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第47回全国中学校柔道大会・女子個人戦8階級マッチレポート

(2016年8月26日)

※ eJudoメルマガ版8月26日掲載記事より転載・編集しています。
第47回全国中学校柔道大会・女子個人戦8階級マッチレポート
■ 40kg級・河端悠が2連覇達成、『組み手が上達した』と1年間振り返る
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40kg級決勝、河端悠が宮城杏優菜を左袖釣込腰で攻める

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最終盤に宮城が得意の右小外刈、しかし河端は身を捩じって浴びせ返そうと試みて双方崩れる

【決勝】

河端悠(大成中・愛知)○優勢[指導1]△宮城杏優菜(沖縄尚学中・沖縄)

2連覇を狙う河端悠が左、宮城杏優菜が右組みのケンカ四つ。
序盤は互いに袖を落としあう形で激しい組み手争い。宮城が右袖釣込腰、左袖釣込腰と見せるが潰れ、河端が背後から寝技を挑んで42秒「待て」。

双方なかなかチャンスが作れずスコア差のつけにくい展開が続くが、残り1分を切ったところで河端が組み際に左背負投を見せ、直後の2分6秒宮城に「指導1」。ついに均衡が破れる。

以後も互いに絞り合いが続きチャンスは僅少。残り19秒で河端が取り味のある左大内刈を放つもノーポイント、宮城は最後のチャンスとばかりに右小外刈で相手を大きく崩すが河端身を捩じって腹ばいに落ちて「待て」。

この時点で残り時間は僅か5秒。さらに終了ブザーまで袖を落としあったままの攻防が続いて熱戦に幕、河端が「指導1」優勢で勝利して全国中学校柔道大会2連覇を飾った。

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40kg級優勝の河端悠

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準決勝、宮城杏優菜が桑田彩菜から大内刈「技有」

【入賞者】

優 勝:河端悠(大成中・愛知)
準優勝:宮城杏優菜(沖縄尚学中・沖縄)
第三位:杉森未咲(光陽中・福井)、桑田彩菜(淑徳中・東京)
第五位:坪根美桜(福岡中・福岡)、德丸緋奈乃(戴星学園中・大分)、宮井杏(箕島中・和歌山)、白石雪乃(宮崎日大中・宮崎)

河端悠選手のコメント
「今日は調子があまり良くなかったのですが、客席からお父さんの声が聞こえて、それで頑張れました。1年間で組み手が上達したかなと思っています。『腕』を鍛えて頑張っています(笑)。次の目標はまず全日本カデ選手権で優勝すること、階級を48kg級まで上げてインターハイでも優勝したいです」

【準々決勝】

河端悠○優勢[有効]△坪根美桜
杉森未咲○優勢[有効]△德丸緋奈乃
宮城杏優菜○優勢[指導2]△宮井杏
桑田彩菜○優勢[指導1]△白石雪乃

【準決勝】

河端悠○袖釣込腰(0:14)△杉森未咲
宮城杏優菜○合技(2:52)△桑田彩菜

【決勝】

河端悠○優勢[指導1]△宮城杏優菜

■ 44kg級・伊與久桜良が初優勝、一段違う力見せつけ決勝も秒殺「一本」
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勝負どころの準々決勝、伊與久桜良が上倉舞知と激しい攻防

伊與久桜良(夙川学院中・兵庫)が激戦ブロックを勝ちあがって決勝進出。袈裟固、送襟絞と2試合連続の一本勝ちを経て迎えた昨年度40kg級準優勝者・上倉舞知(野沢温泉中・長野)との準々決勝は「指導1」の優勢でしぶとく勝ち抜け。全国小学生学年別柔道大会2連覇者(5年生40kg級、6年生45kg級)の1年生・小幡心里(日吉台中・宮城)との準決勝は「指導1」リードの終盤に相手の右一本背負投を潰すと電光石火の「腰絞め」に捉えて絞め落とし送襟絞「一本」。一段違う強さを見せつけての決勝進出だ。

