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グランドスラム・バクー第2日4階級プレビュー

(2017年3月11日)

※ eJudoメルマガ版3月11日掲載記事より転載・編集しています。
第2日4階級(男子73kg級、81kg級、女子63kg級、70kg級)プレビュー
グランドスラム・バクー
■ 73kg級・ルスタン・オルジョフとラシャ・シャヴダトゥアシヴィリがトーナメントの柱、中矢力は準々決勝でオルジョフと対戦する厳しい配置
(エントリー19名)

それぞれ第1シードと第2シードに配されたリオデジャネイロ五輪銀銅メダリストのルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)とラシャ・シャヴタトゥアシヴィリ(グルジア)がトーナメントの柱。構図としてはツアーの主役として活躍を続けるこの2人に2011年と2014年の世界選手権チャンピオンである中矢力(ALSOK)が挑むという形だ。

実績から言えば2015年アスタナ世界選手権でも銀メダルを獲得している中矢が格上のはずだが、大野将平との激しい五輪代表争いを経て消耗した中矢は現在まだ復帰の道程にあり、直近の大会であるグランドスラム東京では中堅選手のアーサー・マルゲリドン(カナダ)にさえも敗れてしまっている。橋本壮市(パーク24)の台頭もあり、単独派遣である今大会ではしっかり結果を残して戦線復帰を内外に印象付けたいところ。中矢の配置はオルジョフ直下の第8シードという厳しいものだが、世界チャンピオンとしての意地を見せて表彰台の頂点を目指してもらいたい。

オルジョフとシャヴタトゥアシヴィリはともに長身のパワーファイターであり、懐の深さを生かした抱きつき技を得意としている。五輪で銀メダルを獲得して地元で凱旋大会に臨むオルジョフ、頂点を伺うところまで序列を上げながら2014年のグランプリ・ブダペスト大会で勝利して以来もっかオルジョフに6連敗中のもとシャヴダトゥアシヴィリと両者ともに相当なモチベーションで今大会に臨んで来るはずである。中矢は優勝するためにこの両者をどちらも倒さねばならず、短躯の中矢がこの大型2人にどのような戦い方を見せるのかに注目したい。

ビッグネーム以外の注目選手としてはグランドスラム・パリ大会で同国のエースであるオルジョフを破って3位入賞を果たしたヒダヤット・ハイダロフ(アゼルバイジャン)を挙げておきたい。ハイダロフは世界ジュニアが開催されなかった2016年のヨーロッパジュニアチャンピオン。パリ大会では5試合行ったうち2試合が不戦勝とその戦いぶりを十分に観察することができなかったが今大会では準々決勝でシャヴダトゥアシヴィリとの対戦が組まれており、この試合は今後有力選手として定着できるかを測る格好の物差しとなるはずだ。

【プールA】
第1シード:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
第8シード:中矢力(ALSOK)
有力選手:マルティン・ホヤック(スロベニア)

【プールB】
第4シード:カニヴェツ・ドミトロ(ウクライナ)
第5シード:ミコロス・ウングヴァリ(ハンガリー)

【プールC】
第2シード:ラシャ・シャヴタトゥアシヴィリ(グルジア)
第7シード:ヒダヤット・ハイダロフ(アゼルバイジャン)
有力選手:メイディ・ファティポーラルダル(イラン)

【プールD】
第3シード:ガンバータル・オドバヤル(モンゴル)
第6シード:アレックス ウィリアム・ポンボ シウバ(ブラジル)
有力選手:アルテム・ホムラ(ウクライナ)、イェルドス・ズーマカノフ(カザフスタン)

■ 81kg級・ワールドツアー常連が顔を揃えたハイレベルトーナメント、小原拳哉は初戦で好調エデュアルドユージ・サントスと対戦
(エントリー19名)

グランドスラム・パリ大会王者のフランク・デヴィト(オランダ)とグランプリ・デュッセルドルフ大会2位のアッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)が継続参戦、イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)も出場しておりグランドスラムの名に恥じないハイレベルなトーナメントが実現した。

なかでも注目すべきはデヴィトとウングヴァリの2人。

デヴィトはパリ大会において新ルールで緩和されたクロスグリップを駆使して帯取返を連発、見事表彰台の頂点に立ってみせた。しかし、わずか2週間後に行われたデュッセルドルフ大会ではこのクロスグリップにカウンターを食らう形で初戦で敗れている。今大会ではこのカウンターに対して何らかの対策を練ってきているはずであり、その点に注目だ。

一方のウングヴァリはデュッセルドルフ大会で棄権した決勝以外の全試合を「ボウアンドアローチョーク」による「一本」で勝利しており、勢いに関しては現在階級ナンバーワンの選手と言って過言ではない。周囲に警戒されている中それでもこの技が決まるのか、それともこの技を餌にした派生展開があるのか。その技術的練度と次なる引き出しの有無、両方に注目したい。

