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グランドスラム東京2016・第1日女子3階級(48kg級、52kg級、57kg級)レポート

(2016年12月11日)

※ eJudoメルマガ版12月11日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム東京2016・第1日女子3階級(48kg級、52kg級、57kg級)レポート
■ 48kg級・ムンクバットが優勝、渡名喜風南が近藤亜美との日本人対決を制す
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48kg級決勝、ムンクバット・ウランツェツェグがジョン・ボキョンを得意の寝技で攻める

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準決勝、渡名喜風南が近藤亜美から小外掛「技有」

(エントリー16名)

【入賞者】
1.MUNKHBAT, Urantsetseg (MGL)
2.JEONG, Bokyeong (KOR)
3.TONAKI, Funa (JPN)
3.KONDO, Ami (JPN)
5.ENDO, Hiromi (JPN)
5.GALBADRAKH, Otgontsetseg (KAZ)
7.NIKOLIC, Milica (SRB)
7.KANG, Yujeong (KOR)

【日本代表選手成績】

渡名喜風南(帝京大3年) 3位
近藤亜美(三井住友海上) 3位
遠藤宏美(ALSOK) 5位
森﨑由理江(A-LINE) 1回戦敗退

ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)が、得意の寝技をテコにしぶとく戦い抜き見事優勝を飾った。

参加者僅か16名ながら、リオデジャネイロ五輪銀メダリストのジョン・ボキョン(韓国)に、同五輪で銅メダルを獲得した近藤亜美(三井住友海上)とガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)の2人、2013年世界選手権王者のムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)が参加した非常に豪華な陣容。
ここに日本勢3名を加えたハイレベルトーナメントを制したのはムンクバット。得意の寝技をテコにしぶとく戦い抜いてグランドスラム東京初優勝を飾った。

ムンクバットは1回戦でマリーデ・ヴァルガスレイ(チリ)を隅返と崩上四方固の合技「一本」(2:49)で下すと、準々決勝ではカン・ユジョン(韓国)を腕挫十字固「一本」(0:38)で一蹴して準決勝に進出。勝負どころの準決勝では講道館杯を全試合「一本」の圧倒的内容で連覇、前戦で近藤亜美を破って勢いに乗る渡名喜風南(帝京大3年)とマッチアップ、この試合を「指導1」優勢でしぶとく勝ち上がると、決勝戦ではジョン・ボキョンを「指導1」対「指導2」の優勢で破って久々のツアー優勝を飾った。ムンクバットはロンドン五輪後の4年間、常に階級トップクラスに君臨しながらリオデジャネイロ五輪ではメダルの獲得に失敗。五輪での無念をぶつけるかのような、気持ちの入ったしぶとい戦いぶりでの優勝だった。

講道館杯の連覇で期待されていた渡名喜は、準々決勝で国内1番手を争う近藤と対戦。この戦いは渡名喜が終始優位に試合を進め、延長戦までもつれ込んだ末に左小外掛「技有」(GS0:23)で勝利。しかし渡名喜は続く準決勝で昨年同様ムンクバットに敗れて決勝進出はならず、最終結果は3位。近藤を倒したことで国内での評価を上げることには成功したが、近藤打倒という大戦果にふさわしい位置に昇り詰めるには至らなかった。

近藤は前述の通り準々決勝で渡名喜に敗退。しかし五輪銅メダリスト対決となった3位決定戦でガルバドラフ・オトコンツェツェグに逆転勝ち、表彰台を確保した。

遠藤宏美は準々決勝でガルバドラフに横落「有効」を食って敗退。敗者復活戦を勝ち抜いて3位決定戦へと進出したが、3位決定戦で渡名喜に敗れて表彰台を逃した。講道館杯準優勝の森﨑由理江(A-LINE)は1回戦でミリカ・ニコリツに右内股で「有効」を奪われ敗退。入賞に絡むことは出来なかった。

近藤と渡名喜、ムンクバットのコメント、準々決勝の結果、準決勝ラウンド以降と日本選手全試合の結果および戦評は下記。

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48kg級優勝のムンクバット

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48kg級入賞者。左からジョン、ムンクバット、渡名喜、近藤。

ムンクバット・ウランツェツェグ選手のコメント
「五輪ではもっともメダルに近い選手として応援してもらっていたが、モンゴル国民の期待に応えられず本当に悔しかったし、申し訳なかった。だからこの大会は絶対に優勝しようと思っていました。浅見八瑠奈選手の引退を聞きました。ライバルとして尊敬していた。私をここまで高めてくれたのは浅見八瑠奈。本人にもありがとうと言いたいけど、まず、こういう素晴らしい選手を育ててくれた日本のみなさんにありがとうと言いたいです」


渡名喜風南選手のコメント
「正直な話をすると、優勝したかったのですごく悔しいです。(ライバルの近藤選手に勝利したことについて)自分の柔道が出来れば勝てると思っていたので、勝てて良かったです。気持ちでは絶対に負けない自信がありました。今日の悔しさをバネに、もっと練習して強くなりたいです。(今後の大会について)着実に一人一人を『一本』で倒して、コツコツと勝っていきたいです。欲張りかもしれませんが、出場する一つ一つの大会でしっかりと勝ちたいと思います。最終的には東京五輪に出場して優勝したいです。」

近藤亜美選手のコメント
「(五輪からの復帰戦について)冷静に戦おうと心掛けていました。同級生の渡名喜選手に投げられてしまい、まだまだ課題があるなと感じました。渡名喜選手との対戦はインターハイ以来で、その時は自分が勝っています。今は1勝1敗なので、次に戦うときはリベンジしたいです。リオデジャネイロ五輪に出場したということは、(日本の)48kg級を背負って戦ったということ。今回日本選手に負けてしまい、まだ自分も他の選手と横一線に並んでいるんだと感じました。次の大会ではリベンジを果たして、第一人者としてやっていけるように頑張りたいです。(東京五輪について)楽に出場できるとは思っていません。一戦一戦を戦って、自分が出場できるよう4年間かけて頑張りたいです。リオデジャネイロ五輪では悔しい思いをしました。東京五輪でリベンジと決めたからには、金メダルを目指して4年間頑張りたいと思います。」

【プールファイナル結果】

[準々決勝]

ガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)○優勢[有効・横落]△遠藤宏美
ジョン・ボキョン(韓国)○優勢[指導2]ミリカ・ニコリツ(セルビア)
ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)○腕挫十字固(0:38)カン・ユジョン(韓国)
渡名喜風南○GS技有・小外掛(GS0:23)△近藤亜美

【準決勝ラウンド以降結果、戦評】

[敗者復活戦]

遠藤宏美○優勢[優勢・大内刈]△ミリカ・ニコリツ(セルビア)
右相四つ。遠藤はニコリツの釣り手を封じて終始優位を確保。右大内刈で「有効」を先行する。以降も主導権を保ち続け、右体落で「有効」を追加して優勢勝ち。3位決定戦進出を決める。

近藤亜美○横四方固(3:03)△カン・ユジョン(韓国)
右相四つ。組み合って技を仕掛けたい近藤に対して、カンは組み際の技を狙う。横落でカンが潰れたところで近藤は寝技を展開、横四方固に抑え込んで「一本」。近藤の3位決定戦進出が決定。

[準決勝]

ジョン・ボキョン(韓国)○GS有効・支釣込足](GS1:48)△ガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)
左相四つ。背を抱きに行きたいガルバドラフのパワー、前襟をつかんで担ぎたいジョンの技術という構図。ガルバドラフは圧力重視、一方のジョンは片襟の左大外刈に鋭い左背負投で対抗。後半スタミナの差が出てガルバドラフが主導権を握りかかるが、残り20秒にジョンが左背負投を繰り出して相手を伏せさせ、手数で盛り返す。結果スコアに差がつかないまま試合はGS延長戦へ。延長もパワーのガルバドラフ、技のジョンという大枠の構図変わらず激戦が続く。延長1分48秒、ガルバドラフが奥襟を叩きに来たところにジョンが鋭い支釣込足。大きく浮いたガルバドラフ伏せかかるが、ジョンは体を投げ出してめくり返し「有効」。五輪の銀メダル獲得劇を経てジョンが一段強くなっていることが確認出来た一番であった。

ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)○優勢[指導1]△渡名喜風南
ムンクバットが右、渡名喜が左組みのケンカ四つ。手足長く上背あるムンクバットにひときわ小柄な渡名喜、同じ階級とは思えない体格差。ムンクバットは脇を差す組み手から小外刈に「巴十字」、肩車と放って手数を稼ぎ、渡名喜に「指導1」。しかしムンクバットここからやや手詰まり、腕を小さく畳む座り込みの背負投で手数を稼ぐにとどまり、中盤からは渡名喜が背負投を連発して盛り返す。渡名喜の攻撃が加速する中、残り16秒でムンクバットの隅返に渡名喜が右小外刈を合わせると主審渡名喜の「一本」を宣告。逆転勝ちかと思われたがこれはビデオチェックの結果取り消しとなり、スコア動かぬままタイムアップ。渡名喜惜しくも決勝進出を逃す。

[3位決定戦]

渡名喜風南○GS優勢[指導1](GS0:40)△遠藤宏美
渡名喜が左、遠藤が右組みのケンカ四つ。お互いに担ぎ技中心の組み立てで積極的に技を仕掛けるも決め手を欠き、ポイントがないまま勝負はGSへともつれ込む。GS40秒に遠藤が掛け潰れたところで偽装攻撃の「指導」が宣告されて試合決着。渡名喜が表彰台を確保することとなった。

近藤亜美○優勢[指導1]△ガルバドラフ・オトコンツェツェグ
近藤が右、ガルバドラフが左組みのケンカ四つ。近藤が右小外刈に内股巻込と攻めると42秒ガルバドラフにやや性急な「指導1」。続く展開、ガルバドラフ一気に釣り手を奥襟まで届かせると間髪入れずに自ら近藤の背中に回って得意の裏投。近藤吹っ飛び56秒「有効」。近藤逆転を狙って激しく寝技で攻めるが取り切れず終盤まで時間を消費。万事休すかに思われたが、残り32秒の組み際に抱きつきの右大内刈、低く飛び込みながら釣り手で相手の肩を制して「有効」。近藤以後自ら潰れる場面があり「指導」失陥の危機であったが主審はスルー、そのまま試合は終了となる。結果近藤が「指導1」優勢で勝利を決め、3位を確保。

[決勝]

ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)○優勢[指導2]△ジョン・ボキョン(韓国)
ムンクバットが右、ジョンが左のケンカ四つ。お互いに袖を絞り合う展開が続き、ムンクバットが低い右大内刈で伏せたところでジョンのみに「指導」が宣告される。以降も最後まで袖の絞り合いが続き、両者に「指導」ひとつが与えられたほかポイントの追加はなし。結果「指導1」対「指導2」でムンクバットが優勝を決めた。

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準決勝、渡名喜風南が近藤亜美から小外掛「技有」

【日本代表選手全試合結果、戦評】

渡名喜風南(帝京大3年)
成績:3位


[1回戦]

渡名喜風南○合技[内股・横四方固](0:57)△ガオ・ジュンイン(台湾)
渡名喜が左、ガオが右組みのケンカ四つ。渡名喜は右内股で「有効」を獲得、そのまま右で相手の左腕、左で腹を抱えて引き寄せながら横四方固「一本」。

[準々決勝]

渡名喜風南○GS技有・小外掛(GS0:23)△近藤亜美
近藤が右、渡名喜が左組みのケンカ四つ。近藤は体落に足車と攻めるが渡名喜は体の強さを生かして的確に対応、1分過ぎには近藤の体落を返して伏せる場面も作り出す。近藤は一方的に持った場面でもなかなか技が出なくなり1分29秒双方に「指導」。残り1分半から渡名喜がラッシュ、前技フェイントの左小外刈、小内刈から繋いだ左大外刈、さらに左小外刈と3度近藤を伏せさせる。近藤が抗した残り25秒の右払腰も小外刈で返して優位を加速させるとさらに肘抜きの左背負投に小外刈と攻め続けたままタイムアップ。「指導」が宣告されてもまったくおかしくないところであったが、主審の「待て」と宣告のタイミングが噛み合わず試合はGS延長戦へ。延長23秒、渡名喜が横へスライドしながら送足払のタイミングで左小外掛。近藤ひっくり返り「技有」。展開の優位、具体的なポイントと揃えた渡名喜のまさしく完勝であった。

[準決勝]

ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)○優勢[指導1]△渡名喜風南
ムンクバットが右、渡名喜が左組みのケンカ四つ。手足長く上背あるムンクバットにひときわ小柄な渡名喜、同じ階級とは思えない体格差。ムンクバットは脇を差す組み手から小外刈に「巴十字」、肩車と放って手数を稼ぎ、渡名喜に「指導1」。しかしムンクバットここからやや手詰まり、腕を小さく畳む座り込みの背負投で手数を稼ぐにとどまり、中盤からは渡名喜が背負投を連発して盛り返す。渡名喜の攻撃が加速する中、残り16秒でムンクバットの隅返に渡名喜が右小外刈を合わせると主審渡名喜の「一本」を宣告。逆転勝ちかと思われたがしかしこれはビデオチェックの結果取り消しとなり、スコア動かぬままタイムアップ。渡名喜惜しくも決勝進出を逃す。

[3位決定戦]

渡名喜風南○GS優勢[指導1](GS0:40)△遠藤宏美
渡名喜が左、遠藤が右組みのケンカ四つ。お互いに担ぎ技中心の組み立てで積極的に技を仕掛けるも決め手を欠き、ポイントがないまま勝負はGSへともつれ込む。GS40秒に遠藤が掛け潰れたところで偽装攻撃の「指導」が宣告されて試合決着。渡名喜が表彰台を確保することとなった。

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3位決定戦、近藤亜美がガルバトラフ・オトコンツェツェグから起死回生の大内刈「有効」

近藤亜美(三井住友海上)
成績:3位


[1回戦]

近藤亜美○縦四方固(0:53)△サブリナ・ギリアゾワ(ロシア)
右相四つ。組み、ゆすって大外刈を仕掛けてプレッシャーを掛ける。「指導1」奪取後に訪れた寝技のチャンスを逃さず、絡まれた足を引き抜き縦四方固「一本」。

[準々決勝]

近藤亜美△GS技有・小外掛(GS0:23)○渡名喜風南
近藤が右、渡名喜が左組みのケンカ四つ。近藤は体落に足車と攻めるが渡名喜は体の強さを生かして的確に対応、1分過ぎには近藤の体落を返して伏せる場面も作り出す。近藤は一方的に持った場面でもなかなか技が出なくなり1分29秒双方に「指導」。残り1分半から渡名喜がラッシュ、前技フェイントの左小外刈、小内刈から繋いだ左大外刈、さらに左小外刈と3度近藤を伏せさせる。近藤が抗した残り25秒の右払腰も小外刈で返して優位を加速させるとさらに肘抜きの左背負投に小外刈と攻め続けたままタイムアップ。「指導」が宣告されてもまったくおかしくないところであったが、主審の「待て」と宣告のタイミングが噛み合わず試合はGS延長戦へ。延長23秒、渡名喜が横へスライドしながら送足払のタイミングで左小外掛。近藤ひっくり返り「技有」。展開の優位、具体的なポイントと揃えた渡名喜のまさしく完勝であった。

[敗者復活戦]

