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【ROAD TO 高校選手権】第33回若潮杯争奪武道大会レポート①予選リーグ

(2017年1月11日)

※ eJudoメルマガ版1月11日掲載記事より転載・編集しています。
第33回若潮杯争奪武道大会レポート①予選リーグ
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今年も男女それぞれ16校の精鋭が千葉・国際武道大に集った。

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選手宣誓は前年度男子優勝の国士舘高から、長島光希主将。

第33回若潮杯争奪武道大会(柔道の部)は今年も12月27日、国際武道大学(勝浦市)で全国から選抜された精鋭16校が参加して行われた。

長年にわたって高校柔道界の勢力図が変動し続けた結果かつての「若潮杯さえ見れば今年の高校柔道界がわかる」というというレベルまでの存在感は薄れ、今年も全国屈指の陣容を誇る桐蔭学園高(神奈川)や大成高(愛知)、九州王者の延岡学園高(宮崎)らの強豪が不参加。唯一無二の権威と呼べるまでの大会ではなくなってしまったわけだが、とはいえ国士舘高(東京)と東海大相模高(神奈川)の伝統校2つが同時参加を為す大会はこれのみであり、天理高(奈良)や神戸国際大附高(兵庫)に東海大仰星高(大阪)ら西の強豪は今年も過たず選抜。冬のシリーズを締める大会としての重要度は依然として高い。

大混戦となった新シーズンの高校柔道界にあって、今大会でまず注目すべきは例年になく苦しい戦力の国士舘高がどこまで戦えるか。23日の松尾杯では大黒柱を担うべき清水雅義を欠きながらなんとか3位に滑り込んだが、今大会で一定以上の存在感を発揮出来なければここ2年で全国5タイトルを奪った国士舘高が本戦で「シード落ち」という事態も十分にあり得るはず。間違いなく今代チームの分水嶺となる大会だ。

もう1つは、崇徳高(広島)の出来。新シーズン滑り出しの段階から桐蔭学園と並ぶ全国優勝候補に挙げられていた同校は順当に中国新人大会と吉岡杯(12月17日)を制したが、この関東遠征では松尾杯・水田杯とそのライバル桐蔭学園に競り負けて思わぬ連敗。しかし、「まさにこういう経験をしに来たんです」という加美富章監督の言葉を待つまでもなく崇徳は例年このシリーズで大きく伸びるチーム。遠征最終戦となる今大会でのパフォーマンスと、成長因子の有無の確認はこれも今季の高校柔道界の行く末を大きく左右する。

3つ目は、東海大相模高(神奈川)の戦いぶり。10月の朱雀杯では同県のライバル桐蔭学園に惨敗したが、12月初旬の黒潮旗大会の再戦では代表戦にもつれ込む大接戦を演じて猛追中。今大会はその黒潮旗以来の実戦であり、松尾杯と水田杯を連覇した桐蔭学園の圧を跳ね返すには今大会で少なくとも他地区の強豪と伍する好パフォーマンスを見せねばならないはず。

最後に、今季充実が伝えられる神戸国際大附高(兵庫)、シリーズ初出場の天理高らの関西勢の出来。上記の強豪校らと異なり招待試合シリーズに顔を見せていない両校はまだ今季の実力と他校との力関係がマップされていない状況にある。今大会の出来と2月第一週に行われる近畿大会団体戦の結果の掛け算によって本番のシードの有無が決まるのは確実であり、その戦いぶりと、全国大会で主催者が買えるだけの「個」の存在を見せられるかどうかはこれまた非常に重要な要素。

これらのチームの戦いぶりを中心に、まずは予選リーグ4ブロックの様相から紹介していきたい。

※予選リーグ上位2チームが決勝トーナメント進出
※点取り方式、試合ごとの選手×配列変更可、僅差は指導2差以上

■ Aブロック
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第1試合、「一本」獲るしかない国士舘のエース清水雅義が東海大静岡翔洋・南條伯海を攻めるが攻撃ポイント獲得には至らず。

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東海大静岡翔洋の大将・米山竜生は織茂友多郎に果敢に寝勝負を挑んで「抑え込み」宣告まで辿り着く。

【出場チーム】
国士舘高(東京)、東海大静岡翔洋高(静岡)、天理高(奈良)、東海大福岡高(福岡)

[第1試合]
東海大静岡翔洋高 ②-2 国士舘高
(先)村松孝紀△優勢[僅差]○三谷大
(次)矢萩奨真○小内巻込△齋藤泰樹
(中)磯部昂佑○優勢[有効・小外刈]△長島光希
(副)南條伯海△優勢[僅差]○清水雅義
(大)米山竜生×引分×織茂友多郎

