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第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート①一回戦

(2017年3月29日)

※ eJudoメルマガ版3月29日掲載記事より転載・編集しています。
第39回全国高等学校柔道選手権男子団体戦マッチレポート①一回戦
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団体戦開始式。前年度優勝の日体荏原高から優勝旗が返還される。

第39回全国高等学校柔道大会は19日、今年も聖地・日本武道館に全国47都道府県の代表が集って開幕。最終日の20日は男女団体戦の競技が行われた。。

体重無差別の五人制抜き試合で争う男子団体戦の優勝候補筆頭は冬季の招待試合シリーズで強さを見せつけた桐蔭学園高(神奈川)。前日の個人戦無差別で2位入賞の関根聖隆を中心に1年生の村尾三四郎や賀持喜道など戦力とキャラクターの豊富さが特徴の好チームだ。これに長岡季空、神垣和也らサイズと取り味ある選手を並べた総合力が売りの崇徳高(広島)、これら有力2校と打って変わってエース東部直希の得点力を前面に押し出した大成高(愛知)が主役と目されるチーム。以上3校は過たず第1シードから第3シードに配された。

以降は混戦。シード校8チームの登場は2回戦からだが、今年はシードの当落線上と目されたチームに強豪が多く、実力は組み合わせだけでは測りがたし。トーナメントをA~Dの4ブロックに分けて、まずはこれらシード外の強豪が登場する1回戦の様子から簡単に紹介していきたい。

■ Aブロック
Aシード校:桐蔭学園高(神奈川)
Bシード校:埼玉栄高(埼玉)

長崎日大高(長崎)〇一人残し△修徳高(東京)
(先)山口雅矢×引分×鈴木謙太朗(先)
(次)ニコーグディエレッヅ×引分×仲島聖悟(次)
(中)永田賢斗〇払腰(1:28)△宮崎雷也(中)
(中)永田賢斗×引分×永川昴(副)
(副)山口貴也×引分×中村力也(大)
(大)蠣﨑洸太

シード校入りも噂されていた九州の強豪・長崎日大高が地元東京代表の修徳高を打倒、力を見せつけた。修徳は東京都予選で抜き役として活躍した60kg級の強者・仲島聖悟を前衛に送り込んだが長崎日大の長身選手ニコーグディエレッヅの深い懐の前に得意の担ぎ技が空転、技が噛み合わないままこの試合は引き分けに終わる。ここで長崎日大の永田賢斗が修徳の主将・宮崎雷也から払腰「一本」で勝利。修徳は東京大会勝ち抜きの原動力となった重量選手・大将の中村力也で反撃を期すが、長崎日大はエース山口貴也を副将に前出ししており、中村にこの高い壁を抜くだけの絶対値はなし。結果、試合はスコア一人残しを以て長崎日大の快勝に終わった。上位進出を狙う長崎日大は組み合わせの良さもあってか士気高く、上々の滑り出し。一方の修徳はチームの精神的支柱を担うはずの宮崎がまたもや大事な場面で踏ん張りが利かず、反撃時には抜き役に相手のエースがぶつかるという悪いシナリオ。完敗だった。

Aシード校桐蔭学園の直下に配された天理高(奈良)は先鋒山中瞭の2人抜きをテコに倉吉北高(鳥取)を圧倒、スコア四人残しで快勝。東海大静岡翔洋高(静岡)は1人差ビハインドで登場した副将米山竜生が2人抜き1分けの活躍を見せ、旭川龍谷高(北海道)に一人残しで勝利。近畿大附高(大阪)は前日の個人戦81kg級を制した大将亀谷嗣温が出動、大将同士の対決を「有効」優勢で制して阿波高(徳島)を一人残しで破っている。

【Aブロック1回戦】
天理高(奈良)〇四人残し△倉吉北高(鳥取)
東海大静岡翔洋高(静岡)〇一人残し△旭川龍谷高(北海道)
福井工大福井高(福井)〇三人残し△羽黒高(山形)
長崎日大高(長崎)〇一人残し△修徳高(東京)
近畿大附高(大阪)〇一人残し△阿波高(徳島)

■ Bブロック
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国東高の先鋒・平山知義が佐久長聖高・唯野貫太から小外掛「技有」

Aシード校:足立学園高(東京)
Bシード校:延岡学園高(宮崎)

