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あす12日から講道館杯、阿部一二三ら若手が腕を撫す・講道館杯全日本体重別選手権各階級みどころ

(2016年11月11日)

※ eJudoメルマガ版11月11日掲載記事より転載・編集しています。
あす12日から講道館杯、阿部一二三ら若手が腕を撫す
講道館杯全日本体重別選手権各階級みどころ
平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会はあす12日に千葉ポートアリーナ(千葉市)で開幕、各カテゴリの予選を勝ち抜いた精鋭たちによって2日間にわたる熱戦が繰り広げられる。

来年8月の世界選手権(ハンガリー・ブタペスト)の第一次選考会を兼ねる今大会は「リオ-東京期」の幕開けを告げる最重要大会。階級の序列再編成を掛けて2番手以降の強豪がほぼ過たず参加することとなり、組み合わせ自体の熱量が非常に高い、これまでの五輪直後とは様相異なるかなり豪華な陣容で行われることとなった。リオデジャネイロ五輪における日本代表の活躍を受けて、例年にない熱戦が繰り広げられること間違いなし。

どの階級も豪華すぎるほど豪華な陣容が揃うが、わけても2020年東京五輪に向けた若手の躍進という観点から特に注目されるのが男子66kg級と100kg級、そして女子63kg級。

男子66kg級は選抜体重別を圧倒的な内容で制した阿部一二三(日体大1年)が主役。周囲を固めるライバルたちも昨年この大会で阿部の五輪の夢を砕いた丸山城志郎(ミキハウス)、世界選手権で2度代表を務めた髙市賢悟(旭化成)、アジア大会代表の髙上智史(旭化成)と多士済々。100kg級は既に国際大会の上位常連として世界に認知されているウルフアロン(東海大3年)と、日本の「エースの系譜」に連なる大物として評判高く今季ジュニア以下の試合を全て圧勝している飯田健太郎(国士舘高3年)の活躍に注目が集まる。

女子63kg級は今大会から戦線復帰する嶺井美穂(桐蔭横浜大1年)、学生体重別を素晴らしい内容で制してついに復調気配の津金恵(筑波大3年)、選抜体重別王者の能智亜衣美(筑波大3年)、世界ジュニア王者鍋倉那美(三井住友海上)ら若手4人の競演がみもの。五輪でメダルに届かなかった苦戦階級だけに、代表田代未来に対抗し得る人材の輩出が期待される。

大会の日程と各階級のみどころは下記。

【大会日程】
12日(土)
[男子]60kg級、66kg級、73kg級、81kg級
[女子]70kg級、78kg級、78kg超級

13日(日)
[男子]90kg級、100kg級、100kg超級
[女子]48kg級、52kg級、57kg級、63kg級

大会組み合わせ(全柔連サイト)
http://www.judo.or.jp/p/39572

【各階級みどころ】

[60kg級]
五輪代表を最後まで争った志々目徹(了徳寺学園職)が優勝候補の筆頭。大島優磨(国士舘大4年)、木戸慎二(パーク24)、青木大(日体大4年)、永山竜樹(東海大2年)らがこれに絡む。コンディション調整が重要で、かつスコア差がつきにくい軽量級ゆえ蓋を開けてみるまでわからないところはあるが、その中にあって全日本学生柔道体重別団体で異常な取り味を発揮したばかりの大島の出来には特に注目したい。

[66kg級]
前述の通り最注目階級の一。もっとも注目すべきは阿部だが、先に上げた丸山、高上、髙市のほかにも竪山将(パーク24)、橋口祐葵(明治大4年)、六郷雄平(了徳寺学園職)、さらに浅利昌哉(東海大3年)、西山祐貴(日体大4年)、藤阪太郎(国士舘大4年)、磯田範仁(国士舘大3年)と期待できる人材だらけ。どの山もまったく息が抜けない。阿部は3回戦が最初の山場で、対戦が予想されるのは浅利、橋口、末木貴将(筑波大3年)のいずれか。地力と一発の強さで張り合うなら橋口、縺れる展開なら取り味のある寝技を展開する浅利にもチャンスあり。

