PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

【リオ五輪柔道競技完全ガイド】リネールの決勝勝ちあがりはほぼ確実、原沢は初戦から強豪と連続対戦・リオデジャネイロ五輪柔道競技100kg超級直前展望

(2016年8月12日)

※ eJudoメルマガ版8月12日掲載記事より転載・編集しています。
【リオ五輪柔道競技完全ガイド】リネールの決勝勝ちあがりはほぼ確実、原沢は初戦から強豪と連続対戦・リオデジャネイロ五輪柔道競技100kg超級直前展望
eJudo Photo
100kg超級組み合わせ。原沢には歯ごたえのある相手がマッチアップ。

→リオ五輪柔道競技78kg超級組み合わせ(ippon.orgサイト)
→リオ五輪柔道競技最終日組み合わせ(PDF)

組み合わせは右図。赤字がドローで振り分けられたノーシード選手である。有力選手と階級概況についてはこちらで再度確認してもらいたい。

リネールの勝ち上がりには問題なし。多少なりとも面倒な選手は全て逆側に配された。トーナメント全体としては、原沢久喜とイアキフ・カモーがどう勝ちあがるのか、そしてどちらがリネールへの挑戦権を得るのかが大きな見どころ。

リネールが、ケンカ四つの短駆タイプを嫌がる傾向はもはや周知。原沢は自分の最高打点をぶつける前に、まず何等か仕掛けてリネールのパニックを誘わなければいけないわけで、このツールとして何らかの手順、形による密着とそこからリネールを崩す具体的な一打を準備していると予想する。焦らせて場を荒らすことに成功すれば、勝負技は後ろ技。大内刈になるのではないだろうか。

最終日ということで、畳に立つ選手にはこれまでの母国の戦いも大きくその肩に圧し掛かる。ロシアなら3つ目の金メダル獲得なるか、韓国なら国内で「アベンジャーズ」と盛り上げられた最強布陣が金メダルゼロのまま終わってしまうのか否か。そしてリネールには柔道強国フランスがいまだ金メダルゼロという事実が圧し掛かる可能性もある。とにかく面白い試合、通り一遍ではない五輪の磁力の利いた試合に期待したい。

具体的に各プールと敗者復活戦から決勝までの顔合わせを予想、展望していきたい。

eJudo Photo
「リネールの時代」は続くのか?

【プールA】
第1シード:テディ・リネール(フランス)
第8シード:ラファエル・シウバ(ブラジル)
有力選手:レナト・サイドフ(ロシア)

テディ・リネール(フランス)のブロック。リネールの座る上側の山にリネールを脅かすような強豪は配置されておらず(そもそも階級全体を見渡してもいないが)、リネールの勝ち上がりは確実。一方、下側の山でリネールへの挑戦権を掛けて争うのは戦術派の巨漢ラファエル・シウバ(ブラジル)と長身で寝技の巧みなレナト・サイドフ(ロシア)。両者右組みでシウバの圧力が効くため、ここはシウバの勝利と予想。準決勝はリネール対シウバ。組み手管理と前進圧力が生命線でさしたる飛び道具を持たないシウバは、リネールにとって特に戦いにくい相手ではない。よって、事故の可能性も少なくリネール勝利の可能性が極めて高いと考える。このブロックの勝ち上がりはリネール。


【プールB】
第4シード:ロイ・メイヤー(オランダ)
有力選手:キム・スンミン(韓国)
第5シード:オール・サッソン(イスラエル)
有力選手: イスラム・エルシャハビ(エジプト)

ロイ・メイヤー(オランダ)のブロック。シード位置にはメイヤーとオール・サッソン(イスラエル)の階級を代表する担ぎ技ファイター2人が座り、それあおれメイヤーにはにキム・スンミン(韓国)、サッソンにはイスラム・エルシャハビ(エジプト)のベテラン2人が刺客として配された。上側の山でベスト8を賭けてメイヤーと戦うキムは典型的な巻き込みファイター。近頃は西潟式の浮落や奇襲技の横落も用いるが、どちらもあくまで背中を抱いての密着が前提。ここは、メイヤーが担ぎ技を駆使してキムを封じて勝利すると予想する。下側の山では初戦で対戦するサッソンとエルシャハビの勝者がそのままベスト8まで勝ち上がるはず。地力で勝るのはエルシャハビだが、サッソンは近頃正面から組み合っての柔道も出来るようになってきており、担ぎ技の先制攻撃で相手の圧をそらすことの出来るサッソンの勝利と予想する。準々決勝はメイヤー対サッソン。この大戦はメイヤーが右組みでサッソンが左組みのケンカ四つ。共に担ぎ技を得意としているが、地力に優るメイヤーが有利。このブロックの勝ち上がりはメイヤー。

【プールC】
第2シード:原沢久喜
有力選手:アダム・オクルアシビリ(ジョージア)、ウサンジ・コカウリ(アゼルバイジャン)
第7シード:バルナ・ボール(ハンガリー)
有力選手:ファイセル・ヤバラー(チュニジア)