もう片側からの決勝進出者は槇原未来(松江四中・島根)。こちらは3回戦で一昨年の小学チャンピオン徳本千夕(楠見中・和歌山)を「指導3」対「指導1」で振り切り、しぶとくトーナメントを勝ちあがって迎える決勝の畳。

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決勝、伊與久桜良が槇原未来から釣込腰「一本」

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44kg級優勝の伊與久桜良

【決勝】

伊與久桜良(夙川学院中・兵庫)○釣込腰(0:07)△槇原未来(松江四中・島根)

決勝はまさしくあっと言う間に決着。左組みの伊與久が引き手で襟、釣り手で上から背中を握るなり左釣込腰。体勢整う前に強打を受けた槙原抗えず宙を舞い見事な「一本」。

ここまで僅か7秒。ファーストアタックに全ての力を注ぎ込んだ伊與久が嬉しい全国大会初優勝を決めた。

【入賞者】
優 勝:伊與久桜良(夙川学院中・兵庫)
準優勝:槇原未来(松江四中・島根)
第三位:小幡心里(日吉台中・宮城)、野上莉来奈(中里中・青森)
第五位:上倉舞知(野沢温泉中・長野)、坪根和海(福岡中・福岡)、多田薫(広陵中・奈良)、大石凛(大和中・佐賀)

伊與久桜良選手のコメント

「初めての全国大会優勝、とてもうれしいです。得意技は背負投ですが、今後は組み手を磨いていくことが大事だと思っています。好きな選手は中村美里選手です。」

【準々決勝】

伊與久桜良○優勢[指導1]△上倉舞知
小幡心里○優勢[有効]△坪根和海
槇原未来○GS指導1(GS1:52)△多田薫
野上莉来奈○優勢[有効]△大石凛

【準決勝】

伊與久桜良○送襟絞(2:00)△小幡心里
槇原未来○合技(2:35)△野上莉来奈

【決勝】

伊與久桜良○釣込腰(0:07)△槇原未来

■ 48kg級・古賀若菜の3階級制覇はならず、中馬梨歩が初優勝飾る
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48kg級準々決勝、古賀若菜が古谷真弥から大内刈「有効」

1年生時の40kg級、昨年の44kg級と連続優勝を果たし今大会で全国中学大会3階級制覇に挑む古賀若菜(田主丸中・福岡)が他を圧する強さで勝ちあがる。全ての選手にマークされる中、堀紫音(楠見中・和歌山)を一本背負投「一本」(0:18)、今楓香(中里中・青森)を横四方固「一本」(1:15)、準々決勝の古谷真弥(新潟第一中・新潟)戦は2つの「有効」に「技有」と連取して圧勝し、準決勝の山口さき(田島中・埼玉)戦も「有効」優勢で勝利して危なげなく決勝進出決定。

逆側の山からは昨年度この階級ベスト8の中馬梨歩(吉野中・鹿児島)が決勝に駒を進めた。一本勝ちは初戦で陣内愛(市川第七中・千葉)から挙げた背負投「一本」(0:24)のみだが、以降は全試合で投技のポイントを得て、こちらも他から一段抜けた力を見せつけての決勝進出。

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決勝、「有効」をリードした中馬梨歩が古賀若菜を内股巻込で攻める

【決勝】

中馬梨歩(吉野中・鹿児島)○優勢[有効・払巻込]△古賀若菜(田主丸中・福岡)

決勝は古賀、中馬ともに左組みの相四つ。開始早々古賀が相手を引き落として寝勝負を試みるが中馬こらえて「待て」。直後中馬が左背負投に左一本背負投と担ぎ技を連発するも古賀心得て上手く捌き、これもポイントには繋がらず。

以降前半戦は双方技がなかなか出ない膠着に陥る。中盤から古賀が盛り返して攻め込み、左大内刈から寝技に繋ぐと、上体を固めてほとんど抑え込み掛かるところまで歩を進める。しかし中馬必死にこらえて「待て」。経過時間は1分37秒。

