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平成28年度全日本ジュニア柔道体重別選手権・男子マッチレポート②(81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)

(2016年9月30日)

※ eJudoメルマガ版9月30日掲載記事より転載・編集しています。
平成28年度全日本ジュニア柔道体重別選手権・男子マッチレポート②(81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)
■ 81kg級・佐々木健志が初優勝、藤原崇太郎と天野拓実の強敵2人を連破
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準決勝、藤原崇太郎が佐々木健志から左小外刈でまず「有効」を先制

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佐々木が藤原を攻め返す

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再び投げられた佐々木だが寝勝負で藤原の機先を制し逆転、上四方固「一本」

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準決勝、天野拓実が伊藤将人から巴投「有効」

(エントリー19名)

【決勝まで】

準決勝で藤原崇太郎(日体荏原高3年)対佐々木健志(筑波大2年)という魅力的なカードが実現。2連覇を狙う藤原は2回戦で田中大地(大成高3年)を「指導4」(3:04)で下し、準々決勝は芦川泰隆(東海大2年)を背負投「一本」(1:36)に仕留めるなど持ち味を発揮、順当な勝ち上がり。一方関東ブロック予選を圧倒的な強さで制している佐々木は2回戦で山田史人(鹿屋体育大2年)に裏投「有効」、小外刈「技有」を立て続けに失う苦戦も裏投「一本」(1:54)で収拾して初戦を突破。準々決勝は難敵木崎光輝(松本第一高3年)を腕挫十字固「一本」(3:48)で退け準決勝進出。

迎えた大一番は48秒に藤原が得意の小外掛で「有効」を奪って先制、1分54秒に藤原への「取り組まない」咎による「指導」を経た2分過ぎから試合が激しく動く。藤原が佐々木の右内股の戻りに小外掛を合わせて2つ目の「有効」を奪うが、投げられた佐々木は動きを止めず、下から引き込み返そうとした藤原の体の上に自ら突っ込んで一回転、回り込むなり藤原の上体を制して崩上四方固。一瞬で窮地に陥った藤原は激しく抵抗するが佐々木歯を食いしばって抑え切り逆転の「一本」(2:40)。佐々木は殊勲の勝利、ジュニア以下のカテゴリで無敵を誇った藤原は8月のインターハイに続くタイトル奪取失敗。

昨年度準優勝の正木聖悟(天理大学2年)が欠場した下側の山からは、東京ジュニアの覇者天野拓実(日体大2年)が順当に決勝進出。こちらも2回戦で小原弘暉(筑波大2年)に裏投「技有」をリードされる苦しい出だしだったが、「指導2」を奪い返すと2分34秒に背負投「技有」で逆転、反則累積差でまず初戦を突破。準々決勝は竹下将樹(鹿屋体育大1年)を開始早々の巴投「技有」、さらに小外掛「一本」(2:08)と圧倒して勝ち抜き、準決勝も正木不在の山から勝ちあがって来た伊藤将人(東日本国際大2年)から巴投で「有効」「技有」と連取して圧勝。高校3年時の衝撃的なインターハイ制覇から2年、久々全国大会の決勝へと駒を進めることとなった。

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決勝、天野が出足払で佐々木を大きく崩す

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天野の出足払が「有効」となる

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佐々木が大内刈から反時計回りに押し込み、「有効」奪回

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佐々木はこのまま横四方固に抑え込み「一本」

【決勝】

高校選手権の覇者佐々木、インターハイを制した天野による同学年対決は双方右組みの相四つ。開始するなり天野が右大外刈、佐々木は抱え潰して寝勝負を挑むが「待て」。

直後天野が片襟を差した右の大外刈、戻りながら左の足先を絡ませて小外刈。天野らしい面白い構成の攻撃に佐々木大きく崩れ、ポイントかとも思われたがこれは「待て」。天野はさらに良いタイミングで巴投、佐々木捌いてしっかり回避するが直後の53秒佐々木に「指導1」。
 
天野は片襟を差して右背負投、佐々木は捌くと袖を押し込んで後を向かせ、右小外刈で大きく相手を崩して得意の寝勝負を挑む。以後も天野は右大外刈、佐々木は右一本背負投と激しく攻め合い、両者がともに密着を志向して投げ合う場面も多々。試合は全く息の抜けない展開が続く。

