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グランドスラム・バクー第1日5階級プレビュー

(2017年3月10日)

※ eJudoメルマガ版3月10日掲載記事より転載・編集しています。
第1日5階級(男子60kg級、66kg級、女子48kg級、52kg級、57kg級)プレビュー
グランドスラム・バクー
■ 60kg級・今大会一のハイレベルトーナメント、志々目徹に強豪と連戦するビッグチャンス到来
(エントリー14名)

選手層が非常に厚い60kg級の様相を反映して、今大会もなかなかのハイレベルトーナメントとなった。実力的に抜けているのはオルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)、志々目徹(了徳寺学園職)、ダシュダヴァー・アマーツヴシン(モンゴル)の3人。それぞれ異なるブロックに配されたが、シード順位で劣る志々目には刺客として2015年アスタナ世界選手権銀メダリストのルスタン・イブラエフ(カザフスタン)が当てられた。イブラエフは有力選手であることは間違いないものの、同国内での立場はイェルドス・スメトフの控えの2番手。世界選手権2位という実績に見合うほどの力は持っていない。志々目としては良い形で勝利して流れに乗りたいところだ。

今大会の志々目の配置は、優勝のみを考えた場合には全選手中もっともハードなポジション。しかし、これは裏を返せば倒すだけで評価の上がる強豪と連戦できるということでもあり、国内の序列でジリジリ後退中の志々目にとってはむしろ大きなチャンスといえる。奮起に期待したい。

【プールA】
第1シード:オルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)
第8シード:グスマン・キルギズバエフ(カザフスタン)

【プールB】
第4シード:ルスタン・イブラエフ(カザフスタン)
第5シード:志々目徹(了徳寺学園職)

【プールC】
第2シード:ダシュダヴァー・アマーツヴシン(モンゴル)
第7シード:ムフリディン・ティロヴォフ(ウズベキスタン)

【プールD】
第3シード:エリック・タカバタケ(ブラジル)
第6シード:ヤニスラフ・ゲルチェフ(ブルガリア)

■ 66kg級・トップ選手不在のトーナメント、髙上智史に課せられたミッションは優勝のみ
(エントリー16名)

中堅選手のニジャト・シハリザダ(アゼルバイジャン)が第1シードを張っていることからもわかるとおりトーナメントのレベルは高くなく、敢えて言えばコンチネンタルオープンのそれ。今大会を復活の足がかりとしたい髙上智史(旭化成)にとってはグランドスラム大会タイトル奪取の大チャンスであるが、同時に「大物を狩って力をアピールする」という観点からはあまり得るものがないトーナメントとなってしまった。

とはいえ対戦相手はシハシザダにガンボルド・ケーレン(モンゴル)とネームバリューに比して非常にうるさい選手ばかり。決して楽な大会にはならないはずだが、ここはしっかり優勝して次に繋げたいところだ。

ロンドン-リオ期に常に代表争いの一線にあって2014年にはアジア大会日本代表も務めた髙上だが、突き抜けられないまま阿部一二三(日体大1年)に抜き去られ、昨秋の講道館杯をきっかけに磯田範仁(国士舘大3年)や橋口祐葵(明治大4年)の突き上げも食ってかなり存在感を下げてしまっている状況だ。この階級には髙市賢悟(旭化成)や丸山城志郎(ミキハウス)といった国際的に高く評価されている選手もおり、今大会の結果次第では層の厚い国内序列の沼に一気に飲まれてしまう可能性すらある。

髙上にとってはこれから当分、全ての大会が正念場。気合の入った試合ぶりに期待したい。

【プールA】
第1シード:ニジャト・シハリザダ(アゼルバイジャン)
第8シード:ガビット・イェッシムベトフ(カザフスタン)

【プールB】
第4シード:髙上智史(旭化成)
第5シード:ガンボルド・ケーレン(モンゴル)

【プールC】
第2シード:タル・フリッカー(イスラエル)
第7シード:アリレザ・ホジャステー(イラン)

【プールD】
第3シード:バルチ・シュマイロフ(イスラエル)
第6シード:デニス・ヴィエル(モルドバ)

■ 48kg級・若手注目株のミリカ・ニコリッチとノア・ミンスカーの対戦に注目
(エントリー11名)

トップ選手の参加はなく、選手の「名前」だけで言えば下位グランプリレベルの、少々寂しいトーナメント。

優勝候補は第1シードに座るミリカ・ニコリッチ(セルビア)。この選手はリオデジャネイロ五輪後に台頭した新興勢力であり、端正な顔立ちに似合わぬ力強い柔道スタイルで強豪選手を次々と破っている。荒削りながらもワールドツアーに参加し続けることで徐々に地力を上げて来ており、今最も旬な若手選手の一人だ。