[73kg級]
中矢力(ALSOK)が第1シードで、他3つのブロックに比べると比較的戦い易い組み合わせ。第2シード扱いの橋本壮一(パーク24)が対抗馬だが、早くも2回戦で西山雄希(了徳寺学園職)戦という厳しい山場が待ち受ける。積年のライバル同士による「つぶし合い」は序盤戦の注目ポイント。
若手の期待は昨年の学生王者・福岡克仁(日本大2年)。初戦がベテラン前野将吾(旭化成)という難しいカードだが、以降のライバルは竹中英士(東海大3年)、山本悠司(天理大3年)、込山龍哉(東海大2年)とイキのいい若手ばかり。明らかにメッセージとして組まれた「若手枠」を勝ち抜くのは誰か、大いに注目したい。

[81kg級]
第1シードは昨年事実上の国際大会2番手扱いを受けながらブレイク出来なかった丸山剛毅(パーク24)。第2シード位置は実業個人の90kg級を素晴らしい内容で制した長島啓太(日本中央競馬会)が獲ったが、もっとも注目すべきは渡邊勇人(了徳寺学園職)ではないだろうか。実業個人を制しながら、ボーナスゲーム的に派遣されたグランプリ・タシケントでまさかのタイトル奪取失敗、今大会に捲土重来を賭けておりモチベーションの高さは比類なし。組み合わせは3回戦で渕原慎一(日体大4年)、準々決勝で川上智弘(國學院大職)か山本幸紀(筑波大4年)というなかなか厳しいもの、真価が問われる大会だ。

[90kg級]
第1シードの西山大希(新日鐵住金)の山に垣田恭兵(旭化成)と加藤博剛(千葉県警)が詰め込まれるというタフなトーナメント。江畑丈夫(国士舘大3年)、二見省吾(國學院大2年)、前田宗哉(東海大3年)に関東学生王者の三戸雄生(筑波大4年)までが2戦の中に詰め込まれたBブロック上側の山はかなりの見ものだ。優勝候補は西山、しかしこの人が上記2名に潰される事態となれば以後のトーナメントは先の見えない大混戦となるだろう。

[100kg級]
前述の通り目玉はウルフアロンと飯田健太郎の2人だが、この階級も人材豊富で非常に面白く、息が抜けない。ウルフは準々決勝で川田修平(明治大2年)か新添悠司(筑波大4年)の挑戦を受け、準決勝の対戦候補は後藤隆太郎(慶應義塾大4年)、阪本健介(了徳寺学園職)、長尾翔太(兵庫県警)、制野孝二郎(センコー)といずれもひと癖あるつわものばかり。飯田は初戦でいきなり小林大輔(はっとり鍼灸接骨院)との対戦があり、ここが大きな山場。準決勝まで進めば長身の下和田翔平(京葉ガス)が待ち受ける。飯田がこのタイプと試合をすることは当然ながら滅多になく、国際大会における飯田の適性を試すにはこれ以上ないカードと見る。

[100kg超級]
四つ角シードが七戸龍(九州電力)、西潟健太(旭化成)、王子谷剛志(旭化成)、上川大樹(京葉ガス)。さらに上川の山に百瀬優(旭化成)、西潟の山に学生カテゴリ連覇者小川雄勢(明治大2年)が置かれるという、あたかも全日本選手権かと見まがう超豪華陣容。ジュニア世代からは太田彪雅(東海大1年)、山田伊織(国士舘大1年)、田中源大(明治大2年)のエントリーもありみどころには事欠かない。1日この試合場を見ているだけでも大満足の熱戦となるはずだ。

[48kg級]
浅見八瑠奈が引退し、陣容一気にスケールダウン。渡名喜風南(帝京大3年)が第1シードを張るが、国内大会にあっては成績が安定し切らず絶対の優勝候補として推すのは難しい。他選手にも決定的に推せるだけの材料がなく、混戦が予想されると評しておくしかない。若手では高卒新人の坂上綾(三井住友海上)のスケール大きい柔道に期待。

[52kg級]
志々目愛(了徳寺学園職)、西田優香(了徳寺学園職)、橋本優貴(コマツ)と大物が出揃った。対抗勢力になり得る谷本和(ALSOK)と併せて、五輪後どれだけ自分をモチベート出来ているかどうかが最大のカギ。ベテラン多く、かつ国際大会でなかなか勝ち切れないという階級全体に漂う閉塞感を打破すべく、若手では阿部詩(夙川学院高3年)の気風の良い柔道に注目、富沢佳奈(埼玉栄高2年)と前田千島(三井住友海上)ら世界カデあがりの選手にも大いに期待したい。

