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第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート②二回戦

(2017年3月29日)

※ eJudoメルマガ版3月29日掲載記事より転載・編集しています。
第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート②二回戦
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賀持喜道と呉島将輝による先鋒戦は引き分けに終わる

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千野根有我が末次尚を追い詰める

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千野根が末次から大外刈「一本」

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桐蔭学園高の中堅・村尾三四郎が天理高・山中瞭から大内刈「一本」

■Aブロック

桐蔭学園高(神奈川)〇二人残し△天理高(奈良)
(先)賀持喜道×引分×呉島将輝(先)
(次)千野根有我〇大外刈(1:58)△末次尚(次)
(次)千野根有我×引分×神野光稀(中)
(中)村尾三四郎〇大内刈(0:13)△山中瞭(副)
(中)村尾三四郎△優勢[有効]〇植岡虎太郎(大)
(副)湯本祥真〇内股(1:44)△植岡虎太郎(大)
(大)関根聖隆

優勝候補筆頭と目される今代の桐蔭学園高チームが、いよいよ日本武道館の畳に姿を現す。しかし今季これまでの戦いぶりとは打って変わって天理高は骨太、試合は簡単には進まない。

先鋒戦、賀持喜道は左相四つの呉島将輝を左大内刈と左内股で積極的に攻め、幾度か大きく浮かせた序盤は得点の気配濃厚。しかし呉島が慣れ始めた中盤以降は深く入れども崩すことが出来ず、呉島は軸をずらさず、頭をまっすぐ上げたまま対処。コンディション不良か、賀持は前日の個人戦に引き続いて力感に欠ける印象。思い切って深く入り、ケンケンでしつこく追っても肩を平行に保って受ける呉島を斜めに崩すことが出来ず、どうしても投げ切るところが出来ない。終盤はポイントの気配ほとんど漂わず、この試合は引き分けに終わる。

次鋒戦は千野根有我が素晴らしい柔道を披露。相四つの末次尚を組み止め、釣り手を動かして足技を撃ち、体捌きで距離を詰めては積極的に大技を狙う。末次は釣り手の手首を相手の中心線に当てて必死の防戦を図るが、千野根は1分18秒の組み際に右大外刈、刈り足を引っ掛けるなり前に踏み込んで一気の刈り込みを見せる。これが見事決まって「一本」。

招待試合シリーズではなかなか見せなかった素晴らしい出来、気力体力ともに充実した千野根の働きで桐蔭学園が落ち着きを取り戻すかに思われたが、続く第3試合は千野根がケンカ四つの神野光稀に苦戦。序盤は攻勢も体力が落ちた中盤以降はいつポイントを失ってもおかしくない危うい場面が続き、ベンチの高松正裕監督からは「組み手をしっかり」と激しい叱咤が飛ぶ。なんとか千野根が踏ん張り切った格好でこの試合は引き分け。

続く第4試合は中堅村尾三四郎が登場、前戦で大活躍した天理の副将・山中瞭を僅か13秒の大内刈「一本」に屠り去る。遠間から一瞬で挑みかかって抵抗させる間なく仕留める、これぞ「エイリアン」の武道館デビューにふさわしい激しい一撃に会場どよめく。

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天理高の大将・植岡虎太郎が村尾から左一本背負投で「有効」を奪う

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桐蔭学園は副将湯本祥真の内股「一本」で初戦の勝利を確定

続く第5試合も村尾は順行運転。ペース緩やかながらケンカ四つの植岡虎太郎を左内股で攻めて投げのチャンスを伺い、主導権を掌握。植岡は組み手争いに持ち込んでは肘抜きの右背負投で抵抗を試みるが村尾は揺るがず、序盤植岡に「取り組まない」咎での「指導」。村尾は両襟の内股で無理やり投げに掛かる積極的な場面も作り、なかなかポイントには至らないもののあとは仕留めるばかりという印象、ようやく桐蔭学園が本来のペースを取り戻し始めたかに思われた。しかし終盤に植岡が突如リズムを変えて座り込みの左一本背負投、つんのめった村尾は裏に抜けてたたらを踏み、そのまま畳に落っこちてしまい「有効」失陥。試合時間はほとんど残されておらず、村尾の反撃は「指導2」までに留まる。中途まで村尾の勝利濃厚、悪くても引き分けで桐蔭学園の勝利決定と思われたこの試合は急転、植岡の勝利に終わることとなった。

