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平成28年度全日本ジュニア柔道体重別選手権・男子マッチレポート①(55kg級、60kg級、66kg級、73kg級)

(2016年9月11日)

※ eJudoメルマガ版9月11日掲載記事より転載・編集しています。
平成28年度全日本ジュニア柔道体重別選手権・男子マッチレポート①(55kg級、60kg級、66kg級、73kg級)
■ 55kg級・徳本千大が初の全国制覇、決勝は大逆転の「一本」
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準決勝、仲島聖悟が真島燦から一本背負投「有効」

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準決勝、徳本千大が福田大悟を攻める

(エントリー19名)

【決勝まで】

2年連続のファイナリスト、昨年のアジアジュニア王者でもある第1シード選手・巣山大智(日体大2年)の計量失格という意外な形でトーナメントがスタート。

決勝には仲島聖悟(修徳高2年)と徳本千大(初芝橋本高3年)の2人が勝ちあがった。

東京ジュニアを3位で通過している仲島は2回戦で半戸大輝(松本大1年)を「指導1」優勢で下すと、巣山不在の山から勝ちあがった高野大地(桐蔭学園高3年)を得意の背負投「一本」(2:44)で破ってベスト4入り。準決勝では真島燦(広島大2年)から左一本背負投「有効」を奪って初の全国大会決勝進出決定。

一方、今夏のインターハイ60kg級の準優勝者である徳本は2回戦で半田楓(桐蔭学園高2年)から払腰「技有」、体落「有効」と連取して勝利。準々決勝は松浦拓斗(柳ヶ浦高3年)を大外返と後袈裟固の合技「一本」(3:26)で沈め、準決勝は福田大悟(比叡山高2年)から後袈裟固「一本」(3:06)で勝利し、危なげなく決勝の畳まで辿り着く。

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決勝は仲島が左背負投「有効」で先制

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仲島は徳本の膝車を振り返して「有効」を追加

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投げられた徳本は仲島を立たせず、三角絞で逆転の「一本」

【決勝】

徳本千大(初芝橋本高3年)○三角絞(1:48)△仲島聖悟(修徳高2年)

決勝は仲島、徳本ともに左組みの相四つ。

徳本が釣り手で背中を叩くと仲島は左一本背負投。しかし上背と体の力で勝る徳本は首を固めて回らせず、左大外刈で反撃。組み止める徳本といなす仲島という構図の攻防が続く中、しかし34秒仲島が左背負投に飛び込み「有効」を奪う。入りはコンパクトに、決めは粘って折り紙を開くがごとく大きく位置関係を展開してと、トラディッショナルな匂い漂ういかにも最軽量級らしい一撃。

ビハインドの徳本は釣り手を高く確保すると横変形で構えるヒットマンスタイル、ここから自信満々回りこみの左払腰を放つ。タイミングの良さに鋭さも伴ったポイントが想起される一撃だったが、仲島落ち着いて隅落の形で返して腕挫十字固を狙う。これは徳本が持ち上げて「待て」。経過時間は1分20秒、徳本の反撃気配と攻撃力の高さを感じた仲島サイドからは「(釣り手を)しっかり絞れ」とアドバイスが飛ぶ。

直後徳本引き手で襟を掴んで右の一本背負投、さらに間髪入れずに腕を抱えたまま左足を効かせて膝車。時間感覚の早さ、技自体のスピードに選択の意外さと3点揃った取り味のある攻撃だったが仲島敢えて過剰に反応せず、片足になった徳本をハンドル操作で振り返し2つ目の「有効」を獲得。経過時間は1分29秒、残り時間は2分31秒。

しかしこの圧倒的リードで迎えた寝勝負から、仲島は立って開始線に戻ること叶わず。投げられた徳本が下から巴投の形で仲島を転がして正面から「表三角」で絞め上げると、仲島は持ち上げ掛けたまま力が抜け、膠着と見た主審はいったん「待て」を宣告する。しかし実は徳本の三角絞が十分に効いており、二人を引き離すと既に仲島が絞め落とされていたことが発覚。主審は仲島の状態を確認してあらためて「一本」を宣告。試合時間1分48秒、大逆転で徳本の個人戦全国大会初タイトル獲得が決まった。