第1試合で東海大静岡翔洋高が国士舘を打倒。国士舘は松尾杯で大活躍した先鋒三谷大がこの試合も奮戦、まず「指導2」を奪ってチームに先制点をもたらしたが次鋒戦では齋藤泰樹が矢萩奨真の小内巻込を思い切り食って一本負け。
アクシデントが起こりやすい開会式直後の第一試合でもあり、ここまではあり得る事態。まだ試合はどう転がってもおかしくないが、国士舘はこの大事な場面で試合を立て直すべき中堅の主将・長島光希の我慢が利かず、磯部昂佑の小外刈で「有効」を失ってなんと連敗。副将戦では前代からレギュラーを務める清水雅義が東海大静岡翔洋のエース南條伯海を攻めに攻めたが終始得点の気配は薄く、勝利自体は得たもののなんとしても一本勝ちが欲しいこの場面でスコアは「指導2」の優勢にとどまる。こうなれば大将織茂友多郎に期待を掛けるしかないが、東海大静岡翔洋・米山竜生は織茂得意の寝技を恐れるどころか果敢に寝勝負を挑み、一度は「抑え込み」の宣告を得る腹の座った戦いぶり。この後さしもの織茂もその攻めは一時減速せざるを得ず、終盤の殿戦をしっかり戦い切った米山の前にこの試合は引き分けに終わる。結果この試合は2対2の内容差で東海大静岡翔洋の手に落ちた。

打倒国士舘に向けて腹を括っていた東海大静岡翔洋に対し、国士舘が明らかに一歩陣地を譲って戦っていた。その覚悟の差がそのままスコアに表れた試合。国士舘は前代から戦力を大幅に落としその戦いぶりが危惧される中で松尾杯3位入賞を果たしたが、その安堵感が直截に出た試合と読み解くしかない。松尾杯での準決勝進出は組み合わせの良さと、チーム全体に染みた危機感と必死さが噛み合ってのこと。平均的な出来の戦いだけで全国レベルを勝ち抜くことはまだまだ難しい、少なくともパフォーマンスのレンジの高低差が激しいチームであることが明らかになった一番であった。

松尾杯で評価の「空白域」として残されていたエースの清水が絶対的な取り味を発揮できるタイプではなくバイプレイヤーの型に留まること、なんのかんので同学年に「寝たら嵌る」と怖れが刷り込まれているであろう織茂が追撃戦ではやはり厳しいこと、そして斎藤の陥落に見える通り国士舘本来の色であるはずの「我慢」が利かないこととと、見せてはいけないものを多量に見せてしまった初戦であった。

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清水雅義が天理高・植岡虎太郎を攻める

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東海大福岡高・津嘉山崇が国士舘高・齋藤泰樹から大腰「一本」

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織茂友多郎が篠塚空から横四方固「一本」、国士舘はどうやらこれで決勝トーナメント進出を確保。

第2試合では東海大福岡が天理を下す。例年に比して小型選手が揃う天理に対し、東海大福岡は先鋒津嘉山崇が背負投「有効」で中村洸登を下して先制。2戦引き分けを挟んだ副将戦では篠塚空が小内刈「一本」で藤井大生を下してこの時点でチームの勝利を決定。最終戦は天理の神野光稀が僅差の優勢勝ちで1点を返したが時すでに遅すぎるほど遅し、スコア2-1で東海大福岡の勝利が決定した。おそらく主催者が勝ち上がり候補と評価して配した2チームがいずれも初戦で黒星を喫し、決勝トーナメント進出の行方は混沌。

その「敗れた強豪」同士がぶつかった第3試合では国士舘高が天理に競り勝つ。先鋒三谷大が中村洸登を横四方固で2度抑えて合技の一本勝ち。次鋒齋藤は呉島将輝に上四方固「一本」で敗れまたもやチームの行く末に暗雲漂ったが、中堅戦では長島に替わって入った1年生の酒井泰樹が体格を生かした払巻込「一本」で藤井大生に勝利。後衛2戦は清水と織茂がそれぞれ引き分け、通算スコア2-1で勝負を決めた。天理は2連敗で早くも畳を去ることが確定。

第4試合では国士舘打倒に意気揚がる東海大静岡翔洋が決勝トーナメント進出を決めるべく2戦目に挑むが、ここは東海大福岡が先鋒津嘉山崇、次鋒崔宇辰が挙げた2点をテコに2-1で逃げ切り。第5試合はどうやら立ち直った国士舘が2戦目と同じメンバーで東海大福岡と対峙し、次鋒齋藤が今大会3敗目を喫したものの三谷、酒井、織茂の得点で3-1とスコア的には快勝で勝利を確定。2勝1敗でリーグ戦を終えて最終戦の結果を待つ。