ここで桐蔭学園は副将の湯本祥真が登場。66kg級で体格に大きく劣る湯本だが、自分の持ち味はこれとばかりに右内股、片襟の右背負投と大技を連発する。しかし植岡も鋭い出足払で迎撃、湯本が深々潜り込んだ左袖釣込腰も体の力だけで受け切り、桐蔭学園としては決して簡単ではない情勢。湯本は軽量ゆえアクシデントの可能性は払拭出来ず、万が一ここで失点となればここまで築いてきた優勝候補筆頭チームとしての自信もかなり揺らいでしまうはず。しかし畳上の湯本は強気の姿勢を崩すことなく支釣込足でチャンスを作ると、素晴らしい右内股一発「一本」。結果、この試合はスコア二人残しで桐蔭学園がモノにすることとなった。

桐蔭学園、スコア上は快勝だが課題一杯の試合。招待試合シリーズとは異なり、とにかく一戦一戦が簡単には終わらない。3つ挙げた投技「一本」の豪快さよりも、「こんなはずではない」という一抹の違和感、以後の苦戦の予感が色濃く漂う立ち上がりであった。

ほか、シード校の埼玉栄高(埼玉)は福井工大福井高(福井)を相手に快勝。前衛の奮闘でスコアは二人残し、副将岩田歩夢と大将西願寺哲平を取り置いたまま3回戦進出を決めた。

長崎日大はまたもや快勝。前戦で出番のなかった蠣﨑洸太の2人抜き、そして初戦に続いて一本勝ちをマークした永田賢斗の活躍をテコに近畿大附高(大阪)を一人残しで下している。

【Aブロック2回戦】

桐蔭学園高(神奈川)〇二人残し△天理高(奈良)
東海大静岡翔洋高(静岡)〇一人残し△沖縄尚学高(沖縄)
埼玉栄高(埼玉)〇二人残し△福井工大福井高(福井)
長崎日大高(長崎)〇一人残し△近畿大附高(大阪)

■ Bブロック
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エース対決、国東高の大将中島大貴が足立学園高の副将・山本瑛介から小外掛「有効」

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中島は浮落「有効」も追加、このまま抑え込んで大一番を一本勝ち

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中島が足立学園の大将・吉井拓実を払腰「一本」に仕留めて試合終了

国東高(大分)〇一人残し△足立学園高(東京)
(先)嶌田恵介×引分×武岡毅(先)
(次)下石悠生×引分×上領教史郎(次)
(中)和泉川武蔵×引分×白石隼人(中)
(副)中込公棋△合技(2:32)〇山本瑛介(副)
(大)中島大貴〇横四方固(2:21)△山本瑛介(副)
(大)中島大貴〇払腰(2:53)△吉井拓実(大)

国東がAシード校の足立学園を打倒。

双方の布陣の最大のポイントはエース位置にあり。国東の中島大貴は大将に座り、桐蔭学園の山本瑛介は副将に配された。中堅戦までの3試合は引き分けに終わり、第4試合は足立学園・山本が期待に応えて中込公棋から袖釣込腰「技有」、体落「有効」、そして崩袈裟固「技有」と連取して合技の一本勝ち。エース同士の対決を前に1人差のリードを作り出したことで足立学園が優位に立つ。最重量級のエース対決は双方の力がかち合って打ち消し合うことも多く、いずれかの勝利を事前に織り込むのは難しいはず。ここまでは足立学園の「エース前出し」策が功を奏したかに思われた。