上側の山ではシード校足立学園の直下に配された国東高(大分)が好発進、佐久長聖高(長野)を相手に3勝1敗2分けのスコア一人残しで勝利。大将のエース中島大貴を取り置いたまま初戦を突破することに成功し、山場の次戦に腕を撫す。

下側の山は有力校ひしめく、今大会屈指の大激戦ブロック。

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先鋒戦、四日市中央工高の石川大夢が浜豊将から内股「一本」

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大熱戦は山中堅盛の肩車「一本」で東海大浦安の勝利に終わる

東海大浦安高(千葉)〇一人残し△四日市中央工高(三重)
(先)浜豊将△内股(3:00)〇石川大夢(先)
(次)城所隆也〇横四方固(2:22)△石川大夢(先)
(次)城所隆也△内股(1:27)〇弓矢凌輔(次)
(中)髙橋倫太郎×引分×弓矢凌輔(次)
(副)畠山竜弥〇優勢[僅差]△薮田優樹(中)
(副)畠山竜弥×引分×加藤駿(副)
(大)山中堅盛〇肩車(0:54)△井上拓茉(大)

今もっとも勢いがあるチームであり「シード校崩し」の最有力候補の一である東海大浦安高に、四日市中央工高が食らいつく。まず先鋒石川大夢が内股「一本」で浜豊将を屠って先制パンチを呉れ、石川が抜き返されたところで登場した弓矢凌輔が城所隆也を見事な内股「一本」で抜く。弓矢はさらに東海大浦安のポイントゲッター役を担うべき高橋倫太郎としっかり引き分ける大仕事、ノーガードの殴り合いの様相であった前半戦を経てここで試合の針は大きく四日市中央工高に振れた。しかし東海大浦安は副将畠山竜弥が薮田優樹を「指導」累積で抜き、盤面上最重要試合となった加藤駿との副将対決をしっかり引き分けで終える。こうなればオーダー構成に鑑みて、大将に抜き役の山中堅盛を置く東海大浦安が一転有利。大将同士の対決は山中が軽量の井上拓茉を肩車「一本」で仕留めて熱戦終了、この試合は東海大浦安がモノにすることとなった。今大会は各ブロックで有力校が初戦から冷や汗を掻く試合が多いが、この試合もその一つ。全国大会の厳しさを周囲に印象付ける好試合であった。

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松村颯祐が2人を抜き、開星高が2回戦進出決定

開星高(島根)〇一人残し△田村高(福島)
(先)池尻竜基×引分×宗像矯(先)
(次)福田凌己×引分×三浦真温(次)
(中)岡田優太朗×引分×杉山海(中)
(副)福間航基△崩上四方固(0:46)〇瀧澤秀斗(副)
(大)松村颯祐〇横四方固(1:04)△瀧澤秀斗(副)
(大)松村颯祐〇合技(1:28)△矢野修弘(大)

個人無差別優勝のエース松村颯祐を大将に置く開星高を打倒するには、「松村の前に何人残すか」が唯一最大のポイント。しかし田村高が挙げたのは副将同士の対決でエース瀧澤秀斗がマークした崩上四方固「一本」の1点のみ、松村に手当出来るのは僅かに2人という開星の土俵の中での終盤戦を余儀なくされる。松村は瀧澤をまず横四方固「一本」で抜き、続いて矢野修弘を袖釣込腰と横四方固の合技「一本」で一蹴。開星がこれしかないという戦い方で、東北の雄・田村を打倒。見事2回戦進出を決めた。

【Bブロック1回戦】

国東高(大分)〇二人残し△佐久長聖高(長野)
つくば秀英高(茨城)〇一人残し△青森北高(青森)
津幡高(石川)〇一人残し△近江高(滋賀)
東海大浦安高(千葉)〇一人残し△四日市中央工高(三重)
開星高(島根)〇一人残し△田村高(福島)

■ Cブロック
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東海大仰星高の副将奥野友輝が秋田工高・森合凱我から内股透「一本」

Aシード校:崇徳高(広島)
Bシード校:国士舘高(東京)

上側の山では京都学園高(京都)が東海大甲府高(山梨)と大熱戦。1人差ビハインドで登場した大将・奥田將人が僅差優勢で副将長嶋勇斗を抜き、大将峰本祐汰と引き分け、GS延長戦に縺れ込んだ中村勝登との代表戦を小外刈「一本」で勝ち抜いてと実質4試合を連続で戦う大活躍を見せる。結果、京都学園が勝利を決め、2回戦で待ち受ける崇徳高への挑戦権を得た。

