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投げにこだわり小幡礼希が連覇達成、6年生重量級は坂口稜が撃ち合い制して初優勝・第13回全国小学生学年別柔道大会男子4階級レポート

(2016年9月14日)

※ eJudoメルマガ版9月14日掲載記事より転載・編集しています。
投げにこだわり小幡礼希が連覇達成、6年生重量級は坂口稜が撃ち合い制して初優勝・第13回全国小学生学年別柔道大会男子4階級レポート
■ 5年生男子45kg級・手数勝負に徹して中村束琉が優勝
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決勝8試合のオープニングは5年男子軽量級。試合開始を待つ川端倖

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しぶとく決勝まで勝ち残った中村束琉

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中村が両袖の袖釣込腰を仕掛ける

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中村は低い袖釣込腰を連発して川端に攻める暇を与えず

決勝に進んだのは川端倖明(千葉県・中山柔道会)と中村束琉(山口県・福川柔道スポーツ少年団)の2名。

川端は1回戦で加藤丈一(鳥取県・米子市柔道少年団)を袖釣込腰「一本」(0:14)、2回戦で広瀬大和(石川県・津幡町少年柔道教室)を崩袈裟固「一本」(1:57)、3回戦で福田大和(兵庫県・二見少年柔道クラブ)を旗判定の優勢、準々決勝は浦麻月(長崎県・講志館)を崩袈裟固「一本」(1:00)、準決勝では坪根武志(福岡県・善柔館)を「有効」優勢で下しての決勝進出。ここまで3つの「一本」をマークしての勝ち上がり。

一方の中村は1回戦で栗林智也(宮崎県・宝道場)に「指導2」の優勢、2回戦で青山堅太郎(神奈川県・朝飛道場)に合技「一本」(2:31)、3回戦で木嶋壮太(大阪府・三林柔道育成会)に「指導2」の優勢、準々決勝は長澤拓海(静岡県・藤枝柔道倶楽部)に旗判定の優勢、準決勝は田窪剛共(島根県・開星柔道クラブ)に「有効」優勢で勝利して決勝まで勝ち進んで来た。

【決勝】

中村束琉○優勢[判定3-0]△川端倖明

決勝は中村がまず両袖を絞り、左袖釣込腰で攻撃。川端は取り味のある右大内刈を2度仕掛けて攻勢に出るが、これに刺激されたか中村は両袖を絞っておいての低い左袖釣込腰に潰れることを繰り返す。明らかに投げではなく相手とのやりとりを拒否し、手数の上積みを狙った組み立て。

川端が組み手を得ると中村は左の小内刈に潰れ、川端の右内股を受けると両袖を抑え、今度は低い体落に潰れて場外に出て「待て」。有効打と評するのは難しい攻めだったが、主審は2分0秒、中村の手数を採って川端に「指導1」を宣告する。

中村なおも袖を掴んで潰れ、川端は良いタイミングで右体落を放つが取り切れず。残り時間が少なくなると中村の掛け潰れ傾向はさらに加速、袖釣込腰に潰れ、脚を振り合っては潰れ、持つなりの右体落に潰れと先手の攻めで相手に一切やりとりの機会を与えない。残り11秒を過ぎ、川端が圧を掛けると中村は両手を離して畳に潰れる。さすがにこれは偽装攻撃の「指導」あって然るべきだったが主審は動かずそのままタイムアップ。旗判定は手数を採る形で3本が中村に揃い、判定3-0による優勢で中村の優勝が決まった。

地力の優位は川端の側にあったように見受けられた、というよりも地力や柔道自体の練度など測りようのない、戦術性のみで終わった一方的な試合。旗判定を行おうにも手数以外に判断の材料はなかった。局所的な評価で言えば少なくとも偽装攻撃による「指導」付与と組み合っての柔道を推奨する態度が審判団には当然あるべきであった(国際大会であれば早い段階での「指導」累積でプランの修正を試合者に迫ったと思われる)し、それ以上にそもそもこの内容で勝敗を決めることの意義を考えざるを得ない、超消極試合であった。投げたい、勝ちたいというモチベーションを負ける恐怖が上回ったと観察するしかない、小学生の試合としてはあまりに痛々しい内容。必死に戦う少年選手に手立てとして何を与えるべきか、少年期の柔道いかにあるべきか、全国大会の意味いかにあるべきか。胴元である全日本柔道連盟と全少年指導者の感性が問われる一番だった。