しかし両雄が相まみえた第5試合では国東の大将中島が山本を圧倒、左小外掛「有効」、浮落「有効」と立て続けに投げ、最後は横四方固「一本」で抑え切るというまさしく完勝。肝心かなめのエース対決に敗れた足立学園に残る駒は戦略上「置き大将」と位置付けられる吉井拓実のみで、もはや万事休す。第6試合は吉井が勝負を代表戦に持ち込むべく必死の粘りを見せたが、中島が最終盤に払腰「一本」を奪って劇的フィニッシュ。

四つ角シード校足立学園はなんと初戦で陥落。国東が完勝で3回戦進出を決めることとなった。

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東海大浦安高の先鋒・高橋倫太郎が開星高の次鋒・池尻竜基から大外刈「一本

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高橋が開星の副将福田凌己から大外刈「一本」、これで4人抜き達成。

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松村颯祐が浜豊将を開始僅か9秒の内股「一本」に仕留める

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城所隆也が松村の内股をかわして「有効」奪取

東海大浦安高(千葉)〇三人残し△開星高(島根)
(先)高橋倫太郎〇出足払(0:23)△岡田優太朗(先)
(先)高橋倫太郎〇大外刈(0:40)△池尻竜基(次)
(先)高橋倫太郎〇大外刈(2:08)△福間航基(中)
(先)高橋倫太郎〇大外刈(0:25)△福田凌己(副)
(先)高橋倫太郎△横四方固(0:55)〇松村颯祐(大)
(次)浜豊将△内股(0:09)〇松村颯祐(大)
(中)城所隆也〇優勢[有効]△松村颯祐(大)
(副)畠山竜弥
(大)山中堅盛

「松村に1枚でも多く手当する」という打倒開星の大戦略に、東海大浦安の先鋒・高橋倫太郎が満額回答。0勝1分けに終わってチーム苦戦の因となった1回戦の鬱憤を晴らすかのようにまず初戦を出足払「一本」、さらに続く3試合をいずれも大外刈「一本」で勝ち抜くという凄まじい働きを見せて4人抜き達成。満を持して今季の高校無差別チャンピオン・松村颯祐を畳に迎えることとなる。

松村は高橋を相手に悠々前進、相手の払腰の掛け潰れを逃がさず腕をグイと手繰って引き寄せ、あっという間の横四方固「一本」。さらに少しでも長い時間畳に居残ろうと挑んできた小兵・浜豊将の意図を体ごと粉砕、試合が始まるなりの内股「一本」で屠って早くも2人抜きを達成する。ここまで2つの「一本」に要した時間は僅か64秒、その強さに会場どよめく。

しかし前日に6戦、この日も既に4戦を戦っている松村はさすがにここで失速。サイズがあって粘り強く、かつ担ぎ技があるケンカ四つと重量級本格派打倒の条件を満たした城所隆也を相手に内股を空振り、片足となったところを前隅に振られて「有効」失陥。以後松村は必死に追撃を試みるが、城所はしっかり要所を締めて、勝利するためにはあと3勝しなければならない松村の意気を挫く。結果この試合は城所の「有効」優勢に終着、東海大浦安が三人を残してこの試合に勝利し、シード校延岡学園への挑戦権を得た。

延岡学園高(宮崎)〇二人残し△津幡高(石川)
(先)吉野弘人〇払腰(1:47)△小坂慧太(先)
(先)吉野弘人×引分×布目王雅(次)
(次)岩佐哲汰×引分×藤田慶二(中)
(中)小島孝太×引分×藤田慶二(副)
(副)棚橋慎之介〇横四方固(3:00)△長原侑矢(大)
(大)羽田野竜輝

九州ブロック王者の延岡学園が快勝。羽田野竜輝と吉野弘人の抜き役2枚を大将と先鋒にセパレート配置、吉野が過たず1人を抜いてリードを作り出し、以降の3引き分けを受けた副将棚橋慎之介の横四方固「一本」でフィニッシュ。大将羽田野を取り置いたまま強豪・津幡を下して、順当に3回戦進出決定。