ニコリッチの背中を追う優勝候補2番手は第5シードに配されたノア・ミンスカー(イスラエル)。この選手も五輪後に台頭した新興勢力であり、イスラエル選手らしい非常にしぶとい柔道が持ち味だ。ワールドツアーでの優勝経験こそないものの、直近の大会で敗れた相手はいずれも階級上位の強豪のみであり、グランプリ・デュッセルドルフ大会の3位決定戦ではニコリッチを裏投「技有」で破っている。今大会では初戦となる2回戦で同国の1番手であるシラ・リショニー(イスラエル)と対戦する厳しい組み合わせとなっているが、なんとかここを勝ち抜いてニコリッチの待ち受ける準決勝まで勝ち上がりたいところだ。

【プールA】
第1シード:ミリカ・ニコリッチ(セルビア)
第8シード:レイラ・アリエワ(アゼルバイジャン)

【プールB】
第4シード:シラ・リショニー(イスラエル)
第5シード:ノア・ミンスカー(イスラエル)

【プールC】
第2シード:タシアナ・セザル(ギニアビサウ)
第7シード:アレクサンドラ・ポップ(ルーマニア)

【プールD】
第3シード:マリーナ・チェルニアク(ウクライナ)
第6シード:アイシャ・グルバヌリ(アゼルバイジャン)

■ 52kg級・優勝候補はアレクサンドララリサ・フロリアン、48kg級からの階級変更組にも注目
(エントリー13名)

この階級もトップ選手の出場がない下位グランプリレベルのトーナメント。

優勝候補はグランプリ・デュッセルドルフ大会で素晴らしいパフォーマンスを披露したアレクサンドララリサ・フロリアン(ルーマニア)。中堅選手の一人であったフロリアンだが、同大会で3位を獲得して現在上り調子にある。この大会の3位決定戦で見せた燕返はセンス抜群、同大会のベスト一本級の素晴らしい技であった。結果を得、見事な技で注目を浴びた今は間違いなくフロリアンにとって「売り出し時」。陣容の薄い今大会で優勝を果たして、一気に序列を登ってしまいたいところだ。

このフロリアンと準々決勝、準決勝でそれぞれ対戦するのはシャーリン・ファンスニック(ベルギー)とサラ・メネゼス(ブラジル)のリオデジャネイロ五輪後に48kg級から階級を上げた2人。どちらも48kg級ではトップ選手として鳴らした強豪であり、フロリアンを食った場合には一気に表彰台の頂点まで上り詰める爆発力を持っているはず。

一方で反対側のABブロックからは第1シードのギリ・コーヘン(イスラエル)が勝ち上がるものと思われる。この選手はワールドツアーに出場し続けることでランキングを底上げしている典型例で、決して地力があるタイプの選手ではない。しかし、その粘戦スタイルのしぶとさは全階級屈指であり、トーナメントが荒れた場合にはこの選手が優勝を攫っていく可能性も十分にありえると思われる。

【プールA】
第1シード:ギリ・コーヘン(イスラエル)
第8シード:アニャ・スタンガル(スロベニア)

【プールB】
第4シード:アガタ・ペレンク(ポーランド)
第5シード:アイグニム・ツイテコワ(カザフスタン)
有力選手:レカ・プップ(ハンガリー)

【プールC】
第2シード:アレクサンドララリサ・フロリアン(ルーマニア)
第7シード:アリエル・ベゼルエル(イスラエル)
有力選手:シャーリン・ファン スニック(ベルギー)

【プールD】
第3シード:カロリナ・ピンコヴスカ(ポーランド)
第6シード:サラ・メネゼス(ブラジル)

■ 57kg級・レン・チェンリンとヨワナ・ロギッチの決勝が唯一の見どころ
(エントリー12名)

14階級中屈指の、人材薄きトーナメント。ワールドツアー常連選手は第1シードのレン・チェンリン(台湾)と第2シードのヨワナ・ロギッチ(セルビア)のみ。

かつ、他の出場者のなかにこの2人に与するだけの実力を持つ選手はおらず、アップセットの可能性はほとんどない。両者の決勝対決は既定路線であり、この試合が唯一の見どころだ。中堅選手である両者としては優勝者に与えられる1000ポイント(※今シーズンからポイント改定)は喉から手が出るほど欲しいはず。熱戦に期待したい。

【プールA】
第1シード:レン・チェンリン(台湾)
第8シード:ギウマラ・プルデンシオ(ブラジル)

【プールB】
第4シード:セヴァラ・ニシャンバエワ(カザフスタン)
第5シード:アンナ・カジュリナ(カザフスタン)

【プールC】
第2シード:ヨワナ・ロギッチ(セルビア)
第7シード:カヤ・カイゼル(スロベニア)

【プールD】
第3シード:ティムナ・ネルソン レヴィ(イスラエル)
第6シード:ユリア・コヴァルツィク(ポーランド)



文:林さとる/古田英毅

※ eJudoメルマガ版3月10日掲載記事より転載・編集しています。

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