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グランプリデュッセルドルフ・最終日5階級(男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級)プレビュー

(2017年2月26日)

※ eJudoメルマガ版2月26日掲載記事より転載・編集しています。
最終日5階級(男子90kg級、100kg級、100kg超級、女子78kg級、78kg超級)プレビュー
グランプリ・デュッセルドルフ
■ 90kg級・西山大希が地力ナンバーワンも試合運びに不安あり、現実的な優勝候補はフセン・ハルモルザエフ
(エントリー29名)

ガク・ドンハン(韓国)とチェン・シュンジャオ(中国)の強豪2人が抜けたことでグランドスラムパリ大会から一段レベルは下がったが、もともとこの階級は強豪揃い。欧州シリーズのメインイベントにふさわしい、十分にハイレベルなトーナメントとなった。出場選手のなかで最も地力が高いのは2010年と2011年の世界選手権銀メダリストである西山大希(新日鐵住金)。純粋に組み合って投げる能力を比べた場合、西山と競うことができる選手はいないものと思われる。とはいえ、西山には技を仕掛けることなく組み手をリセットして時間を浪費してしまう悪癖があり、これまでに何度もこのパターンで勝つべき試合を落としてきた経緯がある。

このことを考慮すると優勝候補として西山を推すのは難しく、現実的には西山に次ぐ地力を持つ2015年ワールドマスターズ・ラバト大会王者のベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)か、組み合わせに恵まれている2016年ワールドマスターズ・グアダラハラ大会2位のフセン・ハルモルザエフ(ロシア)のどちらかが優勝すると予想するのが妥当だ。パリでの様相を見る限り延長戦を戦うことによる消耗は相当なものであり、その点に鑑みると優勝候補1番手は同一プールに目立った対抗馬が存在しないハルモルザエフとしておきたい。

ハルモルザエフは前述のワールドマスターズ・グアダラハラ大会において豪快な帯取返(いわゆる「ハバレリ」)を決め、欧州を中心とした帯取返ブームのきっかけをつくった選手。新ルールではクロスグリップへの規制が緩和されており、豪快な帯取返「一本」による勝ち上がりに期待したい。

パリから階級を上げて90kg級に参加している2014年チェリャビンスク世界選手権81kg級チャンピオンのアブタンディリ・チリキシヴィリ(ジョージア)は、1回戦で2014年と2015年に世界ジュニア選手権で準優勝しているニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)と対戦する。パリでの戦いぶりを見る限りこの階級で戦うのは体格的に厳しいように思われるが、2週間を空けたことでチリキシヴィリの戦いぶりにどのような変化が起こるのか、注目しておきたい。

もう一度話を西山に戻して。西山が順調に勝ち上がった場合、準々決勝で第1シードのアレクサンダー・クコリ(セルビア)と対戦することになる。クコリは五輪前後の空白期間に急激に力をつけてきた新興勢力の1人で純実力的にはトップ勢に譲るところがあるが、西山は昨年のグランドスラム東京大会でこの選手に大内返「有効」で敗れている。西山としてはよい内容でクコリにリベンジを果たして、グヴィニアシヴィリが待ち受ける準決勝へと駒を進めたいところだ。

リオデジャネイロ五輪金メダリストのベイカー茉秋(東海大4年)と吉田優也(旭化成)の2人が怪我で戦線を離脱しており、ほかの選手も結果を残せていない現状にあって、今年の世界選手権代表争いは混沌。西山、極端に言えば技さえ出れば勝てるはずであり、2011年以来5年ぶりの世界選手権に向けて、全盛期を思い起こさせるような切れ味鋭い技を見せて欲しい。

【プールA】
第1シード:アレクサンダー・クコリ(セルビア)
第8シード:西山大希(新日鐵住金)
有力選手:シリル・グロスクラウス(スイス)

【プールB】
第4シード:コムロンショフ・ウストピリオン(タジキスタン)
第5シード:ベカ・グヴィニアシヴィリ(ジョージア)
有力選手:マルク・オーデンタール(ドイツ)

【プールC】
第2シード:ミハエル・ツガンク(スロベニア)
第7シード:ティアゴ・カミーロ(ブラジル)
有力選手:ナシフ・エリアス(レバノン)、ニコロス・シェラザディシヴィリ(スペイン)、アブタンディリ・チリキシヴィリ(ジョージア)