組み際の技の撃ち合いが収束した2分半過ぎ、双方二本持ち合っての攻防が現出。天野が牽制の右小内刈を出すと反応した佐々木が右小内刈で応じる。しかしこれは天野の張った罠、瞬間攻防のスピードを一段上げた天野は振り上げた佐々木の右足を鮮やかに左出足払に捉えて「有効」奪取。試合時間は2分39秒。

奮起した佐々木は食いつくなり飛び込みの右内股。これが受けられると釣り手で前襟を掴んで前進するが天野はこれを切り離すなり引き手で脇を差して右大外刈に変換。仕掛けられればスイッチを押されたがごとく飛び道具を繰り出す、まことに天野らしい面白い柔道で対抗。

直後佐々木が右内股。天野は抱き留めて裏への返し技を狙うが佐々木は大内刈に変換して押し込み、最後は反時計回りに体を捨てて押し込む。天野は食いついていた分我慢が効かず転がり、佐々木が「有効」を奪回。

ここを逃すわけにはいかじと佐々木は得意の寝勝負に持ち込んで天野を立たせず横四方固「一本」。逆転で全日本ジュニア初制覇を成し遂げた。

佐々木と天野の決勝はともに抜群の身体能力を誇る2人が持ち味を出し合った好試合。佐々木の体の強さと勝負勘、天野のトリッキーな技構成に、相手が1アクション起こす間に2つ、3つと攻撃を仕掛ける双方の密度の高い時間感覚が相まって、素晴らしい攻め合いが現出した。藤原を倒し、大会ベストバウト級の攻め合いを制した佐々木にMVPである「JOCジュニアオリンピックカップ」が贈られたのはまことに妥当な評価であった。

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81kg級優勝の佐々木健志。今大会の「JOCジュニアオリンピックカップ」を獲得した。

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81kg級入賞者。左から天野、佐々木、芦川、藤原。

【入賞者】
優 勝:佐々木健志(筑波大2年)
準優勝:天野拓実(日体大2年)
第三位:芦川泰隆(東海大2年)、藤原崇太郎(日体荏原高3年)

佐々木健志選手のコメント
「筑波に入ってやってきたことが生きたかなと思います。決して量が多いわけではないけれど、自分で考えないといけない環境。『質』を意識して考えて来たことが身になっていると思います。高校時代は勝っても負けても思い切り試合が出来ればそれでよしというところがあったのですが、大学に入ってより勝負を意識するようになりました。(-同じ階級の先輩には永瀬貴規選手がいますね?)永瀬さんとの稽古は全てが勉強になります。『勢いだけは消さずに成長していくんだぞ』と言われて、これもかなり意識しています。組み際が苦手だったのですが、小野(卓志)先生に教えてもらえてだいぶ克服出来たかなと思います。自分は成績もまだまだ、一歩一歩成長して、オリンピックを目指すと公言出来るような柔道家になりたいです」

【準々決勝】

藤原崇太郎(日体荏原高3年)○背負投(1:36)△芦川泰隆(東海大2年)
佐々木健志○腕挫十字固(3:48)△木崎光輝(松本第一高3年)
伊藤将人(東日本国際大2年)○優勢[有効・巴投]△濱畑龍也(新田高3年)
天野拓実(日体大2年)○小外掛(2:08)△竹下将樹(鹿屋体育大1年)

【敗者復活戦】

竹下将樹○優勢[有効・大内返]△濱畑龍也
芦川泰隆○優勢[指導1]△木崎光輝

【準決勝】

天野拓実○優勢[技有・巴投]△伊藤将人
佐々木健志○上四方固(2:40)△藤原崇太郎

【3位決定戦】

藤原崇太郎○優勢[有効・小外掛]△竹下将樹
芦川泰隆○優勢[指導1]△伊藤将人

【決勝】

佐々木健志○横四方固(3:45)△天野拓実

■ 90kg級・神鳥剛が初優勝、しぶとい柔道で結果残す
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準々決勝、神鳥剛が深山将剛を組み手の巧さとパワーで圧倒

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準々決勝、二見省吾が安達健太から浮落「有効」を奪って勝ち越し

(エントリー19名)

【決勝まで】

昨年度大会3位、東京ジュニアも制している神鳥剛(明治大1年)が第1シードに配され順当に決勝進出。2回戦で吉田翼(鹿屋体育大2年)を払腰「一本」(3:05)、準々決勝は難敵深山将剛(東海大仰星高3年)に力を出させず「指導2」対「指導1」で勝利し、準決勝は爆発力のある増山香輔(修徳高3年)をこれも「指導2」優勢で完封。手堅い柔道でしっかり決勝まで勝ち抜いて来た。

