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太田彪雅がクラコベツキら難敵を連破、日本勢が3階級で優勝飾る・ヨーロッパオープン・ローマ概況×詳細

(2017年2月23日)

※ eJudoメルマガ版2月23日掲載記事より転載・編集しています。
太田彪雅がクラコベツキら難敵を連破、日本勢が3階級で優勝飾る・ヨーロッパオープン・ローマ概況×詳細
■ 60kg級・藤阪泰恒がシニア国際大会初優勝、全試合で投技決める
(エントリー34名)

【入賞者】
1.FUJISAKA, Taikoh (JPN)
2.YASHUEV, Islam (RUS)
3.VALIZADA, Oruj (AZE)
3.LIMARE, Vincent (FRA)
5.VERGNES, Richard (FRA)
5.MACDONALD, Neil (GBR)
7.BAKYTBEK UULU, Argen (KGZ)
7.GADZHIEV, Sakhavat (RUS)

第1シードのヴィンセント・リマール(フランス)以外にワールドツアーで上位進出が見込めるような選手は存在せず。トップ選手が集団で欧州を渡り歩くこの時期には珍しい、良くも悪くも大会ランク通りのこれぞコンチネンタルオープンというトーナメントとなった。

そんな中で藤阪泰恒(國學院大学2年)が全試合で投技によるポイントを得て見事優勝を飾った。藤阪はこれがシニア国際大会初タイトル。リマールが途中で敗退したこともあり名のある強豪選手との対戦はなかったが、グランドスラム東京大会で優勝した同学年の永山竜樹(東海大2年)に負けていられないとばかりに、非常に気合いの入った戦いぶりだった。

【日本代表選手勝ち上がり】

藤阪泰恒(國學院大学2年)
成績:優勝


[2回戦]
藤阪泰恒○横四方固(1:07)△FERRETTI, Andrea (ITA)

[3回戦]
藤阪泰恒○優勢[技有・背負投]△MARCELINO, Michael (BRA)

[準々決勝]
藤阪泰恒○優勢[技有・大内刈]△MACDONALD, Neil (GBR)

[準決勝]
藤阪泰恒○反則[指導3](2:49)△VERGNES, Richard (FRA)

[決勝]
藤阪泰恒○優勢[技有・袖釣込腰]△YASHUEV, Islam (RUS)

■ 66kg級・アン・バウルが順当に優勝、丸山城志郎はアンに敗れて3位
(エントリー51名)

【入賞者】
1.AN, Baul (KOR)
2.MEDVES, Matteo (ITA)
3.MARUYAMA, Joshiro (JPN)
3.ABDULZHALILOV, Abdula (RUS)
5.HALL, Samuel (GBR)
5.LEFEVERE, Jasper (BEL)
7.KIM, Limhwan (KOR)
7.CRISOSTOMO, Joao (POR)

2015年アスタナ世界選手権チャンピオンのアン・バウル(韓国)が優勝。この時期韓国勢は日本代表同様欧州を転戦中、その中でIJFワールドツアー2大会でなく敢えてこの大会を選んだ(※パリ、デュッセルドルフともエントリーなし)アンにとっては今シリーズにおける試合出場はそれ自体がおそらく調整の一環。それゆえか動きに硬さが見られたが、それでもしっかりと優勝をさらっていった。

日本代表の丸山城志郎(ミキハウス)は準々決勝でアンと対戦、互角の勝負を繰り広げたが延長戦で左小内巻込を仕掛けた際に相手の足に触れてしまいGS「指導2」(GS0:41)で惜敗。敗者復活戦に回った丸山は韓国の2番手選手であるキム・リマン(韓国)を左内股「技有」で危なげなく下して3位決定戦に進出、サミュエル・ホール(イギリス)を左内股「一本」(0:39)で一蹴して表彰台を確保した。

丸山はアンと五分の勝負を演じてしっかりと表彰台までたどり着き、内容的にはわずかながら評価アップのはず。以後の国際大会派遣権利獲得に希望が見えて来た。しかし阿部一二三がしっかり結果(グランドスラムパリ優勝)を出す中で相対的な陣地後退は否めない。4月に行われる選抜体重別での序列逆転は非常に厳しい状況だ。

【日本代表選手勝ち上がり】

丸山城志郎(ミキハウス)
成績:3位


[2回戦]
丸山城志郎○優勢[技有・内股]△CESAR, Diogo (POR)

[3回戦]
丸山城志郎○内股(2:52)△BETA, Aleksander (POL)