直後古賀が組み勝つと中馬潰れ、1分44秒中馬に消極的との判断による「指導」。ここでついに均衡敗れる。

しかし中馬はこれで奮起、続くシークエンスで組み合って縺れた瞬間にタイミング良く左払巻込。古賀たまらず転がり中馬が「有効」を得る。経過時間は2分1秒、残り時間は59秒。

これまでの拮抗した試合展開を考えればまさしく決定的なポイント。逆転を狙う古賀は前進、中馬は左袖釣込腰から右背負投と繋いだ攻めが偽装攻撃と判断され2つ目の「指導」を失ったが、以降スコアは動かず試合終了。結果中馬の「有効」優勢による勝利決定、キャリア初の全国大会優勝を果たすこととなった。

3年目にしてついに破れた古賀だが、全ての選手にマークされる中で今大会も決勝進出、また団体戦でも48kg級の軽量ながらポイントゲッターとしてチームの準優勝を牽引するなど存在感の高さは比類なし。優勝という結果こそ残らなかったが、刹那的な技で勝負を「拾う」印象も強かった昨年までよりも、むしろその可能性の大きさ、潜在力の高さをより印象付けた大会であった。

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48kg級優勝の中馬梨歩

【入賞者】
優 勝:中馬梨歩(吉野中・鹿児島)
準優勝:古賀若菜(田主丸中・福岡)
第三位:山口さき(田島中・埼玉)、髙橋安未(大成中・愛知)
第五位:古谷真弥(新潟第一中・新潟)、足立光(小野中・兵庫)、白石響(天明中・熊本)、小幡恵里(日吉台中・宮城)

中馬梨歩選手のコメント
「今日は調子が良かった。今までで一番大きなタイトルを獲れて本当にうれしいです。優勝を狙って稽古してきました。足技をもっと磨いて、次は全日本カデ選手権の優勝を目指します」

【準々決勝】

古賀若菜○優勢[技有]△古谷真弥
山口さき○優勢[指導1]△足立光
髙橋安未○優勢[技有]△白石響
中馬梨歩○優勢[有効]△小幡恵里

【準決勝】

古賀若菜○優勢[有効]△山口さき
中馬梨歩○○優勢[有効]△髙橋安未

【決勝】

中馬梨歩○優勢[有効・払巻込]△古賀若菜

■ 52kg級・得意の寝技で4つの白星、藤城心が初の全国タイトル獲得
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52kg級決勝、袴田佳名瑚の両襟を藤城心が左袖釣込腰で剥がす

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合議の末「よし」が宣せられ藤城の抑え込みは継続

【決勝】

藤城心(堀江中・千葉)○優勢[有効・崩上四方固]△袴田佳名瑚(浜北北部中・静岡)

決勝は藤城が右、袴田が左組みのケンカ四つ。

序盤は藤城が左袖釣込腰を連発、3度続けてこの技を打った50秒過ぎには袴田を振り回して崩し、横三角で攻めるが完遂できず「待て」。ここで試合の流れがやや藤城に傾き始めるが、袴田は力強い左体落を入れることで対抗。一貫して袴田が両襟で接近して左体落、藤城はその両襟を左袖釣込腰で剥がすという攻防が続く。残り38秒には袴田がこの技で藤城を大きく崩す場面も作り、試合はスコアに差のつかぬまま最終盤へと縺れ込む。

残り15秒を切ったところで袴田が組み際の左体落を2連発、2発目はひときわ深く入るが互いに崩れた「際」の攻防から藤城が得意の寝技で抜け出し崩上四方固。

「抑え込み」の宣告と終了ブザーが同時だったため審判団が「そのまま」を宣して合議、「よし」の後、隣の試合場のブザーを「一本」と勘違いして藤城が抑え込みを解くというアクシデントがあったがこの時点で10秒が経過していたため勝敗自体は変わらず。「有効」「それまで」が宣告されて試合終了。結果この崩上四方固による「有効」優勢を以て藤城の勝利が決まった。