【プールD】
第3シード:フセン・ハルモルザエフ(ロシア)
第6シード:マックス・スチュアート(イギリス)
有力選手:ネマニャ・マイドフ(セルビア)

■ 100kg級・優勝候補は地元ドイツのカールリヒャード・フレイ、ウルフアロンは強豪揃う死のプールに配される
(エントリー29名)

グランドスラムパリ大会に出場した強豪の多くが出場を回避、例年激戦が繰り広げられるグランプリデュッセルドルフ大会のこの階級にしては比較的穏やかなトーナメントとなった。

優勝候補の1番手は比較的楽なプールDに配された2015年アスタナ世界選手権銀メダリストのカールリヒャード・フレイ(ドイツ)。準々決勝で同じくアスタナ世界選手権3位のトマ・ニキフォロフ(ベルギー)との対戦が組まれているが、ニキフォロフはそれほど面倒なタイプではなくフレイとしては戦いやすいはずだ。

ウルフアロン(東海大3年)は本トーナメントにおける「死のブロック」と規定されるプールBに配された。このプールにはウルフのほかにもホセ・アルメンテロス(キューバ)、ホルヘ・フォンセカ(ポルトガル)、ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)といった本来であれば今大会の優勝争いで先頭に立つべき強豪たちが密度高く詰め込まれている。ウルフは1回戦から好選手であるミコロス・サーイエニッチ(ハンガリー)と戦わねばならず、2回戦では早くも本トーナメントで最も戦いたくない選手であるグランドスラムパリ大会3位の業師フォンセカと対戦しなければならない。ウルフに限らずこのプールを無傷で勝ち上がることは難しく、準決勝まで勝ち抜けたとしても相当な消耗を覚悟しなければならないものと思われる。(この点も考慮して、優勝候補にフレイを挙げたわけである)

前述のように非常に厳しい配置からのスタートとなったウルフだが、国内2番手の座を争っている飯田健太郎(国士舘高3年)がグランドスラムパリ大会を圧倒的な内容で制したことにより、世界選手権の代表争いという文脈では相当な圧が掛かっているものと思われる。代表戦線に踏み留まるためにはこの大会に優勝することが必須条件であり、勝負強さが最大の持ち味であるウルフの、こちらの想像を越えてくるような奮戦に期待したい。

【プールA】
第1シード:マーティン・パチェック(スウェーデン)
第8シード:ベンジャミン・フレッチャー(イギリス)
有力選手:ヨアキム・フレイ(ドイツ)

【プールB】
第4シード:ホセ・アルメンテロス(キューバ)
第5シード:ホルヘ・フォンセカ(ポルトガル)
有力選手:ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)、ミコロス・サーイエニッチ(ハンガリー)
日本選手:ウルフアロン(東海大3年)

【プールC】
第2シード:ミハエル・コレル(オランダ)
第7シード:グリゴリ・ミナシキン(エストニア)

【プールD】
第3シード:カール リヒャード・フレイ(ドイツ)
第6シード:トマ・ニキフォロフ(ベルギー)

■ 100kg超級・復帰戦となる原沢久喜が優勝候補、影浦心は初戦で難敵マティアシヴィリと対戦
(エントリー22名)

リオデジャネイロ五輪銀メダリストの原沢久喜(日本中央競馬会)がついにワールドツアーに復帰。原沢は五輪決勝のテディ・リネール(フランス)との試合以来リネール追撃の1番手として世界に認知されており、今大会でももちろん優勝候補の最右翼だ。原沢が配された下側の山(プールC・D)にはアダム・オクルアシヴィリ(ジョージア)、イアキフ・ハモー(ウクライナ)、ユーリ・クラコベツキ(キルギスタン)といった一癖も二癖もある面倒な役者たちが詰め込まれているが、下手に粘られて体力を消耗することなく気持ちのよい「一本」連発で勝ち上がりたいところ。

