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夙川学院高と南筑高、国際級のエース擁する2校が優勝争いの軸・全国高等学校柔道選手権大会女子団体戦プレビュー

(2017年3月17日)

※ eJudoメルマガ版3月17日掲載記事より転載・編集しています。
夙川学院高と南筑高、国際級のエース擁する2校が優勝争いの軸
全国高等学校柔道選手権大会女子団体戦プレビュー
■ 有力校
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優勝候補筆頭は夙川学院高

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夙川学院は先鋒枠にエース阿部詩を起用する

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第1シードに推された南筑高

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南筑は後ろ重心、エースは大将に座る素根輝

体重別3人制(先鋒52kg以下、中堅63kg以下、大将無差別)で争われる女子団体戦は、対照的なチーム構成の2チームが優勝候補、そして過たずその両校がAシード校にピックアップを受けた。夙川学院高(兵庫・第2シード)と南筑高(福岡・第1シード)だ。

優勝候補の筆頭としては12月の水田杯と若潮杯を連続で制している夙川学院を推したい。先鋒枠にグランプリ・デュセルドルフを圧勝で制した阿部詩という大駒を置き、中堅にも適正階級の個人戦優勝候補である岡田萌が座る。大将の吉峰芙母絵も力を伸ばしており、「前重心で絶対性のある選手がおり、かつ全戦線が骨太」という高校選手権勝利チームの一典型に嵌る。昨年インターハイ48kg級を制した金知秀が控えに回る、戦力厚き強豪だ。

一方の南筑は、まったく逆側のアプローチ。「大将枠に絶対的な存在を置く」という高校選手権勝利の表ルート、王道の構成で全国制覇に挑む。エースはグランドスラム東京78kg超級2位の素根輝である。大将で確実に「一本」確保することを前提に、1試合引き分けさえすれば最悪でも代表戦で確実に素根が仕留めるという超級の大駒保有をタテにした3人制×体重別ならではのシナリオは他校にとってはまさしく脅威。これまで素根一枚の力ではなかなか同県の強者・敬愛高の壁を破れなかったが、チーム力の底上げによりついに念願の敬愛打倒を果たし、同県第1代表の座を獲得。全国制覇に向けて機は熟したと言って良い。中堅枠にインターハイ57kg級3位の古野彩佳と63kg級の上津原萌芽の強者2人を揃えるが、組み合わせ上勝ち上がりに最重要と目されるのは先鋒枠の石井星の奮闘であり、前半戦はこのあたりに大いに注目したい。

女子はシード校選定の基準が明確で、今回はかなりの精度でこのピックアップがそのまま大会の戦力構図を示している。下記に記したい。

Aシード校 南筑高(福岡)、夙川学院高(兵庫)、敬愛高(福岡)、大成高(愛知)
Bシード校 桐蔭学園高(神奈川)、帝京高(東京)、埼玉栄高(埼玉)、比叡山高(滋賀)

このほか、創志学園高(岡山)、富士学苑高(山梨)、広島皆実高(広島)、小杉高(富山)らがシードに値する力を保有しているかと思われる。

■ 組み合わせ
【Aブロック】
Aシード校:南筑高(福岡)
Bシード校:比叡山高(滋賀)

第1シード南筑高にはなかなか厳しい配置。初戦(2回戦)でマッチアップ濃厚な広島皆実は中堅枠に57kg級の香川瑞希と63kg級の一色美緒の2枚を擁するかなりの強豪。レギュレーション上いずれか1枚しか使えないとはいえ、南筑の中堅起用が有力な古野はインターハイ準決勝で香川に「技有」優勢で敗れており、ただでさえ1試合の影響が大きい3人戦において一度直接対決の結果が出ている関係はかなり重要。南筑が大会を古野でスタートするのか、それとも63kg級の上津原で行くのか、早くもその判断が問われる。

下側の山はインターハイ52kg級王者の瀧川萌がエースの比叡山高に加え、大幸瞳子を擁する長崎明誠高(長崎)、創志学園高(岡山)がつば競り合いを繰り広げる大激戦区。駒数から考えると創志学園が比叡山を食う可能性が高いのではないだろうか。そうなると、準々決勝カードは南筑-創志学園となるが、創志学園の中堅を務める浦明澄はもともと福岡出身で中学時代は同県のチャンピオン。つまり南筑は2回戦、準々決勝と中堅枠で苦しい戦いを強いられるわけで、既に書いた通り先鋒石井の重要性がいや増す展開となる。素根の1点は織り込んで、石井の奮闘ぶりが前半戦の見どころになるかと思われる。