藤城はこの試合を含め、5試合中4試合を寝技で勝利。準決勝の畑田暁菜(大成中・愛知)戦における、GS延長戦含めた5分18秒を常に寝技で攻め続けてとうとう「一本」を取りきった試合は特に印象的。自ら認める長所を見事生かした、好内容の戴冠劇であった。

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52kg級優勝の藤城心

【入賞者】

優 勝:藤城心(堀江中・千葉)
準優勝:袴田佳名瑚(浜北北部中・静岡)
第三位:畑田暁菜(大成中・愛知)、山﨑朱音(笠間中・石川)
第五位:村上さくら(長洲中・大分)、大西亜虹(三雲中・三重)、盛内茉彩紀(大迫中・岩手)、岡本和香那(広陵中・奈良)

藤城心選手のコメント
「ずっと狙っていたタイトルを獲れてとてもうれしいですし、好きな寝技で勝てたことが何よりうれしいです。地元の高校生とも稽古して、力を練ってきました。次は立ち技をもっと磨いていきたい。憧れの選手は舟久保遥香さんです。将来は世界一を目指します」

【準々決勝】

畑田暁菜○袈裟固(0:51)△村上さくら
藤城心○横四方固(2:48)△大西亜虹
山﨑朱音○優勢[有効]△盛内茉彩紀
袴田佳名瑚○優勢[有効]△岡本和香那

【準決勝】

藤城心○GS縦四方固(GS2:19)△畑田暁菜
袴田佳名瑚○優勢[指導1]△山﨑朱音

【決勝】

藤城心○優勢[有効・崩上四方固]△袴田佳名瑚

■ 57kg級・一本勝ち連発、優勝候補五十嵐日菜が出色の出来で頂点極める
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決勝、岡田恵里佳が左一本背負投で先制攻撃

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「指導1」のビハインドとなった五十嵐日菜は猛攻を見せる

【決勝】

五十嵐日菜(東松山北中・埼玉)○内股(2:49)△岡田恵里佳(広陵中・奈良)

ともに団体戦で存在感を発揮していた強豪2名が過たず勝ち進み、決勝で激突。

五十嵐は初戦こそ三﨑茉莉(吉野中・鹿児島)に「指導1」の優勢という小差の勝利だったが、以降は川村幸花(三滝中・三重)から「有効」を奪った末の内股「一本」(0:40)、中崎楓菜(板野中・徳島)から合技「一本」(1:14)、百田久佳(藤枝順心中・静岡)から崩上四方固「一本:(0:37)と出色の出来を見せての決勝進出。

一方の岡田は2回戦で坂口千桜(明倫中・福井)から袈裟固「一本」(2:21)、3回戦で込山未菜(相洋中・神奈川)から「有効」優勢、準々決勝は石岡来望(五所川原一中・青森)から大腰「一本」(1:20)、準決勝は武田優香(大成中・愛知)から「有効」を奪った末の隅落「一本」(2:02)とこちらも五十嵐と同じく4戦して3つの一本勝ちをマーク素晴らしいする出来で五十嵐の待つ決勝の畳へと姿を現した。

決勝は右相四つ。序盤は互いに内股で攻め合い、岡田の左一本背負投を五十嵐が潰したところから寝技の攻防がスタートするが、これは五十嵐取りきれず「待て」。しかしこの攻防に感触を得たか再び岡田が左一本背負投に入り込んで相手を崩したところで、五十嵐に「指導」が宣告される。

以後は五十嵐の右内股、岡田の左袖釣込腰に大内刈と投技の応酬。試合が終盤に差し掛かるところで五十嵐が右内股で突っ込むと岡田大きくバランスを崩し、直後の2分5秒岡田に「指導」。これでスコアはタイとなる。

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五十嵐の右内股が決まり「技有」

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完全に試合を掌握した五十嵐は右内股「一本」でフィニッシュ