仲島が相手の膂力と鋭い技にも動揺せず落ち着いてポイントを重ねたが、最後は徳本の爆発力が勝ったという一番であった。徳本は小学生時代に全日本選抜少年柔道大会小学生の部(団体戦・正木道場)で優勝して以来、個人戦ではこれが初めての全国大会タイトル獲得。粗削りながら上背と体の力を生かした迫力ある攻め、そしてなにより野性的な風貌そのままの攻撃意欲の高さが非常に印象的。魅力ある戦いぶりだった。

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初優勝の徳本千大

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60kg級入賞者。左から仲島、徳本、福田、松浦。

【入賞者】
優 勝:徳本千大(初芝橋本高3年)
準優勝:仲島聖悟(修徳高2年)
第三位:松浦拓斗(柳ヶ浦高3年)、福田大悟(比叡山高2年)

徳本千大選手のコメント
「去年も55kg級に出て負けてしまったので今日はリベンジのつもりで戦いました、個人戦の優勝は初めて。うれしいです。インターハイは決勝まで行きましたが、今にして思えば決勝に進むだけで満足していたのではないかと反省しています。今日は気を緩めず最後まで勝ち切ろうと思っていました。得意ではない寝技で勝てたのは良かったです、組み負ける場面が多かったのが反省点。自分の技がしっかり出せるような組み手の強化が課題です。」

【準々決勝】

仲島聖悟(修徳高2年)○背負投(1:16)△高野大地(桐蔭学園高3年)
真島燦(広島大2年)○優勢[有効・隅返]△渡邉勇(明大中野高3年)
徳本千大(初芝橋本高3年)○合技[大外返・後袈裟固]△松浦拓斗(柳ヶ浦高3年)
福田大悟(比叡山高2年)○優勢[有効・肩車]△中山開斗(帝京科学大2年)

【敗者復活戦】

松浦拓斗○優勢[有効・巴投]△中山開斗
高野大地○優勢[指導2]△渡邉勇

【準決勝】

徳本千大○後袈裟固(3:06)△福田大悟
仲島聖悟○優勢[有効・一本背負投]△真島燦

【3位決定戦】

福田大悟○横四方固(0:40)△高野大地
松浦拓斗○合技[隅返・袈裟固](1:23)△真島燦

【決勝】

徳本千大○三角絞(1:48)△仲島聖悟

■ 60kg級・ダークホース米村克麻が圧勝、初の全国タイトル獲得
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準決勝、米村克麻が羽田野航に巴投。崩れた相手をそのまま腕挫十字固に極めて一本勝ち。

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準々決勝、樋口裕大が杉本大虎から浮腰「一本」

(エントリー19名)

【決勝まで】

決勝に進んだのは米村克麻(日体大3年)と樋口裕大(天理大1年)の2名。

東京ジュニアを3位で通過した米村はダークホース。2回戦はもと55kg級ジュニア王者の梅北亘(山梨学院大2年)を一本背負投「有効」、準々決勝は古屋翔(帝京科学大1年)を「指導2」の優勢でそれぞれ下し、準決勝は東京ジュニアで敗れている第1シード選手羽田野航(明治大1年)をあっという間の腕挫十字固「一本」(0:28)で破ってリベンジ成功。見事決勝の畳まで勝ち残った。

一方の樋口は昨年度大会55kg級の王者。2回戦は谷内秀行(鶴来高3年)を片手絞「一本」(1:42)、準々決勝は高校時代のライバルであり今年度の東京ジュニアの覇者である杉本大虎(日体大1年)とGS延長戦に縺れ込む大接戦を演じ、凄絶な「際」の攻防を制して豪快な浮腰「一本」(GS0:47)で勝利。準決勝は宮川太暉(筑波大3年)をこれもGS延長戦の末に巴投「技有」で退けて今年も全日本ジュニア決勝の畳まで辿り着くこととなった。

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決勝、米村が肩車。伏せかけた相手に体を浴びせて投げ直し「有効」

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米村の背負投が豪快に決まり「一本」

【決勝】

米村克麻(日体大3年)○背負投(2:45)△樋口裕大(天理大1年)

