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広陵中が初優勝、連覇狙った田主丸中を決勝で破る・第47回全国中学校柔道大会女子団体戦即日レポート

(2016年8月17日)

※ eJudoメルマガ版8月17日掲載記事より転載・編集しています。
広陵中が初優勝、連覇狙った田主丸中を決勝で破る・第47回全国中学校柔道大会女子団体戦即日レポート
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初優勝を果たした広陵中

第47回全国中学校柔道大会は18日、リージョンプラザ上越(新潟県上越市)で開幕。初日は女子団体戦の競技が行われ、広陵中(奈良)が初優勝を飾った。

12月のサニックス旗、3月の近代柔道杯を制した広陵中は優勝候補の最右翼。前評判通りの強さで予選リーグとトーナメントを駆け上がり、準決勝は阿佐中(広島)を2-0、決勝では前年度優勝の田主丸中(福岡)を2-0で破って無失点のまま全国中学校大会初優勝を決めた。3位には阿佐中のほか、大成中(愛知)が入った。

■戦評

【ベスト4まで】

準決勝に進んだのは田主丸中(福岡)、大成中(愛知)、広陵中(奈良)、阿佐中(広島)の4チーム。

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準々決勝、代表戦で大成中・松本りづが鶴田中・佐藤星瑠七から払腰「技有」。残り5秒で逆転に成功する。

昨年度優勝の田主丸中は先鋒古賀若菜が取って流れを掴む黄金パターンで僅少差の試合を制し続けてのベスト4入り。準々決勝は丘中(長野)を相手に古賀が中村苑美から僅差の優勢、中堅辻野瑠流伽が矢沢愛理から「有効」優勢と前衛2枚で試合を決める手堅い戦いを継続、2-1で勝利して準決勝進出決定。

大成中は歴代に比べて大人しいチームだが、中堅松本りづの戦闘力をテコに予選リーグは圧勝続き。山場の決勝トーナメント1回戦・夙川学院中(兵庫)戦は先鋒小山遥佳が伊與久桜良から横四方固「一本」で勝利してまず先制、中堅松本が引き分け、大将並木あのんは桑形萌花相手の苦しい試合を「指導2」までに収めて、結果1対1の内容差で勝利決定。準々決勝の鶴田中(青森)戦は、0対0のまま本戦3試合を終え、松本が出場した代表戦も佐藤星瑠七に「指導2」対「指導1」でリードされたまま最終盤を迎えるというまことに苦しい試合。しかし残り11秒で松本が起死回生の右払腰「技有」を奪って逆転、辛くも勝利を得て準決勝へと駒を進めて来た。

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決勝トーナメント1回戦、広陵中の先鋒岡田恵里佳が高松太田中・秋山晴香から合技「一本」

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準々決勝、阿佐中の大将八巻衣音が東松山北中・新井友那を攻める

広陵中の勝ちぶりは圧倒的。「先鋒の岡田(恵里佳)以外はガチガチでした」という第1試合は吉野中(鹿児島)に1対0という辛勝だったが、続く予選リーグ第2試合は河北中(鳥取)を3-0、決勝トーナメント1回戦では高松太田中(香川)を全員が1分掛からず一本勝ちを決める素晴らしい試合内容で3-0、準々決勝は地元の白根第一中(新潟)を2-0で下し、無失点のまま余裕を持ってのベスト4入り。

阿佐中は混戦ブロックを勝ちあがってのベスト4入り。予選リーグの山場である市川第七中(千葉)戦を1対1の内容差で切り抜けると、決勝トーナメント1回戦は先鋒貫目怜亜の上四方固「一本」をテコに下京中(京都)にこれも1対1で競り勝ち。準々決勝の東松山北中(埼玉)戦は中堅戦で相手のポイントゲッター五十嵐日菜に一本勝ちを許したものの、1-1の内容差ビハインドで迎えた大将戦で大将八巻衣音が新井友那から小外掛「技有」の優勢で勝利。接戦ことごとくものにして栄光のベスト4の畳へと駒を進めて来た。

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準決勝、田主丸中の先鋒古賀若菜が大成中・小山遥佳から体落で「有効」を奪う

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大成中は大将並木あのんが釘本梨子から内股「技有」、一矢を報いるが時すでに遅し

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準決勝、広陵中の先鋒岡田恵里佳が阿佐中・峯岡千秋から袖釣込腰「一本」

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広陵中の大将・今村美優が久保成美から袖釣込腰「技有」

【準決勝】

田主丸中(福岡) 2-1 大成中(愛知)

第1試合は田主丸中がこれしかないというシナリオを完遂して大成中に勝利。

先鋒戦では48kg級の小兵古賀若菜がケンカ四つの小山遥佳の先手を取って大内刈、体落と攻めるが体格差もあり双方に「指導1」が与えられたままなかなか差がつかない。しかし引き分け濃厚かと思われた最終盤、古賀はこれまでの手数志向から入る間合いを変え、相手の死角から低く脚を伸ばしてドロップ式の左体落。相手が前に激しく崩れるとみるや上体を背負投の形に固めて押し込み、残り5秒で殊勲の「有効」奪取。これで見事先制に成功。

