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グランドスラム東京2016・第2日4階級(73kg級、81kg級、63kg級、70kg級)プレビュー

(2016年12月2日)

※ eJudoメルマガ版12月2日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム東京2016・第2日4階級(73kg級、81kg級、63kg級、70kg級)プレビュー
■ 73kg級・ロシア勢2人とファンティシェルが参戦、講道館杯を制した立川は強豪と連戦する激戦区に配される
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大学1年生で講道館杯を制した立川新がワールドツアーに初参戦

(エントリー24名)

優勝候補筆頭はノーシード位置に配された中矢力(ALSOK)。講道館杯では敗れたものの、やはり地力では中矢が頭一つ抜けている印象。そしてシード権を持たないながらも配置されたのは比較的戦い易いファンティシェルの山で、準々決勝までは問題なく勝ち上がるはず。

今年のワールドマスターズ覇者である橋本壮一(パーク24)は、第1シードを確保。直下に配された選手に一線級の強豪は存在せず、準々決勝まではほぼ無風。しっかりと勝ち上がってチャンスを掴みたい。

講道館杯を制した大学1年生の立川新(東海大)は、グランドスラム・アブダビを制して勢いに乗るトミー・マシアス(スウェーデン)と2回戦でマッチアップ、さらに準々決勝ではデニス・イアルツェフ(ロシア)とアレックス ウィリアムス・ポンボ シウバ(ブラジル)のいずれかとの対戦が待ち受ける厳しい配置。いずれもワールドツアーでは表彰台登攀の分水嶺となるレベルの選手で、これがシニア国際大会のデビュー戦となる立川にとって今大会での戦いぶりは今後のキャリアを占う上での試金石となるはず。講道館杯で見せた高い戦闘力がこれら海外勢に通用するか、中矢を倒した国内の力関係をそのままツアーに持ち込むことが出来るのか、非常に楽しみだ。

【プールA】
第1シード:橋本壮市(パーク24)
第8シード:ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)

前述の通りほぼ無風のブロック。橋本にとってはしっかりと結果を出すことで勝ち取った千載一遇のチャンスであり、取りこぼすことなく準決勝へ勝ち上がりたい。

【プールB】
第4シード:トミー・マシアス(スウェーデン)
第5シード:デニス・イアルツェフ(ロシア)
有力選手:アレックス ウィリアムス・ポンボ シウバ(ブラジル)
日本選手:立川新(東海大1年)

立川が2回戦で対戦するマシアスは懐の深さとそれを利しての後の先が巧みな選手。遠い間合いに惑わされることなく戦いたい。このブロックからは切れ味鋭い足技を持ち、地力で頭一つ抜けているイアルツェフが勝ち上がると予想。立川は少なくともイアルツェフに挑戦するところまでは確実に勝ち上がりたい。

【プールC】
第2シード:ムサ・モグシコフ(ロシア)
第7シード:ジェイク・ベンステッド(オーストラリア)
日本選手:土井健史(ダイコロ)

実績から考えれば勝ち上がり候補はモグシコフ。土井の健闘に期待。

【プールD】
第3シード:ディルク・ファン ティシェル(ベルギー)
第6シード:アーサー・マルゲリントン(カナダ)
有力選手:中矢力(ALSOK)

ファンティシェルが第3シード位置に配されているが、あくまで勝ち上がり候補は中矢。取りこぼしは少ないが爆発力のないタイプの戦術派・ファンティシェルでは中矢に勝つことは厳しいはず。トーナメント全体を見ても、事前予測としては地力で頭一つ抜けた中矢が勝ち上がると評しておくしかないと思われる。

■ 81kg級・五輪後の復帰戦となる永瀬の戦いぶりに注目、講道館杯覇者の渡邉勇人は2回戦でイヴァノフと対戦する厳しい配置
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永瀬貴規はリオ五輪以来の試合となる

(エントリー23名)