小原拳哉(東海大4年)はスルジャン・ムルヴァイエヴィッチ(モンテネグロ)がAシードを張るプールBに配された。他のブロックに比べると楽な配置だが、初戦となる2回戦で近頃好調なブラジルチームのエデュアルド ユージ・サントス(ブラジル)と戦わねばならず、この試合が第一の山場だ。サントスは今冬のヨーロッパオープン・ローマ大会を制しており同学年の小原としてはしっかりと「一本」で勝利して格の違いを見せつけたいところだ。

最近は毎回述べていることだが、81kg級は五輪を終えて階級の序列再編の非常な混沌のなかにある。今大会でも新たな選手が一気に台頭してくる可能性があり、その意味では小原にとっても大きなチャンスがある状況だ。国際的な新興勢力としての位置を勝ち得るべく、思い切りのよい戦いぶりに期待したい。

【プールA】
第1シード:イヴァイロ・イヴァノフ(ブルガリア)
第8シード:ドリン・ゴトノアガ(モルドバ)

【プールB】
第4シード:スルジャン・ムルヴァイエヴィッチ(モンテネグロ)
第5シード:エデュアルド ユージ・サントス(ブラジル)
日本選手:小原拳哉(東海大4年)

【プールC】
第2シード:フランク・デ ヴィト(オランダ)
第7シード:サイード・モラエイ(イラン)

【プールD】
第3シード:アッティラ・ウングヴァリ(ハンガリー)
第6シード:オトゴンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)

■ 63kg級・アリス・シュレシンジャーが絶対の優勝候補、ブスラ・カチポグルとの決勝が唯一の見どころ
(エントリー7名)

参加選手がわずか7名しかおらず、ワールドツアーの常連選手はアリス・シュレシンジャー(イギリス)とブスラ・カチポグル(トルコ)のみ。57kg級と並んで今大会屈指の寂しいトーナメントとなった。そしてこの階級のみどころは、シュレシンジャー以外になし。このタイミングで復帰してきたということは明らかに今年の世界選手権を意識しているものと思われ、その出来は今季の63kg級戦線を占う上で非常に重要。シュレシンジャーと戦えるレベルの選手は決勝で対戦するカチポグルしかおらず、彼女らしい豪快な「一本」での勝ち上がりに期待したい。

【プールA】
第1シード:アリス・シュレシンジャー(イギリス)
第8シード:なし

【プールB】
第4シード:ハニム・フセイノワ(アゼルバイジャン)
第5シード:ヌリーヤ・アフンドワ(アゼルバイジャン)

【プールC】
第2シード:ブスラ・カチポグル(トルコ)
第7シード:ナルギス・ハジエワ(アゼルバイジャン)

【プールD】
第3シード:アンドレイア・レスキ(スロベニア)
第6シード:グルサデフ・カリモワ(アゼルバイジャン)

■ 70kg級・ユリ・アルベールがワールドツアーに復帰、その戦いぶりに注目
(エントリー9名)

こちらの階級も参加者わずか9名の小規模トーナメント。しかし、3度世界選手権を制しているリオデジャネイロ五輪銀メダリストのユリ・アルベール (コロンビア)の復帰大会となったことで注目度としては大会随一。

このタイミングでのツアー復帰は間違いなく世界選手権を意識してのもの。敢えてツアーの表通りであるパリとデュッセルドルフを避け、確実に1000ポイントを得て世界選手権のシード権に繋げるべく、しっかり大会を選んで来たという印象だ。年齢的には既にベテランの域にあるアルベールが休養明けの今大会でどのような柔道を見せるのか非常に楽しみ。世界選手権の「作り」と位置付けられる今回であるが、試合出場自体が少ない彼女の実戦データはまことに貴重。特に決勝で実現するはずの、同じパンナム地域のパワーファイターであるエルビスマール・ロドリゲス(IJF)との対戦に注目しておきたい。

【プールA】
第1シード:ユリ・アルベール(コロンビア)
第8シード:アイダ・バヒショワ(アゼルバイジャン)

【プールB】
第4シード:アレクサンドラ・サマルジッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
第5シード:ゼレ・ベクタスカイジ(カザフスタン)

【プールC】
第2シード:エルビスマール・ロドリゲス(IJF)
第7シード:ナルギス・イブラヒモワ(アゼルバイジャン)

【プールD】
第3シード:バルバラ・マティッチ(クロアチア)
第6シード:ヴァリダ・ミルザザダ(アゼルバイジャン)


文:林さとる/古田英毅

※ eJudoメルマガ版3月11日掲載記事より転載・編集しています。

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