中堅戦は辻野瑠流伽が、なぜか過剰に慎重な松本りづの隙をついて攻め込み続ける。結果残り時間1分以上を残して、組み手のミスも犯した松本に積み重なった指導は実に「3」。辻野は残り11秒で「押し出し」の「指導」を失ったが大過なくフィニッシュ、この時点で田主丸中が早くも勝利を決める。

大成中はこれまでどちらかというと前2人に頼り気味であった大将並木あのんが奮起、釘本梨子を相手に大内刈と大外刈を愚直なまでに放ち続ける。個々の技に取り味はなかったがその手数によって十分餌が撒かれた形となり、残り1分に同じ形からツイと内股に入り込むと釘本前に激しく崩れて「技有」、並木はそのまま崩袈裟固に抑え込み合技「一本」で一矢を報いるが時すでに遅し。戦力構成上前2つで取り切るしかないという厳しい一本道を、軽量選手の「有効」優勢、相手のポイントゲッター相手の「僅差」優勢という最短ルートで駆け抜けた田主丸中がみごと決勝へと駒を進めることとなった。

広陵中(奈良) 2-0 阿佐中(広島)

第2試合は広陵中が圧勝。先鋒岡田恵里佳がこの試合から入った阿佐中・峯岡千秋からまず右大腰で「有効」、さらに豪快な左袖釣込腰「一本」と立て続けに奪って鮮やかに先制。中堅戦の引き分けを受けた大将戦では今村美優が久保成美から開始早々に袖釣込腰「技有」、さらに後袈裟固に抑え込む合技「一本」の快勝。最終スコアは2-0、広陵中はついにここまで無失点のまま決勝まで辿り着くことに成功した。

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決勝、先鋒戦は田主丸中・古賀若菜が岡田恵里佳を攻めに攻める

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中堅戦、広陵中・川上真紀は徹底して下から引き込み、辻野瑠流伽を寝勝負に誘う

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川上が辻野を横四方固に捉え「一本」

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広陵中の大将今村美優が釘本梨子を攻め込み4つの「指導」を奪取

【決勝】

広陵中(奈良) 2-0 田主丸中(福岡)

ポイントゲッター同士がカチあった先鋒戦は田主丸中・古賀若菜が左、広陵中・岡田恵里佳が右組みのケンカ四つ。古賀がこの試合も先んじて左体落で攻め、岡田が両者「く」の字で止め合う形で展開にストップを掛けたところで47秒岡田にのみ「指導1」。以後もペースは大内刈、体落と快調に放つ古賀が握り続けるが、岡田が散発的に放つ左一本背負投と肩車の掛け潰れを主審は効果ある攻撃と判断、このまま差を付けずに試合の推移を見守る。

なかなか次の「指導」が奪えない古賀は、岡田のパワーに一瞬組み負けた1分52秒に痛恨の掛け潰れ。主審即座に偽装攻撃の「指導」を与え、ここでスコアはタイとなる。ここで勝つほかチーム勝利の芽がないことを良く知る古賀の攻撃は加速するが、残り34秒に2つ目の「指導」を奪って以降は主審に動く気配まったくなし。この試合はこのまま引き分けに終わる。

中堅戦は広陵中・川上真紀がまず右背負投に潰れると、得意の下から引き込む形で辻野瑠流伽を寝勝負に誘う。辻野は川上が2度目に放った右一本背負投を冷静に潰して「腰絞め」を狙うが、川上は回避するなりまたもや下から引き込んで寝技を挑む。心得た辻野は素早くパスして抑え込みを狙うがこの攻防が揉めると見ると、早く立って投技勝負が得策と見たか矛を収めて立ち上がり掛ける。前戦引き分けのバックグランドがここに効いた形、川上腰が上がって剛体となった辻野を下からめくり返して横四方固に捉えることに成功。そのままもはや離さぬとばかりに20秒間をガッチリ抑え切り「一本」。広陵中が決定的な先制点を得る。

大将戦は田主丸中・釘本梨子が右、広陵中・今村美優が左組みのケンカ四つ。今村は左内股と前技フェイントの小外掛を往復し続ける骨の太い組み立てに大内刈を交え、畳上を快走。釘本はなんとか際の一発のチャンスを待って粘り続けるが残り48秒までに3つの「指導」を失うという苦しい展開。そして残り9秒、今村が左背負投で釘本を大きく崩したところで審判団が合議、釘本に4つ目の「指導」が与えられて試合終了。最終スコア2対0を以て広陵中が初の全国中学校大会優勝を成し遂げた。

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優勝決定、最後の「礼」に臨む広陵中の3人

決勝のポイントは先鋒戦、古賀の連続攻撃に対し、岡田がとにもかくにも左一本背負投を打ち返して展開を保ち続けたこと。先鋒戦の先制をバックに「普通に戦えば分が良いはず」(田主丸中・黒岩浩隆監督)の中堅戦を有利に進めるのが田主丸中の戦略だったが、ここをしっかり止めたことで是が非でも取らねばならなくなった辻野を相手に川上得意の寝勝負作戦が生き、最終的にはチーム力の差をしっかり反映させた形で2-0の大勝へと辿り着いた。