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57kg級優勝の五十嵐日菜

五十嵐はここまで追い掛けて来た勢いをそのままに、組み付きながらの右内股を連発して攻勢。残り25秒で釣り手を掴むなり右内股を放つと岡田たまらず転がって決定的な「技有」。

もはや取り返すしかない岡田は奮起して前へ。しかし五十嵐はその突進を迎え撃ち、右で首を抱えて再度の内股。ほとんど腰技と言って良いほど深く入り込んだ一撃は見事決まって「一本」。

前評判通りの強さを発揮した五十嵐、素晴らしい内容で全国中学大会制覇を成し遂げた。

【入賞者】

優 勝:五十嵐日菜(東松山北中・埼玉)
準優勝:岡田恵里佳(広陵中・奈良)
第三位:百田久佳(藤枝順心中・静岡)、武田優香(大成中・愛知)
第五位:中崎楓菜(板野中・徳島)、山口葵良梨(大牟田中・福岡)、中越皓子(川下中・山口)、石岡来望(五所川原第一中・青森)

五十嵐日菜選手のコメント
「稽古をしっかりやって来た自信があったので、優勝は出来ると思っていました。決勝では先に『指導』を取られてしまいましたが、あきらめず前に出ようと考えて試合をしました。追い込まれると力が出るタイプなので、決勝も先行されたことが良い方に働いたかもしれません。得意技は内股。寝技を磨いてもっと強くなりたいです」

【準々決勝】

五十嵐日菜○合技(1:14)△中崎楓菜
百田久佳○優勢[有効]△山口葵良梨
武田優香○袈裟固(1:34)△中越皓子
岡田恵里佳○大腰(1:20)△石岡来望

【準決勝】

五十嵐日菜○崩上四方固(0:37)△百田久佳
岡田恵里佳○隅落(2:02)△武田優香

【決勝】

五十嵐日菜○内股(2:49)△岡田恵里佳

■ 63kg級・小山遥佳が全試合一本勝ちで日本一勝ち取る
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決勝、小山遥佳が左払腰、崩れた本田詩乃を寝勝負に引きずり込む

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小山が本田を横四方固に捉える

【決勝】

小山遥佳(大成中・愛知)○上四方固(1:26)△本田詩乃(中広中・広島)

小山はここまで全試合を一本勝ち、初戦の大内刈「一本」以降は横四方固、袈裟固、崩袈裟固といずれも寝技でしっかり取り切り、隙を見せずに決勝まで進出。

一方の本田も初戦から内股、袈裟固、袈裟固と3試合連続の一本勝ち。準決勝は衣笠裕美子(上郡中・兵庫)から中盤に挙げた腰車「有効」を以て勝利決定、決勝へと駒を進めて来た。

決勝は小山、本田ともに右組みの相四つ。小山は長身の本田に対し釣り手で片襟を差しながら右大外落崩れの背負投、さらにそこから右大内刈に繋ぐ。本田がこれに崩れるとすかさず寝技に持ち込み「腹包み」を試みるが、これは本田が耐えて「待て」。経過時間は30秒。

以後は本田が右大内刈、小山が応じて右大内刈で攻め合う。

1分を過ぎたところで小山が右内股、右払腰と連発。本田が崩れるとまたもや寝勝負を挑み、横四方固に固めると主審は「抑え込み」を宣告。小山は攻防の形に応じて巧みに上四方固に連絡し、最後は万全の形で「一本」。

試合時間は僅か1分26秒。小山、全試合を一本勝ちという抜群の出来で全国中学校柔道大会初優勝を成し遂げた。

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63kg級優勝の小山遥佳

【入賞者】

優 勝:小山遥佳(大成中・愛知)
準優勝:本田詩乃(中広中・広島)
第三位:衣笠裕美子(上郡中・兵庫)、辻野瑠流伽(田主丸中・福岡)
第五位:渋谷萌々音(天王南中・秋田)、瀬戸亜香音(茅ヶ崎第一中・神奈川)、中田杏子(田島中・埼玉)、宮崎七海(鶴田中・青森)