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5年生男子45kg級優勝の中村束琉

【入賞者】
優 勝:中村束琉(山口県・福川柔道スポーツ少年団)
準優勝:川端倖明(千葉県・中山柔道会)
第三位:田窪剛共(島根県・開星柔道クラブ)、坪根武志(福岡県・善柔館)

中村束琉選手のコメント
「相手が強かったけど、攻めることが出来ました。得意技は背負投、髙藤直寿選手が好きです。来年も優勝することが目標、中学校に入ったら全国中学大会でも優勝したいです。」

【準々決勝】

川端倖明(千葉県・中山柔道会)○崩袈裟固(1:00)△浦麻月(長崎県・講志館)
坪根武志(福岡県・善柔館)○内股(0:45)△中村勇吾(愛知県・愛西柔道会)
中村束琉(山口県・福川柔道スポーツ少年団)○優勢[判定]△長澤拓海(静岡県・藤枝柔道倶楽部)
田窪剛共(島根県・開星柔道クラブ)○大外刈(2:58)△倉田琉生(熊本県・育成館天水少年柔道クラブ)

【準決勝】

川端倖明○優勢[有効]△坪根武志
中村束琉○優勢[有効]△田窪剛共

【決勝】

中村束琉○優勢[判定3-0]△川端倖明

■ 5年生男子45kg超級・持ち味発揮しあった決勝を東家龍樹が制す
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真田康志郎(左)と東家龍樹による決勝戦

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東家が良いタイミングで送足払を放つ

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東家が思い切った内股、これを真田が透かしてあわやポイントという場面が度々訪れる

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東家の送足払を真田が大内刈の形で踏ん張り、弾き返す

決勝に進んだのは真田康志郎(神奈川県・平塚柔道協会)と東家龍樹(熊本県・大津警察署大翔館少年柔道会)の2名。

真田は1回戦で竹信直人(香川県・丸亀柔道スポーツ少年団)を袈裟固「一本」(0:25)、2回戦で柏木恋(鹿児島県・出水柔道スポーツ少年団)を合技「一本」(0:36)、3回戦で髙口誠雄(福岡県・柳川昭代武道会)を旗判定の優勢、準々決勝で松川想良(石川県・窪田柔道倶楽部)を袈裟固「一本」(0:47)、そして勝負どころの準決勝では木原慧登(広島県・有朋柔道塾)を旗判定の優勢で下しての決勝進出。

一方の東家は1回戦で三宅創大(高知県・和田道場)を払腰「一本」(0:36)、2回戦で粟野元太(山形県・高橋道場)を崩袈裟固「一本」(0:45)、3回戦で石本泰士(新潟県・村松柔道少年団)を後袈裟固「一本」(1:35)と3試合連続の一本勝ちという出色の出だし。準々決勝は粟野隆也(茨城県・下妻優心塾)を「有効」優勢、準決勝は紙永雄大(徳島県・藍住真導スポーツ少年団)を後袈裟固「一本」(2:10)で制して見事決勝まで勝ち上がって来た。

【決勝】

東家龍樹(熊本県・大津警察署大翔館少年柔道会)○優勢[判定2-1]△真田康志郎(神奈川県・平塚柔道協会)

決勝は真田が左、東家が右組みのケンカ四つ。上背に勝る東家がまず右内股、これは空振りしたがさらに右払腰を放って真田を伏せさせる。東家は続いてタイミングの良い送足払を放ち、すわポイントかと満場思わず息を呑む。これは一瞬崩れかけた真田が内股を仕掛けて展開を流すが、東家は潰し返してあくまで優位を譲らず。経過時間は56秒。