決勝は米村が左、樋口が右組みのケンカ四つ。
気合十分の米村は引き手を持ちつつ思い切った飛び込み内股。樋口は垂直に持ち上がりながらも上体を張って体勢を制御、中空で捌いて両足で着地しこれはノーポイント。

樋口は組み手争いを最小限に接近戦を志向、度々釣り手で背中を抱きに出る。しかし米村はこれを両足の巴投で一旦クリア、続く樋口の隅返もいち早く察知して止めあくまで揺るがず。スコア差はないが、米村の気迫と集中力の高さが徐々に試合展開を引き寄せているという印象。

1分10秒を過ぎたところで、樋口が引き手を切ったアクションに合せて米村が飛び込みの左体落。双方ともに大きく崩れたところで主審が動き、樋口に「指導1」が宣告される。経過時間は1分18秒、残り時間は2分42秒。

勢いを得た米村が強気に引き手から持ちに行くと樋口は一旦切ってすかさず右出足払。素晴らしい反応、かつ取り味のある技であったが、米村は怖じずに続く展開で肩車に飛び込む。相手の右を抱えて放った深い一撃、樋口一旦は腹ばいで止めるが米村の前進は止まらず、右を引きつけながら体を浴びせて投げ直しに出ると樋口たまらず転がって決定的な「有効」。

奮起した樋口は志向を変え、得意技である左の一本背負投で揺さぶりに掛かる。米村サイドからは「組み手を変えるな」とすかさず鋭い一言。米村は両襟を掴んでの内股に左背負投と的確に技を打ち、樋口はなかなか主導権を取り返せない。

2分45秒、米村が釣り手から持つと樋口すかさず間を詰めて背を抱く。瞬間米村は左背負投。足を広く踏ん張り、打点高く「釣り込む」かのような豪快な一撃は見事決まって「一本」。素晴らしい一撃で米村の優勝が決まった。

「高校時代は県大会もなかなか勝てなかった」という米村は表彰式で思わず涙。「あきらめず頑張って来て良かった」とキャリア初の全国タイトルの味を噛み締めていた。

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初優勝の米村は表彰台で思わず涙

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60kg級入賞者。左から樋口、米村、宮川、杉本

【入賞者】
優 勝:米村克麻(日体大3年)
準優勝:樋口裕大(天理大1年)
第三位:杉本大虎(日体大1年)、宮川太暉(筑波大3年)

米村克麻選手のコメント
「全国大会の決勝は初めて。挑戦者のつもりで臨みました。去年は3位決定戦で負けてしまい、今年でジュニアは最後。『うわっ!俺が日本一か』と驚いて、興奮しています。1年間頑張って来て良かったです。高校(九州学院高)では県大会でも勝てなかったのに、山本洋祐先生に拾って頂いたおかげです。日体大は常にトップレベルの選手が出稽古に来てくれる素晴らしい環境。1年生の時は1年間まったく試合に出られなかったですが、その環境で揉まれるうちに力がついたのだと思います。今日は熊本(地震)で被災した祖母も一緒に、家族が皆で応援に来てくれて、その前で勝つことが出来たのも嬉しいです」

【準々決勝】

羽田野航(明治大1年)○背負投(3:24)△木村祐太(札幌山の手高3年)
米村克麻(日体大3年)○優勢[指導2]△古谷翔(帝京科学大1年)
宮川太暉(筑波大3年)○合技[一本背負投・一本背負投](2:40)△石井翔悟(四日市中央工高2年)
樋口裕大(天理大1年)○GS浮腰(GS0:45)△杉本大虎(日体大1年)

【敗者復活戦】

木村祐太○優勢[有効・小内刈]△古谷翔
杉本大虎○肩固(4:01)△石井翔悟

【準決勝】

米村克麻○腕挫十字固(0:28)△羽田野航
樋口裕大○優勢[技有・巴投]△宮川太暉

【3位決定戦】

宮川太暉○GS指導2(GS0:46)△木村祐太
杉本大虎○不戦△羽田野航

【決勝】

米村克麻○背負投(3:45)△樋口裕大

■ 66kg級・ダークホース原田誠丈が一気の戴冠、福岡大初の全日本ジュニア制覇なる
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66kg級準々決勝、田川兼三が牧野壮一郎から大腰「一本」