[準々決勝]
丸山城志郎△GS指導2(GS0:41)○AN, Baul (KOR)

[敗者復活戦]
丸山城志郎○優勢[技有・内股]△KIM, Limhwan (KOR)

[3位決定戦]
丸山城志郎○内股(0:39)△HALL, Samuel (GBR)

■ 73kg級・吉田優平がシニア国際大会初優勝、落ち着いた試合ぶりでメンタル面の成長見せる
(エントリー47名)

【入賞者】
1.YOSHIDA, Yuhei (JPN)
2.CASAGLIA, Leonardo (ITA)
3.CONTINI, Marcelo (BRA)
3.NEVES, Lincoln (BRA)
5.AXUS, Benjamin (FRA)
5.RAICU, Alexandru (ROU)
7.CHAINE, Guillaume (FRA)
7.HAM, Eric (GBR)

ワールドツアーで上位に進出するような選手が見当たらない、この階級もジャストコンチネンタルオープンレベルのトーナメント。その中で吉田優平(東海大2年)が危なげなく勝ち上がり、シニア国際大会初優勝を果たした。60kg級の藤阪同様、全試合で技によるポイントを得ての優勝だ。

吉田はこの日唯一のワールドツアー常連との対戦となった準決勝のマルセル・コンティーニ(ブラジル)戦を背負投「技有」で勝ち抜くと、決勝ではダークホースのレオナルド・カザリア(イタリア)と対戦。30秒過ぎに左背負投「技有」でリードを得たが、2分間際に不用意に仕掛けた左内股をめくり返され隅落「技有」で並ばれてしまう。しかし吉田はスコアボードを一瞥もせず、そのまま組み続けて自分のペースを乱さない。いつでも投げる自信があるとばかりにあくまで落ち着いて試合を展開し、最後は肘抜きの左背負投「一本」(3:26)で勝利を決めた。この階級は国内の選手層が異常に厚い超激戦区、東海大の後輩である立川新(東海大1年)が結果を残すなかで吉田が先輩としての意地を見せた形だ。

【日本代表選手勝ち上がり】

吉田優平(東海大学2)
成績:優勝


[2回戦]
吉田優平○腕挫十字固(1:29)△GARBACZ, Mateusz (POL)

[3回戦]
吉田優平○GS小内巻込(GS1:18)△FOGEL, Leo (RUS)

[準々決勝]
吉田優平○内股(2:11)△NEVES, Lincoln (BRA)

[準決勝]
吉田優平○優勢[技有・背負投]△CONTINI, Marcelo (BRA)

[決勝]
吉田優平○背負投(3:26)△CASAGLIA, Leonardo (ITA)

■ 81kg級・高校3年生の藤原崇太郎が出場、準決勝で敗れるも3位は確保
(エントリー46名)

【入賞者】
1.ANTOS, Eduardo Yudi (BRA)
2.MACEDO, Rafael (BRA)
3.FUJIWARA, Sotaro (JPN)
3.BRIAND, Etienne (CAN)
5.KUBIENIEC, Jakub (POL)
5.MARCONCINI, Matteo (ITA)
7.SAFARLI, Afig (AZE)
7.ESPOSITO, Antonio (ITA)

高校3年生の藤原崇太郎(日体荏原高3年)が出場、準決勝で敗れるも3位決定戦に勝利して表彰台を確保した。

藤原は準決勝で2014年世界ジュニア選手権王者のラファエル・マセド(ブラジル)と対戦、延長戦までもつれ込んだ末に肩車で「技有」を失って(GS1:34)本戦トーナメントから脱落してしまった。

迎えた3位決定戦はヤコブ・クビエニッチ(ポーランド)を試合時間ギリギリの上四方固(4:00)で破って表彰台は死守。高校3年生であることを考慮すればコンチネンタルオープン3位は素晴らしい成績だが、同学年の飯田健太郎(国士舘高3年)と2015年世界ジュニア選手権で準決勝を争ったフランク・デヴィト(オランダ)が先週のグランドスラムパリ大会でともに優勝を果たしていることを考えれば、藤原としては決して満足のいく結果ではないはずだ。