迎えた第6試合、天理対東海大静岡翔洋はこのままでは帰れないとばかりに気合を入れ直した天理が3-0で圧勝。結果、国士舘と東海大福岡が2勝1敗で並び、一本数と直接対決の結果により国士舘の1位勝ち抜けが決定。センセーショナルな初戦勝利に沸いた東海大静岡翔洋は予選リーグ敗退に終わった。

【Aブロック成績】

①国士舘高(東京) 2勝1敗0分 (一本勝ち5)
②東海大福岡高(福岡) 2勝1敗0分 (一本勝ち2)
③天理高(奈良) 1勝2敗0分 (一本勝ち2)
④東海大静岡翔洋高(静岡) 1勝2敗0分 (一本勝ち3)

※3位と4位は直接対決の結果を優先

【Aブロック全試合対戦詳細】

[第1試合]
東海大静岡翔洋高 ②-2 国士舘高
(先)村松孝紀△優勢[僅差]○三谷大
(次)矢萩奨真○小内巻込△齋藤泰樹
(中)磯部昂佑○優勢[有効・小外刈]△長島光希
(副)南條伯海△優勢[僅差]○清水雅義
(大)米山竜生×引分×織茂友多郎

[第2試合]
東海大福岡高 2-1 天理高
(先)津嘉山崇○優勢[技有・背負投]△中村洸登
(次)岩川優輝×引分×呉島将輝
(中)崔宇辰×引分×植岡虎太郎
(副)篠塚空○小内刈△藤井大生
(大)荒木海人△優勢[僅差・指導2]○神野光稀

[第3試合]
国士舘高 2-1 天理高
(先)三谷大○合技[横四方固・横四方固]△中村洸登
(次)齋藤泰樹△上四方固○呉島将輝
(中)酒井泰樹○払巻込△藤井大生
(副)清水雅義×引分×植岡虎太郎
(大)織茂友多郎×引分×神野光稀

[第4試合]
東海大福岡高 2-1 東海大静岡翔洋高
(先)津嘉山崇○小外刈△村松孝紀
(次)崔宇辰○優勢[有効・背負投]△矢萩奨真
(中)石原武道×引分×磯部昂佑
(副)岩川優輝△大内刈○米山竜生
(大)荒木海人×引分×南條伯海

[第5試合]
国士舘高 3-1 東海大福岡高
(先)三谷大○上四方固△崔宇辰
(次)齋藤泰樹△大腰○津嘉山崇
(中)酒井泰樹○反則[指導4]△岩川優輝
(副)清水雅義×引分×荒木海人
(大)織茂友多郎○横四方固△篠塚空

[第6試合]
天理高 3-0 東海大静岡翔洋高
(先)中村洸登×引分×村松孝紀
(次)呉島将輝○払腰△矢萩奨真
(中)山中瞭○抑込磯部昂佑
(副)植岡虎太郎×引分×南條伯海
(大)神野光稀○優勢[有効・払腰]△米山竜生

公式記録ママ
※対戦詳細は公式記録をもとに作成しています。誤りは可能な限り修正していますが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

■ Bブロック
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白鴎大足利高の先鋒浅沼亮太が相山隼汰から大外刈「技有」奪取。

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相山が浅沼から小内巻込「技有」を奪い返し、浅沼は勝利もスコアは「指導2」の僅差優勢にスケールダウン。

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足立学園高・山本瑛介が白鴎大足利高・長島斥弥から支釣込足「技有」

【出場チーム】
白鴎大足利高(栃木)、足立学園高(東京)、東海大仰星高(大阪)、近大福山高(広島)

実力校の揃った混戦ブロック。松尾杯で3位入賞の東海大仰星、同大会でベスト8まで進んで力を見せた白鴎大足利、エース山本瑛介の取り味をテコに東京都代表権獲得が有力な足立学園高、地元でライバル崇徳高打倒に目を光らせる近大福山、いずれのチームにも勝ち抜けの可能性があるサバイバルブロックだ。

第1試合の白鴎大足利と足立学園の試合は白鴎大足利が競り勝ち。先鋒「栃木のリネール」こと浅沼亮太が相山隼汰から「指導」2つを奪って勝利、さらに次鋒岩瀬裕希が武岡毅から払腰「技有」を奪って優勢勝ちを果たしてこの時点でスコアは2-0。足立学園は中堅のエース山本瑛介が長島斥弥から支釣込足と横四方固で合技の一本勝ちを果たすが、白石勇人と上領教史郎がそれぞれ引き分けに終わり逆転には届かず、最終スコアは2-1だった。例年軽量選手の戦闘力の高さをテコに戦線全体の密度が高い足立学園だが、今シリーズは重量級のエースが仕事をしながら周囲の我慢が利かない試合が目立つ。その典型のような一番であった。