一方の影浦心(東海大3年)は初戦となる2回戦で五輪前まで(純実力ではなく相性によるものではあるが)対リネールの1番手だったレヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)と対戦。かつては器用さで鳴らしたマティアシヴィリだが、グランドスラムパリ大会を見る限り大型化の宿命から逃れることができずに「ミニ・オクルアシヴィリ」といった見た目と技構成になっていた。担ぎ技があり試合運びの上手い影浦であれば比較的戦いやすい相手だと思われるので、取りこぼすことなくしっかりと勝利して次戦以降への勢いをつけたい。

いずれ国内、海外を問わず今大会最大の注目点は五輪銀メダリスト・原沢の出来にあることは間違いない。根こそぎ引っこ抜くような豪快な「一本」連発に期待したい

影浦は現状で(グランドスラム東京大会で七戸に勝利しているものの)王子谷と七戸に大きく水を開けられており、今年の世界選手権代表の可能性は限りなくゼロに近い。先週行われたヨーロッパオープンローマ大会で後輩の太田彪雅(東海大1年)が優勝していることを考えると、最低限表彰台は確保して若手1番手の座をキープしたいところだ。

ほか、シード外の注目選手としては今大会から階級を上げて参加しているリオデジャネイロ五輪100kg級金メダリストのルカシュ・クルパレク(チェコ)を挙げておきたい。長身痩躯のクルパレクであるが、体格や戦いぶりにどのような変化が見られるのか、はたして最重量級でも通用するのか非常に楽しみ。クルパレクは1回戦でリオ五輪5位のアレックス・ガルシア メンドーサ(キューバ)、2回戦で2016年ワールドマスターズ・グアダラハラ大会王者のダニエル・ナテア(ルーマニア)とそれぞれ対戦する厳しい配置。特に階級随一の巨体を誇るナテアとの試合はクルパレクの今後を占う上でも非常に重要な意味を持つはずだ。

【プールA】
第1シード:ダニエル・ナテア(ルーマニア)
第8シード:レナト・サイドフ(ロシア)
有力選手:ルカシュ・クルパレク(チェコ)、アレックス・ガルシア メンドーサ(キューバ)、スタニスラフ・ボンダレンコ(ウクライナ)

【プールB】
第4シード:バルナ・ボール(ハンガリー)
第5シード:レヴァニ・マティアシヴィリ(ジョージア)
日本選手:影浦心(東海大3年)

【プールC】
第2シード:原沢久喜(日本中央競馬会)
第7シード:アダム・オクルアシヴィリ(ジョージア)

【プールD】
第3シード:イアキフ・ハモー(ウクライナ)
第6シード:ユーリ・クラコベツキ(キルギスタン)
有力選手:スヴェン・ハインル(ドイツ)

■ 78kg級・ビッグネーム不在も「面倒な実力者」揃うタフなトーナメント、優勝必須の梅木真美の出来に注目
(エントリー17名)

オドレイ・チュメオ(フランス)やマイラ・アギアール(ブラジル)といったトップ選手は参加しておらず、第1、第2シードにナタリー・ポウエル(イギリス)とアビゲイル・ヨー(ハンガリー)の中堅上位クラス(五輪後のトップ層の休養によりワールドラキングは5位と8位だが)が座るという、参加者全員に優勝の可能性のある戦国トーナメントとなった。また、近頃のこの階級の傾向を反映して今大会にも有望若手選手が大量参戦を為しており、これがトーナメントを俯瞰する上での大きな注目ポイント(本文の最後で簡単に紹介したい)。

2015年アスタナ世界選手権王者の梅木真美(環太平洋大4年)は、世界チャンピオンとしてのアドバンテージによってA強化に残り国際大会への継続派遣を受けているが、五輪以来(厳密に言えば2015年グランドスラム東京大会から)の成績不振によって評価を下げており、今大会の結果によっては国内の序列を一気に転がり落ちる可能性がある。先週行われたヨーロッパオープンオーバーヴァルト大会で濵田尚里(自衛隊体育学校)が五輪で梅木を破った(このことで国内勢の力を測る水準点と化した感がある)ヨーと昨年のグランドスラム東京大会2位のパク・ユジン(韓国)をともに「一本」で破って優勝しており、直近の成績だけを見れば濱田の方が梅木より上。さらに3月のグランドスラム・バクー大会には講道館杯2位の吉村静織(三井住友海上)の出場が決まっており、吉村の成績次第では梅木が抜かれてしまう可能性すら十分にある。梅木は4月の選抜体重別選手権にも勿論出場するが、そもそも国内での成績が圧倒的というタイプではなく、国内のシニアカテゴリでの優勝は2014年の講道館杯のみで、強みとされるはずの国際大会でしっかり勝っておかないと苦しいはず。
色々と並べ立ててきたが、つまり現在の梅木は現在崖っぷちの状況にあるということ。この状況を打開するには今大会で優勝するしかない。

