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グランドスラム・アブダビ男子7階級レポート

(2016年10月31日)

※ eJudoメルマガ版10月31日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム・アブダビ男子7階級レポート
■60kg級・ガリーゴスがツアー初優勝、決勝でブラジルの2番手タカバタケを破る
(エントリー13名)

【入賞者】
1.GARRIGOS, Francisco(ESP)
2.TAKABATAKE, Eric(BRA)
3.OGUZOV, Albert(RUS)
3.REVOL, Cedric(FRA)
5.MSHVIDOBADZE, Robert(RUS)
5.SADIGOV, Mehman(AZE)
7.ABASOV, Abbas(TKM)
7.MANQUEST, Vincent(FRA)

2014年の世界ジュニア王者フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)がワールドツアー初優勝。初戦(準々決勝)でヴィンセント・マンクエスト(フランス)に内股「一本」(1:16)、以降はアルバート・オグゾフ(ロシア)にGS「指導2」、エリック・タカバタケ(ブラジル)に「指導2」優勢と決して勝ちあがりは抜群ではなく、相手のレベルも普段のツアーの決勝ラウンド進出ギリギリレベル。もろ手を挙げて評価出来る内容ではないが、グランドスラム制覇の実績は大きい。十分上昇のきっかけになり得る大会であった。

【準決勝】

エリック・タカバタケ(ブラジル)〇背負投(4:46)△ロバート・ムシュビドバゼ(ロシア)
フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)〇GS指導2(GS1:31)△アルバート・オグゾフ(ロシア

【3位決定戦】

セドリック・ルボル(フランス)◯一本背負投(4:40)△ロバート・ムシュビドバゼ(ロシア)
アルバート・オグゾフ(ロシア)◯腕挫十字固(0:50)△メーマン・サディゴフ(アゼルバイジャン)

【決勝】

フランシスコ・ガリーゴス(スペイン)◯優勢[指導2]△エリック・タカバタケ(ブラジル)

■66kg級・ガルスチャン好パフォーマンスも3位、優勝は後輩の25歳シャミロフ
(エントリー15名)

【入賞者】
1.SHAMILOV, Yakub(RUS)
2.MUKANOV, Azamat(KAZ)
3.CHIBANA, Charles(BRA)
3.GALSTYAN, Arsen(RUS)
5.JEREB, Andraz(SLO)
5.OLEINIC, Sergiu(POR)
7.BOUCHER, Mathias(FRA)
7.VIERU, Denis(MDA)

ロンドン五輪金メダリストのアルセン・ガルスチャン(ロシア)と地元で五輪代表の大役を務めたばかりのチャールス・チバナ(ブラジル)がトーナメントの二巨頭。

ガルスチャンは風格ある試合を披露、さすがというところを見せたがなぜか同国の後輩ヤクブ・シャミロフ(ロシア)との準々決勝だけはまったく様相が違い、覇気ない柔道のまま出足払と横四方固の合技であっさり一本負け(1:44)。レペチャージ以降はまたもやさすがのパフォーマンスを見せたが、最終成績は3位にとどまった。

チバナは初戦を抱分と隅返の合技で勝利し順調な出だしだったが、準々決勝のアザマット・ムカノフ(カザフスタン)戦で袖釣込腰を仕掛けた際に、投げ切ろうと頭から畳に突っ込んでしまいエクスキューズなしのダイレクト反則負け。こちらも3位を確保するのみで不本意な内容のまま大会を終えた。

優勝はシャミロフ。初戦でアシュカット・テルマノフ(カザフスタン)を浮技「有効」で破って以降決勝まで2連続一本勝ち。決勝もムカノフを特異の肩車で投げつけ「技有」で奪うなど全試合で投技のポイントを挙げるという、好内容での勝利だった。ツアーの主役級になり得るかどうかはまだ何とも言えないが、相撲の「居反り」のような形で決める得意の肩車は威力も華もある面白い技、なかなかの強者である。25歳と決して若くないが伸びしろも感じられ、以後を楽しみに見守りたいところ。

【準決勝】

ヤクブ・シャミロフ(ロシア)◯大内刈(3:48)△アンドラッツ・ジェレブ(スロベニア)
アザマット・ムカノフ(カザフスタン)〇優勢[技有・内股]△セルジュ・オレニック(ポルトガル)

【3位決定戦】

アルセン・ガルスチャン(ロシア)◯合技[大外巻込・巴投](1:13)△セルジュ・オレニック(ポルトガル)
チャールス・チバナ(ブラジル)◯優勢[有効・背負投]△アンドラッツ・ジェレブ(スロベニア)

【決勝】

ヤクブ・シャミロフ(ロシア)◯優勢[技有・肩車]△アザマット・ムカノフ(カザフスタン)


■73kg級・オルジョフ決勝で意外な敗退、優勝はダークホースのマシアス
(エントリー13名)