一方、下側の山では優勝候補の一角と目された田嶋剛希(筑波大1年)が初戦で田中大勝(早稲田大2年)に「指導2」対「指導1」の優勢で破れる波乱。

決勝には二見省吾(國學院大2年)が勝ちあがり。2回戦で須田晃人(金沢学院大2年)を「指導2」優勢、準々決勝は安達健太(東海大2年)と「有効」を取り合った末に相手の低い背負投に的確に反応、浮落「有効」で勝ち越して勝利。準決勝は田中を「指導2」対「指導1」の優勢で退け、高校3年時のインターハイ以来の全国大会決勝の畳へと勝ち進むこととなった。

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決勝、神鳥は引き手で袖をガッチリ掴み続け、組み手の攻防を完全掌握

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二見は担ぎ技で対抗もことごとく横を向かされ、効く角度で入り込めない

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最後まで神鳥が二見をいなし続け、タイムアップ

【決勝】

決勝は神鳥、二見ともに左組みの相四つ。二見開始するなり得意の右袖釣込腰に飛び込むが、これは潰されてしまい「待て」。
以後神鳥は引き手で袖を先んじて得て、二見にまともに組ませないまま大内刈で攻撃。一発はあるが組まないとなかなか技が出ない二見に対し、常に先に袖を得、かつ不十分な形からでも技を繰り出せる神鳥が若干優位に試合を進める。

1分半に横変形で組み合った形から二見が刈り足を大きく伸ばして左大外刈、さらに右の「韓国背負い」で神鳥を大きく崩して攻勢権を獲りかけるが、直後の組み際に右への巻き込みで一方的に潰れてしまう。主審これを見逃さず、1分58秒偽装攻撃の咎で二見に痛恨の「指導1」。

試合巧者の神鳥は直後引き手を先に得て内股、小外刈、小内刈と技を繋いで状況の優位を完全確定。以後は二見の担ぎ技を潰しながら足技と寝技で手堅く試合をまとめに掛かる。残り30秒を切ったところでは組み手を持ち替えながら巧みな出足払で二見に膝を着かせるなど、ここぞというところで的確な攻撃を見せて相手に山場を作らせない。

残り15秒、出足払に崩された二見はあきらめずにそのまま立ち上がって右袖釣込腰を見せるが、神鳥はすかさず潰して寝技に持ち込み、あくまできっかけを与えず。二見が座り込みの右一本背負投を放ったところで終了ブザーが鳴り、神鳥の優勝が決まった。

「確実に勝つことだけを考えた」と戦後語った通り、今大会の神鳥は持てる力を状況の優位確定に注ぎ込み、派手さはないが危ない場面もまた一切なし。深山、増山、二見と爆発力のあるタイプを完封した試合力の高さ際立つ優勝劇であった。

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90kg級優勝の神鳥剛

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90kg級入賞者。左から二見、神鳥、田中、安達。

【入賞者】
優 勝:神鳥剛(明治大1年)
準優勝:二見省吾(國學院大2年)
第三位:田中大勝(早稲田大2年)、安達健太(東海大2年)

神鳥剛選手のコメント
「とにかく今日の試合では組み手を徹底しました。『一本』を取りに行くよりまずは『指導』を取って確実に勝つことを意識しました。決勝も相手が担ぎを狙っていることがわかったので、距離を取りながら、『指導』の有利をしっかり守ることを意識しました。勝負は負けてしまったら意味がありませんから。五輪、世界に出れる選手になるために、とにかく勝つことにこだわります。体重別団体ではベイカー茉秋選手と対戦するかもしれないので、楽しみにしています。挑戦する心を忘れずに、勝ちにこだわって戦います」

【準々決勝】

神鳥剛(明治大1年)○優勢[指導2]△深山将剛(東海大仰星高3年)
増山香輔(修徳高3年)○優勢[有効・小外刈]△森近唯(崇徳高3年)
田中大勝(早稲田大2年)○GS送襟絞(GS0:47)△阿部拓馬(新庄東高2年)
二見省吾(國學院大2年)○優勢[有効・浮落]△安達健太(東海大2年)

【敗者復活戦】

森近唯○優勢[指導3]△深山将剛
安達健太○肩固(0:56)△阿部拓馬

【準決勝】

二見省吾○優勢[指導2]△田中大勝
神鳥剛○優勢[指導2]△増山香輔

【3位決定戦】

安達健太○横四方固(1:57)△増山香輔
田中大勝○優勢[指導2]△森近唯

【決勝】

神鳥剛○優勢[指導1]△二見省吾

■ 100kg級・飯田健太郎が他を圧倒、大物ぶりみせつけ2連覇飾る
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2回戦、飯田健太郎が荒木佳祐から内股「一本」