前述のような状況にある梅木にとって今大会はまさに試練のトーナメント。勝利するだけで加点が為されるような強豪は存在せず、その代わりに勝てる可能性は高いが骨の折れる選手と連戦しなければならない。2回戦の相手は2014年世界ジュニア選手権王者サラ・ムゾウギ(チュニジア)と2013年リオデジャネイロ世界選手権銅メダリストのカリエマ・アントマルチ(キューバ)の勝者、準々決勝では「サリハニ」状態からの組み立てを得意とする曲者、超長身選手のクララ・アポテカル(スロベニア)が待ち受ける。「技による決着を重視」する新ルール下において、「決定的な技がないこと」が弱点である梅木がどのような戦いぶりを見せるのか、背水の陣で今大会に挑む梅木の覚悟ある戦いぶりに期待したい。

一方の髙山莉加(三井住友海上)にとって現在の状況はむしろチャンス。梅木の凋落によって全員に国内2番手になるチャンスが巡ってきており、階級のトップ選手が出場していない今大会で優勝して一気に序列を駆け上がりたいところだ。髙山は準々決勝でマドレーヌ・マロンガ(フランス)、準決勝でヨーと対戦する可能性が高いが、どちらも髙山がしっかり力を発揮すれば十分勝てる相手のはず。奮起に期待したい。

最後になったが有望な若手海外選手を紹介していきたい。本サイトでは既におなじみの面々だが、最後までお付き合いいただけると幸いである。まずは若手有望株の1番手であるアポテカル。この選手は187センチの長身から表と裏の「サリハニ状態」を仕掛け、そこから引き込んで寝技を狙う難剣使いだ。最近はなかなか表彰台に手が届いていないが、毎大会入賞者決定ラウンド(準々決勝以降)まで残っている実力者である。アンナマリア・ヴァグナー(ドイツ)は2016年の欧州ジュニア選手権王者、パワーファイターでありながら左右の組み手を状況によって使い分けることができる器用な選手だ。マロンガはフランスの黒人選手の典型であるガツガツ系パワーファイターで、ブレイクした2015年ほどの勢いはないが、嵌まれば相手のよさを全て塗りつぶしてしまうような一方的な試合をすることもある。そのほかにも2014年と2015年の欧州ジュニア選手権王者のラリサ・フルンヴォルト(オランダ)とアナスタシア・タルチン(ウクライナ)、2014年世界ジュニア選手権王者ムゾウギなどジュニア時代に結果を残している選手が大量に参加しており、彼女ら若手選手をチェックするのも最近のこの階級の楽しみ方の1つである。

グランドスラムパリ大会ではこの階級の決勝が技の出ない凡戦として大きな非難の的になった。生きのよい若手選手が中心の今大会は様相が変わる可能性あり。積極的に技を仕掛ける面白い試合が見られることを期待したい。

【プールA】
第1シード:ナタリー・パウエル(イギリス)
第8シード:アンナ マリア・ヴァグナー(ドイツ)
有力選手:ラリサ・フルンヴォルト(オランダ)、アナスタシア・タルチン(ウクライナ)

【プールB】
第4シード:梅木真美(環太平洋大4年)
第5シード:クララ・アポテカル(スロベニア)
有力選手:サラ・ムゾウギ(チュニジア)、カリエマ・アントマルチ(キューバ)、ヤヒマ・ハミレス(ポルトガル)

【プールC】
第2シード:アビゲイル・ヨー(ハンガリー)
第7シード:アルビナ・アマンゲルディエワ(カザフスタン)

【プールD】
第3シード:髙山莉加(三井住友海上)
第6シード:マドレーヌ・マロンガ(フランス)

■ 78kg超級・復帰戦の田知本愛に有力な対抗馬はなし、ついに「想定戦場」に臨む素根輝の戦いぶりに注目
(エントリー15名)