近藤亜美○横四方固(3:03)△カン・ユジョン(韓国)
右相四つ。組み合って技を仕掛けたい近藤に対して、カンは組み際の技を狙う。横落でカンが潰れたところで近藤は寝技を展開、横四方固に抑え込んで「一本」。近藤の3位決定戦進出が決定。

[3位決定戦]

近藤亜美○優勢[指導1]△ガルバドラフ・オトコンツェツェグ
近藤が右、ガルバドラフが左組みのケンカ四つ。近藤が右小外刈に内股巻込と攻めると42秒ガルバドラフにやや性急な「指導1」。続く展開、ガルバドラフ一気に釣り手を奥襟まで届かせると間髪入れずに自ら近藤の背中に回って得意の裏投。近藤吹っ飛び56秒「有効」。近藤逆転を狙って激しく寝技で攻めるが取り切れず終盤まで時間を消費。万事休すかに思われたが、残り32秒の組み際に抱きつきの右大内刈。低く飛び込みながら釣り手で相手の肩を制して「有効」。近藤以後自ら潰れる場面があり「指導」失陥の危機であったが主審はスルー、そのまま試合は終了となる。近藤が「指導1」優勢で3位を確保。

遠藤宏美(ALSOK)
成績:5位


[1回戦]

遠藤宏美○横四方固(2:35)△ラリッサ・ファリアス(ブラジル)
遠藤が右、ファリアスが左組みのケンカ四つ。試合中盤に遠藤が右大内刈、ファリアスは尻餅をつくが背中が畳につくには至らず。続く展開で遠藤は再度右大内刈、今度は捻るように潰して寝技に持ち込み、横四方固「一本」。

[準々決勝]

遠藤宏美△優勢[有効・横落]○ガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)
遠藤が右、ガルバドラフが左組みのケンカ四つ。開始早々、場外際で遠藤の小外刈をガルバドラフが横落に切り返して「有効」。リードを得たガルバドラフは背中を持って後の先を狙う得意の構えで試合を展開。遠藤は右背負投を中心に果敢に攻めるが追撃は「指導2」までに留まりタイムアップ。ガルバドラフが「有効」優勢で勝利を決め、準決勝進出。

[敗者復活戦]

遠藤宏美○優勢[優勢・大内刈]△ミリカ・ニコリツ(セルビア)
右相四つ。遠藤はニコリツの釣り手を封じて終始優位を確保。右大内刈で「有効」を先行する。以降も主導権を保ち続け、右体落で「有効」を追加し勝利。「有効」優勢で遠藤が3位決定戦進出を決める。

[3位決定戦]

遠藤宏美△GS優勢[指導1](GS0:40)○渡名喜風南
渡名喜が左、遠藤が右組みのケンカ四つ。お互いに担ぎ技中心の組み立てで積極的に技を仕掛けるも決め手を欠き、ポイントがないまま勝負はGSへともつれ込む。GS40秒に遠藤が掛け潰れたところで偽装攻撃の「指導」が宣告されて試合決着。渡名喜が表彰台を確保することとなった。

森﨑由理江(A-LINE)
成績:2回戦敗退


[1回戦]

ミリカ・ニコリツ(セルビア)◯優勢[有効・内股]△森﨑由理江
右相四つ。ニコリツが奥襟を持って森﨑を潰したところで森﨑に「指導」が宣告される。焦って前に出た森崎はニコリツの右内股に場外際で一回転してしまい「有効」を失陥。追撃も「指導2」に留まりタイムアップ。森﨑は初戦敗退で敗者復活戦に進めず。

■ 52kg級・角田夏実が講道館杯に続き優勝、表彰台は日本勢が独占
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52kg級決勝、角田夏実が阿部詩から腕挫十字固「一本」

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準々決勝、阿部詩がクウォン・エリムから袖釣込腰「一本」

(エントリー19名)

【入賞者】
1.TSUNODA, Natsumi (JPN)
2.ABE, Uta (JPN)
3.TATSUKAWA, Rina (JPN)
3.SHISHIME, Ai (JPN)
5.VAN SNICK, Charline (BEL)
5.KELDIYOROVA, Diyora (UZB)
7.HA, Ju Hee (KOR)
7.KWON, Aerim (KOR)

【日本代表選手結果】
志々目愛(了徳寺学園職) 3位
角田夏実(了徳寺学園職) 優勝
立川莉奈(福岡大2年) 3位
阿部詩(夙川学院高1年) 2位

角田夏実(了徳寺学園職)が日本人対決を勝ち抜いて優勝。海外からの強豪の参加は、48kg級から階級を上げて参加のシャーリーン・ファンスニック(ベルギー)と、今年のグランドスラムアブダビ大会を制した若手のアストリーデ・ネト(フランス)の中堅上位クラス2人のみ。大方の予想通りトーナメントはベスト4を日本勢が独占する、講道館杯の延長戦とでも呼ぶべき様相となった。

角田は2回戦から登場するとチェン・チンイン(台湾)を圧倒、腕挫十字固「一本」(1:12)に斬って落とし、準々決勝では寝技の巧みな強豪ファンスニッックを得意の巴投「有効」優勢で破る。勝負どころと目された準決勝は志々目愛(了徳寺学園職)を腕挫十字固「一本」(2:41)で制す完勝。
決勝の相手は高校1年生ながら「一本」を連発してここまで勝ち上がって来た阿部詩(夙川学院高)。講道館杯準決勝に続く再戦となったこのカードに、角田は再び腕挫十字固「一本」(3:38)で勝利。見事国際大会初出場で初優勝を果たすこととなった。角田は全4戦のうち3戦が腕挫十字固による「一本」と、自身の持ち味を遺憾なく発揮しての勝利であった。

この階級は11月の講道館杯後に中村美里(三井住友海上)と共に長く階級を牽引してきた西田優香(了徳寺学園職)が引退を表明、リオデジャネイロ五輪を終えて休養中の中村に次ぐ2番手の座が空席となっている。角田は講道館杯とグランドスラム東京大会に連続で優勝したことで、この座を暫定的に手に入れることに成功した格好だ。角田の世界選手権代表権獲得に向けた次のステップは冬季欧州シリーズでの勝利。おそらくこのタイミングで復帰してくるであろう、海外トップ選手との対戦に注目だ。

高校1年生ながら講道館杯で3位入賞を果たし、兄の阿部一二三(日体大1年)とともに注目されていた阿部詩は堂々の準優勝。トーナメントのレベルが低かったこともあり、兄一二三が2014年大会で優勝した時の衝撃には及ばないが、初の国際大会で秒殺「一本」を量産する姿は見るものに強烈な印象を残したはず。兄妹揃っての優勝はお預けとなったが、今後の活躍が非常に楽しみである。

日本選手4人の中で最も国際大会経験が豊富な志々目は、第1シード配置。しかし前述の通り準決勝で角田に敗れて決勝進出は果たせず。3位決定戦ではディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)を横四方固「一本」(1:05)で圧倒して表彰台は確保したが、若手選手の活躍もあり序列は大きく後退。非常に厳しい結果となった。

講道館杯準優勝者の立川莉奈(福岡大2年)は準決勝で阿部に右大外刈「一本」(0:38)を食って敗れるも、3位決定戦でファンスニックを「指導1」優勢で破ってシニア国際大会初のメダルを手にした。

日本代表選手のコメント、準々決勝の結果、準決勝ラウンド以降と日本選手全試合の結果および戦評は下記。

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52kg級優勝の角田夏実

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52kg級入賞者。左から阿部、角田、立川、志々目。

角田夏実選手のコメント
「初めての国際大会で、わからないことが多く、緊張するよりも浮き足立っていました。今は出られて良かったと実感しています。(寝技の強さについて)自分が自信を持っている寝技で逃してはいけないと思って、精一杯やりました。初めての国際大会なので、海外の選手との対戦が怖かったのですが、少し手応えがあり、今後は戦っていけるなと感じました。(増地監督が、東京五輪に向けては全選手が横一線と語っていることについて)今までは怪我もあって『横一線』にも入れませんでした。今回、頭を出せたのは、自分にとって大きな一歩だと思います。立技から寝技への連携を強化して、自分の良いところを伸ばしていきたいです。東京五輪を目指して頑張りたいと思います。」