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準決勝、飯田が川田修平から内股「有効」

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2回戦、伊藤好信が石山潤平を裏投に捉え「有効」

(エントリー19名)

【決勝まで】

8月のインターハイで12戦オール一本勝ちという凄まじい勝ちぶりを見せた飯田健太郎(国士舘高3年)が2連覇目指して順当に勝ち上がる。一週間前に膝に溜まった水を抜いたばかり、詰めた稽古が出来ていないとのことだったがそれでも2回戦で荒木佳祐(関西大2年)を内股「一本」(0:46)、準々決勝は早川佑斗(東海大1年)の徹底警戒を跳ね除けて内股「技有」に「指導3」まで積んで余裕を持って勝ち抜け、勝負どころと目された川田修平(明治大2年)戦も1分32秒に上げた内股「有効」を以てこれも危なげなく勝利。ここまで全試合がしのぐ側にとって戦いやすいケンカ四つ、かつ全ての相手が投げだけは食うまいと徹底的に粘るという厳しい状況をまったく問題にせず、大過なく決勝まで勝ち進んだ。

飯田に対するは、昨年度も決勝で相まみえた伊藤好信(東海大1年)。こちらは2回戦で強敵石山潤平(天理大1年)をGS延長戦の末裏投「有効」(GS2:13)で下して初戦突破、準々決勝は神垣和也(崇徳高2年)を一本背負投「一本」(3:09)で破り、準決勝は2回戦で石川竜多(筑波大1年)が消えた混戦ブロックを勝ちあがって来た吉野敦哉(鹿屋体育大1年)から一本背負投「技有」、一本背負投「有効」、背負投「有効」と立て続けに3つのポイントを奪って快勝。昨年の雪辱を期して決勝の畳に上がる。

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決勝、飯田が豪快な「やぐら投げ」で一本勝ち

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【決勝】

決勝は飯田、伊藤ともに右組みの相四つ。飯田が先に持つと伊藤が組み手を巧みに直し、あるいはいなす中で飯田が右内股と出足払で一発を狙い、伊藤は左一本背負投に巴投と取り味のある技を仕掛けて試合を作りに掛かるという展開。緊張感に場内静まり返ったまま試合が進行する。

1分半過ぎ、飯田が釣り手を叩き入れながら右大外刈。技は不発だったが、飯田はこれで組み手をしっかり確保。飯田の組み手をはがそうと伊藤大内刈を試みるが飯田はしっかりつかんだ両の手を離さず状況を作り、1分47秒引き手を脇下から背中に持ち替えるなり「やぐら投げ」。伊藤の体を完全に持ち上げると左に腰を切り返し、落下する相手を空中でまたいでコントロール。そのまま自分の真下に相手を叩きつけてフィニッシュ、これは文句なしの「一本」。飯田、怪物性を存分に見せつけ見事2連覇を達成した。

負傷の影響もあり、ケンカ四つの対戦が続いた準決勝までの勝ちぶりはインターハイに比すれば大人しいものであったが、相四つとの対戦になるなりこの爆発力。体幹の力抜群で、かつ低い背負投が得意で「自分より強いものを倒す」型の柔道が出来る伊藤をここまで鮮やかに投げつける地力の高さはやはり凄まじいものがある。11月の講道館杯で飯田がどこまでやれるかは、今季下半期における日本柔道界最大の注目ポイントと言えるのではないだろうか。

3位には川田、そして今季高校カテゴリで主役級の活躍を見せた山下魁輝(木更津総合高3年)が入賞した。

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100kg級で2連覇達成の飯田健太郎

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100kg級入賞者。左から伊藤、飯田、山下、川田。

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準々決勝、飯田が早川佑斗から内股「技有」。一時は「一本」が宣告された豪快な一撃だった。

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準決勝、伊藤好信が吉野敦哉に左一本背負投。両手で左腕を引き寄せ続けて「技有」

【入賞者】
優 勝:飯田健太郎(国士舘高3年)
準優勝:伊藤好信(東海大1年)
第三位:山下魁輝(木更津総合高3年)、川田修平(明治大2年)