【Bブロック2回戦】

国東高(大分)〇一人残し△足立学園高(東京)
新田高(愛媛)〇二人残し△つくば秀英高(茨城)
延岡学園高(宮崎)〇二人残し△津幡高(石川)
東海大浦安高(千葉)〇三人残し△開星高(島根)

■ Cブロック
崇徳高(広島)〇二人残し△京都学園高(京都)
(先)兼藤仁士×引分×山田智也(先)
(次)安井彪翔×引分×嶋﨑太紀(次)
(中)枇杷木勇樹×引分×名倉泰成(中)
(副)神垣和也〇小外刈(0:08)△勝部翔(副)
(副)神垣和也〇小外刈(1:22)△奥田將人(大)
(大)長岡季空

崇徳高もなかなかに厳しいスタート。先鋒に抜き役として派遣した兼藤仁士が動き硬いまま引き分けると、安井彪翔、枇杷木勇樹と招待試合シリーズで輝いた周辺戦力がいずれも取れずに3戦連続の引き分け。
ここから京都学園は個人戦73kg級王者の勝部翔、さらに81kg級準優勝者の奥田將人が登場するという軽量ながら骨の太い布陣。しかし崇徳の側もここからはダブルエースが並ぶまさしく本丸、副将神垣和也があっという間の小外刈「一本」でまず勝部を退け、さらに奥田を小外刈「一本」で下して事態を収拾することに成功。最終的には無敗のまま、二人残しで崇徳の順当勝ちという結果が残った。崇徳、強豪京都学園に二人残しというスコアだけを考えればなかなか順調なスタートのはず。

しかし冬季にダブルエースに勝るとも劣らぬ取り味を発揮した兼藤がエンジン掛かり切らず、取っても取られても大砲連発が魅力のはずの長身選手・枇杷木も持ち味を発揮するに至らず。このキーマン2人の硬い試合ぶりに加え、大将に座らせて温存した長岡が昨日の個人戦で決して良い出来でなかったことまでを考えると、決して順風満帆の船出とは言い難い。

やはり全国大会は簡単ではない。快勝でありながらも以後の苦戦の予感濃く漂う、優勝候補・崇徳の第一戦だった。

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内村秀資が三谷大を攻める

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東海大仰星高の次鋒・吉村太一が国士舘高・長島光希から体落「一本」

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吉村は続く酒井陸戦もしっかり引き分け

東海大仰星高(大阪)〇一人残し△国士舘高(東京)
(先)内村秀資×引分×三谷大(先)
(次)吉村太一〇体落(0:10)△長島光希(次)
(次)吉村太一×引分×酒井陸(中)
(中)西野豊×引分×織茂友多郎(副)
(副)奥野友輝×引分×清水雅義(大)
(大)大野晃生

2回戦最大の注目対決。そして関係者が「あり得る」と噂し続けた国士舘高の初戦敗退が現実のものとなった。

近畿大会を制してあるいはAシード入りもあるのではと噂されていた東海大仰星は戦力充実。苦戦が予想された国士舘は招待試合シリーズで大活躍した三谷大を今回も先鋒に投入するが、軽量級の好選手・内村秀資を崩せず第1試合は引き分け。

そして迎えた次鋒同士による第2試合。東海大仰星はこの試合から投入されたポイントゲッター吉村太一が試合が始まるなり前進、右大内刈で長島光希に片足立ちを強いると、すかさず残った右をめがけて体落を叩き込む。ここまで僅か10秒、上から目線の組み立ては初動からフィニッシュまで一切滞らずに決まり、長島吹っ飛んで豪快な「一本」。抜き役を担うべき長島が「秒殺」された国士舘はスコア的にも心理的にも大ダメージを負う。