第2試合は東海大仰星が近大福山から着々加点、盤面上得点を期待された先鋒大野晃生と中堅吉村太一がキッチリ仕事を果たし、大将戦では奥野友輝が前杢秀明から外巻込「技有」で勝利して3-0の快勝。

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第3試合、白鴎大足利高の次鋒岩瀬裕希が東海大仰星高・塚脇敏貴から大内刈「一本」

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東海大仰星は大将奥野友輝の一本勝ちで一矢を報いる

そして第3試合ではともに1勝0敗でリーグ首位を走る白鴎大足利と東海大仰星が激突することとなる。

[第3試合]
白鴎大足利高 3-2 東海大仰星高
(先)浅沼亮太△横四方固○大野晃生
(次)岩瀬裕希○大内刈△塚脇敏貴
(中)長島斥弥○支釣込足△吉村太一
(副)吉田功二○払腰△西野豊
(大)小林慶大△合技○奥野友輝

先鋒戦は白鴎大足利・浅沼亮太が上背を利して大野晃生を攻めるが、払巻込がつぶれたところに大野が素早く反応、離れる方向に伏せようとする浅沼の腕を引き寄せて拘束し崩上四方固で「抑え込み」の宣告を引き出す。大野は暴れる浅沼を巧みに制して最後は横四方固でフィニッシュ、自軍に貴重な先制点をもたらす。
しかし白鴎大足利は次鋒岩瀬裕希の一本勝ちであっさりタイスコアに持ち込むと、盤面配置上最重要と思われた中堅戦で長島斥弥が吉村太一から一本勝ちを果たす。副将戦は体を生かした一発が持ち味の吉田功二の柔道が対戦相性にはまり、西野豊から豪快な払腰一発「一本」。これで白鴎大足利の勝利が決定、大将戦は東海大仰星の手に落ちたが時すでに遅く、白鴎大足利が3-2で勝利しリーグ1位の座を大きく手繰り寄せることとなった。白鴎大足利は絶対的なエースはいないものの長島、吉田、岩瀬ら中心選手らの平均値が高く、個々は成績の凹凸ありながらも相対的な収支で最終的には相手を凌ぐこと多し。この試合は分水嶺の中堅戦を獲った長島が殊勲者であった。

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足立学園高の中堅山本瑛介が近大福山高・前杢秀明から浮落「技有」、大内刈「一本」と連取

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第5試合、白鴎大足利の先鋒浅沼亮太が近大福山高・松井葵偉から大外返「技有」

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近大福山高の大将森本拓海は「有効」ビハインドも、白鴎大足利高・小林慶大から内股「技有」を得て逆転

第4試合は足立学園が1-0で近大福山に勝利。エース山本の一本勝ちをテコに周囲が守り切る、初戦とは打って変わって今度は今代あるべき姿の究極というべき一番であった。

リーグ戦が終盤に入るこの段階ですでに強豪相手に2連勝を果たした白鴎大足利の1位勝ち抜けがほぼ見えたかに思われたが、続く第5試合では近大福山が白鴎大足利に快勝。試合は白鴎大足利の先鋒・浅沼亮太の大外返「技有」優勢で幕を開けたが、次鋒戦では小西優汰が岩瀬裕希から釣込腰「一本」、中堅戦では前杢秀明が長島斥弥から「指導」2つを奪って優勢勝ちと近大福山が連勝して逆転。副将戦は引き分けに終わり、大将戦ではもはや取りに行くしかない白鴎大足利・小林慶大が小外掛「技有」を先行。しかし一本勝ち以外にチーム逆転の術がない小林は終盤敢えて突進、これを待ち構えた森本拓海が脇の差し合いに応じる形で内股に捉え「技有」奪取で逆転。結果的にスコアは3-1の大差、シナリオの分かれ道をことごとく獲った近大福山が今大会初勝利を挙げることとなった。白鴎大足利は横腹の弱さを見せた形で少々まずい試合ぶり。戦い方の練り上げに課題を残した一番となった。

というわけで「勝った方が決勝トーナメント進出」という大一番となった最終戦、足立学園と東海大仰星高による第6試合は足立学園が3-1で快勝。軽量の好選手同士の戦いとなった前衛2試合の相性が足立学園側に噛み合い、先鋒戦で武岡毅が大野晃生に合技「一本」、次鋒戦で相山隼汰が内村秀資に内股「一本」と開始から2連勝。2点リードでエース山本瑛介が畳に上がるという最高の展開で迎えた中堅戦は山本が西野豊を合技「一本」で下しこの時点で足立学園の勝利が決定。東海大仰星は大将奥野友輝が上領教史郎から「指導2」を奪ってこの日3勝目を挙げたが時すでに遅し。足立学園が2勝1敗で予選リーグを終えて、からくも決勝トーナメント進出権を手にすることとなった。

