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全日本学生柔道体重別選手権・女子レポート①(63kg級、70kg級、78kg級、78kg超級)

(2016年11月11日)

※ eJudoメルマガ版11月11日掲載記事より転載・編集しています。
全日本学生柔道体重別選手権・女子レポート①(63kg級、70kg級、78kg級、78kg超級)
■ 63kg級・津金恵復活V、人材揃った激戦階級を制す
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63kg級準々決勝、渡邉聖未が松尾美咲から逆転の大外刈「技有」

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準決勝、渡邊が能智亜衣美から内股返「有効」

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準決勝、津金恵が土井雅子から大外刈「技有」

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GS延長戦に縺れ込む激戦を制した津金

(エントリー32名)

【決勝まで】

昨年度王者の渡邉聖未(早稲田大)、五輪代表田代未来の補欠に指名されて事実上国内序列2番手の扱いを受けていた津金恵(筑波大3年)、4月に国内最高峰大会である選抜体重別を制したばかりの能智亜衣美(筑波大3年)らをはじめ非常に人材の揃った激戦階級。

その激戦を勝ち抜いて決勝に残ったのは渡邊と津金。昨年度大会と同じ顔合わせとなった。

連覇を狙う渡邊は第1シードで大会をスタート。1回戦で射手矢味香(立命館大)から巴投「有効」、払腰「有効」と連取した末に後袈裟固「一本」(1:17)、続いて2回戦で光吉悦(環太平洋大)から肩車「有効」、横四方固「一本」(1:38)と奪って勝利すると、準々決勝は松尾美咲(淑徳大)に小外刈「有効」を先制されたが直後の大外刈「技有」で逆転して優勢勝ち。迎えた大一番、能智亜衣美との準決勝は「指導1」を奪って押し込み続け、残り14秒で焦った相手の内股を返して「有効」奪取。これで決勝進出を決めた。

一方の津金は1回戦で中尾美紘(徳山大)から体落「有効」に背負投「一本」(3:34)と奪ってこちらも上々のスタート。2回戦は川嶋希(日本大)から体落「技有」、腕挫十字固「一本」(1:00)と連取して快勝、準々決勝は前戦で伊勢崎詩乃(帝京科学大)を横四方固「一本」で破っている栗原千尋(淑徳大)を払腰「一本」(2:03)で一蹴。準決勝は激戦ブロックをしぶとく這い上がって来た強敵・土井雅子(環太平洋大)と大激戦、「指導1」ずつを失って迎えたGS延長戦に大外刈「有効」を得て勝利。4戦して3つの一本勝ちという堂々たる成績で決勝に駒を進めることとなった。

昨年講道館杯3位、9月の全日本ジュニア選手権2位の米澤夏帆(龍谷大)は能智のブロックに配され2回戦で幸田奈々(帝京科学大)に「指導2」優勢で敗退。佐藤史織(山梨学院大)は2回戦で土井雅子に「指導2」優勢で敗れた。復活を期した松本千奈津(帝京大)も2回戦敗退に終わった。

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渡邊と津金による決勝戦

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津金が右内股「技有」を獲得

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津金は機を良く捉えて攻め続け、以後も隙を見せず

【決勝】

津金恵(筑波大3年)〇優勢[技有・内股]△渡邊聖未(早稲田大2年)

決勝は渡邊、津金ともに右組みの相四つ。
津金は釣り手で奥襟を得ると、右小内刈に引き続いて内股を2連発する先制攻撃。渡邊たまらず大きく崩れて「待て」。津金の動きは非常に良し。

渡邊は組み手争いに混ぜ込んで右への横落に身を躍らせるが津金捌いて大過なし。
渡邊奥襟を叩いて思い切った大外刈を放つがこれも効き切らず。津金はその釣り手を落として引き手を確保すると、自ら一旦釣り手を切り、奥襟を握りながら右内股。まず腰を切って一度入り、戻り際に作用足を引っ掛け直して角度を変えて打ち直すという二段攻撃に反応の遅れた渡邊深々と侵入を許してしまう。津金は縦回転に体を捨てて投げ切りこれは「技有」。経過時間は1分10秒。