【Bブロック】
Aシード校:大成高(愛知)
Bシード校:埼玉栄高(埼玉)

大成の側には皇后盃進出を決めている松田美悠を擁する小杉高(富山)が配されているが、シード2校による準々決勝対決まではまず既定路線と考えて良いのではないだろうか。大成は中学・カデで実績を積み上げた山内もも、和田梨乃子らで構成された非常に練度の高いチーム。一方の埼玉栄は52kg級の富沢佳奈を中心に軽量枠に人材が集まったチーム。1つの失点が致命傷となる3人制の特性と大将枠の都結乃の出来不出来の激しさを考えれば、埼玉栄としては戦闘力の高い富沢を敢えて中堅に起用し、ロースコアゲームを志向して上位進出を狙って来るのではないだろうか。ともに「鍛えられた小粒」という印象のチームだが、より穴が少ない大成がしぶとく勝ち上がるのではと見ておきたい。埼玉栄が得意とする精神的な揺さぶりを掛けるには、相手にプレッシャーを与えうる駒が富沢一枚では少々材料不足ではないだろうか。

【Cブロック】
Aシード校:夙川学院高(兵庫)
Bシード校:帝京高(東京)

優勝候補筆頭の夙川学院に刺客が2つ配された。

まずは富士学苑高(山梨)。たびたび合同稽古を行う両校であるが、富士学苑は例えば前代のエース舟久保遥の戦いぶり(27年IH村上栞菜戦)を見る限り、夙川学院の生命線であるパワフルでしぶとい組み手を相当研究し、その威力を無力化する術に長けている。ターゲットを定めたときの矢嵜雄大監督の戦術の練りっぷりには定評があり、戦力差はあれどかなりの消耗戦を仕掛けられる可能性がある。

帝京はいわば仮想・南筑。大将に重量級の好選手高橋瑠璃が座っており、夙川学院にとってもっとも嫌な「本戦をしのいで塗りつぶし、代表戦で重量級の強者を送り込む」という戦い方を挑んで来ること必至だ。夙川学院の勝ち上がりを推すが、その消耗度とミッション達成の「汗のかき方」は以後に向けてしっかり見極めておきたい。

【Dブロック】
Aシード校:敬愛高(福岡)
Bシード校:桐蔭学園高(神奈川)

シード校2校によるマッチレース。敬愛の戦闘力はかなりのものだが、中堅枠に復活気配の若藤唯を置き、大将朝飛七海の着実な柔道による得点を前提に試合を組み立てて来る桐蔭学園は難敵。ここは両選手の充実を買い、桐蔭学園の勝ち上がりを推したい。

【準決勝-決勝】

南筑高 - 大成高
夙川学院高 - 桐蔭学園高

の準決勝を予想する。

第1試合はどちらが勝ってもおかしくないが、南筑の前衛にそもそもここまで勝ち上がって来るだけの力があれば、そのまま素根の1点をテコに決勝に進む可能性が高いと見る。
第2試合は、水田杯において夙川学院が圧勝しているカード。試合の様相と、双方の凹みと尖りがぶつかる先鋒枠における圧倒的な優位を考えて、夙川学院の勝利を推したい。決勝は南筑-夙川学院と見る。

このカードはのっけに書いた通り、高校選手権レギュレーションにおける典型の「構造」同士のぶつかり合い。夙川学院が勝利するには前衛2枚の連勝しかなく、南筑が勝利するにはこのうち1つを引き分けに収めておく必要がある。ここまで双方の勝利の条件が明確、かつ両軍に看板となる「大物」がハッキリ存在するカードはまことに久々。この大会のレギュレーションの面白さを堪能できる機会になるのではないだろうか。双方が明確で、覚悟の決まりきった戦いになるであろう前衛2ポジションの熱戦に、特に期待したい。


文責:古田英毅

※ eJudoメルマガ版3月17日掲載記事より転載・編集しています。

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