トップ選手の参加は田知本愛(ALSOK)以外になし。第2グループの選手たちが勢揃いした、田知本の現在の調子を測るにはある意味丁度良いレベルのトーナメントとなった。田知本の対戦相手はかつてであれば早い時間の「一本」で一蹴していたであろう選手ばかり、1試合ごとの結果がそのまま田知本の復調具合を測るこの上ない物差しになるはずだ。昨年度が始まった時点では田知本がリオデジャネイロ五輪代表の最右翼、それどころか金メダル獲得の有力候補ですらあった。しかしご存じの通り4月17日に行われた皇后盃の決勝でライバルの山部佳苗(ミキハウス)に横四方固「一本」で敗れて状況は一転、この試合で左膝を負傷したこともあり五輪代表を逃し1年近くの休養を余儀なくされることとなってしまった。我慢の1年間を過ごした田知本がどのように柔道をみせるのかに注目したい。

素根輝(南筑高1年)は今大会でいよいよ欧州の大型選手との戦いにデビュー。昨年のグランドスラム東京大会で2位になっているものの、その際には78kg超級のメインストリームである大型選手との対戦は1試合も組まれておらず、これが実質的なツアーデビューと捉えられて良いかと思われる。

自身認める通り超級選手としては小柄な素根は、早い段階から「将来海外の大型選手とどう戦うか」を常に課題に据えながらキャリアの階段を登って来た。ついにツアーの主流である超大型タイプと矛を交える可能性が高い今大会は、素根と指導者たちの数年にわたる成長方針の是非が、初めてその想定戦場で試される場。つまりは小学生時代から将来を嘱望されて勝ちに勝ちまくっていた素根が初めて臨む「本番」と言って良い。国際戦線における現在位置の観測基準となるだけでなく、その将来性や適性、今後の方向性など色々なものが一気に見える面白い大会になるのではないだろうか。

1回戦のカロリン・ヴァイス(ドイツ)戦を勝ち抜けば階級屈指の大型選手であるイリーナ・キンゼルスカ(ウクライナ)との対戦が実現するため、ここまではなんとか勝ち上がっておきたいところ。欲を言えば準決勝に進出してくるであろう小型選手の代表格である「ウクライナの豆タンク」ことスヴィトラナ・イアロムカ(ウクライナ)とも対戦しておきたいところだが、1回戦で対戦するヴァイスも昨年の五輪前後の時期に豪快な左大腰で大型選手を次々と切りまくった実力派。グランドスラムパリ大会では今ひとつ元気がなかったものの、一筋縄では勝たせてくれない強敵だ。まずヴァイスを突破し、キンゼルスカ戦を経験することが今回のミッションと考えたい。キンゼルスカは「大型だが足元が弱い」この階級の一典型。素根の担ぎ技炸裂に期待したい。

現在の世界選手権代表レースは講道館杯からグランドスラムパリ大会までの主要3大会全てに優勝した朝比奈沙羅(東海大2年)が独走状態でトップを走り、その背中を山部と田知本が追っている状況。山部と田知本の年齢を考慮するとこの階級に2枠使う旨味は少なく、田知本が世界選手権に出場するためには、まずは今大会においてそれ相応の内容での優勝しておくことが絶対条件。果たして故障明けの田知本がこの条件に見合うパフォーマンスを披露することが出来るのか、代表争いという観点からはこの点に注目して試合を見守りたい。

【プールA】
第1シード:ラリサ・セリッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
第8シード:田知本愛(ALSOK)

【プールB】
第4シード:サンタ・パケニテ(リトアニア)
第5シード:ヤスミン・クルブス(ドイツ)
有力選手:ホシェリ・ヌネス(ブラジル)

【プールC】
第2シード:カロリン・ヴァイス(ドイツ)
第7シード:イリーナ・キンゼルスカ(ウクライナ)
日本選手:素根輝(南筑高1年)

【プールD】
第3シード:スヴィトラナ・イアロムカ(ウクライナ)
第6シード:グルザン・イッサノワ(カザフスタン)
有力選手:サンドラ・ジャブロンスキッタ(リトアニア)


文:林さとる/古田英毅

※ eJudoメルマガ版2月26日掲載記事より転載・編集しています。

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