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準決勝、原田誠丈が丸健二から上四方固「一本」

(エントリー19名)

【決勝まで】

決勝に進んだのは田川兼三(筑波大2年)と原田誠丈(福岡大2年)の2名。

今年度ロシアジュニア国際に派遣され見事優勝を飾っている田川は優勝候補筆頭。2回戦では早川正起(日体大1年)をGS延長戦の末に巴投「有効」(GS1:21)で破り、準々決勝は前戦で東京ジュニア王者の日野賢明(日体大2年)を破っている牧野壮一郎(天理大2年)を大腰「一本」(1:37)で一蹴。準決勝は今年の高校選手権準優勝者・東亮輝(崇徳高3年)から「指導2」を奪った末に腕挫十字固「一本」(2:00)で勝利。順当に決勝まで勝ち残った。

一方、混戦ブロックと目された下側の山からの勝者は九州ジュニア2位のダークホース・原田誠丈(福岡大2年)。2回戦で長倉力斗(山梨学院大1年)から「指導2」対「指導1」の優勢で勝利すると、準々決勝は島田隆志郎(國學院大1年)の欠場により繰り上がり出場となった小池隆幾(國學院大1年)を崩袈裟固「一本」(1:58)に仕留め、準決勝は丸健二(東洋大2年)から上四方固「一本」で勝利。2戦連続の一本勝ちという素晴らしいスコアで、キャリア初の全国大会決勝の畳に駒を進めることとなった。

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決勝、田川が原田を小外刈で崩す

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原田は右一本背負投で食いつき、田川に山場を作らせない

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終盤、原田が寝勝負で攻め続ける

【決勝】

決勝は田川が左、原田が右組みのケンカ四つ。
原田はガッチリ両襟を掴んで右大内刈で先制攻撃。ここまでの勝利の因である強気をこの試合も踏襲、非常に良い表情で試合を滑り出す。一方の田川は一旦切って万全の組み手を作り出し、左体落で反撃。

しかし原田はここで相手の土俵に乗っては勝ち目なしとばかりに、両襟を掴む積極姿勢をあくまで崩さず。右一本背負投で低く相手の腕を抱えて先んじて攻め、続いて両襟から奥襟を掴むと思わず潰れた田川に横三角を仕掛けて攻勢権奪取。この攻防に感触を得たか再び両襟から奥襟を掴み、田川の頭を下げさせると再び思い切った右一本背負投を放つ。主審ここに至って原田の優位を認め、1分29秒田川に「指導1」を宣告。

奮起した田川は首を抱えて左腰車の大技に打って出るが、原田はこれも自身の右腰車に切り返して主導権を渡さず。思わぬ苦戦に田川サイドからは「クロスで良いから引き手を持て」と必死の指示が飛ぶ。

このあたりから田川やや落ち着きを取り戻し、組み付きながらの右小外刈に奥襟を叩きながらの出足払、奥襟を得ての巴投と良い技を連発。小外刈は原田がすんでのところで腹ばいに逃れたものの、一瞬ポイントが想起される素晴らしい一撃。しかし原田も要所要所で右一本背負投を打ち返してすんでのところで「指導」失陥は回避、スコア動かぬまま試合は終盤戦へと持ち込まれる。

残り1分、田川が一気に釣り手で奥襟を得て左腰車に打って出るが原田は右を差し返して寝技に持ち込み、三角絞でしつこく頭をロックして時間を消費。「待て」が掛かった時点で残り時間は44秒。

続く展開、田川が引き手を持ちながら左大外巻込。ポイントが想起される大技だったが原田はこれも巧みに力の圏外に抜けると寝技に食いつき、横三角であくまで田川を立たせず。このシークエンスがまさしく決定打、田川が足を絡んで攻防を止めなんとか「待て」を引き出した時点で残り時間は僅か20秒。

田川の奥襟を原田が両襟で迎え撃ち、以後は田川にチャンスのないまま刻々時計の針が進む。残り1秒、田川が巴投に打って出たところで終了ブザーが鳴り響き試合は終了となる。