以後、津金は引き手の確保の早さと相手のアクションを引き金とした攻撃プログラムの豊富さで渡邉に追撃を許さず。渡邉が引き手を切ろうと手を引けばそのまま飛び込んで大外刈、自身の大外刈を渡辺が抱く気配を見せるや否やいち早く巻き込んで投げに掛かり、と相手の機先を制して攻め続け、渡邊は自慢のパワーを生かす場面がほとんど作れない。

もはや得意の寝技しかないと渡邊が強引な巴投に打って出ると、主審的確に反応して2分15秒渡邊に「引き込み」の咎で「指導1」。奮起した渡邉が直後ついに引き手で襟、釣り手で奥襟という完璧な形を作り出すと、津金思わず両手で切り離してしまいこちらにも「指導1」が宣告される。

津金が引き手を先に得続けて、以後も渡邊は得意の接近戦をなかなか挑めず。津金が大外刈で渡邊を大きく崩した直後の3分2秒渡邊に「指導2」。もはや遮二無二力勝負を挑むしかないと覚悟した渡邊背を抱いて突進するが津金取り合わず場外まで逃れ、津金に「指導2」。

この時点で残り時間は29秒、津金は巧みな組み手と機を見ての小外刈に大外刈で、最後まで渡邊に山場を作らせないまま試合時間を終えて勝負あり。結果「技有」優勢を以て津金の勝利が決まった。

津金は一頃の停滞が嘘のような動きの良さ。加えて攻撃発動のスイッチが増え、決勝は勝つべくして勝った、勝利の所以がハッキリ見える試合であった。

かつての素晴らしい柔道から大学入学後停滞、そして今大会での復活という軌跡は高校時代の同僚、今大会の57kg級で優勝した出口クリスタと相似。ともに高校時代はリオ五輪代表にも手が届くのではと将来を嘱望された選手だが、五輪が終わったところで、自身がいかに得難い立場にあったのか、自身が失ったものがいかに大きかったが骨身に染みたのではと推察する。

津金の次の目標は講道館杯。負傷休養から復帰する嶺井美穂、実業団に進んで飛躍を狙う鍋倉那美と若い世代に役者が揃い、一気に面白くなって来た63kg級は女子きっての注目階級。その中にあってもさらなる躍進が十分期待できる、好内容での優勝劇であった。

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初優勝の津金恵

【入賞者】
優 勝:津金恵(筑波大)
準優勝:渡邊聖未(早稲田大)
第三位:能智亜衣美(筑波大)、土井雅子(環太平洋大)

津金恵選手のコメント
「決勝は同じカードで去年負けている。ひとつの技を狙うのではなく、違う技を入れながら戦いました。グランドスラム東京(2012年・高校2年時)依頼の国内大会優勝で、うれしいです。リオ五輪はテレビで見ていて、出られない自分が情けなかった。これをきっかけにまず講道館杯で頑張ります。」

【準々決勝】

渡邊聖未(早稲田大)○優勢[技有・大外刈]△松尾美咲(淑徳大)
能智亜衣美(筑波大)○優勢[技有・小外刈]△幸田奈々(帝京科学大)
津金恵(筑波大)○払腰(2:05)△栗原千尋(淑徳大)
土井雅子(環太平洋大)○優勢[指導1]△佐藤美咲(立命館大)

【準決勝】

渡邊聖未○優勢[有効・内股返]△能智亜衣美
津金恵○GS有効・大外刈(GS1:29)△土井雅子

【決勝】

津金恵○優勢[技有・内股]△渡邊聖未

■ 70kg級・宇野友紀子が優勝、初めての全国タイトル獲得なる
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準決勝、宇野友紀子が同門の後輩青柳麗美を押し込む

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準決勝、佐俣優依が長内香月から豪快な払腰「一本」

(エントリー32名)

【決勝まで】

63kg級に劣らぬ激戦階級である。2連覇を狙う第1シード選手・池絵梨菜(国士舘大)は欠場したが、それでも注目人材には事欠かない。欠場の池に加え青柳麗美(環太平洋大)と新添左季(山梨学院大)のジュニア世代の強者2人が配されたAブロックを中心に非常な熱戦が繰り広げられた。