飯田健太郎選手のコメント
「ケガの影響で1週間前から稽古が出来ておらず、勝ててホッとしてます。去年は勢いで勝った部分もあるので、今年は自分の実力をしっかり出して優勝しようと考えていました。春の選手権で負けてから(※団体戦決勝で藤原崇太郎に「有効」優勢)、生活全体、食生活と全てを変えて、苦手だったウエイトトレーニングもやってレベルアップに取り組んできました。(-リオ五輪を見ていかがですか?)刺激を受けました。4年後には絶対自分が出るんだという強い気持ちを持って頑張ります。一歩一歩しっかりやっていきたいですが、講道館杯は絶対に優勝したい。(-自分の柔道とは、どんな柔道?)最後まで掛け切って『技』で『一本』を取る柔道です」

【準々決勝】

飯田健太郎(国士舘高3年)○優勢[技有・内股]△早川佑斗(東海大1年)
川田修平(明治大2年)○GS有効・内股(GS1:17)△山下魁輝(木更津総合高3年)
伊藤好信(東海大1年)○一本背負投(3:09)△神垣和也(崇徳高2年)
吉野敦哉○小外刈(1:58)牛丸了英(皇學館大2年)

【敗者復活戦】

牛丸了英○小外刈(2:18)△神垣和也
山下魁輝○優勢[有効・内股返]△早川佑斗

【準決勝】

飯田健太郎○優勢[有効・内股]△川田修平
伊藤好信○優勢[技有・一本背負投]△吉野敦哉

【3位決定戦】

山下魁輝○体落(1:54)△吉野敦哉
川田修平○優勢[指導3]△牛丸了英

【決勝】

飯田健太郎○浮落(1:47)△伊藤好信

■ 100kg超級・太田彪雅がライバル対決に完勝、初のジュニア制覇成る
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100kg超級2回戦、太田彪雅がGS延長戦の末根津信太から内股返「有効」

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準々決勝、太田が西田将樹から内股「技有」

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準々決勝、山田伊織が古川裕熙を内股で攻める

(エントリー19名)

【決勝まで】

東京ジュニアを制した香川大吾(東海大2年)が欠場。目玉と目された太田彪雅(東海大1年)と山田伊織(国士舘大1年)が順当に決勝まで勝ち上がった。

第1シード扱いの太田はしかし2回戦で根津信太(筑波大3年)と対戦するという厳しい組み合わせ。この試合は大激戦となったが太田は攻め続ける姿勢を崩さずにGS延長戦の末内股返「有効」(GS2:04)で勝利。準々決勝は九州ジュニアを制している西田将樹(大牟田高3年)を内股「技有」で下し、準決勝ではここまで2回戦で一色勇輝(日本大2年)を大内刈「一本」、準々決勝で星野太駆(作陽高3年)を8分35秒の激戦の末大内刈「有効」で破るなど大健闘の佐藤貴成(神港学園神港高3年)を「指導3」対「指導1」の優勢でしっかり退けて決勝進出決定。

山田は2回戦で宮浦司(福井工大1年)を大外刈「一本」(1:42)、準々決勝で古川裕熙(天理大2年)を支釣込足「技有」による優勢でそれぞれ勝利。準決勝では上野翔平(筑波大1年)から中盤に挙げた袈裟固「有効」でリード、最終盤に腕緘「一本」(3:53)を奪ってトドメを刺し、ライバル太田が待ち受ける決勝への勝ち上がりを決めた。

関東ジュニアを圧勝で制した期待された草間優登(東京学館浦安高3年)は階級きっての試合巧者・奥野拓未(東海大2年)に完封されて「指導1」優勢で1回戦敗退。勝った奥野は星野太駆に試合時間7分42秒という激戦の末内股返「有効」で敗れ、星野は前述の通り試合時間8分の熱戦の末同学年の佐藤に敗れて、と太田が勝ちあがった上側の山は激戦の連続。3位には、香川の代役で出場し3位決定戦で佐藤を破った清水拓実(東海大1年)と、上野が入賞した。

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決勝、太田が右内股で先制攻撃

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太田は両手を高く保って優位確保

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一貫して組み手の優位は太田にあり、抱きつこうとする山田の意図をことごとく封殺

【決勝】

決勝は太田が右、山田が左組みのケンカ四つ。
太田は躊躇なく釣り手を高く持ち、引き手を得るなり右払腰で先制攻撃。しばしの引き手争いを経ると再び釣り手を高く、引き手の袖をしっかり握って腰を切りながら相手を牽制。小外刈、出足払、小内刈と足技を出し続けて主導権を握ると、1分4秒技の出ない山田に「指導1」。