東家は回り込みの右内股、さらに同じく軸足を回しての右内股巻込と良い技を連発。しかし前者は真田が体捌き良く透かし、後者は東家の手が切れてしまい「待て」。

真田は出足払で先制攻撃、これに東家が反応して回り込みの右内股を放つが、真田は見事に透かして返しを試みあわやポイントというところまで崩し「待て」。取り味のある技を放つのは東家、一方東家の技のタイミングを掴んだ模様の真田が相手の内股を透かしながら反撃を企図するという構図。ここで主審は東家の優位を採り、真田に「指導」を宣告する。

東家またもや素晴らしいタイミングで送足払を放つが、心得た真田は大内刈の形で踏ん張り対抗。弾き返された東家大きく崩れるが真田の両手の拘束が剥がれ、東家が腹ばいに伏せて「待て」。
残り21秒には東家が良い間合いで右内股、しかし真田捩じり返して自身の優位に変換し「待て」。展開の優位は僅かに東家、しかしなかなか決定的な場面は訪れない。

残り12秒、東家にやや不可解な「取り組まない」咎による「指導」が追加され、スコアはタイ。残った時間は真田が前進を続けて試合終了となる。

取り味のある技を多く放ち、展開を引っ張ったのは東家、しかし真田も体格の不利を跳ね返して後の先の技ながらポイントに近い技を見せたという、審判の判断なかなかに難しい試合。旗は分かれ、結果旗判定2-1の優勢で東家の優勝が決まった。

取り味のある正統派の技で取りにいき続けた東家、体格に劣りながらも相手の動きを見切り、度々釣り手を立てて攻め込み返した真田。勝負の決着は旗判定に持ち込まれたが、いずれも持ち味を良く出した好試合であった。

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5年生男子45kg級優勝超級優勝の東家龍樹

【入賞者】
優 勝:東家龍樹(熊本県・大津警察署大翔館少年柔道会)
準優勝:真田康志郎(神奈川県・平塚柔道協会)
第三位:紙永雄大(徳島県・藍住真導スポーツ少年団)、木原慧登(広島県・有朋柔道塾)

東家龍樹選手のコメント
「たくさん技を掛けられたのは良かった。決勝は引き手をしっかり引きつけて戦おうと思ってやりました。得意技は払腰、好きな選手は原沢久喜選手です。柔道は、兄がやっていたのがきっかけで6歳のときに始めました。目標は来年も全国優勝することです」

【準々決勝】

真田康志郎(神奈川県・平塚柔道協会)○袈裟固(0:47)△松川想良(石川県・窪田柔道倶楽部)
木原慧登(広島県・有朋柔道塾)○小外刈(1:11)△冨田猛瑠(愛知県・東海少年柔道教室)
東家龍樹(熊本県・大津警察署大翔館少年柔道会)○優勢[有効]△粟野隆也(茨城県・下妻優心塾)
紙永雄大(徳島県・藍住真導スポーツ少年団)○縦四方固(1:26)△市谷櫂人(大阪府・養気塾少年柔道クラブ)

【準決勝】

真田康志郎○優勢[判定]△木原慧登
東家龍樹○後袈裟固(2:10)△紙永雄大

【決勝】

東家龍樹○優勢[判定2-1]△真田康志郎

■ 6年生男子50kg級・小幡礼希が連覇達成、あくまで投げを志向し2試合連続の逆転勝ち
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準決勝、小幡礼希が伊澤直乙斗から大内刈「技有」を奪って逆転

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準決勝、竹市裕亮が片膝を着いたところから袖釣込腰で押し込み、末次晴倫から「有効」

連覇を狙う小幡礼希(宮城県・太陽塾)が今年も決勝に進出。2回戦は佐々晃太(熊本県・新輝塾)から内股「一本」(0:22)、3回戦の大松﨑彪貴(茨城県・誠錬館)戦は反則勝ち(1:50)、準々決勝は松本翔太郎(大阪府・守口東部少年柔道教室)を「技有」優勢で破り、準決勝はここまで素晴らしい勝ち上がりを見せている伊澤直乙斗(千葉県・明心館関本道場)を畳に迎えて大熱戦。伊澤の隅落で「有効」を失うも終盤に大内刈「技有」を得る逆転勝利でこの試合をモノにして、見事決勝へと勝ちあがって来た。

