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グランドスラム・アブダビ最終日5階級ひとこと展望

(2016年10月29日)

※ eJudoメルマガ版10月29日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム・アブダビ最終日5階級ひとこと展望
■90kg級
(エントリー15名)

グランドスラムとしてはかなり寂しい陣容のトーナメント。

五輪に出場し現在ランキング14位のアレクサンダー・クコル(セルビア)が第1シード、同15位のアクセル・クルジェ(フランス)が第2シードを張るところまではともかく、以降はツアーで入賞争いに絡むレベルの選手すら僅少。第8シード入りを果たしたチュラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)がランキング79位というところでそのレベルは推して知るべし。クコルは実力派だが勝ちぶり華々しいというタイプではなく、トーナメントが盛り上がるシナリオを想起することがちょっと難しい。戦いぶりの線は細いが、モルドバ移籍組の一である地元選手ミハエル・マーチタン(UAE)の奮起に期待したいというところ。

【プールA】
第1シード:アレクサンダー・クコル(セルビア)
第8シード:チュラル・サフグリエフ(アゼルバイジャン)

【プールB】
第4シード:エドゥアルド・ベットーニ(ブラジル)
第5シード:マックス・スチュワート(イギリス)
有力選手:ミハエル・マーチタン(UAE)

【プールC】
第2シード:アクセル・クルジェ(フランス)
第7シード:フィルディン・ダダショフ(アゼルバイジャン)

【プールD】
第3シード:ピョートル・クチェラ(ポーランド)
第6シード:ガボル・ベル(ハンガリー)

■100kg級
(エントリー10名)

小規模、かつ人材の限られたトーナメント。注目すべきは第1シードのエルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)と第2シードのラファエル・ブザカリニ(ブラジル)。わけてもブザカリニの戦いぶりはぜひ見ておきたい。

ブザカリニは地元で行われたリオ五輪の3回戦で羽賀龍之介と激突。敗れはしたものの、地元の大声援を背にアブない目つきで好試合を演じ、「指導1」の最小失点で切り抜ける健闘を見せた。なかなかブレイクし切れない選手であったが、あの試合は十分キャリア上のきっかけになり得るもの。メンタル的に変化がみられるようであれば面白い。

もと世界王者のママドフはエルマー・ガシモフの躍進の影で昨今早期敗退が増えていたが、ガシモフの五輪銀メダル獲得は少なからず刺激になっているはず。激戦区に配されたブザカリニに比すればかなり組み合わせにも恵まれており、久々の本領発揮が期待されるところ。

【プールA】
第1シード:エルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)
第8シード:アイベク・セリクバエフ(カザフスタン)

【プールB】
第4シード:ズラトコ・クムリッチ(クロアチア)
第5シード:ヤイル・シュクロフ(アゼルバイジャン)


【プールC】
第2シード:ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)
第7シード:ヨアキム・ドゥファービ(スウェーデン)

【プールD】
第3シード:ルシアーノ・コヘア(ブラジル)
第6シード:フィリップ・アウィチャルカラッツ(イギリス)

■100kg超級
(エントリー10名)

注目ポイントは第1シードのダニエル・ナテア(ルーマニア)、そしてダビド・モウラ(ブラジル)の勝ちぶりに尽きる。

ナテアは周知のとおり今季のワールドマスターズで突如ブレイク、巨体をまるごと投げ出すような豪快な柔道で原沢久喜を破って一気に優勝、業界の話題をさらったばかりだ。肝心の五輪ではこの際の肚の据わりぶりが見られず組み手にこだわって迫力減殺、「いつものナテア」に戻って予選ラウンド敗退だったが、変に考えずブンブン体を投げ出してくるワールドマスターズモードの戦いぶりが戻ればこの先も十分ツアーの好役者たりうるはず。人生最高のパフォーマンスを演じたワールドマスターズ、力を発揮できなかった五輪と好対照の2つの大会を経て自身の柔道をどう規定、志向してくるか。見ものである。