入賞校と広陵中・中尾太保監督のコメント、決勝トーナメント1回戦のスコアと準々決勝以降の対戦詳細は下記。

■ 記録
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試合終了直後、選手たちを笑顔で祝福する広陵中・中尾太保監督

【入賞者】
優 勝:広陵中(奈良)
準優勝:田主丸中(福岡)
第三位:大成中(愛知)、阿佐中(広島)
第五位:塩尻市立丘中(長野)、鶴田中(青森)、白根第一中(新潟)、東松山北中(埼玉)
敢闘賞:天王南中(秋田)、岡山理大附中(岡山)、夙川学院中(兵庫)、帝京中(東京)、高松太田中(香川)、岐阜西中(岐阜)、藤枝順心中(静岡)、下京中(京都)

広陵中・中尾太保監督のコメント
「2位、3位、3位と来てようやく優勝することが出来ました。子どもたちとが本当に良く頑張ったし、回りの色々な人たちに力を発揮させてもらいました。サニックス旗と近代柔道杯を獲って今年は強いと言ってくださる方が多かったんですが、そもそもそんなに飛び抜けたチームでは全くありませんし。春に川上が右ひじを脱臼、夏も今村が肩を怪我してチームは本当に満身創痍。”どないして戦おうか”というところからスタートした夏でした。なんとか間に合ったということになります。川上は県大会の個人戦で負けて、マルちゃん杯も予選に出れなかった(注:本戦の出場資格なし)ので、これが本当に最後の試合。そのぶん、集中力高くしっかり戦ってくれました。(今代の3年生はどんなキャラクターですか?)みなアッケラカンとしていますね(笑)。岡田はニコニコしていますけど勝っても淡々、川上は寡黙。(-指導のモットーは?)柔道としては二本持ってしっかり掛け切る、ですが選手である前に中学生ですので。人として当たり前のことをまず身に着けさせることを第一に考えています」

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オープニングゲーム、田主丸中・古賀若菜は体落から崩袈裟固に繋いであっという間の一本勝ち

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決勝トーナメント1回戦、鶴田中・佐藤星麗七が帝京中・田嶋海佳から大外刈「一本」

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決勝トーナメント1回戦、代表戦で東松山北中・五十嵐日菜が藤枝順心中・米川明穂から内股「一本」

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準々決勝、広陵中の先鋒岡田恵里佳が白根第一中・鈴木亜衣美を抑え込む

【決勝トーナメント1回戦】

田主丸中(福岡) 2-0 天王南中(秋田)
塩尻市立丘中(長野) 3-0 岡山理大附中(岡山)
大成中(愛知) ①-1 夙川学院中(兵庫)
鶴田中(青森) 1-0 帝京中(東京)
広陵中(奈良) 3-0 高松市立太田中(香川)
白根第一中(新潟) 2-1 岐阜西中(岐阜)
東松山北中(埼玉) ①代-1 藤枝順心中(静岡)
阿佐中(広島) ①-1 下京中(京都)

【準々決勝】

田主丸中(福岡) 2-1 塩尻市立丘中(長野)
(先)古賀若菜○優勢[僅差]△中村苑美
(中)辻野瑠流伽○優勢[有効]△矢澤愛理
(大)釘本梨子△優勢[僅差]○山田千尋

大成中(愛知) 0代-0 鶴田中(青森)
(先)小山遥佳×引分×宮崎七海
(中)松本りづ×引分×佐藤星麗七
(大)並木あのん×引分×佐藤颯姫
(代)松本りづ○優勢[技有]△佐藤星麗七

広陵中(奈良) 2-0 白根第一中(新潟)
(先)岡田恵里佳○崩袈裟固(1:11)△鈴木亜衣美
(中)川上真紀○横四方固(0:35)△星野由衣
(大)今村美優×引分×松澤佑栞

阿佐中(広島) 2-1 東松山北中(埼玉)
(先)貫目怜亜○優勢[技有]△高橋瑛美
(中)久保成美△合技○五十嵐日菜
(大)八巻衣音○優勢[技有]△新井友那

【準決勝】

田主丸中(福岡) 2-1 大成中(愛知)
(先)古賀若菜○優勢[有効]△小山遥佳
(中)辻野瑠流伽○優勢[僅差]△松本りづ
(大)釘本梨子△合技[内股・崩袈裟固](2:33)△並木あのん

広陵中(奈良) 2-0 阿佐中(広島)
(先)岡田恵里佳○袖釣込腰(0:56)△峯岡千秋
(中)川上真紀×引分×貫目 怜亜
(大)今村美優○合技[袖釣込腰・後袈裟固](1:00)△久保成美

【決勝】

広陵中(奈良) 2-0 田主丸中(福岡)
(先)岡田恵里佳×引分×古賀若菜
(中)川上真紀○横四方固(1:36)△辻野瑠流伽
(大)今村美優○反則[指導4](2:52)△釘本梨子


取材・文:古田英毅

※ eJudoメルマガ版8月17日掲載記事より転載・編集しています。

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