小幡に挑戦するのは昨年度大会準決勝で小幡と戦い、今大会でリベンジを期す竹市裕亮(愛知県・羽田野道場)。こちらは2回戦で川田瑛基(京都府・KIDS’大谷)から「有効」優勢、3回戦で山本英太(愛媛県・棟田武道館)から旗判定の優勢、準々決勝は顕徳海利(兵庫県・神戸少年柔道蟻クラブ)から合技「一本」(3:10)、準決勝は末次晴倫(福岡県・一貴山柔道スポーツ少年団)を「有効」優勢で下して決勝進出決定。

【決勝】

小幡礼希(宮城県・太陽塾)○優勢[指導3]△竹市裕亮(愛知県・羽田野道場)

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決勝、小幡は思い切った左内股を連発

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形成不利の竹市だが、しぶとく大内刈「有効」で先制

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小幡が出足払で2度竹市を大きく崩すが、いずれも腹ばいに落としてしまいノーポイント

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竹市は低く掛け潰れ続けて必死の防戦

決勝は小幡が左、竹市が右組みのケンカ四つ。小幡が仕掛けた左内股を竹市が激しく突き飛ばし返すという攻防で試合がスタート。

小幡はケンケンの左内股、さらに大内刈から連絡しての左内股と素晴らしい技を連発。一方の竹市は右袖釣込腰を先んじて仕掛け、先手志向で小幡の技を封じに掛かる。40秒過ぎの小幡の内股は抱き留めて返しを試み、後の先の攻撃にも意欲満々。

しかし小幡は竹市の後の先狙いにまったく怖じず、試合時間1分を越えたところで思い切った左内股。竹市はしかし一旦止めると右袖釣込腰の形で潰し、小幡の立ち上がり際に合わせて右大内刈、これで「有効」奪取。

以降はアドバンテージを得た竹市の先手攻撃と後の先狙い、追い掛ける小幡の積極的攻撃という構図で試合が推移。

小幡は足を継いでの左内股に一足の内股、そしてタイミング抜群の送足払と取り味のある技を連発。竹市は相手のアクションの起こりに合わせて片手の右背負投、あるいは右一本背負投に潰れて試合を流し、さらに内股返を狙い続けてプレッシャーを掛けるが試合の流れは小幡。

小幡は内股を掛ける度に、返し技を狙い続ける竹市とのバランス比べになってむしろ危ない場面が度々訪れる。しかし攻撃の矛を収めることなくあくまで内股で攻め続けると、残り50秒を過ぎたあたりから竹市が明らかに疲労。残り29秒で竹市に「取り組まない」咎で2つ目の「指導」。さらに小幡の投げ一発のプレッシャーに晒された竹市は下がりながら右袖釣込腰で潰れ、残り14秒、攻防を嫌って場外に逃れたところでついに竹市に3つ目の「指導」が宣告される。

それでもこのまま試合が終われば竹市の勝利は確定。竹市は下がりながら距離を取り、アドバンテージを守りに掛かる。残り時間の少なさとこれまでの攻防の様相を考えれば小幡の勝利の可能性ほとんど潰えたかに思われたが、小幡はあきらめず左内股から大内刈。竹市が耐えて攻防を流そうと試みると、小幡はこの縺れ際に竹市の背を捕まえ、ついに技が効く間合いで左大内刈。この「抱きつき大内」に竹市たまらず転がりついに小幡が「有効」を獲得する。

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残り0秒、小幡が大内刈の形で浴びせ「有効」奪回

この時点で残り時間は0秒、技の効果宣告に引き続いて「それまで」が宣せられる。双方が「有効」を取り合った結果、竹市への「指導」が残って勝敗が確定。「指導3」の優勢を以て小幡の2連覇が決まることとなった。