その激戦Aブロックを制してベスト4入りを果たしたのは青柳。1回戦は吉本朝香(東京学芸大)を送襟絞「一本」(1:00)、そして会場注目の新添との2回戦はGS延長戦の末に上四方固「一本」(GS0:43)で勝利を収め、準々決勝は岡史生(福岡大)を横四方固「一本」(2:50)。強者3名を全て「一本」に仕留める抜群の勝ち上がり。

Bブロックからは宇野友紀子(環太平洋大)がベスト4入り。1回戦で杉村和加菜(道都大)から払腰「有効」、そのまま上四方固に抑え込んで初戦を一本勝ち(2:11)。続く春藤美和(金沢学院大)との2回戦は上四方固「一本」(3:20)で快勝、準々決勝は森田朝子(埼玉大)を「指導2」で下して準決勝へ。

Cブロックは下側の山に人材が集まった。勝ちあがり候補の一であった千葉英里子(環太平洋大)は1回戦で市川香代子(仙台大)を相手に大内刈で「有効」失陥、引込返「有効」を取り返したものの再び大内刈で「有効」を失って初戦敗退。市川は殊勲であったが次戦で、1回戦で橋高朱里(金沢学院大)を「指導1」対「指導2」で破っている村山のどか(筑波大)に支釣込足「有効」、上四方固「一本」(4:05)と立て続けに失って敗退。このブロックからは村山がベスト8に進んだ。

そしてこのブロックからのベスト4入りは一昨年の王者佐俣優依(帝京大)。佐俣は1回戦で小寺結子(立命館大)にてこずり、開始18秒で奪った「指導」ひとつのみで試合時間を終えるという辛勝スタート。しかしここから覚醒、2回戦は中村友美(同朋大)を払腰「一本」(2:00)で一蹴、準々決勝は村山を支釣込足「一本」(1:10)で下して準決勝進出決定。

Dブロックからは復活を期す長内香月(山梨学院大)が準決勝進出。1回戦で帯川優華(道都大)を裏投「技有」、2回戦は宮田真帆(東海大)をGS延長戦の末大外刈「技有」(GS0:34)、準々決勝は飯島彩加(東京学芸大)を小外刈「技有」と、圧倒的ではないが意地を見せての勝ちあがり。

準決勝第1試合の同門対決は互いに相譲らぬ大消耗戦。試合時間7分半におよぶ膠着の末、先輩の4年生宇野が1年生青柳を「指導2」対「指導3」で破り決勝進出決定。

準決勝第2試合、佐俣と長内の試合は劇的決着。GS延長戦19秒、佐俣が呼吸を整えて払腰を放つと長内逆らえず意外なほどに高く宙を舞い文句なしの「一本」。

一昨年の王者佐俣は3年連続の決勝進出決定。一方中学、高校と力強い柔道で階級を席捲しすぐにでも国際大会進出と高い評価を受けて来た長内は山梨学院大進学後はついに輝かず、学生カテゴリ無冠で最終学年を終えることとなった。

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決勝、宇野が先んじて攻める

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宇野が崩上四方固、腕挫十字固と攻めて寝技で攻勢権奪取

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【決勝】

宇野友紀子(環太平洋大4年)○優勢[指導2]△佐俣優依(帝京大3年)

決勝は宇野が右、佐俣が左組みのケンカ四つ。佐俣は気合の入った表情で突進、しかし宇野の釣り手の強さの前に引き手争いが膠着し、31秒双方に片手の咎で「指導」。

以後も引き手争いが続くが、1分過ぎに宇野が思い切った右払腰で試合を動かす。受け止めたまま伏せた佐俣を宇野が崩上四方固で押さえかかり、続いて逃れた佐俣を腕挫十字固に捉える。これは極まったかに思われたが、佐俣が相手の側を見る形で回転して逃れ「待て」。経過時間は1分26秒。

以後も引き手争いの構図は継続、しかし宇野の釣り手の強さにてこずる佐俣が減速しはじめ潮目は宇野へ。2分11秒には袖口を絞った咎で佐俣にのみ2つ目の「指導」が与えられる。