モウラは復活したラファエル・シウバ(ブラジル)に最後の最後で抜かれ五輪出場こそならなかったが、ここ2年間の最重量級シーンを引っ張って来た主役の1人。巴投に寝技という硬質な組み立てと戦闘力の高さが売りの一種重量級らしからぬ勝負師だ。次代のエースを名乗るためにもここはしっかり勝っておきたいところ。

【プールA】
第1シード:ダニエル・ナテア(ルーマニア)
第8シード:ヴィト・ドラギッチ(スロベニア)

【プールB】
第4シード:ソスラン・ボスタノフ(ロシア)
第5シード:ミハエル・ホラック(チェコ)

【プールC】
第2シード:モウラ・ダビド(ブラジル)
第7シード:アントン・ブラチェフ(ロシア)

【プールD】
第3シード:アレクサドル・ヴァカヴィアク(ベラルーシ)
第6シード:ナビル・ザラーグ(フランス)

■78kg級
(エントリー9名)

エントリー僅か9名の小規模トーナメント。

見どころは2つ。

1つは第1シードに配されたフッシェ・ステインハウス(オランダ)の出来。この選手は昨年躍進、グランドスラム・チュメンに優勝すると12月のグランドスラム東京でも決勝まで進んで一気に階級きっての強豪へと出世した。しかし2月の段階で五輪代表は先輩マリンダ・フェルケルクに決定、以後もグランドスラム・バクー優勝に欧州選手権2位と結果を残し続けたが五輪の舞台を踏むことはかなわなかった。いよいよ始まる「リオ-東京」期の主役は自分とばかりに、おそらくモチベーションはかなり高いのではないかと見る。

もう1つはフランス次代のエース争い。オドレイ・チュメオが当面現役続行する中ではあるが、ともにブレイクを期待されながらなかなか突き抜けられなかった22歳のマデリーン・マロンガと2015年ユニバーシアード1位の21歳サマハワ・カマラの若手2人が同時起用は注目に値する。マロンガは2014年のグランドスラム・バクーでツアー初優勝、以後も2014年と2015年のグランプリ・サムスンに優勝するなど時折力を示しながらも肝心のところで勝ち切れず、デビュー時の鮮烈さが消えかけているところ。このあたりで存在感を示しておきたい。、

【プールA】
第1シード:フッシェ・ステインハウス(オランダ)
第8シード:ブリジット・ローズ(セイシェル)

【プールB】
第4シード:サマハワ・カマラ(フランス)
第5シード:サマンサ・ソアレス(ブラジル)

【プールC】
第2シード:マデリーン・マロンガ(フランス)
第7シード:アナスタシア・トゥルティン(ウクライナ)

【プールD】
第3シード:クララ・アポテカー(スロベニア)
第6シード:アンナ マリア・ワグナー(ドイツ)

■78kg超級
(エントリー7名)

第2シード扱いのマリアスエレン・アルセマン(ブラジル)の力量が他を圧している。トーナメントを揺らす不確定要素は、五輪を終えたばかりのこの選手のモチベーションのみ。外野から見ればなぜこの早い段階でツアーに復帰するか明確な動機はちょっと見出しがたく、ブラジルが何らかの理由で為した選手大量派遣策にわかりやすい「目玉」として駆り出されたのではという邪推をせざるを得ないところ。

ほかは第1シードがドイツの3番手選手カロリン・ヴァイスという薄さで、キャラクター的にも面白い選手はいない。ぜひアルセマンの大暴れで大会を盛り上げてもらいたいところ。

【プールA】
第1シード:カロリン・ヴァイス(ドイツ)
第8シード:なし

【プールB】
第4シード:イリナ・キンザルスカ(ウクライナ)
第5シード:サンタ・パテニケ(ラトビア)


【プールC】
第2シード:マリアスエレン・アルセマン(ブラジル)
第7シード:クブラ・カラ(トルコ)

【プールD】
第3シード:マリナ・スルツカヤ(ベラルーシ)
第6シード:エリザベタ・カラニナ(ウクライナ)


文責:古田英毅

※ eJudoメルマガ版10月29日掲載記事より転載・編集しています。

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