【入賞者】
1.MACIAS, Tommy(SWE)
2.ORUJOV, Rustam(AZE)
3.MOGUSHKOV, Musa(RUS)
3.SCVORTOV, Victor(UAE)
5.GULUZADA, Fagan(AZE)
5.VAN T WESTENDE, Sam(NED)
7.CONTINI, Marcelo(BRA)
7.POMBO SILVA, Alex William(BRA)

五輪銀メダリストの大本命ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)が準決勝で地元の雄ヴィクター・スクボトフ(UAE)を外巻込「技有」で破って決勝進出。このまま順当に表彰台の真ん中に立つかと思われたが、勝者はランキング24位のトミー・マシアス(スウェーデン)。決勝ではオルジョフのお株を奪う小外掛「技有」で勝利、23歳にして見事キャリア初のワールドツアー優勝を決めた。マシアスは3戦して2つの一本勝ち、準決勝ではムサ・モグシコフ(ロシア)の小内刈を呼び込んで被り返し豪快な「一本」を奪っており、全戦通じて堂々たる内容であった。オルジョフは不調というわけではなかったが、一貫してやや集中力を欠いた印象。

81kg級のセルジュ・トマと並んで期待された地元選手スクボトフは決して好調ではなかったが3位を確保。スポンサーである王族たちの前で面目を保った。

【準決勝】

ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)〇優勢[技有・外巻込]△ヴィクター・スクボトフ(UAE)
トミー・マシアス(スウェーデン)◯浮落(3:48)△ムサ・モグシコフ(ロシア)

【3位決定戦】

ムサ・モグシコフ(ロシア)◯引込返(2:01)△ファガン・グルザダ(アゼルバイジャン)
ヴィクター・スクボトフ(UAE)◯GS優勢[有効・巴投](GS0:49)△サム・ファンヴェステンド(オランダ)

【決勝】

トミー・マシアス(スウェーデン)◯優勢[技有・小外掛]△ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)


■81kg級・トマがしっかり優勝、地元でエースの重責果たす、
(エントリー20名)

【入賞者】
1.TOMA, Sergiu(UAE)
2.PENALBER, Victor(BRA)
3.DE WIT, Frank(NED)
3.MRVALJEVIC, Srdjan(MNE)
5.KHAMZA, Didar(KAZ)
5.VOROBEV, Ivan(RUS)
7.CSOKNYAI, Laszlo(HUN)
7.UNGVARI, Attila(HUN)

リオ五輪で銅メダルを獲得した地元UAEのセルジュ・トマと、こちらは地元開催の五輪で代表の重責を務めあげたヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)の本命対決が決勝で実現。トマが優勝して凱旋大会を美しく飾った。

トマは明らかに本調子ではなく、注目された準々決勝のイワン・ヴォロベフ(ロシア)戦では「指導1」による辛勝。決勝で奪った浮落「有効」も、ペナウベルがスリップを隅返に偽装した自滅に見えないこともなく、「中東の笛」に助けられた感大いにありだった。しかし準決勝では実力上昇中のフランク・デビド(オランダ)から隅落「有効」に大内刈「一本」と立て続けに奪うなど見せ場も作って面目躍如。IJFが政治的配慮で無理やり「グランドスラム」に昇格させ、なんとしても大会を盛り上げなければならないという事情があるなかで、地元のエースの重責を十分果たしたと言って良いかと思われる。

【準決勝】

セルジュ・トマ(UAE)◯大内刈(4:25)△フランク・デビド(オランダ)
ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)〇優勢[有効・大内刈]△スルジャン・ムルバルジェビッチ(モンテネグロ)

【3位決定戦】

スルジャン・ムルバルジェビッチ(モンテネグロ)◯優勢[有効・支釣込足]△イワン・ヴォロベフ(ロシア)
フランク・デビド(オランダ)◯反則[足取](1:03)△ディダー・カムザ(カザフスタン)

【決勝】

セルジュ・トマ(UAE)◯優勢[有効・浮落]△ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)

■90kg級・クコル全試合一本勝ちで優勝、2位クルジェとともに五輪前の好調保つ
(エントリー15名)

【入賞者】
1.KUKOLJ, Aleksandar(SRB)
2.CLERGET, Axel(FRA)
3.MAJDOV, Nemanja(SRB)
3.SAFGULIYEV, Tural(AZE)
5.CONRAD, Hannes(GER)
5.STEWART, Max(GBR)
7.BETTONI, Eduardo(BRA)
7.KLAMMERT, David(CZE)

第1シードのアレクサンダー・クコル(セルビア)が全試合一本勝ちで優勝。名のある相手は決勝でマッチアップしたアクセル・クルジェ(フランス)くらいで決してレベルの高いトーナメントではなかったが、この内容は見事。

2強と目されたクコルとクルジェは決勝までともに全試合一本勝ち(※クルジェは相手のダイレクト反則負け1試合を含む)。ともに五輪前の好調を維持しており、今後面白い存在になる可能性がある。クコルは五輪出場の経験をしっかり栄養にしており、両者ともに次戦における一線級との対戦が非常に楽しみ。