この時点で残り時間は1分59秒、佐俣としては遮二無二追いかけて少なくともタイスコアに持ち込まなければいけないところだが、意外なほどに技が出ない。3分52秒にようやく仕掛けた左内股巻込も、仕掛けながら狙った引き手が獲れない片手技となりあっさり潰れてしまう。とにもかくにも行ってみたが返されるのは怖いという「目を瞑って掛けた技」という印象で、具体的に獲る手立てが見えない印象。

以後は双方ともに散発も、釣り手の上下に関わらず常にしっかり圧を利かせる宇野が展開を引っ張り続ける。佐俣の片手での巻き込みを宇野が潰して横三角、めくり返して場外に出たところで残り試合時間は僅か1秒。そのまま試合は終了となり、「指導2」優勢を以て宇野の勝利が決まった。

宇野はこれがキャリア初の全国大会優勝。主将の重責を担った最終学年でうれしいビッグタイトル獲得となった。他を圧した地力の強さには日頃の錬磨のほどが十分伺われ、「大学で強くする」環太平洋大の面目躍如といったところ。宇野の強さとともに、育成機関としての環太平洋大のレベルの高さが強く印象に刻まれる優勝劇であった。

一方の佐俣は宇野の釣り手の強さに怖じたか、中盤以降は明らかに消極的。一定レベル以上の相手に対峙すると途端におとなしくなるこれまでの試合傾向を継承、最後まで具体的な攻撃の手立てを見いだせず。決勝はスコア以上に差のある試合であった。

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初優勝の宇野友紀子

【入賞者】
優 勝:宇野友紀子(環太平洋大)
準優勝:佐俣優依(帝京大)
第三位:青柳麗美(環太平洋大)、長内香月(山梨学院大)

宇野友紀子選手のコメント
「初めてのタイトルなので本当にうれしい。主将に指名されたときの自分は全く成績のない選手でしたし、まだ実感がわきません。序盤は体が固かったですが、準決勝できっかけを掴めて、良い感触のまま結果を残せました。(-主将として心掛けていることは?)最初に『情熱をもってやりなさい』と話され、常にそれを心掛けています」

【準々決勝】

青柳麗美(環太平洋大)○横四方固(2:50)△岡史生(福岡大)
宇野友紀子(環太平洋大)○優勢[指導2]△森田朝子(埼玉大)
佐俣優依(帝京大)○支釣込足(1:10)△村山のどか(筑波大)
長内香月(山梨学院大)○優勢[技有・小外刈]△飯島彩加(東京学芸大)

【準決勝】

宇野友紀子○GS指導3(GS3:42)△青柳麗美
佐俣優依○GS払腰(GS0:19)△長内香月

【決勝】

宇野友紀子○優勢[指導2]△佐俣優依

■ 78kg級・山中満紀が初優勝、1年生鈴木伊織が2位に食い込む
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2回戦、鈴木伊織が泉真生から大内返「有効」

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準決勝、山中満紀が山口凌歌から払腰「有効」

(エントリー25名)

【決勝まで】

決勝に進んだのは鈴木伊織(環太平洋大)と山中満紀(山梨学院大)の2人。

1年生の鈴木は1、2回戦で強豪と連戦。1回戦は堀歩未(鹿屋体育大)をGS延長戦の末「指導2」(GS1:22)で退け、2回戦では第1シード扱いの泉真生(山梨学院大)を試合時間8分近い激戦の末大内返「有効」(GS3:47)で下してベスト8入り。以降は準々決勝で菊池優貴乃(日本大)を払巻込「有効」、準決勝で西田未来(東海大)を「指導2」優勢で下してみごと決勝進出を決めた。

一方の山中も序盤戦から強敵続き。1回戦は友清あかり(環太平洋大)を小外刈「有効」、そして2回戦で佐藤杏香(東海大)を「指導1」の優勢で下す。以降も難しい相手が続くが、準々決勝は上村綾香(福岡大)をGS延長戦の末に大外刈「一本」(GS1:59)で退け、準決勝は山口凌歌(桐蔭横浜大)を払腰「有効」で破って決勝進出決定。

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決勝、鈴木が袖釣込腰で先制攻撃

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中盤以降、試合の主導権は山中に移る

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【決勝】

山中満紀(山梨学院大3年)○優勢[指導2]△鈴木伊織(環太平洋大1年)