阿部詩選手のコメント
「海外の選手を相手にどれだけ通用するのか、わかって良かったです。初めてのシニア国際大会で手応えはありましたが、力負けすることもあり、自分より上手い人もまだまだいます。自分の駄目なところもわかって良かったです。(今後の課題について)二つ組んで技が出せないことや、叩かれるとすぐ下がってしまうことが課題です。もっと練習して強くなりたいです。(今回の大会での活躍について)決勝で勝たないと意味がないので、満足はしていません。今後に向けてもっと努力していきたいです。もっと強くなって東京五輪で優勝したいです。」

志々目愛選手のコメント
「優勝を目指してやってきたので、3位という結果には満足していません。(今日の柔道の内容について)投げて勝つのが自分の目標。1、2回戦は投げて勝つことが出来て良かったです。(今後の課題について)相手のペースに合わせてしまうので、自分から先手、先手で戦っていきたいです。課題も沢山ありますが、今後に繋がる試合は出来たと思います。一つ一つの試合の結果が重要になってくると思うので、目の前にある試合をしっかりとこなしていきたいです。東京五輪に出場して、優勝したいです。」

立川莉奈選手のコメント
「優勝を目指していたので悔しいのが一番ですが、メダルを取れて安心しています。(今日の戦いぶりについて)3位決定戦以外はポイントを獲って勝てたので、自分の中では良かったです。前に出る柔道を心掛け、それがしっかり出来ました。(2日目に出場する弟、立川新選手について)私がメダルを獲得したので、弟にはプレッシャーになるのではと思います。以前ジュニアで私が優勝した際も、弟は緊張していたようなので。(今後について)『一本』で勝つ柔道を目指していきたいです。東京五輪に出場して、金メダルを取りたいです。」

【プールファイナル結果】

[準々決勝]

志々目愛○合技[内股・小外刈](3:36)△ハ・ジュヒー(韓国)
角田夏実○優勢[有効・巴投]△シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
阿部詩○合技[袖釣込腰・袖釣込腰](0:30)△クウォン・エリム(韓国)
立川莉奈○横四方固(2:47)△ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)

【準決勝ラウンド以降結果、戦評】

[敗者復活戦]

ハ・ジュヒー(韓国)○優勢[指導1]△シャーリーン・ファンスニッック(ベルギー)
右相四つ。お互いに相手の釣り手を抱き込む形での袖の絞り合いが続く。地力に優り寝技の巧みなファンスニックが終始優位を維持。この様相が結果にもそのまま反映された格好でファンスニックが「指導1」優勢で勝利、3位決定戦へと駒を進めた。

クウォン・エリム(韓国)○腕挫十字固(0:30)△ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)
右相四つ。開始30秒でケルディヨロワが巴投で引き込んで腕挫十字固「一本」。秒殺の圧勝で3位決定戦進出を決めた。

[準決勝]

角田夏実○腕挫十字固(2:41)△志々目愛
左相四つ。41秒双方に「取り組まない」咎による「指導」。角田は得意の寝技に持ちこみ、志々目を送襟絞で絞め上げあわやという場面を作り上げ主導権を確保。2分2秒、角田打点の高い左一本背負投に志々目を呼び込み、担ぎ上げるとそのまま左大外刈に連絡して値千金の「有効」獲得。さらに2分30秒過ぎに志々目を伏せさせると後ろから腕に食いつき腕挫十字固。めくり返して腕を伸ばすと志々目たまらず「参った」を宣告。大一番は角田の完勝に終わる。

阿部詩○大外刈(0:39)△立川莉奈
右相四つ。阿部は右一本背負投で先制攻撃、主導権を確保。39秒、阿部引き手を掴むと釣り手で相手の袖を押し込みながら右大外刈。見事決まって「一本」。

[3位決定戦]

立川莉奈○優勢[指導1]△シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
右相四つ。開始早々立川が右内股でファンスニックを畳に這わせるもポイントは無し。さらに同様の形で立川がファンスニックを伏せさせると、ファンスニックに「指導」が宣告される。以降も立川は組み際の技と寝技を駆使して優位に試合を進め、「指導1」優勢で勝利。ワールドツアー初のメダル獲得を決めた。

志々目愛○横四方固(1:05)△ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)
志々目が左、ケルディヨロワ右組みのケンカ四つ。志々目が腰を切る牽制を入れながら前に出ると、ケルディヨロワあっさり畳を割り「待て」。続く展開、志々目相手を掴むなり内股を匂わせつつ、左小外刈。反応の遅れたケルディヨロワが崩れ伏せると志々目そのまま横四方固に抑え込んで一本勝ち。ケルディヨロワはもと世界カデ王者であるが、かなり力の差があるカードだった。

[決勝]

角田夏実○腕挫十字固(3:38)△阿部詩
角田が左、阿部が右組みのケンカ四つ。試合序盤、角田が腕挫十字固を試みるも、阿部が持ち上げて「待て」。阿部は両袖を絞り、あるいは背中を抱いてと組み手を切り替えながら試合を進め、角田は組み際の技と巴投、巴投からの腕挫十字固で阿部を攻める。最後は角田が再三試みた巴投からの腕挫十字固に阿部を捉えて「一本」。見事優勝を果たした。

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準決勝、角田夏実が志々目愛から腕挫十字固「一本」

【日本代表選手全試合結果、戦評】

角田夏実(了徳寺学園職)
成績:優勝


[2回戦]

角田夏実○腕挫十字固△(1:12)○チェン・チンイン(中国)
左相四つ。巧みな組み手と巴投でリズムを掴み、53秒袖釣込腰の形で釣り上げながら払巻込「有効」奪取。そのまま寝技に持ち込み腕挫十字固「一本」。

[準々決勝]

角田夏実○優勢[有効・巴投]△シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
角田が左、ファンスニックが右組みのケンカ四つ。ファンスニック長い腕を利して釣り手で右片襟を握るがこの形を長く続けてしまい「指導1」。角田、1分44秒に両足を効かせた巴投で「有効」奪取。以降も手堅く戦って追撃を許さず、タイムアップ。

[準決勝]

角田夏実○腕挫十字固(2:41)△志々目愛
左相四つ。41秒双方に「取り組まない」咎による「指導」。角田は得意の寝技に持ちこみ、志々目を送襟絞で絞め上げあわやという場面を作り上げ主導権を確保。2分2秒、角田打点の高い左一本背負投に志々目を呼び込み、担ぎ上げるとそのまま左大外刈に連絡して値千金の「有効」獲得。さらに2分30秒過ぎに志々目を伏せさせると後ろから腕に食いつき腕挫十字固。めくり返して腕を伸ばすと志々目たまらず「参った」を宣告。大一番は角田の完勝に終わる。

[決勝]

角田夏実◯腕挫十字固(3:38)△阿部詩
角田が左、阿部が右のケンカ四つ。試合序盤、角田が腕挫十字固を試みるも、阿部が持ち上げて「待て」。阿部は両袖を絞り、あるいは背中を抱いてと組み手を切り替えながら試合を進め、角田は組み際の技と巴投、巴投からの腕挫十字固で阿部を攻める。最後は角田が再三試みた巴投からの腕挫十字固に阿部を捉えて「一本」。

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準決勝、阿部詩が立川莉奈から大外刈「一本」

阿部詩(夙川学院高1年)
成績:2位


[1回戦]