大一番は周囲の予想を覆して原田の勝利に終着。開始からエンジン全開、強気で戦って「指導」をもぎ取った序盤戦の戦いが大きく生きた一番だった。一方の田川はこの日一貫してみせていたスコアに現れぬ「元気のなさ」を覆せなかった一番。ようやく順番巡って来たかに思われたビッグタイトル獲得のチャンスを生かすことが出来ず、乗りかけた出世街道に一旦ストップがかかった形となってしまった。

原田は福岡大から初めての全日本ジュニア制覇。この日は同大から52kg級の立川莉奈も優勝を果たしており、地方の躍進が大きく印象づけられた1日だった。

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66kg級優勝の原田誠丈

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66kg級入賞者。左から田川、原田、泊、西村。

【入賞者】
優 勝:原田誠丈(福岡大2年)
準優勝:田川兼三(筑波大2年)
第三位:泊耕大(國學院大2年)、西村優太(常翔学園高3年)

原田誠丈選手のコメント
「決勝は僅差の接戦になると思っていました。最後まで集中して試合が出来たと思います。(相手は)強いなと思いましたが、同時にそんなに差はないかなとも。ここまで来たらいつも通りやろうと吹っ切れていましたし、しっかり力を出せてよかったです。初戦が『指導』差の勝ちだったんですが、その試合で落ち着いて戦えたことで波に乗れた気がします。稽古のような感じで、勝ち急がず、どの試合も落ち着いて戦えました。ただ大会通じて1度も相手を投げれていないのが悔しい。やはり『一本』を取りたいですね」

【準々決勝】

田川兼三(筑波大2年)○大腰(1:37)△牧野壮一郎(天理大2年)
東亮輝(崇徳高3年)○後袈裟固(1:18)△泊耕大(國學院大2年)
原田誠丈(福岡大2年)○崩袈裟固(1:58)△小池隆幾(國學院大1年)
丸健二(東洋大2年)○反則(3:41)△西村優太(常翔学園高3年)
※「足取り」によるダイレクト反則負け

【敗者復活戦】

泊耕大○背負投(3:57)△牧野壮一郎
西村優太○優勢[技有・背負投]△小池隆幾

【準決勝】

田川兼三○腕挫十字固(2:00)△東亮輝
原田誠丈○上四方固(2:59)△丸健二

【3位決定戦】

泊耕大○背負投(3:53)△丸健二
西村優太○優勢[指導1]△東亮輝

【決勝】

田川兼三○優勢[指導1]△原田誠丈

■ 73kg級・立川新が同門対決制して初優勝
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73kg級2回戦、立川新が石井翔大から小外刈「技有」

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込山が肩車を試みるが立川予期して懐に入れず

(エントリー19名)

【決勝まで】

同門の強者2人が勝ちあがり、決勝は立川新(東海大1年)と込山龍哉(東海大2年)の東海大勢同士の対決となった。

第1シードの立川はまず2回戦で石井翔大(岡山商科大2年)から大内刈「有効」、3つの「指導」、さらに残り3秒で小外刈「技有」と立て続けに奪って圧勝。準々決勝は渡部甲誠(天理大1年)から内股「一本」(2:11)、準決勝は前戦で佐藤竜(早稲田大1年)に上四方固「一本」で勝利している村上優哉(神戸国際大附高2年)を「指導1」の優勢で凌いで決勝進出決定。

一方の込山は1回戦からのスタート。米澤航春(新田高3年)を腕挫十字固「一本」(0:53)で下すと、2回戦は濵野誠也(大阪産大2年)を「指導1」の優勢で退け、準々決勝は今夏のインターハイ王者野上廉太郎(つくば秀英高3年)をGS延長戦の末に得意の背負投「技有」に仕留める。準決勝は塚本瑠羽(東海大1年)を「指導2」対「指導1」の優勢で制して、後輩立川も待つ決勝戦へと駒を進めることとなった。