吉村は続く第3試合で国士舘唯一の大型選手酒井陸とマッチアップ、序盤数合のやりとりを経て酒井の掛け潰れ傾向を見抜くと、以降はリスクを最小限に戦い抜いて危なげなく引き分け。中堅西野豊もうるさい織茂友多郎を懐に入れず、試合が揉める間合いを作らせないまま引き分けてリードを保ち続ける。後のなくなった国士舘は大将清水雅義が逆転を期して畳に上がるが、東海大仰星は展開を読み切っていたかのごとく、ここでエース格の奥野友輝が登場。奥野はサイズがあって機動力もある本格派という、清水にとってもっとも攻略が難しいタイプ。清水は散発ながら取り味のある担ぎ技も見せたが奥野は最後まで揺るがず、この試合も見せ場自体が少ないまま引き分けに終わる。結果、東海大仰星が一人を残してこの大一番をものにすることとなった。国士舘は5人を投入し無得点、主将の長島が「秒殺」を食らい、全試合通じて挙げた攻撃ポイントがゼロという言い訳のしようがない完敗だった。

これで東京都の第1代表と第2代表を張る足立学園と国士舘のシード2校が、いずれも初戦敗退ということになった。両校ともにシードクラスの強豪と初戦でマッチアップするという組み合わせの不運に泣いたわけだが、これは地区全体の競技力がさほど高くないにも関わらず例年通りに敢行された「東京推し」の偏ったシードポリシーと、詰めの甘いピックアップで実力校をシードから落とした不可解な選考が直接的なしっぺ返しとなって東京勢を襲ったという形。一方勝った東海大仰星は近畿ブロック王者の面目躍如、晴れ舞台でその実力を見事証明することとなった。

【Cブロック2回戦】

崇徳高(広島)〇二人残し△京都学園高(京都)
中京高(岐阜)〇一人残し△盛岡中央高(岩手)
東海大仰星高(大阪)〇一人残し△国士舘高(東京)
大牟田高(福岡)〇二人残し△小杉高(富山)

■ Dブロック
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次鋒同士の対決、大成高・小田和紀が白鴎大足利高・浅沼亮太を裏投「一本」に仕留める

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1人を抜いた岩瀬裕希だが、懐の深い藤鷹裕大を攻略し切れず引き分け

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副将吉田功二が弓削凛月から内股「一本」、白鴎大足利がついにリードを得る

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東部直希と吉田功二による代表戦

大成高(愛知)〇代表戦△白鴎大足利高(栃木)
(先)大西陸斗×引分×長島斥弥(先)
(次)小田和紀〇裏投(1:20)△浅沼亮太(次)
(次)小田和紀△横四方固(1:42)〇岩瀬裕希(中)
(中)藤鷹裕大×引分×岩瀬裕希(中)
(副)弓削凛月△内股(2:11)〇吉田功二(副)
(大)東部直希〇反則[指導4](2:42)△吉田功二(副)
(大)東部直希×引分×長谷川明伸(大)
(代)東部直希〇GS内股(7:00)△吉田功二(代)

ここでもAシード校が大苦戦。大成は先鋒の大西陸斗が白鴎大足利の斬り込み隊長・長島斥弥と引き分け、次鋒小田和紀が今大会ナンバーワンの長身選手浅沼亮太を自信満々の裏投「一本」で破ったところまではまずまず順調だったが、続く試合で相手方のポイントゲッター岩瀬裕希に小田が浮落「有効」を失い、そのまま抑え込まれて一本負けを喫すると一気に空気が怪しくなる。攻め合いとなった第4試合は中堅藤鷹裕大が懐の深さを生かして岩瀬と引き分けるも、戦いぶりは決して安定したものではなく盤面に落ち着きを与えるまでには至らず。第5試合では白鴎大足利の大型選手吉田功二が弓削凛月を相手に自信満々に前進、残り1分で「指導1」を奪うと、直後体を生かした内股一発。弓削は相手の腰を抱いて耐えるミスを犯し、体ごと吹っ飛んで「一本」、ここでついに白鴎大足利がリードを得るに至る。大成は初戦から大将東部直希を畳に送り込むという緊急事態。