東海大仰星は松尾杯で3位入賞も今大会は予選リーグ敗退。間違いなく好チームであるが評価が分かれるのは致し方ないところで、全国大会におけるシード獲得の有無は近畿大会の出来に掛かることとなりそうだ。

【Bブロック結果】
①白鴎大足利高(栃木) 2勝1敗0分 (一本勝ち3)
②足立学園高(東京) 2勝1敗0分 (一本勝ち5)
③東海大仰星高(大阪) 1勝2敗0分 (一本勝ち3)
④近大福山高(広島) 1勝2敗0分 (一本勝ち3)
※1位と2位は直接対決の結果を優先

【Bブロック全試合対戦詳細】

[第1試合]
白鴎大足利高 2-1 足立学園高
(先)浅沼亮太○優勢[僅差]△相山隼汰
(次)岩瀬裕希○優勢[技有・払腰]△武岡毅
(中)長島斥弥△合技[支釣込足・横四方固]○山本瑛介
(副)吉田功二×引分×白石勇人
(大)小林慶大×引分×上領教史郎

[第2試合]
東海大仰星高 3-0 近大福山高
(先)大野晃生○優勢[有効・大内刈]△濱重竜二
(次)塚脇敏貴×引分×森本拓海
(中)吉村太一○内股△小西優汰
(副)西野豊×引分×松井葵偉
(大)奥野友輝○優勢[技有・外巻込]△前杢秀明

[第3試合]
白鴎大足利高 3-2 東海大仰星高
(先)浅沼亮太△横四方固○大野晃生
(次)岩瀬裕希○大内刈△塚脇敏貴
(中)長島斥弥○支釣込足△吉村太一
(副)吉田功二○払腰△西野豊
(大)小林慶大△合技○奥野友輝

[第4試合]
足立学園高 1-0 近大福山高
(先)武岡毅×引分×松井葵偉
(次)古畑雄大×引分×屋敷零来
(中)山本瑛介○大内刈△前杢秀明
(副)白石勇人×引分×小西優汰
(大)上領教史郎×引分×森本拓海

[第5試合]
近大福山高 3-1 白鴎大足利高
(先)松井葵偉△大外返○浅沼亮太
(次)小西優汰○釣込腰△岩瀬裕希
(中)前杢秀明○優勢[僅差]△長島斥弥
(副)屋敷零来×引分×吉田功二
(大)森本拓海○優勢[技有・内股]△小林慶大

[第6試合]
足立学園高 3-1 東海大仰星高
(先)武岡毅○合技△大野晃生
(次)相山隼汰○内股△内村秀資
(中)山本瑛介○合技△西野豊
(副)白石勇人×引分×塚脇敏貴
(大)上領教史郎△優勢[僅差]○奥野友輝


※対戦詳細は公式記録をもとに作成しています。誤りは可能な限り修正していますが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

■ Cブロック
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第3試合、2点ビハインドを負った東海大相模は中堅笹谷健が東北高・今野祐斗から落ち着いて隅落「有効」

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東海大相模の副将平下麟太郎が東北高・後藤颯斗から内股透「有効」

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東海大相模の大将石川智啓が佐藤築から小外掛「一本」

【出場チーム】
崇徳高(広島)、東海大相模高(神奈川)、東北高(宮城)、豊栄高(新潟)

今期高校柔道界屈指の戦力を誇る崇徳高と、黒潮旗大会で桐蔭学園と代表戦にもつれ込む大接戦を演じて上げ潮にある東海大相模高が勝ち上がりの二強。この二校がぶつかる第5試合がリーグ戦唯一最大の山場だ。

東海大相模は第1試合に登場。先鋒から松谷竜馬、鳴海勝成、平下麟太郎、笹谷健、石川智啓というメンバー構成で豊栄高を5-0で一蹴。

前日に水田杯を戦い抜いたばかりの崇徳は第2試合から登場。東北高を相手に先鋒篠原泰斗の大外刈「一本」、次鋒枇杷木勇樹の横四方固「一本」で快調に大会を滑り出すが、中堅戦では今シリーズここまで素晴らしい得点力を誇って来た神垣和也が髙橋優貴を相手に「有効」優勢で敗退。副将戦ではチームの重石として機能する兼藤仁士が今野祐斗と引き分けてスコア2-1のまま最終戦を迎えることになるが、大将戦はエース長岡季空が佐藤築を内股「一本」で一蹴して5戦終了。最終スコア3-1で初戦の勝利を決定。