阿部詩○優勢[有効・内股]△カチャコーン・ワラシハ(タイ)
阿部が右、ワラシハ左組みののケンカ四つ。相手の内股を小外刈に切り返し、40秒「有効」。さらに続く攻防で袖釣込腰風の右内股「有効」。相手もしっかり柔道が出来る選手で以後は動的膠着、スコアの積み上げなくタイムアップ。

[2回戦]

阿部詩○GS袖釣込腰(GS1:36)△アストリーデ・ネト(フランス)
右相四つ。ネトの手足の長さと圧力に阿部は苦戦、序盤はネトが押し気味に試合を進める。阿部が頭を下げさせられる場面が増えて中盤「指導1」失陥。しかし残り30秒から両袖の内股に袖釣込腰と阿部が激しく攻め、「待て」の後ながら右腰車で投げつけると3分40秒ついにネトに「指導2」。GS延長戦になるとネトの息が切れ、阿部の優位はもはや明らか。幾度も場外「指導」の危機にさらされたネトはGS1分20秒に奥襟を叩きながらケンケンの大内刈を放つがこれが失敗すると完全に燃料切れ。阿部得意の右袖釣込腰で鮮やかに投げつけ「一本」。ネトは姉同様、詰めの甘さとメンタルの弱さがクッキリ出てしまっての敗退となった。

[準々決勝]

阿部詩○合技[袖釣込腰・袖釣込腰](0:30)△クウォン・エリム(韓国)
右相四つ。クウォン激しく釣り手を突くが阿部はその動きを止めずそのまま右に袖釣込腰。打点高い一撃決まって20秒「技有」。30秒再び袖釣込腰を決め「技有」を得て試合終了。兄である阿部一二三同様、相手を背中から落とす技術が非常に巧み。天賦の才を感じさせる試合だった。

[準決勝]

阿部詩○大外刈(0:39)△立川莉奈
右相四つ。阿部は右一本背負投で先制攻撃、主導権を確保。39秒、阿部引き手を掴むと釣り手で相手の袖を押し込みながら右大外刈。見事決まって「一本」。

[決勝]

阿部詩△腕挫十字固(3:38)○角田夏実
角田が左、阿部が右組みのケンカ四つ。試合序盤、角田が腕挫十字固を試みるも、阿部が持ち上げて「待て」。阿部は両袖を絞り、あるいは背中を抱いてと組み手を切り替えながら試合を進め、角田は組み際の技と巴投、巴投からの腕挫十字固で阿部を攻める。最後は角田が再三試みた巴投からの腕挫十字固に阿部を捉えて「一本」。

志々目愛(了徳寺学園職)
成績:3位


[2回戦]
志々目愛○内股(3:32)△ザリナ・バビヤン(ロシア)
志々目が左、バビヤンが右組みのケンカ四つ。20秒、掛け潰れようとした相手の立ち上がり際に左内股を差し込み「有効」奪取。3分32秒鮮やかな左内股で「一本」。

[準々決勝]

志々目愛○合技[内股・小外刈](3:36)△ハ・ジュヒー(韓国)
志々目が左、ハが右組みのケンカ四つ。32秒早くも志々目が左小外刈で「有効」奪取、かなり力に差がある印象。ハは釣り手を激しく振り立てて攻防をかき回しに掛かるが志々目落ち着いて持ち返し、揺るがず。1分11秒には再び小外刈で相手を崩し、その立ち上がり際を狙って左内股を差し込んで「技有」獲得。終盤、ハは一か八か釣り手で背中を叩いて勝負に出るが、志々目あっさり抜け出して襟を掴みノーステップの小外刈。ハ全く反応出来ず転がってこれは「技有」。志々目、合技「一本」の圧勝でベスト4入り決定。

[準決勝]

志々目愛△腕挫十字固(2:41)○角田夏実
左相四つ。41秒双方に「取り組まない」咎による「指導」。角田、寝技に持ち込んで志々目を送襟絞で絞め上げあわやという場面を作り上げて主導権を確保。2分2秒、角田打点の高い左一本背負投に志々目を呼び込み、担ぎ上げるとそのまま左大外刈に連絡して値千金の「有効」獲得。さらに2分30秒過ぎに志々目を伏せさせると後ろから腕に食いつき腕挫十字固。めくり返して腕を伸ばすと志々目たまらず「参った」を宣告。大一番は角田の完勝に終わる。

[3位決定戦]

志々目愛○横四方固(1:05)△ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)
志々目が左、ケルディヨロワ右組みのケンカ四つ。志々目が腰を切る牽制を入れながら前に出ると、ケルディヨロワあっさり畳を割り「待て」。続く展開、志々目相手を掴むなり内股を匂わせつつ、左小外刈。反応の遅れたケルディヨロワが崩れ伏せると志々目そのまま横四方固に抑え込んで一本勝ち。ケルディヨロワはもと世界カデ王者であるが、かなり力の差があるカードだった。

立川莉奈(福岡大2年)
成績:3位


[1回戦]

立川莉奈○大外刈(2:16)△ラケル・シウバ(ブラジル)
立川が右、シウバが左組みのケンカ四つ。立川はシウバが膝をついたところを右大外刈で押し込んで「技有」奪取。最後は所謂「一本大外」で一本勝ち。

[2回戦]

立川莉奈○優勢[技有・払巻込]△エカテリーナ・グイカ(カナダ)
立川が右、グイカが左組みのケンカ四つ。立川は相手が畳に手を着いたところに作用足を差し込み右内股「有効」。その後、右内股をめくり返されて隅落「有効」を奪われるが、粘り強く試合を進め残り2秒で勝ち越しの右払巻込「技有」を獲得。接戦を制して準々決勝進出。

[準々決勝]

立川莉奈○横四方固(2:47)△ディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)
右相四つ。序盤からケルディヨロワは隅返に右背負投と不十分な状態から技を連発するが、立川は慌てることなく落ち着いて試合を展開。試合時間47秒、ケルディヨロワが掛け潰れたところで偽装攻撃の「指導」が宣告される。中盤、立川は奥襟を得るとすかさず逆方向へ左浮腰を放ちケルディヨロワを畳に這わせる。立川はそのまま相手の上を乗り越える形で寝技を展開し、腕を抱き込み寄せて横四方固。全く危なげなく「一本」獲得。

[準決勝]

立川莉奈△大外刈(0:39)○阿部詩
右相四つ。阿部は右一本背負投で先制攻撃、主導権を確保。39秒、阿部引き手を掴むと釣り手で相手の袖を押し込みながら右大外刈。見事決まって「一本」。

[3位決定戦]

立川莉奈○優勢[指導1]△シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
立川莉奈○優勢[指導1]△シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
右相四つ。開始早々立川が右内股でファンスニックを畳に這わせるもポイントは無し。さらに同様の形で立川がファンスニックを伏せさせると、ファンスニックに「指導」が宣告される。以降も立川は組み際の技と寝技を駆使して優位に試合を進め、「指導1」優勢で勝利。ワールドツアー初のメダル獲得を決めた。

■ 57kg級・芳田司が連覇達成、同門宇髙菜絵との死闘を制す
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57kg級決勝、芳田司が宇髙菜絵を攻める

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準決勝、芳田がドルジスレン・スミヤから腕挫十字固「一本」

(エントリー25名)

【入賞者】
1.YOSHIDA, Tsukasa (JPN)
2.UDAKA, Nae (JPN)
3.TAMAOKI, Momo (JPN)
3.DORJSUREN, Sumiya (MGL)
5.ISHIKAWA, Megumi (JPN)
5.RECEVEAUX, Helene (FRA)
7.MALLOY, Marti (USA)
7.KIM, Jandi (KOR)