あたかも超ベテラン選手のようなインサイドワークのレベルの高さと勝負勘、決める手段の多彩さで早い段階から結果を残し続けて来た藤原だが、インターハイの敗戦以降戦いぶりにやや閉塞感あり。本人もそれはおそらく意識済み、今回は意図して「組み合う」戦いを志向しているように見受けられた。まだその土俵では弾き返されてしまうという印象だったが、藤原の強さは常に成長を続けて来た上昇志向と、自身の柔道を外から俯瞰出来るクレバーさでもある。そして敢えて組み合って戦って現状を打ち壊そうとした今回の試合は伸び続けようという藤原の向上心の表れと見る。次戦以降に大いに期待したい。


【日本代表選手勝ち上がり】

藤原崇太郎(日体荏原高3年)
成績:3位


[1回戦]
藤原崇太郎○優勢[技有・背負投]△SMINK, Jesper (NED)

[2回戦]
藤原崇太郎○優勢[技有・小内刈]△HONG, Suk Woong (KOR)

[3回戦]
藤原崇太郎○GS反則[指導3](4:38)△AZIZOV, Abas (RUS)

[準々決勝]
藤原崇太郎○優勢[技有・内股]△ESPOSITO, Antonio (ITA)

[準決勝]
藤原崇太郎△GS技有・肩車(GS1:34)○MACEDO, Rafael (BRA)

[3位決定戦]
藤原崇太郎○上四方固(4:00)△KUBIENIEC, Jakub (POL)

■ 90kg級・ガク・ドンハン下したピオトール・クチェラが優勝、日本勢2人はともにガクに敗れて表彰台を逸す
(エントリー30名)

【入賞者】
1.KUCZERA, Piotr (POL)
2.SAFGULIYEV, Tural (AZE)
3.BURT, Zachary (CAN)
3.GWAK, Donghan (KOR)
5.KRIEBER GAGNON, Louis (CAN)
5.MUKAI, Shoichiro (JPN)
7.CIECHOMSKI, Patryk (POL)
7.LEE, Jaeyong (KOR)

ピオトール・クチェラ(ポーランド)が優勝。クチェラは準決勝で2015年アスタナ世界選手権チャンピオンのガク・ドンハン(韓国)と対戦、右外巻込と右大外巻込で2つの「技有」を奪い勝利した。クチェラは昨年の欧州選手権で3位に入っているもののそれ以外に目立った成績はなく、ガクを破っての優勝は完全に想定外。これがスポット的な活躍なのかそれとも実力なのか、今後のクチェラの戦いぶりに注目しておきたい。

向翔一郎(日本大3年)は準々決勝でツラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)と対戦、縺れたところから仕掛けた右小外掛を帯取返で返され「技有」失陥で敗退。敗者復活戦は勝ち上がったものの、3位決定戦では逆サイドからなんとガクが落ちてくる不運。この試合は延長戦までもつれ込んだ末に「指導3」(GS1:51)で敗れて、表彰台に手が届かなかった。

江畑丈夫(国士舘大3年)も同じくガクに敗退。組み合わせに恵まれず2回戦で早くもマッチアップ、ほとんど技を仕掛けないまま「指導3」の反則負け(2:30)で敗れて畳を去った。この日のガクは決して調子がよいとは言えず、日本勢2人がかりで倒しておけなかったことは大きなマイナスポイントだ。

階級を上げて参加した2013年リオデジャネイロ世界選手権81kg級チャンピオンのロイク・ピエトリ(フランス)は1回戦で無名のミハイル・イゴルニコフ(ロシア)に浮落「技有」(GS2:17)で敗れ、予選ラウンド敗退。昨年前半の負傷以降いまだに一度も良いところを見せておらず、キャリア上の大きな危機にあると言える。

【日本代表選手勝ち上がり】

向翔一郎(日本大3年)
成績:5位


[1回戦]
向翔一郎○反則[指導3](3:13)△KOCHMAN, Li (ISR)

[2回戦]
向翔一郎○優勢[技有・背負投]△FUSCO, Andrea (ITA)

[準々決勝]
向翔一郎△優勢[技有・帯取返]○AFGULIYEV, Tural (AZE)

[敗者復活戦]
向翔一郎○肩車(1:36)△LEE, Jaeyong (KOR)

[3位決定戦]
向翔一郎△GS反則[指導3](GS1:51)○GWAK, Donghan (KOR)

江畑丈夫(国士舘大3年)
成績:2回戦敗退


[1回戦]
江畑丈夫○GS技有・内股(GS0:38)△CONRAD, Hannes (GER)

[2回戦]
江畑丈夫△反則[指導3](2:30)○GWAK, Donghan (KOR)

■ 100kg級・ジュニアの強者が決勝で激突、ファラ・アーロンがヨハネス・フレイ下し優勝決める
(エントリー31名)