第3試合は東海大相模と東北が対戦。前戦で崇徳相手に健闘し意気揚がる東北は先鋒戦で奥田駿斗が山科良悟を内股「一本」で下し、続く次鋒戦でも髙橋優貴が松谷竜馬から「指導2」を奪って勝利。さらに続く中堅戦ではポイントゲッターの今野祐斗が登場し、東海大相模のエース笹谷健に怖じずに内股で攻め込み続ける好展開。隣の試合場(Aブロック)で国士舘が陥落した直後ということもありアップセットの予感が色濃くなってきたが、ここは笹谷が冷静に待ちかまえ、今野の内股をめくり返して隅落「有効」奪取、以後も敢えてリスクを冒さずに隙のない柔道で優勢勝ち。この笹谷の落ち着いた試合ぶりでどうやらチームの体勢が立て直された感あり、ここからは副将平下麟太郎と大将石川智晃が連続一本勝ちを果たし、逆転の3-2で東海大相模がなんとかこの試合を収拾することとなった。

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崇徳高・篠原泰斗が豊栄高・須藤仁から移腰「一本」

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豊栄高・高野颯馬が崇徳高・安井彪翔から裏投「一本」

第4試合は崇徳が豊栄と対戦。先鋒枇杷木勇樹の裏投「一本」、次鋒篠原泰斗の移腰「一本」と順当に点を積んで圧勝ムードだったが、中堅戦であ安井彪翔が高野颯馬の裏投「一本」に沈むアクシデント。大外刈に乗り込み、抱えられながらそれでもあくまで投げ切ろうとした攻撃性の高さゆえの失点だったが、前戦で東海大相模が演じたもたつきを同じ試合場で引き継いでしまった感あり。副将戦は神垣和也が内股「一本」であっさり勝利したが大将戦は兼藤仁士が大滝敬人に抑え込まれてしまい最終スコアは3-2。勝利は得たもののやや締まらない試合のまま、いよいよ山場の第5試合を迎えることとなる。

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第5試合、崇徳高は先鋒枇杷木勇樹が東海大相模・山科良悟から大外落「一本」

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崇徳は神垣和也の合技「一本」であっという間にリードを2点に広げる

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長岡季空と平下麟太郎による副将戦

[第5試合]
崇徳高 2-1 東海大相模高
(先)枇杷木勇樹○大外落△山科良悟
(次)神垣和也○合技△松谷竜馬
(中)安井彪翔△優勢[僅差・指導3]○笹谷健
(副)長岡季空×引分×平下麟太郎
(大)兼藤仁士×引分×石川智啓

強豪同士の今季初対決は崇徳の勝利に終着。先鋒戦では前戦の汚名挽回に燃える山科良悟と長身選手の枇杷木勇樹がマッチアップ。開始早々に枇杷木がまず「技有」奪取、枇杷木はさらに山科の支釣込足に大外刈をかち合わせ、上半身を制しながら両足を踏ん張って強引に刈り落とし「一本」獲得。ここまで僅か47秒、この先制点が以後の盤面に大きく効いた。次鋒戦は盤面上得点必須と目された崇徳・神垣和也が松谷竜馬から開始早々「技有」奪取、そのまま縦四方固に抑え込み僅か29秒で一本勝ち。中堅戦は東海大相模のエース・笹谷健が安井彪翔から「指導3」を奪って優勢勝ちを果たして反撃の狼煙を上げるが、ポイントゲッター同士がマッチアップした長岡季空と平下麟太郎の副将戦は引き分け。この時点で崇徳の勝利自体は決定、大将戦は兼藤仁士が石川智啓を相手にしっかり引き分け、最終スコア2-1で崇徳の勝利が決まった。

東海大相模は平下が当代切っての抜き役と目される長岡を止め、エース笹谷もしっかり得点してと中盤以降は悪い試合ではなかったが、崇徳の前2戦のスタートダッシュにしてやられた感あり。前衛2枚の試合があまりに早く終わったため逆に試合全体としては東海大相模が頑張った印象が強く残ってしまったほど。殴られっぱなしで終わった山科と松谷に課題大きく残った一番だった。

第6試合で東北が豊栄を破ってリーグ戦は終了。1位崇徳、2位東海大相模の2校が順当に決勝トーナメント進出を決めることとなった。

【Cブロック結果】
①崇徳高(広島) 3勝0敗0分 (一本勝ち8)
②東海大相模高(神奈川) 2勝1敗0分 (一本勝ち5)
③東北高(宮城) 1勝2敗0分 (一本勝ち4)
④豊栄高(新潟) 0勝3敗0分 (一本勝ち2)