東部はケンカ四つの吉田の組み手を徹底管理、一方的に引き手で袖を掴んでは払腰に内股と技を積んで畳上を支配。吉田には次々反則が積み重なり、東部が片襟を掴んで吉田をあおり潰した直後の2分42秒に4つ目の「指導」が宣告されて試合終了。東部が「指導4」の反則で1人を抜き返し、試合は大将同士の対決へと引き継がれる。

東部は長谷川明伸を相手にしたこの試合もリスクを冒さず引き分け、さらに吉田功二を畳に迎えた代表戦も一種鷹揚に試合を運んでノーポイントのまま3分を戦い終える。そして迎えたGS延長戦4分0秒、ついに吉田の巨体を間合いに捉えて内股「一本」。これでようやく熱戦に終止符が打たれた。

白鴎大足利は大健闘、逞しい戦いぶりだった。常に上位に絡みながら結果を残し切れなかった冬季招待試合シリーズを経て、戦闘力が一段上がった印象。

一方の大成は、「上位対戦まで東部をどれだけ取り置けるかがカギ」(石田輝也監督)のはずが初戦から東部を投入、どころか実質4試合を消費させてしまった。桐蔭学園や崇徳同様以後の苦戦を覚悟せずにはいられない、非常に厳しい立ち上がりとなった。

神戸国際大附高(兵庫)〇一人残し△作陽高(岡山)
(先)福井優駿〇優勢[僅差]△片山誠也(先)
(先)福井優駿×引分×揚原松雷(次)
(次)鎌田樹△大外刈(0:52)〇松本隼作(中)
(中)近藤樹×引分×松本隼作(中)
(副)村上優哉〇優勢[僅差]△宮城慧也(副)
(副)村上優哉△優勢[僅差]〇村田大征(大)
(大)丸山晃志〇優勢[僅差]△村田大征(大)

サイズがあるチーム同士の大熱戦。大将同士の対戦における丸山晃志の勝利により、神戸国際大附が3回戦進出を決めた。作陽の大将村田大征に2人を手当することを可能ならしめた、前衛の戦いが大きかった。

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代表戦、塚本綾が青柳大虎を攻める

日体荏原高(東京)〇一人残し△鹿児島情報高(鹿児島)
(先)森大将×引分×吉牟田悠斗(先)
(次)内藤彪我〇反則[指導4](2:09)△坂本拳斗(次)
(次)内藤彪我△送襟絞(1:07)〇松本司(中)
(中)菅原孝希〇大内刈(1:50)△松本司(中)
(中)菅原孝希×引分×黒葛野奎介(副)
(副)村上朋也△優勢[有効]〇青柳大虎(大)
(大)塚本綾〇優勢[技有]△青柳大虎(大)

第3試合までは日体荏原ペース、しかし鹿児島情報の中堅松本司が浮落「有効」を失いながらも逆転の送襟絞「一本」で内藤彪我を抜き返したことで勝負は縺れ始める。1人差ビハインドで登場した鹿児島情報の大将・青柳大虎が村上朋也を背負投「有効」で破り、勝敗の行方は大将同士の対決へ。好選手同士の対戦となった最終戦は、塚本綾が青柳の小内刈を切り返して40秒に「技有」獲得。さらに2分25秒には片襟の大外刈で「有効」を追加し、この大一番は塚本の勝利に終わる。結果、日体荏原の勝ち抜けが確定、同校は4チームがエントリーした東京勢の中で唯一3回戦へと駒を進めることとなった。

【Dブロック2回戦】

大成高(愛知)〇代表戦△白鴎大足利高(栃木)
九州学院高(熊本)〇二人残し△箕島高(和歌山)
神戸国際大附高(兵庫)〇一人残し△作陽高(岡山)
日体荏原高(東京)〇一人残し△鹿児島情報高(鹿児島)

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