【日本代表選手結果】
芳田司(コマツ)  優勝
宇高菜絵(コマツ)  2位
玉置桃(三井住友海上)  3位
石川慈(コマツ) 5位

リオデジャネイロ五輪銀メダリストのドルジスレン・スミヤ(モンゴル)を筆頭に、マーティ・マロイ(アメリカ)とキム・ジャンディ(韓国)ら五輪からの復帰組がシード位置に名を連ね、ここにオトーヌ・パヴィア(フランス)の引退でフランスの1番手となったエレン・ルスヴォ(フランス)、妹アストリーデとの競合を避けて階級を上げたプリシラ・ネト(フランス)のフランス勢2人が加わった、なかなかに骨のあるトーナメント。

この中を勝ち上がり、決勝に駒を進めたのはともにコマツ所属の芳田司と宇髙菜絵の2人。

第4シード位置からスタートした芳田は初戦となる2回戦で、ネトを破って勝ち上がってきた、ジェシカ・クリムカイト(カナダ)に左内股「技有」で勝利。準々決勝では試合巧者のマーティ・マロイを崩袈裟固「一本」で破って準決勝へ進出する。準決勝では受けの強いドルジスレン・スミヤから左大外刈「技有」と左小外刈「有効」を連取した末に腕挫十字固で「一本」を奪うまさしく完勝。強豪と連戦する厳しい組み合わせを、素晴らしい内容で勝ち上がって決勝進出決定。

一方の宇髙はノーシードからのスタート。1回戦でダリア・メズトカイア(ロシア)を右大外刈「技有」で下すと、2回戦のヨハナ・ロギッチ(セルビア)を右足車「一本」、準々決勝のキム・ジャンディ(韓国)をまるで「山嵐」のような豪快な右払腰「一本」と、強烈な投技を連発して準決勝へ進出。準決勝の相手は玉置桃(三井住友海上)。この試合も宇髙は持ち味である投技一発の威力を遺憾なく発揮、右体落「一本」で勝利して決勝進出決定。

同門対決となった決勝戦は、両者ポイントがないまま本戦の4分間が終了。延長戦でもなかなか勝負がつかず、試合時間9分41秒に及ぶ消耗戦の末に芳田が「指導1」を得て勝利(GS5:41)を決めた。講道館杯準決勝では先輩宇髙が勝利しており、今回は芳田がリベンジを果たした形だ。芳田は大会2連覇達成。

この階級は2大会連続で五輪のメダルを獲得した第一人者・松本薫(ベネシード)が休養中。昨年度大会の覇者芳田は五輪前に2番手まで躍進、あと少し台頭が早ければ五輪代表にも手が届いたのではないかという勢いを見せていたが、今大会の優勝でその序列の継続権を手にした格好だ。昨年は欧州シリーズでの敗戦(グランドスラムパリ2回戦でオトーヌ・パヴィアに敗退)で失速したが、世界選手権代表奪取に向けて次のシリーズは正念場。

玉置桃(三井住友海上)は準々決勝で強豪ヘレン・ルスヴォに一本勝ちを果たしたが、前述の通り準決勝で宇髙に敗れて決勝進出はならず。石川慈との3位決定戦を制して表彰台は確保した。。

講道館杯王者の石川慈(コマツ)は、準々決勝でドルジスレン・スミヤに苦杯。敗者復活戦ではマーティ・マロイを「指導1」の優勢で破ったが、前述の通り3位決定戦で玉置に敗れて最終成績は5位だった。

日本代表選手のコメント、準々決勝の結果、準決勝ラウンド以降と日本選手全試合の結果および戦評は下記。

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57kg級を連覇した芳田司

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57kg級入賞者。左から宇髙、芳田、玉置、ドルジスレン。

芳田司選手のコメント
「今日はあまり調子が良くありませんでした。リオデジャネイロ五輪後の今大会でしっかり勝つことが出来て、結果としては良いアピールが出来たと思います。(決勝戦について)延長はきつかったですが、想定はしていました。最後まで気持ちを切らさずに戦うことが出来たと思います。良く知っている先輩だからこそ負けたくありませんでした。自分の良いところを出させてもらえませんでしたが、最後には気持ちで勝つことが出来ました。今年1年間は『勝ちたい、勝ちたい』と思い続けた1年間でした。シニアの大会で沢山勝つことが出来、最後の大会を優勝で締めくくることが出来て嬉しいです。」

宇髙菜絵のコメント
「(決勝戦について)最後は体力と気力の勝負でしたが、その部分で負けてしまったと思います。最近の試合では一番調子が良く、自分の柔道をアピールできました。詰めの甘さがあり、講道館杯も含めてあと一歩優勝まで勝ちきれなかったことが課題です。(所属の後輩である芳田選手との対戦について)良い部分も悪い部分もお互いに知っていてやりづらい相手です。今回は講道館杯の借りを返されたかなと思います。(今後について)講道館杯から今大会に繋げられたことで、来年の世界選手権にも繋げられているかなと思います。代表争いで一歩下がることなく、冬季欧州シリーズでも優勝して、来年の世界選手権に繋げたいです。」

玉置桃選手のコメント
「本当は優勝を目指していましたが、初めてのグランドスラムで銅メダルを獲得できてホッとしています。(今大会の自分の柔道について)組み手がまだまだ雑だなと感じました。(メダルを獲得できた要因について)60kg級で優勝した永山竜樹選手が道場の後輩なのですが、永山選手の活躍で自分も負けていられないなと背中を押されました。これからコツコツ積み重ねていかないと、世界選手権や五輪には繋がらないと思うので、今回銅メダルを獲得出来て良かったです。4年後の東京五輪では金メダルを獲って、沢山の人に恩返しをしたいです。」

石川慈選手のコメント
「(今大会の結果について)自分自身に負けてしまった結果だと思います。調子もあまり良くありませんでした。何度もこの大会に出て、初めて3位決定戦に進むことが出来ましたが、自分の弱さを痛感しました。(今後について)自分自身としっかり向き合って、また頑張ります。先のことよりも、一つ一つ目の前のことに全力で取り組んでいきたいです。」
【プールファイナル結果】

[準々決勝]

ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○GS優勢[有効・小内返]△石川慈
芳田司○崩袈裟固(3:04)△マーティ・マロイ(アメリカ)
玉置桃○腕挫十字固(3:31)△エレン・ルスヴォ(フランス)
宇髙菜絵○足車(0:49)△キム・ジャンディ(韓国)

【準決勝ラウンド以降結果、戦評】

[敗者復活戦]

石川慈○優勢[指導1]△マーティ・マロイ(アメリカ)
石川が右、マロイが左組みのケンカ四つ。マロイが掛け潰れ石川が寝技で攻める展開が続く。試合時間の大半が寝技に費やされ、さらにそのほぼ全てを石川が攻め続けて「指導1」優勢で勝利。持ち味を存分に発揮して3位決定戦進出。

エレン・ルスヴォ(フランス)○優勢[指導1]△キム・ジャンディ(韓国)
右相四つ。序盤はキムがルスヴォの釣り手を落として優位に試合を進めるが、終盤は一転してルスヴォが優位に試合を展開。度々右大内刈でキムを大きく崩す場面を作り、「指導1」優勢で勝利。

[準決勝]

芳田司○腕挫十字固(3:39)△ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)
左相四つ。芳田の釣り手の高さがそのまま両者の優勢劣勢を表し、釣り手が高い位置の場面では芳田、低い位置まで落とされた時にはドルジスレンがそれぞれ優位に立つ。芳田は釣り手を落とされてなかなか十分に組み合えないが、組み際の左大内刈や絞られた釣り手を高く上げる左内股巻込で攻め続ける。試合中盤の組み際に芳田が左大外刈、不十分な形であったが、相手の裏に回り込みながら強引に投げ切って大外巻込「技有」を獲得。芳田、終盤には左小外刈でドルジスレンを追い込んで「有効」を獲得、そのまま腕挫十字固に極めて「一本」。腰が重く受けの強いドルジスレンを相手に、2度投げつけ関節まで極めるというまさしく完勝であった。