【Cブロック全試合対戦詳細】

[第1試合]
東海大相模高 5-0 豊栄高
(先)松谷竜馬○大内刈△梨本竜介
(次)鳴海勝成○優勢[僅差・指導3]△松原武幸
(中)平下麟太郎○払腰△大滝敬人
(副)笹谷健○縦四方固△上村優斗
(大)石川智啓○後袈裟固△髙野颯馬

[第2試合]
崇徳高 3-1 東北高
(先)篠原泰斗○大外刈△奥田駿斗
(次)枇杷木勇樹○横四方固△後藤颯斗
(中)神垣和也△優勢[有効・払腰]○髙橋優貴
(副)兼藤仁士×引分×今野祐斗
(大)長岡季空○内股△佐藤築

[第3試合]
東海大相模高 3-2 東北高
(先)山科良悟△内股○奥田駿斗
(次)松谷竜馬△優勢[僅差・指導2]○髙橋優貴
(中)笹谷健○優勢[有効・隅落]△今野祐斗
(副)平下麟太郎○横四方固△後藤颯斗
(大)石川智啓○小外掛△佐藤築

[第4試合]
崇徳高 3-2 豊栄高
(先)枇杷木勇樹○裏投△上村優斗
(次)篠原泰斗○移腰△須藤仁
(中)安井彪翔△裏投○高野颯馬
(副)神垣和也○内股△梨本竜介
(大)兼藤仁士△上四方固○大滝敬人

[第5試合]
崇徳高 2-1 東海大相模高
(先)枇杷木勇樹○大外刈△山科良悟
(次)神垣和也○合技△松谷竜馬
(中)安井彪翔△優勢[僅差・指導3]○笹谷健
(副)長岡季空×引分×平下麟太郎
(大)兼藤仁士×引分×石川智啓

[第6試合]
東北高 3-1 豊栄高
(先)奥田駿斗○袈裟固△梨本竜介
(次)日野智瑛△優勢[技有・大内返]○上村優斗
(中)髙橋優貴○払腰△大滝敬人
(副)今野祐斗○大外刈△松原武幸
(大)佐藤築×引分×高野颯馬

※対戦詳細は公式記録をもとに作成しています。誤りは可能な限り修正していますが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

■ Dブロック
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第2試合、神戸国際大附高の次鋒寺本靜矢が東海大札幌高・小林龍永から払腰「一本」

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第3試合、神戸国際大附高の大将近藤樹が松本第一高・宮譯博輝を大外刈「一本」に仕留める

【出場チーム】
神戸国際大附高(兵庫) 、東海大浦安高(千葉)、東海大札幌高(北海道)、松本第一高(長野)

今期前評判が高い神戸国際大附高が勝ち上がり候補の筆頭。残る第2席を、今季好チームを作り上げて千葉の覇権奪回を虎視眈々と狙う東海大浦安高と、既に全国代表権を手にして本戦に向け着々強化中の東海大札幌高が争うという構図。

第1試合は東海大浦安が松本第一高を3-1で一蹴。抜き役を担うべき副将髙橋倫太郎が百瀬敦也と引き分け、大将城所隆也も宮譯博輝に敗れたものの先鋒から山中堅盛、浜豊将、畠山竜弥と3連勝で既に勝負を決めており大勢には影響なし。

[第2試合]
神戸国際大附高 3-2 東海大札幌高
(先)上田虎徹△優勢[有効・払巻込]○木村隆雅
(次)寺本靜矢○払腰△小林龍永
(中)丸山晃志○優勢[技有・大内刈]△越橋健介
(副)福井優駿△優勢[技有・支釣込足]○藤井峻将
(大)近藤樹○袈裟固△佐藤大輔

第2試合は神戸国際大附が今季初めて関東の畳に登場。エースの村上優哉がウイルス性胃腸炎で遠征メンバーから外れる苦しい布陣だったが、サイズのある選手を並べて全戦線に渡ってジワリと圧を掛ける。副将戦のポイントゲッター対決を落とすなど重要な分岐点を東海大札幌に譲る厳しい試合だったが、それでも得点力は落ちず。追いすがる東海大札幌を3-2で振り切ってまず1勝目を挙げる。神戸国際は続く第3試合では松本第一に4-0で快勝、2連勝で決勝トーナメント進出ラインにあっさり到達。