鈴木、山中ともに右組みの相四つ。
開始早々に鈴木が得意の右袖釣込腰、低く体を捨てると山中転がるがなんとか伏せて「待て」。

以降も先んじて鈴木が攻めるが山中の地力の前に次第に掛け潰れが増え始め、1分30秒に山中が右大外刈に右内股と技を繋いで攻め返したあたりから主導権は山中へ。山中はこの連続攻撃の後も釣り手を奥襟から離さず圧を掛け続け、窮した鈴木は右に巻き込み潰れて展開のリセットを図る。これは当然ながら偽装攻撃と判断され、鈴木に「指導1」宣告、山中がリードを得る。経過時間は2分2秒。

劣勢の鈴木釣り手を突き返して状況の打開を図るが、山中は両襟で圧を掛けると体を斜めにずらしながら右内股。鈴木大きく崩れて「待て」。

以降も山中の地力が随所に効き、圧力を感じた鈴木は釣り手を伏せたまま右外巻込に潰れてしまう。主審は偽装攻撃を採り、鈴木に2つ目の「指導」。

山中は以降も釣り手を高く保ち、大外刈、内股と散発ながら取り味のある技を仕掛けて鈴木に付け入る隙を与えず。残り20秒からは横変形に構えて膠着を志向、鈴木の支釣込足に膝を着く場面があったがここで終了ブザーが鳴り響く。結果「指導2」の優勢で山中の勝利が決まった。

堀、泉を下して1年生ながら決勝まで勝ち進んだ鈴木は殊勲であったが、肝心の場面で積年の宿痾である掛け潰れが顔を出してしまった。現象的には鈴木の自滅ということになるが、山中の地力と釣り手を高く持ち続ける試合姿勢に軍配上がった試合と総括すべきかと思われる。

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78kg級優勝の山中満紀

【入賞者】
優 勝:山中満紀(山梨学院大)
準優勝:鈴木伊織(環太平洋大)
第三位:西田未来(東海大)、山口凌歌(桐蔭横浜大)

山中満選手のコメント
「今までは2位、3位ばかりで優勝したことがなかったですし、今回も正直勝てるとは思っていなかった。うれしいです。本当は投げて勝ちたかったですが、鈴木選手には東海地区でずっと負けていたので『指導2』であってもやっぱりうれしいです。得意技は内股、稽古で出せている内股を、しっかり試合で出せるようにしていくのが次の目標です。まだまだ試合は続きますし、講道館杯の出場権を獲れたのでそこで結果を残せるように頑張ります」

【準々決勝】

鈴木伊織(環太平洋大)○優勢[有効・払巻込]△菊池優貴乃(日本大)
西田未来(東海大)○優勢[有効・払巻込]△清水美緒(金沢学院大)
山中満紀(山梨学院大)○GS大外刈(GS1:59)△上村綾香(福岡大)
山口凌歌(桐蔭横浜大)○優勢[有効・大外刈]△小林真実子(早稲田大)

【準決勝】

鈴木伊織○優勢[指導2]△西田未来
山中満紀○優勢[有効・払腰]△山口凌歌

【決勝】

山中満紀○優勢[指導2]△鈴木伊織

■ 78kg超級・復帰戦で上々の出来披露、朝比奈沙羅が最重量級制す
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準決勝、朝比奈沙羅が藤原恵美から払巻込「有効」、そのまま抑え込みを狙う。

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準決勝、月波光貴穂が滝川真央から隅落「技有」

(エントリー21名)

【決勝まで】

朝比奈沙羅(東海大)と月波光貴穂(帝京大)の強者2人が順当に決勝進出。

朝比奈は2回戦で岡田美咲(山梨学院大)を払腰「一本」(1:35)で一蹴。以降は強敵と連戦も準々決勝は藤原恵美(筑波大)を払腰「有効」、準決勝は山本沙羅(大阪体育大)を払巻込「有効」で下して決勝進出決定。

第2シード扱いを受けた月波は2回戦で井上舞子(淑徳大)をGS払腰「有効」(GS0:35)で退け、準々決勝は泉田凛(鹿屋体育大)を払腰「有効」で下す。勝負どころの準決勝は滝川真央(日本大)をGS延長戦の末隅落「技有」(GS3:40)で下して決勝へと駒を進めることとなった。