【入賞者】
1.FARA, Aaron (AUT)
2.FREY, Johannes (GER)
3.PALTCHIK, Peter (ISR)
3.FLETCHER, Benjamin (GBR)
5.D ARCO, Vincenzo (ITA)
5.LOPORCHIO, Giuliano (ITA)
7.CATHARINA, Simeon (NED)
7.GALANDI, Philipp (GER)

※日本選手の出場はなし

2016年欧州ジュニア選手権王者のファラ・アーロン(オーストリア)と同大会2位のヨハネス・フレイ(ドイツ)が決勝で激突、アーロンが「技有」2つを獲得した末に横四方固「一本」(3:48)で勝利して優勝を果たした。

アーロンは昨年のグランドスラム東京大会1回戦で日本代表の後藤隆太郎(慶応大4年)を破った選手、シニア大会では無名の存在だったが今回の優勝で「メジャーデビュー」を飾った形となった。敗れたフレイは2015年アスタナ世界選手権銀メダリストであるカールリヒャード・フレイ(ドイツ)の弟で、グランプリ・デュッセルドルフ大会にもエントリー(この大会が初のワールドツアー出場となる)している。兄との対戦が実現するのか、どのような戦いぶりを見せるのかに注目したい。試合を見る限りどちらもまだまだ一線級と戦えるレベルではないが、今後活躍する可能性のある若手有望株だ。

先週のグランドスラムパリ大会に続いて出場した2009年ロッテルダム世界選手権90kg級王者のイ・ギュウォン(韓国)は2回戦で無名のシメオン・カタリナ(オランダ)に敗退。GS延長戦まで粘られた末に右背負投を抱分で返され「技有」(GS0:47)を失った。イは投げられた際に足を負傷したようで、担架で畳から運び出されるという衝撃の結末。切り札になるはずのイが階級アップ後結果を残す気配がなく、なかなか人材が固定出来ない韓国のこの階級は苦しい戦いが続く。

■ 100kg超級・太田彪雅がユーリ・クラコベツキとキム・キョンタエを破り優勝
(エントリー18名)

【入賞者】
1.OTA, Hyoga (JPN)
2.KIM, Kyeongtae (KOR)
3.BASHAEV, Tamerlan (RUS)
3.HEGYI, Stephan (AUT)
5.MELBOURNE, Andrew (GBR)
5.CAMPOS, Hector (ARG)
7.KATANGA, Messie (FRA)
7.SPIJKERS, Jur (NED)

太田彪雅(東海大1年)がユーリ・クラコベツキ(キルギスタン)とキム・キョンタエ(韓国)の強豪2人を破って見事優勝を果たした。内容、結果ともに伴った満点に近い大会であったと言える。太田は2回戦で早くもクラコベツキと対戦、勝負どころとなったこの試合は延長戦で相手の右内股巻込を谷落で返して「技有」(GS0:13)を奪い勝利した。ここから太田は順調に勝ち上がり、迎えた決勝の相手はキム。長身で動きの素早い難敵だが、太田は「指導2」まで奪われながらも延長戦で相手が仕掛けた奇襲技の左外巻込(キムは右組み)をめくり返して隅落「技有」(GS0:21)を奪った。切れ味鋭い投げ技に目を奪われることの多い太田の柔道だが、小柄ながら超巨漢と正面から組み合って勝負出来る体の強さとバランスの良さも大きな武器。なぜか組めてしまう、なぜか飛ばない太田の不思議な強さをあらためてクローズアップせざるを得ない、非常に興味深い戦いぶりだった。トップ層にフィジカルエリートが揃う100kg超級にあって太田がどのようなキャリアを形成していくのか、まことに興味が尽きない。

【日本代表選手勝ち上がり】

太田彪雅(東海大1年)
成績:優勝


[1回戦]
太田彪雅○横四方固(2:50)△PEPOLI, Claudio (ITA)

[2回戦]
太田彪雅○GS技有・谷落(GS4:13)△KRAKOVETSKII, Iurii (KGZ)

[準々決勝]
太田彪雅○内股(0:43)△MELBOURNE, Andrew (GBR)

[準決勝]
太田彪雅○GS技有・内股(GS2:29)△HEGYI, Stephan (AUT)

[決勝]
太田彪雅○GS技有・内股(GS0:21)△KIM, Kyeongtae (KOR)



文:林さとる
編集:古田英毅

※ eJudoメルマガ版2月23日掲載記事より転載・編集しています。

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