この階級もグランドスラムと呼ぶにはかなり寂しい陣容となった。海外からの強豪選手の参戦はイヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)とイワン・ヴォロベフ(ロシア)のみ。

海外からの強豪が少ないため、必然的に見どころは日本勢の出来となる。中でも注目したいのはこれが復帰戦となるリオデジャネイロ五輪代表永瀬貴規(旭化成)の戦いぶりと、講道館杯を制した渡邉勇人(了徳寺学園職)の勝ち上がりだ。

永瀬は優勝を狙って臨んだリオ五輪において、まさかの銅メダルに終わっている。意外なほどに淡泊な試合ぶりがその因であったが、五輪の敗戦を経て永瀬がどのように進化したのか大いに注目したい。

渡邉は2回戦で強豪イヴァルロ・イヴァノフと対戦する非常に厳しい配置。講道館杯で圧勝した渡邉の今大会の課題は、国際大会での適性を見せつけること。少なくとも欧州派遣の権利を得ねば来年の世界選手権代表の可能性が潰えてしまう状況だが、仮にここで負けると、敗者復活戦に進むことも出来ないまま畳を去らねばならない。この1戦が渡辺の今後のキャリアのターニングポイントになると言っても過言ではなく、このカードは序盤戦の最注目試合だ。

【プールA】
第1シード:永瀬貴規(旭化成)
第8シード:イワン・ヴォロベフ(ロシア)

永瀬は準々決勝でヴォロベフと対戦。様々な小外刈の手立てを持っている面白い選手だが、実力だけで考えれば永瀬の敵ではないはず。できれば「一本」でしとめて勝ち上がりたい。

【プールB】
第4シード:アスラン・ラッピナゴフ(ロシア)
第5シード:エマニュエル・ルセンティ(アルゼンチン)
日本選手:春山友紀(自衛隊体育学校)

90kg級時代に国際大会での適性を見せることができなかった春山だが、この山は非常に戦いやすい。勝ち上がりの可能性は十分。

【プールC】
第2シード:イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)
第7シード:ドミニク・レッセル(ドイツ)
有力選手:渡邉勇人(了徳寺学園職)

前述の通り2回戦の渡邉対イヴァノフが序盤戦の最注目試合。若いイヴァノフは思い切りの良さが売り、体の強さを利して鋭い背負投を連発してくる。渡辺はイヴァノフのペースに付き合わず、しっかりと自分の柔道を徹底したい。

【プールD】
第3シード:ニャムスレン・ダグバスレン(モンゴル)
第6シード:佐藤正大(国士舘大4年)

佐藤の低く潜り込んで高くめくり返す背負投とゆらめくような組み手の駆け引きは相手を選ぶところがある。シード選手ダグバスレンにこれが噛み合うかどうかが唯一最大の注目ポイント。

■ 63kg級・リオデジャネイロ五輪金メダリストのトルステニャクを日本勢が迎え撃つ
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五輪金メダリストのトルステニャク。五輪で封印した「両組み」が再び見られるか

(エントリー26名)

ワールドツアー表彰台クラスの強豪がティナ・トルステニャク(スロベニア)とカトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)のみという非常に寂しいトーナメント。リオデジャネイロ五輪金メダリストのトルステニャクが出場することで辛うじてグランドスラムとしての対面を保った形だ。

優勝候補は第1シードに座るトルステニャクだが、トルステニャクはその圧倒的な実績に比して日本人相手の相性があまり良くなく、日本勢にも十分優勝の目がある。トルステニャクは比較的大会ごとの出来不出来の差が小さい選手であり、東京五輪に向けてのアピールのためにも日本勢の奮戦に期待したい。

また、トルステニャクはリオデジャネイロ五輪直前期に調整として出場していた大会では組み手の左右を頻繁にスイッチしながら左右の担ぎ技、内股を仕掛ける両組みスタイルでの柔道を見せていた。五輪本番では従来の左一本背負投中心の柔道スタイルに戻していたが、両組みへの取り組みは長期的な戦略で行われたもののはず。五輪を終えてこの「両組み」が本格的なものへと進化している可能性もあり、この点にも注目したい。