宇髙菜絵○体落(2:20)△玉置桃
右相四つ。序盤は激しい組み手争い。組んでも釣り手を絞り合い、お互いに自分の組み手になれない状況が続く。試合中盤、絞り合いのさなかに左大腰を狙ったか玉置が左手で宇髙の腰を抱く。これで釣り手が自由になった宇髙は奥襟を得て十分な組み手を作ることに成功、この一瞬を逃さず切れ味鋭い右体落で玉置を畳に叩きつけ「一本」獲得。持ち前の投げ一発の威力はもちろん、宇髙の勝負勘の冴えが際立った一番であった。

[3位決定戦]

玉置桃○GS優勢[指導1](GS2:17)△石川慈
右相四つ。長身の石川は奥襟を欲しがるが、玉置は片襟の右背負投に左一本背負投、右大外刈に左大外落と、組み際の技でこの意図を逸らし続ける。一方の石川は引き手で脇を差して時計回りで振る強引なアクションも交え、一貫して得意の寝技に持ち込むことを志向し続ける。玉置が掛け潰れ、石川が寝技で攻めて主導権を奪回するという構図で試合が進行。残り30秒を過ぎ、玉置が片襟の右足車から右大内刈と技を繋いだあたりから試合の流れは玉置へ。GS延長戦2分10秒、玉置が左袖釣込腰で石川を膝から畳に落とし、さらに組み際の右背負投から左袖釣込腰と3つ技を繋げると主審が「待て」を宣告。玉置の攻勢を認めて石川に「指導」を与え、激戦に幕が降ろされることとなった。

ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)○優勢[有効・背負投]△エレン・ルスヴォ(フランス)
ドルジスレンが左、ルスヴォが右組みのケンカ四つ。試合時間1分、ドルジスレンが左背負投でルスヴォを崩し、さらにすかさず左の「韓国背負い」に繋いで「有効」を獲得。続く展開で奮起したルスヴォが右大内刈でドルジスレンを大きく崩すもポイントはなし。以降はルスヴォが奥襟を得て攻める形が続くが、ドルジスレンは低い左背負投を連発して追撃をかわし、その反撃を「指導1」のみに留めてタイムアップ。「有効」優勢でドルジスレンが勝利、3位を確保した。

[決勝]

芳田司○GS優勢[指導1](GS5:41)△宇髙菜絵
芳田が左、宇髙が右組みのケンカ四つ。ベテランの宇髙動き極めて良く、早い組み手と止まらぬ右足の牽制で流れをつかむ。しかし中盤以降芳田も徐々に得意の左内股に座り込みの左背負投と技が出はじめ、残り30秒を過ぎると主導権はやや芳田の側に振れる。しかし決定打には至らず試合はGS延長戦へ。延長に入ると攻防は一進一退、宇髙は2分4秒に膝裏への右小外刈で芳田を大きく崩し、芳田は2分44秒に内股を2発まとめて相手を場外にはじき出すなどとそれぞれ試合が決まってもおかしくない場面を作るが差はつかず。しかしGS5分41秒、芳田が肘抜きの背負投で宇高を伏せさせた場面で主審ついに意を決したか、やや唐突に宇髙に「指導」宣告。試合時間10分に迫ろうかという熱戦は同門の後輩・芳田の勝利に終着した。

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準決勝、芳田がドルジスレンから大外刈「技有」

【日本代表選手全試合結果、戦評】

芳田司(コマツ)
成績:優勝


[2回戦]

芳田司○優勢[技有・内股]△ジェシカ・クリムカイト(カナダ)
芳田が左、クリムカイトが右組みのケンカ四つ。引き手を得て技を仕掛けたい芳田と、組み合いたくないクリムカイトという構図で試合が展開。試合時間の経過とともに地力で優る芳田が組み手十分になる時間が増し、残り時間2分過ぎに芳田が豪快な左内股で「技有」を獲得。芳田は以降も攻め続けて主導権を譲らず、「技有」優勢で勝利決定。

[準々決勝]

芳田司○崩袈裟固(3:04)△マーティ・マロイ(アメリカ)
芳田が左、マロイが右組みのケンカ四つ。開始早々、組み手争いからマロイが先制の左背負投を放つ。芳田は掛け潰れたマロイを引き込んで寝技を展開するが、マロイが凌いで「待て」。以降、マロイは左構えで袖を絞り、上から芳田の背中を抱えてと、担ぎ技主体の自身のスタイルを崩して変幻自在な組み手を展開、あくまで芳田に十分な組み手を作らせず。結果マロイの技で展開が切れる流れが続くこととなり、芳田は我慢の柔道を強いられる。試合中盤、芳田は組み手の手順を変えて引き手で釣り手側の襟から持ち、ついに奥襟を得ることに成功。これを嫌ったマロイが左袖釣込腰で伏せると、芳田はすかさず寝技に持ち込み、崩袈裟固に抑え込んで「一本」。芳田、試合巧者のマロイを突破して準決勝進出決定。

[準決勝]

芳田司○腕挫十字固(3:39)△ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)
左相四つ。芳田の釣り手の高さがそのまま両者の優勢劣勢を表し、釣り手が高い位置の場面では芳田、低い位置まで落とされた時にはドルジスレンがそれぞれ優位に立つ。芳田は釣り手を落とされてなかなか十分に組み合えないが、組み際の左大内刈や絞られた釣り手を高く上げる左内股巻込で攻め続ける。試合中盤の組み際に芳田が左大外刈、不十分な形であったが、相手の裏に回り込みながら強引に投げ切って大外巻込「技有」を獲得。芳田、終盤には左小外刈でドルジスレンを追い込んで「有効」を獲得、そのまま腕挫十字固に極めて「一本」。腰が重く受けの強いドルジスレンを相手に、2度投げつけ関節まで極めるというまさしく完勝であった。

[決勝]

芳田司○GS優勢[指導1](GS5:41)△宇髙菜絵
芳田が左、宇髙が右組みのケンカ四つ。ベテランの宇髙動き極めて良く、早い組み手と止まらぬ右足の牽制で流れをつかむ。しかし中盤以降芳田も徐々に得意の左内股に座り込みの左背負投と技が出はじめ、残り30秒を過ぎると主導権はやや芳田の側に振れる。しかし決定打には至らず試合はGS延長戦へ。延長に入ると攻防は一進一退、宇髙は2分4秒に膝裏への右小外刈で芳田を大きく崩し、芳田は2分44秒に内股を2発まとめて相手を場外にはじき出すなどとそれぞれ試合が決まってもおかしくない場面を作るが差はつかず。しかしGS5分41秒、芳田が肘抜きの背負投で宇高を伏せさせた場面で主審ついに意を決したか、やや唐突に宇髙に「指導」宣告。試合時間10分に迫ろうかという熱戦は同門の後輩・芳田の勝利に終着した。

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準決勝、宇髙菜絵が玉置桃から体落「一本」

宇髙菜絵(コマツ)
成績:2位


[1回戦]

宇髙菜絵○優勢[技有・大外刈]△ダリア・メズトカイア(ロシア)

右相四つ。位押しに追い詰め続け、2分30秒過ぎに相手を引き寄せながら右大外刈を叩き込で「技有」獲得。 相手は出足払に低い担ぎ技で粘るが宇高落ち着いて対処、そのままタイムアップ。

[2回戦]

宇髙菜絵○足車(3:34)△ヨハナ・ロギッチ(セルビア)
右相四つ。互いに引き手を先に求め、厳しい組み手争いが続く。圧力は宇高だがロギッチが袖釣込腰で粘り終盤まで双方に「指導2」が累積。残り26秒、ロギッチが右に移動するその出端を宇髙の右足車が鮮やかに捉える。豪快な「一本」。