東海大仰星高(大阪)〇二人残し△秋田工高(秋田)
(先)塚脇敏貴×引分×真崎蒼瑠(先)
(次)西野豊×引分×籾山勇大(次)
(中)内村秀資〇移腰(0:10)△籾山航大(中)
(中)内村秀資×引分×木村琢人(副)
(副)奥野友輝〇内股透(1:05)△森合凱我(大)
(大)大野晃生

近畿ブロック大会を制しながらまさかのシード落ち、1回戦からの登場となった東海大仰星高が秋田工高に快勝。秋田工高は健闘を見せたが、内村秀資と奥野友輝の抜き役2枚を止めることはさすがに厳しく、両者が残した一本勝ち2つがそのままスコアに反映。結果二人残しで東海大仰星が勝ち上がることとなった。東海大仰星は抜き役の一である吉村太一を温存し、次戦で待ち受ける国士舘高戦を前に万全の勝ち上がり。

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大牟田高の先鋒下川純司が岡豊高・松岡慎大から大外刈「一本」

大牟田高(福岡)は岡豊高(高知)に三人残しで快勝。岡豊は中堅門田知也、斉藤拓大がそれぞれ1人を抜き返して意地を見せたが、引き分けなしで5勝を挙げた大牟田の得点力の前に屈した。

【Cブロック1回戦】

京都学園高(京都)〇代表戦△東海大甲府高(山梨)
中京高(岐阜)〇一人残し△佐賀商高(佐賀)
東海大仰星高(大阪)〇二人残し△秋田工高(秋田)
大牟田高(福岡)〇三人残し△岡豊高(高知)
小杉高(富山)〇一人残し△前橋商高(群馬)

■ Dブロック
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大将戦、作陽高の村田大征が東海大札幌高・藤井崚将から背負投で2つ目の「技有」奪取

Aシード校:崇徳高(広島)
Bシード校:国士舘高(東京)

上側のブロック、大成高への挑戦権を争うシード直下の1回戦は白鴎大足利高(栃木)が高川学園高(山口)に勝利。先鋒長島斥弥が4人抜き、ここから河村充に2人を抜き返されたが最後は中堅岩瀬裕希が出動してしっかり引き分け。スコア二人残しで2回戦進出を決めた。

作陽高(岡山)〇代表戦△東海大札幌高(北海道)
(先)片山誠也×引分×小林龍永(先)
(次)揚原松雷〇優勢[有効]△越橋健介(次)
(次)揚原松雷△優勢[僅差]〇佐藤大輔(中)
(中)松本隼作〇優勢[僅差]△佐藤大輔(中)
(中)松本隼作△合技(2:01)〇木村隆雅(副)
(副)宮城慧也×引分×木村隆雅(副)
(大)村田大征×引分×藤井崚将(大)
(大)村田大征〇合技(2:28)△藤井崚将(大)

大熱戦は作陽の勝利に終着。双方エース同士が大将戦でぶつかり合い、ともに決め手を欠いたまま引き分け、そして代表戦で再戦するという厳しい試合だったが、この試合は村田が肘抜きの背負投を決めて「技有」先行。さらに反撃せんとする藤井の防御が甘くなったところに再び同じ技に潜り込んで「技有」を積み、勝負を決めた。互いが消耗したところでの残存体力、防壁が薄くなったところに繰り出す具体的な「取る」手立て、状況の変化をしっかり見極めてここまで不発であった技を確信をもって仕掛ける試合勘と、作陽の稽古における錬磨の程がにおい立つ一番であった。

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日体荏原高・塚本綾が高松商高・蓬裕介から背負投「一本」

日体荏原高(東京)〇三人残し△高松商高(香川)
(先)藤原直生×引分×河野賢伸(先)
(次)村上朋也〇背負投(2:26)△中橋克彦(次)
(次)村上朋也〇優勢[有効]△多田雅也(中)
(次)村上朋也×引分×有馬友秀(副)
(中)塚本綾〇背負投(0:51)△蓬裕介(大)
(副)菅原孝希
(大)内藤彪我

前年度優勝の日体荏原が高松商高に快勝。次鋒村上朋也が3人を賄ってお膳立て完成、最後はエースの塚本綾がまことにこの選手らしい豪快な背負投「一本」でフィニッシュ。無敗のまま勝利を重ねて、かつ最後は鮮やかな投技「一本」。チームが勢いづく材料が揃った、最高の滑り出しであった。

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