以後も太田は細かく足技を出し続けて攻勢。状況に業を煮やした山田は得意の密着戦を挑もうと釣り手で背を抱きに掛かるが心得た太田巧みに急けて距離を取り直し、襟をしっかり掴んで右内股で攻める。なかなか思い切った攻撃が出来ない山田にはベンチから「見過ぎだぞ!」と激しい叱咤が飛ぶ。

これに奮起した山田、釣り手で一旦高い位置で襟を得て呼吸を整えると、背中に持ち替えての密着を狙う。しかし太田は山田の持ち替えアクションをいち早く察知、間合いを取るとすかさず足を払ってその出足を止め、揺るがず。ここで山田に2つ目の「指導」が宣告される。経過時間は2分25秒、残り時間は1分35秒。

山田背中を掴みに掛かるが太田は斜めに体をずらして横襟を掴みその意図をくじく。山田は「ケンカ四つクロス」の形で太田の左を一旦確保、次いで引き手を狙うが太田はこれも事前に察知して持たせず、あくまで山田に形を作らせない。

後のない山田は引き手不十分ながら左内股で追撃。太田は釣り手を高く握って形上の優位を保ち続けるがそこからの決定打が出ず、残り26秒で双方に「指導」。累積警告は太田が「1」、山田が「3」。

ここに至って山田はスクランブル体勢、両襟を握って左内股を2連発するが太田はその手をはがして間合いを取り直し、決定的な場面には至らず。残り8秒、山田が突進して背を抱きに掛かるが太田がいなし、はたき込む形になったところで試合終了。「指導3」対「指導1」の優勢で太田の勝利が確定した。

太田は昨年3月に行われた全国高校選手権無差別以来のタイトル奪取。決勝でライバル山田を「しっかり持つこと」という一点突破で完封したことでわかる通り、地力の上昇は明らか。加えて「巻き込み」を我慢して釣り手で襟を持ったまま投げ切ろうとした、その王道志向を大いに評価したい。太田は小学、中学、高校と常に全国優勝を果たしつつも、それぞれのキャリアの最終盤には勝ちを意識しすぎて巻き込みに頼り、柔道自体は閉塞していた。キャリアを通じて巻き込み過多による閉塞と、この修正による上昇を繰り返してきた感ありだが、今回の「我慢」にはこれまでにない徹底性が感じられる。東海大の教育ポリシーがにおい立つ、非常に興味深い戦いぶりだった。

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100kg超級優勝の太田彪雅

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100kg超級入賞者。左から山田、太田、上野、清水。

【入賞者】
優 勝:太田彪雅(東海大1年)
準優勝:山田伊織(国士舘大1年)
第三位:清水拓実(東海大1年)、上野翔平(筑波大1年)

太田彪雅選手のコメント
「(山田伊織選手は)中学からいままで5回戦っています。これまで4回勝っていますし、簡単な相手ではないですが負けるとは思っていませんでした。投げることはできませんでしたが、良い試合が出来たと思います。背中を掴んで来ることはわかっていましたし、相手の組み手を阻止出来たのが良かった。(-巻かなくなりましたね?)はい(笑)。巻かずに、きちんと組んで自分の技で投げることを意識しています。今はまだジュニアですが、シニアでしっかり活躍できるようになりたい。自分は超級では小さいので、体格を使うというより、技術で体を生かすような戦い方をしていきたいです」


【準々決勝】

太田彪雅(東海大1年)○優勢[技有・内股]△西田将樹(大牟田高3年)
佐藤貴成(神港学園神港高3年)○GS有効・大内刈(GS0:35)△星野太駆(作陽高3年)
上野翔平(筑波大1年)○GS指導2(GS0:57)△清水拓実(東海大1年)
山田伊織(国士舘大1年)○優勢[技有・支釣込足]△古川裕熙(天理大2年)

【敗者復活戦】

西田将樹○優勢[指導2]△星野太駆
清水拓実○優勢[指導1]△古川裕熙

【準決勝】

太田彪雅○優勢[指導3]△佐藤貴成
山田伊織○腕緘(3:53)△上野翔平

【3位決定戦】

上野翔平○GS技有・内股返(GS1:13)△西田将樹
清水拓実○優勢[指導1]△佐藤貴成

【決勝】

太田彪雅○優勢[指導3]△山田伊織(国士舘大1年)




取材・文:古田英毅

※ eJudoメルマガ版9月30日掲載記事より転載・編集しています。

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