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【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第17回

(2016年11月7日)

※ eJudoメルマガ版11月7日掲載記事より転載・編集しています。
【隔週刊・嘉納治五郎師範のひとこと】第17回
立志 択道 竭力
今回は第13回(http://www.ejudo.info/newstopics/002720.html)で紹介した『青年修養訓』から再度の引用です。
 
今回のひとこと、言葉自体は簡単ですが、「精力善用」や「自他共栄」に比べると知名度が低いためか、耳にしたことがない読者の方が殆どでしょう。ですが、この言葉はその意味を説明した掛け軸を師範が自ら記し、師範席に掲げ門人に示したというくらいですから、師範にとって重要な教えだったことがうかがえます。
 余談ですが、その掛け軸は現在まで講道館に伝わっており、講道館柔道資料館に所蔵されています。白文なので読むのは一苦労ですが、機会があったら是非見ていただきたいと思います。
 
閑話休題。
まず、個々の言葉の意味を簡単に見てみましょう。

「立志(リッシ)」・・・・・・「志を立てる」ことで、目的を設定すること。
「択道(タクドウ)」・・・・「立志」で立てた目的を達成するために最良の手段を選択すること。
「竭力(ケツリョク)」・・・選んだ方法で目的を達成するために力を尽くすこと。

師範はそれぞれ言葉に細かい内容や注意点を述べていますが、大まかに言えばこのようなところで大過ないと思います。

興味深いのは、後年、嘉納師範が、この立志・択道・竭力が精力善用主義と同じ考えから出ていると述べていることです。師範が『青年修養訓』を著したころは、「精力善用」はもちろんのこと、その基となった「心身の力を最も有効に使用する」という柔道の定義も成っていません。成ってはいませんが、その原型となる思想は師範の中にすでにあったと言うことでしょう。
 
ところで、師範は何の為に、このようなことを言うのでしょうか。
一言で言うと、「生まれ甲斐ある人となる」ためです。
人生は有限です。その人生の中で何か意味あることを達成しようとすれば、無駄を極力なくし、自分の持っているリソースを有意義に使う必要があります。その為には、目的をしっかり定め、最良の手段を選び、その目的を成就する為に力を尽くす必要があります。そのことを簡単に伝えるのが「立志」「択道」「竭力」の三語だったのでしょう。
 
本連載では、何度か「精力善用」を空虚な言葉だけにしないことについて触れてきました。この「精力善用」と根を同じにする「立志」「択道」「竭力」が「精力善用」実行の具体的な手順になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


※読みやすさを考慮して引用は『嘉納治五郎大系』から行っています。

著者:元 敏季(ハジメ・トシキ)
1975年生まれ。柔道は中学校から始め、大学までは競技を中心に行うが、卒業論文を機に柔道の文化的側面に関心を持ち、大学院へ進学。凡そ10年、大学院・研究機関に所属するも、研究とは異なる分野の仕事に就き現在に至る。ライフワークとして嘉納治五郎に関する史料を蒐集・研究し、その成果を柔道振興のため発信しようとしている。

※ eJudoメルマガ版11月7日掲載記事より転載・編集しています。

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