リオ五輪においてIJFの出場可能ラインに届く「バックアッパー」を準備出来なかった日本勢は次代のエースをねらう若手4人でチームを編成。特に津金恵、能智亜衣美、嶺井美穂の攻撃型3人が現時点でどれだけ戦えるかは、2020年東京五輪における日本の浮沈に関わる最重要事項だ。

【プールA】
第1シード:ティナ・トルステニャク(スロベニア)
第8シード:ステファニー・トレンブレイ(カナダ)
有力選手:嶺井美穂(桐蔭横浜大1年)

【プールB】
第4シード:ミア・ヘルマンソン(スウェーデン)
第5シード:マルゴ・ピノ(フランス)
有力選手:津金恵(筑波大3年)

【プールC】
第2シード:カトリン・ウンターヴルツァハー(オーストリア)
第7シード:能智亜衣美(筑波大3年)
有力選手:キャサリン・ブーシェミンピナード(カナダ)

【プールD】
第3シード:カタリナ・ヘッカー(オーストリア)
第6シード:ダリア・ダフィドワ(ロシア)
日本選手:荒木穂乃佳(兵庫県警)

■ 70kg級・新井千鶴と大野陽子が準々決勝で激突、新井は苦手のファニーエステル・ポスヴィト戦にも注目
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講道館杯で圧勝した新添左季がツアーデビューを飾る

(エントリー23名)

階級最上位クラスタの選手の出場はなく、「中堅グループ上位」から「上位グループ下位」に属す選手が多数顔を揃えた。地力では新井千鶴(三井住友海上)が頭一つ抜けるが、講道館杯でまたもや見せてしまった線の細さ、そして準々決勝での大野陽子(コマツ)との日本人同士による潰し合いやプールBに配されているファニーエステル・ポスヴィト(フランス)との相性の悪さ(過去2戦2敗である)などのトーナメント上の地政条件に鑑みると、絶対的な優勝候補と言うことは出来ない。

第2シード配置のキム・センヨン(韓国)は鋭い担ぎ技を持ち、かつしぶとい戦い方も出来る難敵。プールDでシードを張るマリーイヴ・ガヒエ(フランス)とエルヴィスマール・ロドリゲス(ベネズエラ)は共に圧力が売りの「指導」奪取系パワーファイター。

というわけで最上位の強豪の参戦はないながらも、これら有力選手の相性が複雑に絡み合うことでなかなか見どころの多い混戦階級となっている。2月の欧州シリーズから本格復帰してくるであろうメダリストクラスの強豪達への挑戦権を得るためにも、日本勢の奮起に期待したい。講道館杯を素晴らしい内容で制した新添左季(山梨学院大2年)の、鉈を振るうような大技が海外勢にも通用するかどうかは大きなみどころだ。配されたプールDのシード選手はいずれも圧力志向、組み手の駆け引きに付き合い過ぎず自分のスタイルで戦いたい。

【プールA】
第1シード:新井千鶴(三井住友海上)
第8シード:大野陽子(コマツ)

【プールB】
第4シード:ファニー エステル・ポスヴィト(フランス)
第5シード:ケリタ・ズパンシッック(カナダ)

【プールC】
第2シード:キム・センヨン(韓国)
第7シード:グノーザ・マテニワゾワ(ウズベキスタン)
日本選手:前田奈恵子(JR東日本)

【プールD】
第3シード:マリーイヴ・ガヒエ(フランス)
第6シード:エルヴィスマール・ロドリゲス(ベネズエラ)
日本選手:新添左季(山梨学院大2年)


文:林さとる/古田英毅

※ eJudoメルマガ版12月2日掲載記事より転載・編集しています。

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