[57kg級]
63kg級と並ぶ注目階級。昨年快進撃、1年躍進が早ければ五輪もあり得たとの評もある芳田司(コマツ)を序列上の最注目選手としてまず挙げておくべきだろう。国際舞台では松本薫に次ぐ強者として認知された感のある芳田が「リオ-東京期」の牽引車たり得るかが問われる大事な大会。対抗勢力として宇髙菜絵(コマツ)、石川慈(コマツ)、山本杏(国士舘大4年)ら実績ある選手がズラリと並ぶ充実の陣容であるが、先の学生体重別で久々素晴らしいパフォーマンスを見せた出口クリスタ(山梨学院大3年)と、地力は明らかに国際クラスの玉置桃(三井住友海上)、そしてジュニア以下の大会を全て制した舟久保遥香(富士学苑高3年)の若手3人には特に注目しておきたい。

[63kg級]
前述の通り今大会女子の最注目階級。津金(Aブロック)、嶺井(Bブロック)、能智(Cブロック)、鍋倉(Dブロック)と先に挙げた4人は綺麗にブロックが分かれた。

嶺井は準々決勝で米澤夏帆(龍谷大3年)か貝沼麻衣子(JR東日本)、あるいは土井雅子(環太平洋大3年)とタイプの違う面倒な刺客との対戦が待ち受ける。鍋倉は初戦でしぶとさ階級随一の佐藤史織(山梨学院大)と戦うというこれも非常に厳しい山。

[70kg級]
新井千鶴(三井住友海上)が第1シード。しかし初戦から前田奈恵子(JR東日本)というメダルマッチクラスの敵が配され、勝てば次戦で青柳麗美(環太平洋大1年)か新添左季(山梨学院大2年)の新旧ジュニア王者の挑戦を受けることになるというなかなか厳しい組み合わせとなった。実力の高さ明らかながら常に一定の不安定感漂う新井が、ライバル田知本遥の金メダル獲得を受けて、ここで絶対的な強さを見せつけることが出来るか。新井の脱皮に期待。

[78kg級]
名前だけでトーナメントの陣容を見ればこれ以上ないほど豪華。佐藤瑠香(コマツ)、緒方亜香里(了徳寺学園職)、濱田尚里(自衛隊体育学校)のトップ3名に加えて岡村智美(熊本県警察)、吉村静織(三井住友海上)、髙山莉加(三井住友海上)、若手では梅津志悠(三井住友海上)に佐藤杏香(東海大2年)とどのブロックにも有望選手が目白押しである。
この階級は国内においても、そして世界的にも力と力のぶつかり合いという傾向が強く、いったいに柔道が粗い。一番手として代表を務めた梅木真美が五輪の初戦で惨敗している現状を考えれば、誰が勝つのかという単なる勝ち負けだけでは興味が持ちにくいところがある。優勝者には世界で戦えるような論理性、「この方法論であれば戦える」というような希望と理のある試合を望みたい。

[78kg超級]
第1シードの田知本愛(ALSOK)が欠場。優勝争いはC、Dブロックに詰め込まれた稲森奈見(三井住友海上)、朝比奈沙羅(東海大2年)、山本沙羅(大阪体育大4年)の3人が牽引すると目される。世界選手権の代表争い、ひいてはメダル争いに直結する試合であり大いに注目したいところ。
若手の躍進にも期待したい。田知本が欠けたことで、その下側の山に配されたジュニア王者素根輝(南筑高1年)が入賞争いに絡める可能性が十分出て来た。朝比奈の下側、冨田若春(コマツ)、月波光貴穂(帝京大3年)、児玉ひかる(敬愛高3年)、滝川真央(日本大3年)の4人が2試合に詰め込まれた山も見応え十分。
もうひとつの話題は長年70kg級で期待されて来た上野巴恵が所属を海上自衛隊に変え、なんとこの78kg超級にエントリーしてきたこと。初戦はもと世界ジュニア王者井上愛美(JR九州)とマッチアップ予定、どんな試合を見せてくれるのか非常に楽しみだ。


文責:古田英毅

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