小山遥佳選手のコメント
「団体戦3位で悔しい思いをしたので、個人戦で優勝出来たことは良かった。全試合一本勝ちも、良かったと思います。先生からは『いつもの練習通りにやって来い』と送り出してもらいました。得意技は内股と寝技です。将来は、世界一になりたいです」

【準々決勝】

本田詩乃○袈裟固(2:38)△渋谷萌々音
衣笠裕美子○優勢[有効]△瀬戸亜香
辻野瑠流伽○大外刈(0:45)△中田杏子
小山遥佳○袈裟固(3:03)△宮崎七海

【準決勝】

本田詩乃○優勢[有効]△衣笠裕美子
小山遥佳○GS崩袈裟固(GS1:51)△小山遥佳

【決勝】

小山遥佳○上四方固(1:26)△本田詩乃

■ 70kg級・朝飛真美が中学カテゴリ初優勝、得意の寝技今大会も冴える
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準決勝、朝飛真実が佐藤星麗七から内股「有効」

【決勝】

朝飛真実(六角橋中・神奈川)○優勢[有効・崩上四方固]△松本りづ(大成中・愛知)

全国小学生学年別柔道大会王者で昨年度本大会ベスト8に入賞している朝飛真美と団体戦3位入賞の大成中のエース松本りづ、前評判の高かった2人の強者が順当に勝ち上がって決勝で激突。朝飛はここまで4戦全てを一本勝ち(内股、合技、袈裟固、崩袈裟固)と他を圧する出来、松本は4戦して一本勝ちは2つだがスコア以上に力強い戦いを見せており、こちらも堂々たる勝ちあがり。

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決勝、松本りづが先手を取って攻め込む

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朝飛が崩上四方固

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松本必死で逃れこれは「有効」に留まる

決勝は朝飛が左、松本が右組みのケンカ四つ。序盤松本は右内股を連発、朝飛はうまくいなして左大内刈に吸収し、場外までケンケンで激しく追って「待て」。松本がパワーを生かして振り回す勢いで技を仕掛け、朝飛が巧みにこれに応じるという構図。

続く展開で朝飛が左内股で追うと松本が崩れ、朝飛はこの機を逃がさず崩上四方固に抑え込む。もはや試合の行方見えたかと思われたが、松本必死に抗して朝飛の拘束から逃れ、この抑え込みの効果は「有効」に留まる。

以後双方引き手を得られず攻防が止まり、1分54秒両者に「指導1」。

奮起した松本は右内股に右払腰と繋いで朝飛の膝を畳に着かせるところまで崩すが、決定打とはならず。以後は互いに釣り手一本、あるいはケンカ四つクロスの内股の応酬となる。

残り6秒で松本が右払腰、あくまで投げ切らんと粘る。この際朝飛の左足が松本の軸足に内側から入ったのではないかと三審が合議を持つが、結局朝飛に対して消極的との咎による「指導2」が宣告され、スコアの積み上げはこれのみ。

結果、朝飛が「有効」優勢で勝利を決め、3度目の出場で全国中学校柔道大会初優勝を成し遂げることとなった。松本は大枠攻防を優位に進め地力ではむしろ上のように見受けられたが、朝飛が粘り強く戦い、手堅くワンチャンスを生かした一番であった。

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70kg級優勝の朝飛真実

【入賞者】

優 勝:朝飛真実(六角橋中・神奈川)
準優勝:松本りづ(大成中・愛知)
第三位:桑形萌花(夙川学院中・兵庫)、佐藤星麗七(鶴田中・青森)
第五位:三谷桜(帝京中・東京)、大本真琴(敬愛中・福岡)、山本楓花(鏡中・熊本)、丸山みかの(丸子北中・長野)

朝飛真実選手のコメント
「優勝出来るとは思っていませんでした。準決勝が一番厳しい試合でした。決勝は『有効』とりましたけど寝技で決め切れず、そこがダメでした。逃げる姿勢で『指導』を貰ってしまったのも反省点です。最後まで気持ちで頑張らないと。小学生の時に優勝したけど、中学生になってだらしない柔道をしてしまって気持ちが滅入っていました。またこの大会に戻って来れて、優勝まで出来て、本当にうれしいです」

