき大技だった。

崇徳高〇二人残し△中京高
(先)枇杷木勇樹〇内股(2:53)△河添幹斗(先)
(先)枇杷木勇樹〇小外刈(2:17)△古田直也(次)
(先)枇杷木勇樹〇優勢[技有]△藤井興(中)
(先)枇杷木勇樹△優勢[技有]〇柿山龍之介(副)
(次)八木郁実〇優勢[僅差]△柿山龍之介(副)
(次)八木郁実△優勢[有効]〇村瀬賢心(大)
(中)兼藤仁士×引分×村瀬賢心(大)
(副)神垣和也
(大)長岡季空

崇徳の先鋒・枇杷木勇樹が持ち味を発揮。まず河添幹斗から支釣込足「有効」、さらに内股「一本」と連取してまず1人抜き。続く第2試合も古田直也から払腰「有効」、大外落「有効」、そして左小外刈「一本」と3度投げて勝利を決める。第3試合も藤井興から試合が始まるなり払巻込「有効」奪取、さらに隅落「有効」とポイントを連取。そのまま狙った縦四方固は逃げられて逆に抑え込まれ掛かるが、疲労困憊も攻撃姿勢は止まず視界は良好。しかし残り42秒、藤井が座り込んで撃った背負投にバランスを崩してしまい、逆側から抜け落とされて「技有」失陥。もはやここまでかと思われたが、しかし左大外刈で「技有」を奪回して事態を打開、先に奪った「有効」に救われる形で優勢勝ちを果たし、3人残しを達成。

枇杷木は激しく消耗。4人目の柿山龍之介には背負投「技有」を失うが、しかしそれでも引込返「有効」を奪い返して大奮戦。この試合で枇杷木は畳を降りることとなったが、一発で決め切れない粗さまでも含め、大技が売りの枇杷木らしい試合ぶり。続いて畳に上がった崇徳の次鋒・八木郁実は1勝1敗、最後は中堅の兼藤仁士が畳に残った中京高の大将・村瀬賢心と引き分けて試合終了。結果崇徳がスコア二人残しを以て順当に準々決勝進出を決めた。

加美富章監督が戦前挙げた「取っても、失点してしまう」今代チームの弱点は払拭出来ていないが、枇杷木の攻める姿勢とあくまで勝利にこだわって畳に居残り続ける、それが当たり前とでもいわんばかりの意地はチームを鼓舞するに十分。いまひとつ波に乗れない崇徳チームであるが、分水嶺になり得る一番であった。

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東海大仰星高の西野豊が立石泰勝から上四方固「一本」

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大牟田高の副将森優心が西野を内股「一本」で抜き返す

東海大仰星高〇一人残し△大牟田高
(先)内村秀資〇崩袈裟固(3:09)△大黒海(先)
(先)内村秀資△腕緘(0:35)〇田中優大(次)
(次)吉村太一×引分×田中優大(次)
(中)西野豊〇上四方固(1:10)△立石泰勝(中)
(中)西野豊△内股(1:56)〇森優心(副)
(副)奥野友輝〇縦四方固(0:45)△森優心(副)
(副)奥野友輝×引分×谷所郁海(大)
(大)大野晃生

強豪同士の一番は東海大仰星の勝利に終着。2つの失点を喫して決して楽な試合ではなかったが、地力の高さと層の厚さがにじみ出た一番。先鋒内村秀資は大黒海を相手に谷落「技有」を失いながらも崩袈裟固「一本」で勝利して勝敗のカギとなる先制点をしぶとく確保、大牟田は田中優大が内村から内股「有効」に腕緘「一本」、森優心が西野豊から内股「一本」と「勝ちぶり」が素晴らしかったが、東海大仰星は要所でしぶとく抜き返し続け、最後は1人差リードのまま副将奥野友輝が引き分けて試合を締めるに至った。東海大仰星は前2戦でシード校国士舘を破った「権利」を譲らず行使した格好、見事ベスト8進出を決めた。

敗れた大牟田は大活躍した前2代に比べてスケールダウンした感ありだが、実力は確か。地元で行われる金鷲旗大会の活躍に期待したい。

■ Dブロック
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大成高の先鋒藤鷹裕大が九州学院高の次鋒・森田駿から大外巻込「有効」奪取

大成高〇三人残し△九州学院高
(先)藤鷹裕大〇優勢[僅差]△村山雄晟(先)
(先)藤鷹裕大〇優勢[有効]△森田駿(次)
(先)藤鷹裕大×引分×工藤樹希(中)
(次)弓削凛月〇優勢[有効]△酒井重忠(副)
(次)弓削凛月×引分×中熊駿(大)
(中)小田和紀
(副)大西陸斗
(大)東部直希

若干布陣を入れ替えた大成は、先鋒に起用された1年生の藤鷹裕大が先鋒村山雄晟に僅差の優勢勝ち、続いて次鋒森田駿から大外巻込「有効」優勢で勝利、さらに中堅工藤樹希と引き分けてと1人で3人を賄う活躍。こうなればあとはミスなく試合を終えるのみ、次鋒弓削凛月が横四方固「有効」で副将酒井重忠を抜き、大将中熊駿と引き分けたところで全試合終了。白鴎大足利に食いつかれた初戦とは打って変わってこの試合は失点なしの快勝、三人残しの大差でしっかり準々決勝進出を決めた。

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第2試合、神戸国際大附高の福井優駿が日体荏原高・内藤彪我から支釣込足「技有」

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塚本綾と村上優哉による代表戦

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塚本が村上から肩車「技有」奪取で熱戦に終止符

日体荏原高〇代表戦△神戸国際大附高
(先)内藤彪我〇大外刈(3:00)△鎌田樹(先)
(先)内藤彪我△合技(0:57)〇福井優駿(次)
(次)村上朋也×引分×福井優駿(次)
(中)森大将〇優勢[僅差]△近藤樹(中)
(中)森大将△小外掛(1:00)〇丸山晃志(副)
(副)菅原孝希×引分×丸山晃志(副)
(大)塚本綾×引分×村上優哉(大)
(代)塚本綾〇優勢[技有]△村上優哉(代)

熱戦はともに今代の高校カテゴリ73kg級を代表する強者同士の対戦、塚本綾と村上優哉による大将対決へと収束する。この試合は双方が「指導」2つずつを失って引き分け、勝負は代表者1名による決定戦へともつれ込む。

代表戦はもちろん塚本と村上の再戦。村上が鋭い小外刈で会場を沸かせば塚本思い切りの良い内股で大きく崩し、互いに譲らず。終盤塚本の内股を村上が体落に切り返す攻防があり、以後は両者やや慎重。しかし残り3秒、塚本が肩車に飛び込むと村上グルリと回って畳に落下しこれは「技有」。劇的決着で試合終了、日体荏原高がシード校神戸国際大付を破って見事栄光のベスト8に名を刻むこととなった。

そして決まった準々決勝4試合のカードは、

桐蔭学園高(神奈川) - 長崎日大高(長崎)
国東高(大分) - 延岡学園高(宮崎)
崇徳高(広島) - 東海大仰星高(大阪)
大成高(愛知) - 日体荏原高(東京)

となった。

※ eJudoメルマガ版3月31日掲載記事より転載・編集しています。

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