[準々決勝]
宇髙菜絵○足車(0:49)△キム・ジャンディ(韓国)
宇髙が右、キムが左組みのケンカ四つ。手先の組み手争いが続き30秒宇髙に「指導1」。膠着が予想される出だしだったが、49秒宇髙が釣り手を片襟に入れながら思い切った右払腰。まるで「山嵐」のような豪快な一発にキム高々と宙を舞い、宇髙は釣り手の肘を効かせて相手を畳に埋め込み文句なしの「一本」。

[準決勝]

宇髙菜絵○体落(2:20)△玉置桃
右相四つ。序盤は激しい組み手争い。組んでも釣り手を絞り合い、お互いに自分の組み手になれない状況が続く。試合中盤、引き手の絞り合いから左大腰を狙ったか玉置が左手で宇髙の腰を抱く、釣り手の自由になった宇髙は奥襟を得て「2本持った」十分な組み手を作ることに成功。宇髙はこの一瞬を逃さず切れ味鋭い右体落で玉置を畳に叩きつけ「一本」。勝負感の冴えた宇髙が、持ち味の豪快な投げ一発を極めて決勝進出。

[決勝]

宇髙菜絵△GS優勢[指導1](GS5:41)○芳田司
芳田が左、宇髙が右組みのケンカ四つ。ベテランの宇髙動き極めて良く、早い組み手と止まらぬ右足の牽制で流れをつかむ。しかし中盤以降芳田も徐々に得意の左内股に座り込みの左背負投と技が出はじめ、残り30秒を過ぎると主導権はやや芳田の側に振れる。しかし決定打には至らず試合はGS延長戦へ。延長に入ると攻防は一進一退、宇髙は2分4秒に膝裏への右小外刈で芳田を大きく崩し、芳田は2分44秒に内股を2発まとめて相手を場外にはじき出すなどとそれぞれ試合が決まってもおかしくない場面を作るが差はつかず。しかしGS5分41秒、芳田が肘抜きの背負投で宇高を伏せさせた場面で主審ついに意を決したか、やや唐突に宇髙に「指導」宣告。試合時間10分に迫ろうかという熱戦は同門の後輩・芳田の勝利に終着した。

玉置桃(三井住友海上)
成績:3位


[2回戦]

玉置桃○合技[大内刈・崩袈裟固]△レン・ポスン(香港)
右相四つ。玉置が一貫して優位、終盤にこの状況優位がスコアとして結実し、刈り開くような右大内刈「技有」。そのまま寝技に持ち込んで崩袈裟固、合技の「一本」で玉置が快勝。

[準々決勝]

玉置桃○腕挫十字固(3:31)△エレン・ルスヴォ(フランス)
右相四つ。玉置は一貫して前進、しかしルスヴォは1分58秒にタイミングの良い右一本背負投を見せるなど散発ながら対抗しスコアはなかなか動かない。玉置終盤に差し掛かるあたりから右大内刈、左袖釣込腰と見せて流れをつかむと、残り33秒に右方向への隅返から相手をコントロール良く左に落として「有効」を獲得。すぐさま寝技に食いつくと、腕を抱えられたルスヴォ抗しきれずこれを伸ばしてしまう。結果玉置の腕挫十字固「一本」で試合は終了。

[準決勝]

玉置桃△体落(2:20)○宇髙菜絵
右相四つ。序盤は激しい組み手争い。組んでも釣り手を絞り合い、お互いに自分の組み手になれない状況が続く。試合中盤、引き手の絞り合いから左大腰を狙ったか玉置が左手で宇髙の腰を抱く、釣り手の自由になった宇髙は奥襟を得て「2本持った」十分な組み手を作ることに成功。宇髙はこの一瞬を逃さず切れ味鋭い右体落で玉置を畳に叩きつけ「一本」。勝負感の冴えた宇髙が、持ち味の豪快な投げ一発を極めて決勝進出。

[3位決定戦]

玉置桃○GS優勢[指導1](GS2:17)△石川慈
右相四つ。長身の石川は奥襟を欲しがるが、玉置は片襟の右背負投に左一本背負投、右大外刈に左大外落と、組み際の技でこの意図を逸らし続ける。一方の石川は引き手で脇を差して時計回りで振る強引なアクションも交え、一貫して得意の寝技に持ち込むことを志向し続ける。玉置が掛け潰れ、石川が寝技で攻めて主導権を奪回するという構図で試合が進行。残り30秒を過ぎ、玉置が片襟の右足車から右大内刈と技を繋いだあたりから試合の流れは玉置へ。GS延長戦2分10秒、玉置が左袖釣込腰で石川を膝から畳に落とし、さらに組み際の右背負投から左袖釣込腰と3つ技を繋げると主審が「待て」を宣告。玉置の攻勢を認めて石川に「指導」を与え、激戦に幕が降ろされることとなった。

石川慈(コマツ)
成績:5位


[1回戦]

石川慈○腕挫十字固(0:55)△リー・チャイ(台湾)
右相四つ。開始早々、奥襟を得た石川が右内股。上体を完全に制して仕掛けたこの技に、リーは自ら崩れるように転がり「有効」。石川はそこから片手絞を狙って相手の腕を開け、すかさず腕挫十字固に変化して「一本」。

[2回戦]

石川慈○横四方固(2:05)△クウォン・ヨウジョン(韓国)
石川が右、クウォンが左組みのケンカ四つ。石川は懐の深さを活かしてクウォンの技を全て受け止め、ことごとく自身の寝技へと変換。一方的に攻め続けて流れを掴むと、最後は相手の右一本背負投を懐の中で捌き、引き込んで横四方固「一本」。危なげなくプールファイナル進出決定。

[準々決勝]

石川慈△GS優勢[有効・小内返](GS1:15)○ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)
ドルジスレンが左、石川が右組みのケンカ四つ。レスラー体型のドルジスレンに長身痩躯の石川と体格の違いが際立つ一番。石川は右大外刈に右内股、小外刈といま一歩で「一本」に届きそうな深い技を度々見せるが、決めの段階でいずれもドルジスレンを崩し切れず「待て」。一方ドルジスレンは代名詞である座り込むような左背負投で手数を稼ぐという試合構成。この技も度々股中深く「一本」が想起される位置まで入り込むが、石川は懐の深さでなんとか凌ぎ続ける。GS延長戦に入るとドルジスレンの背負投攻撃が加速、1分15秒石川の小内刈をドルジスレンが裏に返して「有効」。これで勝敗決す。

[敗者復活戦]

石川慈○優勢[指導1]△マーティ・マロイ(アメリカ)
石川が右、マロイが左組みのケンカ四つ。マロイが掛け潰れ石川が寝技で攻める展開が続く。試合時間の大半が寝技に費やされ、さらにそのほぼ全てを石川が攻め続けて「指導1」優勢で石川が勝利。持ち味を存分に発揮して3位決定戦進出。

[3位決定戦]

石川慈△GS優勢[指導1](GS2:17)△玉置桃
右相四つ。長身の石川は奥襟を欲しがるが、玉置は片襟の右背負投に左一本背負投、右大外刈に左大外落と、組み際の技でこの意図を逸らし続ける。一方の石川は引き手で脇を差して時計回りで振る強引なアクションも交え、一貫して得意の寝技に持ち込むことを志向し続ける。玉置が掛け潰れ、石川が寝技で攻めて主導権を奪回するという構図で試合が進行。残り30秒を過ぎ、玉置が片襟の右足車から右大内刈と技を繋いだあたりから試合の流れは玉置へ。GS延長戦2分10秒、玉置が左袖釣込腰で石川を膝から畳に落とし、さらに組み際の右背負投から左袖釣込腰と3つ技を繋げると主審が「待て」を宣告。玉置の攻勢を認めて石川に「指導」を与え、激戦に幕が降ろされることとなった。



文:林さとる/古田英毅

※ eJudoメルマガ版12月11日掲載記事より転載・編集しています。

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