相手の返し技狙いに怖じず徹底して勝負技の内股を仕掛け続け、最後に逆転した小幡の柔道は素晴らしかった。大熱戦だった準決勝同様、あくまで投げに出る姿勢が結果を呼び込んだ、この世代が志向すべき柔道に適った好内容の戴冠劇であった。

一方の竹市も小幡同様素晴らしい身体能力を披露したが、ケンカ四つの相手の技の「起こり」を察知して先んじて腰を入れて技を仕掛けることで相手の技を潰し、あるいは片手の担ぎを繰り出すことでアドバンテージを守ってと、決勝で繰り広げた手立ては極端な試合技術志向。自らスケールを落とした感あり。早熟過ぎる技術偏重、勝負偏重が才能の爆発を阻んだ印象の一番であった。

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6年生男子50kg級優勝の小幡礼希。見事2連覇を達成した。

【入賞者】
優 勝:小幡礼希(宮城県・太陽塾)
準優勝:竹市裕亮(愛知県・羽田野道場)
第三位:伊澤直乙斗(千葉県・明心館関本道場)、末次晴倫(福岡県・一貴山柔道スポーツ少年団)

小幡礼希選手のコメント
「最後まであきらめずに、ちゃんと練習して来たことが出せたと思います。満足です。リードされて焦ったけど、パニックになってはいけない。残り7秒で時計が止まったときに『落ち着いて試合をやろう』と自分に言い聞かせました。内股の返しを狙われているのはわかったけど、勝つためには自分には内股しかないなと思って。先生が『大内刈に行け』『後ろ技を使え』と言っているのは聞こえましたが、途中で足払が掛からず、結局内股を掛けていました。最後は狙ったのではなく、勝手に体が動きました。将来は野村忠宏さんのようにオリンピックで3連覇したいです」

【準々決勝】

小幡礼希(宮城県・太陽塾)○優勢[技有]△松本翔太郎(大阪府・守口東部少年柔道教室)
伊澤直乙斗(千葉県・明心館関本道場)○大内刈(0:30)△田中都羽(滋賀県・柔仁会)
末次晴倫(福岡県・一貴山柔道スポーツ少年団)○合技(3:12)△四元羅生(和歌山県・松江少年柔道クラブ)
竹市裕亮(愛知県・羽田野道場)○合技(3:10)△顕徳海利(兵庫県・神戸少年柔道蟻クラブ)

【準決勝】

小幡礼希○優勢[技有]△伊澤直乙斗
竹市裕亮○優勢[有効]△末次晴倫

【決勝】

小幡礼希○優勢[指導3]△竹市裕亮

■ 6年生男子50kg超級・決勝の撃ち合い制した坂口稜が初優勝
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準決勝、岡島龍太郎が服部辰成から左の「一本大外」で一本勝ち

ともに素晴らしい柔道を披露した2人が決勝進出。最上級学年、最重量級の決勝は坂口稜(埼玉県・寺沢道場)と岡島龍太郎(佐賀県・小城秀島道場)によって争われることとなった。

坂口は2回戦で南波魁(島根県・開星柔道クラブ)を内股「一本」(2:14)、3回戦で表野銀次(和歌山県・西部柔道クラブ)を縦四方固「一本」(0:49)、準々決勝で増田隆人(長崎県・富江スポーツ振興会柔道部)を縦四方固「一本」(2:08)と3試合連続の一本勝ち。準決勝は熊谷諒也(福岡県・東福岡柔道教室)を旗判定の優勢で下して決勝進出決定。

一方の岡島は2回戦で牧野夢希(東京都・武蔵村山市柔道連盟)を大外刈「一本」(1:11)、3回戦の上田夏也人(大阪府・ニュージャパン柔道クラブ)戦は相手の反則(0:12)により勝利が決まり、準々決勝のカフレガブリエル(茨城県・土浦市体育協会柔道部)は大外刈「一本」(2:33)、準決勝の服部辰成(神奈川県・朝飛道場)戦も大外刈「一本」(1:12)で勝ち抜け決定。左右いずれにも威力ある大外刈を放ち、全試合一本勝ちという素晴らしい成績で決勝の畳まで辿り着いた。