【準決勝】

アレクサンダー・クコル(セルビア)◯横四方固(3:50)△マックス・スチュワート(イギリス)
アクセル・クルジェ(フランス)〇合技[大内刈・崩袈裟固](4:22)△ハネス・コンラート(ドイツ)

【3位決定戦】

ツラル・サラグリエフ(アゼルバイジャン)◯優勢[有効・一本背負投]△ハネス・コンラート(ドイツ)
ネマニャ・マイドフ(セルビア)◯優勢[有効・大内刈]△マックス・スチュワート(イギリス)

【決勝】

アレクサンダー・クコル(セルビア)◯合技[小外刈・横四方固](4:02)△アクセル・クルジェ(フランス)
(エントリー10名)

■100kg級・ママドフが手堅く優勝、ベテランらしい戦術の切り替え光る

【入賞者】
1.MAMMADOV, Elkhan(AZE)
2.CORREA, Luciano(BRA)
3.AWITIALCARAZ, Philip(GBR)
3.DVARBY, Joakim(SWE)
5.KUMRIC, Zlatko(CRO)
5.SERIKBAYEV, Aibek(KAZ)
7.SHUKUROV, Jalil(AZE)
7.

第1シードの2013年リオ世界選手権王者エルカン・ママドフ(アゼルバイジャン)がしっかり優勝。リオ五輪で銀メダルを獲得したエルマー・ガシモフの影に隠れて低調が続き、世界タイトル奪取後3年でツアー制覇は僅か1度のみ(今年5月のグランプリ・アルマティ)であったが、久々存在感を示した大会となった。

決勝の相手はこれも大ベテランで久々決勝ラウンドまで勝ちあがったコヘア、ママドフは「指導2」で優勢勝ち。格下相手にはきれいな組み手で投げを打ち、実力者のコヘア相手には慎重に攻めつつ手堅く勝利を得る。世界選手権3度入賞のベテランらしい、隙のない戦いぶりであった。

【準決勝】

エルカン・ママドフ(アゼルバイジャン)◯優勢[技有・内股透]△ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)
ルシアーノ・コヘア(ブラジル)〇GS指導1(GS0:38)△ヨアキム・ドファービ(スウェーデン)

【3位決定戦】

ヨアキム・ドファービ(スウェーデン)◯合技[一本背負投・横四方固](2:11)△アイベク・セリクバエフ(カザフスタン)
フィリップ・アヴィティアルカラッツ(イギリス)◯棄権△ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)

【決勝】

エルカン・ママドフ(アゼルバイジャン)◯優勢[指導2]△ルシアーノ・コヘア(ブラジル)

■100kg超級・ナテアの勢い止まらず、ビッグスロー連発で
見事優勝飾る

(エントリー10名)

【入賞者】
1.NATEA, Daniel(ROU)
2.VAKHAVIAK, Aliaksandr(BLR)
3.HORAK, Michal(CZE)
3.MOURA, David(BRA)
5.BOSTANOV, Soslan(RUS)
5.BRACHEV, Anton(RUS)
7.SILVA, Joao Cesarino(BRA)
7.ZALAGH, Nabil(FRA)


序盤から持ち味を発揮して思い切りのよい投げを連発したダニエル・ナテア(ルーマニア)がみごと優勝。内訳は準々決勝でジョアオ・シウバセザリオ(ブラジル)に右払腰「一本」(0:35)、準決勝でソスラン・ボスタノフ(ロシア)に左内股「一本」(2:07)、決勝でアリアクサンドル・ヴァカビアク(ベラルーシ)から谷落「技有」と、対戦相手のレベルはともかくその内容はなかなかのもの。体を投げ出すことで破壊力を得たワールドマスターズ優勝時とは少々印象が異なり、今大会ではほとんど巻き込みを使用せず。抑え込み掛けた相手を逃がす場面が2度見られるなど試合展開の雑さも目立ったが、意図して丁寧な柔道を志向している印象であった。

もう1人の優勝候補ダビド・モウラ(ブラジル)は一本勝ち2つで3位を確保も準々決勝では掛け逃げ専門のアントン・ブラチェフ(ロシア)に好きなように暴れられ「指導1」で負け。調整不足か動き自体が悪く、本領発揮には程遠かった。

【準決勝】

ダニエル・ナテア(ルーマニア)◯内股(2:07)△ソスラン・ボスタノフ(ロシア)
アリアクサンドル・ヴァカビアク(ベラルーシ)〇合技[腰車・崩袈裟固](1:40)△アントン・ブラチェフ(ロシア)

【3位決定戦】

ミハエル・ホラック(チェコ)◯優勢[技有・小内刈]△アントン・ブラチェフ(ロシア)
ダビド・モウラ(ブラジル)◯横四方固(0:41)△ソスラン・ボスタノフ(ロシア)

【決勝】

ダニエル・ナテア(ルーマニア)◯優勢[技有・谷落]△アリアクサンドル・ヴァカビアク(ベラルーシ)


文:古田英毅/林さとる

※ eJudoメルマガ版10月31日掲載記事より転載・編集しています。

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