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決勝は立川と込山の東海大対決

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込山が肩車を試みるが立川予期して懐に入れず

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立川が左小外刈、込山が伏せて逃れる

【決勝】

決勝は立川が左、込山が右組みのケンカ四つ。
序盤は互いに足技を絡ませながらの釣り手争い。20秒には組み手を払いのけた込山に「指導」、40秒には立川の側に所謂「襟隠し」の行為があったとして「指導」が与えられ、スコアはタイ。

以降も試合は動的膠着の様相を呈するが、組み際の小外刈や斜めからの左大内刈で相手を巧みに崩す立川に対し、込山は得意の担ぎ技がことごとく相手の懐に入る前に弾き返されてしまい攻撃を組み立てることができない。一本背負投で、逆の襟を両手で持って、遠間から一気に肩車でと手立てを変えながら攻撃を繰り出すがあたかも見えない壁があるがごとく、込山はどうしても立川の力の圏内に入り込むことができない。込山の担ぎ技ラッシュが一段落すると、この「入れない」状況が試合展開を侵食し始め徐々に流れは立川へ。

1分48秒、立川が左小外刈を絡ませて込山を腹ばいに伏せさせる。さらに立川が込山の裏を取って前に潰し、続いてしつこく寝勝負を挑んだシークエンスが止まったところで主審は込山に消極的との咎で「指導2」を宣告。試合時間は2分31秒、残り時間は1分29秒。

奮起した込山は右袖釣込腰、さらに形にこだわらず片袖を得るなりの袖釣込腰と攻めるが立川はあくまで間合いの中に込山を入れず。残り30秒を切ったところで込山が背中を抱えて奇襲の隅返を試みるが、立川反応よく体を外してあくまで崩れない。立川はペースを変えずに小外刈を絡ませながら残り時間を危なげなく戦い切ってフィニッシュ。結果「指導2」対「指導1」で立川の初優勝が決まった。

決勝は立川の試合巧者ぶりが光った一番。試合構成の巧さはもちろん、これを支えた釣り手の効きの強さで込山に一段勝った感あり。込山はほぼ背負投と小内刈のみで「一本」を量産した高校時代の野武士のような戦いぶりから一段進化、攻めの手立てを上積みして競技者としての成長を見せたが立川の「パワー勝ち前提の巧さ」というモダンな戦いぶりの前についに及ばず。立川が込山の一発を完封したと評するべき、隙の見えない一番だった。

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73kg級優勝の立川新

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73kg級入賞者。左から込山、立川、塚本、野上。

【入賞者】
優 勝:立川新(東海大1年)
準優勝:込山龍哉(東海大2年)
第三位:塚本瑠羽(東海大1年)、野上廉太郎(つくば秀英高3年)

立川新選手のコメント
「姉(52kg級の立川莉奈)の優勝でやる気が出ました。込山さんは東京予選で戦って『もう1回本番で戦えたら』と話し合っていました。普段はあまりお互い乱取りをせず、それほど手の内を知っているわけではありません。ただこの試合は間違いなく『指導』差の接戦になると思ったので、こちらが先に『指導』を貰わないよう、しっかり技を掛けていこうと考えていました。将来は国際大会で活躍したいですが、今のところ大野将平選手が強すぎて本当に大変だなと感じています。技数を増やして、パワーもつけて、まだまだ頑張ります。」

【準々決勝】

立川新(東海大1年)○内股(2:11)△渡部甲誠(天理大1年)
村上優哉(神戸国際大附高2年)○上四方固(4:10)△佐藤竜(早稲田大1年)
塚本瑠羽(東海大1年)○優勢[技有・背負投]△勝部翔(京都学園高2年)
込山龍哉(東海大2年)○GS技有・一本背負投(GS1:37)△野上廉太郎(つくば秀英高3年)

【敗者復活戦】

渡部甲誠○優勢[技有・体落]△佐藤竜
野上廉太郎○合技[出足払・隅返](1:29)△勝部翔

【準決勝】

立川新○優勢[指導1]△村上優哉
込山龍哉○優勢[指導2]△塚本瑠羽

【3位決定戦】

塚本瑠羽○優勢[有効・背負投]△渡部甲誠
野上廉太郎○優勢[技有・払腰]△村上優哉

【決勝】

立川新(東海大1年)○優勢[指導2]△込山龍哉(東海大2年)



取材・文:古田英毅

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