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決勝、岡島が刈り足を大きく伸ばして右大外刈

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坂口稜が左内股巻込「有効」を奪う

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岡島が谷落「技有」で逆転

【決勝】

坂口稜(埼玉県・寺沢道場)○払腰(2:56)△岡島龍太郎(佐賀県・小城秀島道場)

決勝は坂口が左、岡島が右組みのケンカ四つ。坂口先んじて左内股、左体落と攻めるが、30秒過ぎに岡島刈り足を遠くまで伸ばして迫力ある右大外刈で反撃、続けてここまで強敵を次々沈めて来た左への「一本大外」も見せて展開を譲らず。

互いに持ち技を出し合って力関係ほぼ測られたかという頃合いの1分1秒、坂口が背中を叩いて左釣込腰。いったん相手の体にぶつかると釣り手を離して持ち直しつつ左内股巻込に連絡、「有効」を獲得する。

ビハインドの岡島は奮起して左への大外刈を2連発、主審はその攻勢を買って1分18秒坂口に「指導1」を宣告する。体勢を立て直したい坂口は左の体落を試みるが潰れてしまい、1分34秒には偽装攻撃で2つ目の「指導」。

逆転を狙って勢いに乗る岡島は右大外刈を連発して攻勢、その大外刈を坂口が返そうとして潰れた直後の2分20秒にはついに坂口に3つ目の「指導」が宣告されることとなる。「有効」対「指導3」と試合の状況は煮詰まり切った感あり。そして岡島が相手に抱き着いて乾坤一擲の谷落、これが決まって「技有」。岡島ついに逆転、展開の優位を具体的なポイントまで繋げた集中力は見事の一言。残り時間はこの時点で31秒。。

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残り4秒、坂口の左払腰が決まって再逆転の「一本」

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6年生男子50kg超級優勝の坂口稜

これでほぼ岡島の勝利決定と思われたが、最後に意外なドラマが待っていた。残り4秒で坂口が釣り手を高い位置に叩き入れながら左払腰。これがストンと嵌り、坂口が体を捨てると岡島以外なほどあっさり一回転して「一本」。会場は大歓声。

坂口残り4秒に再逆転、劇的勝利でみごと小学生日本一の座に辿り着いた。投げ一発を磨き、そして組み続ける限り最後までチャンスがあるというこの競技の面白さを示した格好。決勝は互いに大技を撃ち合い、投げ合った、全国大会を締めるにふさわしい好試合であった。

優 勝:坂口稜(埼玉県・寺沢道場)
準優勝:岡島龍太郎(佐賀県・小城秀島道場)
第三位:熊谷諒也(福岡県・東福岡柔道教室)、服部辰成(神奈川県・朝飛道場)

【入賞者】

坂口稜選手のコメント
「先にポイントを取られたけれど、気持ちを切り替えて攻めていけました。このまま勝ち続けて、オリンピックで金メダルを獲りたいです。得意技は払腰と内股です」

【準々決勝】

熊谷諒也(福岡県・東福岡柔道教室)○優勢[判定]△横山大士(青森県・車力柔道少年団)
坂口稜(埼玉県・寺沢道場)○縦四方固(2:08)△増田隆人(長崎県・富江スポーツ少年団)
岡島龍太郎(佐賀県・小城秀島道場)○大外刈(2:33)△カフレガブリエル(茨城県・土浦市体育協会柔道部)
服部辰成(神奈川県・朝飛道場)○大内刈(0:19)△佐藤晴輝(大分県・安心院柔道クラブ)

【準決勝】

坂口稜○優勢[判定]△熊谷諒也
岡島龍太郎○大外刈(1:12)△服部辰成

【決勝】

坂口稜○払腰(2:56)△岡島龍太郎

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