[第4試合]
東海大浦安高 ②-2 東海大札幌高
(先)髙橋倫太郎×引分×越橋健介
(次)浜豊将△優勢[有効・払腰]○木村隆雅
(中)山中堅盛○背負投△藤井峻将
(副)鈴木俊△腕緘○小林龍永
(大)畠山竜弥○払腰△佐藤大輔

勝利したチームが決勝トーナメント進出を決める大一番は、中堅戦が勝敗を分けた。もと全国小学生学年別大会王者の山中堅盛が今季の北海道高校無差別王者藤井峻将から背負投「一本」で貴重な1点を獲得。相手の得点ポジションをマイナスに追いやったこの一撃が苦しい戦いの東海大浦安を最後まで持ちこたえさせ、1-2のビハインドで迎えた大将戦における畠山竜弥の一本勝ちでついに逆転成立。2-2の内容差で東海大浦安がこの激戦を制することとなった。

第5試合は失意から立ち直った東海大札幌が松本第一を5-0に仕留めて関東遠征を締め、第6試合では1位勝ち抜けを争って神戸国際大附と東海大浦安が激突。先鋒戦で東海大浦安・高橋倫太郎が寺本靜矢から大内刈「一本」、副将戦で神戸国際大附・福井優駿が浜豊将から払腰「一本」と双方のポイントゲッターがキッチリ仕事を果たし、この試合は1-1の引き分け。結果両軍が2勝0敗1分けで並び、一本勝ち数で上回った神戸国際大附が1位勝ち抜けを果たすこととなった。

結果決まった決勝トーナメント1回戦のカードは、

国士舘高(東京・Aブロック1位) - 足立学園高(東京・Bブロック2位)
崇徳高(広島・Cブロック1位) - 東海大浦安高(千葉・Dブロック2位)
神戸国際大附高(兵庫・Dブロック1位) - 東海大福岡高(福岡・Aブロック2位)
白鴎大足利高(栃木・Bブロック1位) - 東海大相模高(神奈川・Cブロック2位)

の4試合となった。

【Dブロック結果】
①神戸国際大附高(兵庫) 2勝1敗0分け (一本勝ち5)
②東海大浦安高(千葉) 2勝1敗0分け (一本勝ち3)
③東海大札幌高(北海道) 1勝2敗0分け (一本勝ち4)
④松本第一高(長野) 0勝3敗0分け (一本勝ち1)

【Dブロック全試合対戦詳細】

[第1試合]
東海大浦安高 3-1 松本第一高
(先)山中堅盛○優勢[技有・内股]△半戸聖人
(次)浜豊将○内股△大月将貴
(中)畠山竜弥○小外掛△大江達也
(副)髙橋倫太郎×引分×百瀬敦也
(大)城所隆也△反則○宮譯博輝

[第2試合]
神戸国際大附高 3-2 東海大札幌高
(先)上田虎徹△優勢[有効・払巻込]○木村隆雅
(次)寺本靜矢○払腰△小林龍永
(中)丸山晃志○優勢[技有・大内刈]△越橋健介
(副)福井優駿△優勢[技有・支釣込足]○藤井峻将
(大)近藤樹○袈裟固△佐藤大輔

[第3試合]
神戸国際大附高 4-0 松本第一高
(先)西本翔○優勢[有効・払腰]△大江達也
(次)上田虎徹○反則[指導4]△大月将貴
(中)福井優駿×引分×百瀬敦也
(副)丸山晃志○優勢[僅差・指導2]△半戸聖人
(大)近藤樹○大外刈△宮譯博輝

[第4試合]
東海大浦安高 ②-2 東海大札幌高
(先)髙橋倫太郎×引分×越橋健介
(次)浜豊将△優勢[有効・払腰]○木村隆雅
(中)山中堅盛○背負投△藤井峻将
(副)鈴木俊△腕緘○小林龍永
(大)畠山竜弥○払腰△佐藤大輔

[第5試合]
東海大札幌高 5-0 松本第一高
(先)木村隆雅○優勢[有効・出足払]△大月将貴
(次)越橋健介○内股△渡邉俊介
(中)佐藤大輔○優勢[有効・小外刈]△半戸聖人
(副)小林龍永○小外刈△宮譯博輝
(大)藤井峻将○優勢[有効・払腰]△百瀬敦也

[第6試合]
東海大浦安 1-1 神戸国際大附高
(先)髙橋倫太郎○大内刈△寺本靜矢
(次)鈴木駿×引分×上田虎徹
(中)畠山竜弥×引分×丸山晃志
(副)浜豊将△払腰○福井優駿
(大)山中堅盛×引分×近藤樹

※対戦詳細は公式記録をもとに作成しています。誤りは可能な限り修正していますが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

※ eJudoメルマガ版1月11日掲載記事より転載・編集しています。

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