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朝比奈と月波による決勝戦

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朝比奈は丁寧に攻め続け主導権を握る

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延長戦、朝比奈が内股「技有」を奪って熱戦決着

【決勝】

朝比奈沙羅(東海大2年)○GS技有・内股(GS1:37)△月波光貴穂(帝京大3年)

決勝は朝比奈が右、月波が左組みのケンカ四つ。ともに両襟を持ち、組み手を嫌うことなく序盤からがっぷり対峙。

試合を引っ張るのは朝比奈。細かく足先でフェイントを入れながら出足払、大内刈、支釣込足と攻め、46秒には釣り手を伏せての内股に体を捨てる。これは潰れてしまったが、以後も朝比奈は釣り手の手首を立てて二段の小外刈に支釣込足と放って攻勢を継続。

しかし腰の重い月波はなかなか崩れず、取り味には欠けるものの腰を切って前技を仕掛け、手数上の拮抗を演出。主導権は常に朝比奈だがスコアに差をつけるまでには至らないという様相のままあっという間に時間が過ぎ去っていく。

残り30秒を切ると朝比奈いったん攻撃の矛を収め攻防やや膠着。試合は双方ノーポイントのまま、GS延長戦へと持ち込まれることとなる。

延長戦開始早々、双方両襟を掴んだところから朝比奈が払腰。腰を切ろうとした月波の体を足車の形で投げの軌道に載せ掛ける。場内沸くが、これは引き手が切れて潰れてしまい「待て」。

朝比奈は足を動かすことを止めず、細かくそのプレッシャーを受け続けた月波にさすがに疲労がたまり始めた印象。

それでもなかなか月波の牙城は崩れず。しかし朝比奈の技が散発となり始めたGS1分36秒、試合が一気に動く。朝比奈が支釣込足から右大外刈、さらに右内股へと技を継ぐと、2発目に放った大外刈の残像が効いたこの一撃に月波大きく崩れて回転、主審は「一本」を宣告。

これは副審のアピールにより「技有」に訂正されたが試合結果には影響なし。朝比奈が見事学生体重別選手権制覇を成し遂げることとなった。

朝比奈は一貫して丁寧な柔道を志向していた。細かく足技を出し、掛け潰れを最小限にしっかり釣り手を効かせて大技を放ち、単に勝つのみでなく内容までを考えて柔道を組み立てていたように見受けられる。かつては相手に粘られるや巻き込みで「解決してしまう」我慢の利かなさも垣間見せていたが、国内屈指の受けの強さを誇る月波に対してこの安易な解決策を採らずにあくまでしっかり持って攻め続け、「技をまとめる」という解法で獲り切った今大会の姿勢は高く評価されていいだろう。技自体の威力や精度はまだまだだが、この志向を貫く限り伸びしろは十分。今後に大いに期待が持てる戦いぶりであったと高く評価しておきたい。

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最重量級を制した朝比奈沙羅

【入賞者】
優 勝:朝比奈沙羅(東海大)
準優勝:月波光貴穂(帝京大)
第三位:山本沙羅(大阪体育大)、滝川真央(日本大)

朝比奈沙羅選手のコメント
「4月の選抜体重別で怪我(左足首骨折)して、これが5か月ぶりの公式試合。普段とは違う色々な思いがありました。気持ちを前面に押し出して戦えたことが良かった。怪我をしているときよりも復帰してからのほうが辛いことが多かったですが、それで前向きになれた
気がします。次の目標はまず講道館杯で4連覇すること。東京五輪の代表を獲るんだという意地と誇りを持って頑張ります」

【準々決勝】

山本沙羅(大阪体育大)○優勢[指導1]△橋本朱未(淑徳大)
朝比奈沙羅(東海大)○優勢[有効・払腰]△藤原恵美(筑波大)
月波光貴穂(帝京大)○優勢[有効・払腰]△泉田凛(皇學館大)
滝川真央(日本大)○優勢[指導2]△佐藤夢子(富士大)

【準決勝】

朝比奈沙羅○優勢[有効・払腰]△山本沙羅
月波光貴穂○GS技有・浮落(GS3:40)△滝川真央

【決勝】

朝比奈沙羅○GS技有・内股(GS1:37)△月波光貴穂

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