【準々決勝】

松本りづ○GS有効(GS1:12)△三谷桜
桑形萌花○GS指導1(GS0:32)△大本真琴
朝飛真実○袈裟固(1:54)△山本楓花
佐藤星麗七○優勢[有効]△丸山みかの

【準決勝】

松本りづ○優勢[指導2]△桑形萌花
朝飛真実○崩袈裟固(1:37)△佐藤星麗七

【決勝】

朝飛真実○優勢[有効・崩上四方固]△松本りづ

■ 70kg超級・米川明穂が圧勝V
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準決勝、米川明穂が八巻衣音から支釣込足「一本」

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準々決勝、大森実乗が谷地望から大外刈「有効」

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決勝、米川が大森を左払腰「一本」に仕留める

【決勝】

米川明穂(藤枝順心中・静岡)○払腰(0:46)△大森実乗(岡山理大附属中・岡山)

米川は4戦して3つの一本勝ちという出色の出来。2回戦で椋木美希(高津中・島根)から袈裟固「一本」(1:26)、3回戦は金杉一葉(芝西中・埼玉)から「指導1」の優勢、準々決勝は外間蘭(沖縄尚学中・沖縄)から大内刈「一本」(1:40)、準決勝は八巻衣音(安佐中・広島)を支釣込足「一本」(1:29)で破り、堂々たる内容での決勝進出。一報の大森は4戦して2つの「一本」をマーク、準決勝では前戦で団体戦優勝に貢献した今村美優(広陵中・奈良)を破った佐藤香菜(下京中・京都)を「指導2」で凌いで決勝進出決定。

決勝は両者左組みの相四つ。試合が始まるなり米川が首を抱えて左内股、伏せかけた相手を押し込んで「有効」奪取。

試合開始僅か15秒のこの一撃で以後の様相決した感あり、直後米川が組み勝つと大森は圧に耐えかねて潰れてなかなか体勢を立て直すことができない。

46秒に米川が明らかに勝負を決めるオーラを発しながら左大内刈、さらに逃れる相手の外側を制すべく払腰に繋ぐとおそらく内股を想起していた大森の体は一瞬で剛体。そのまま吹っ飛んで文句なしの「一本」。

地力の差を感じ取り、内から外への連携で逃れようなく相手を固定した「詰め」の効いた一撃。実力はもちろん、米川の気持ちの強さが勝利を呼び込んだという形の一番だった。

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70kg超級優勝の米川明穂

【入賞者】

優 勝:米川明穂(藤枝順心中・静岡)
準優勝:大森実乗(岡山理大附属中・岡山)
第三位:佐藤香菜(下京中・京都)、八巻衣音(安佐中・広島)
第五位:谷地望(雫石中・岩手)、今村美優(広陵中・奈良)、平野友萌(茅ヶ崎第一中・神奈川)、外間蘭(沖縄尚学中・沖縄)

米川明穂選手のコメント
「今回は優勝のチャンスがあると周りから言われていて、であればモノにするしかないと決めて大会に臨みました。性格は、負けず嫌い(笑)。得意技は払腰ですが、とにかく気持ちで絶対負けない、そう思って戦えたことが勝因だと思います」

【準々決勝】

大森実乗○袈裟固(0:48)△谷地望
佐藤香菜○GS技有(GS3:17)△今村美優
八巻衣音○横四方固(2:52)△平野友萌
米川明穂○大内刈(1:40)△外間蘭

【準決勝】

大森実乗○優勢[指導2]△佐藤香菜
米川明穂○支釣込足(1:29)△八巻衣音

【決勝】

米川明穂○払腰(0:46)△大森実乗


取材・文:古田英毅

※ eJudoメルマガ版8月26日掲載記事より転載・編集しています。

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