原沢久喜(日本)のブロック。原沢は初戦から強豪と連戦する少々厄介な組み合わせ。1回戦では裏投一辺倒から脱却してイロモノ系の独自路線を邁進中のアダム・オクルアシビリ(ジョージア)、2回戦では五輪直前期に好調だったウサンジ・コカウリ(アゼルバイジャン)都の対戦が濃厚だ。一方の下側の山にはBシード位置に両組みで左右の腰技が効くバルナ・ボール(ハンガリー)が座り、直下にアフリカ王者のファイセル・ヤバラー(チュニジア)が配された。原沢の初戦の相手であるオクルアシビリは色物柔道家の代表格。あくまで地力で優るのは原沢であるため、過度な密着による事故を避けつつ丁寧な組み手を志向すれば勝つことは難しくない。2回戦で対戦するコカウリは腕力が売りのパワーファイター。こちらも地力は原沢のほうが圧倒的に上であるため、丁寧に戦えばまず負けることはない。上側の山を勝ち上がるのは原沢。

下側の山は1回戦で対戦するボールとヤバラーの勝者がそのまま勝ち上がるはず。ヤバラーはロンドン五輪直後こそ圧倒的なパワーでランキング上位に君臨していたが、現在ではそれもすっかり衰えてしまいボールの敵ではない。ボールの勝ち上がりと予想する。準々決勝は原沢対ボール。組み手の左右が利き、パワーが売りのボールは原沢に対しては左右の組み手を駆使しての膠着を志向するはず。原沢はボールの柔道に付き合わずまずは「指導」を奪って優位を作りたい。技の威力に優る原沢の勝利と予想する。このブロックの勝ち上がりは原沢。

【プールD】
第3シード:イアキフ・カモー(ウクライナ)
有力選手:ルリー・クラコベツキ(キルギスタン)
第6シード:ダニエル・ナテア(ル-マニア)
有力選手:アブドロ・タングリエフ(ウズベキスタン)

イアキフ・カモー(ウクライナ)のブロック。Bシード位置には今年のワールドマスターズを圧倒的な内容で制した巨漢のダニエル・ナテア(ルーマニア)が配された。カモーがベスト8進出をかけて戦うのは恐らくルリー・クラコベツキ(キルギスタン)。短躯を活かした軽快な動きと技の切れ味が売りの曲者だが、ここは地力に優り担ぎ技に捨て身技と引き出しの多さが売りのカモーが勝利すると予想する。一方、ナテアがベスト8を賭けて争うのはついにリオデジャネイロ五輪にまでたどり着いてしまった大ベテランのアブドロ・タングリエフ(ウズベキスタン)。仙人のような風貌でケレン味たっぷりの曲者柔道を展開するタングリエフに付き合わず、巨体とパワーで相手の持ち味を塗りつぶすことが出来ればナテアの勝利は固いはず。

準々決勝はカモー対ナテア。技の多彩さと切れ味が売りのカモーと、巨体と豪快な腰技が売りのナテアという対象的な2人による対決。ここは担ぎ技が利き試合運びも巧みなカモーの勝利と予想する。ナテアが無駄な思考を排除して自身の巨体を利した柔道を徹底した場合のみ、結果が揺れる可能性がある。このブロックの勝ち上がりはカモー。

【敗者復活戦】

ラファエラ・シウバ対オール・サッソン
サッソンがシウバから投技でポイントを奪うシナリオは予想し難く、巨体を活かした圧殺でシウバが勝利すると予想。サッソンは担ぎ技の先手攻撃で先に「指導」を積みあげたい。

バルナ・ボール対ダニエル・ナテア
ナテアの巨体を利した圧力に対して、組み手の左右を駆使して対処できるボールの勝利と予想する。ナテアは今回も良い意味での思考停止ができるかどうかがキモ。考えすぎると却って持ち味が出ない。

【準決勝】

テディ・リネール対ロイ・メイヤー
ほぼ間違いなくリネールが勝利すると思われる。仮に付け入る隙があるとすれば、リネールが左組みの担ぎ技タイプを苦手としている点。メイヤーは左構えに構えて担ぎ技先制攻撃での逃げ切りを目指したい。

原沢久喜対イアキフ・カモー
あくまで地力で勝るのは原沢。しかし、試合運びの巧みなカモーにポイントを先行されると相当厳しい戦いになるはず。序盤に山場を作ってポイントで優位に立ちたい。勝ち上がりは原沢。

【3位決定戦】

ラファエラ・シウバ対イアキフ・カモー
過去の対戦時にはシウバの組み手管理と前進圧力にカモーが手を焼くも、シウバが対を捨てた一瞬の隙にカモーが抱分で「有効」を奪い勝利している。シウバが同じ愚を犯すとは考えがたく、「つまらない試合」でシウバが勝利と予想。

バルナ・ボール対ロイメイヤー
腰技タイプのボールと担ぎ技タイプのメイヤーの対決。地力に勝り組み手の左右が利くボールの勝利と予想。

【決勝戦】

テディ・リネール対原沢久喜
地力はリネールのほうが何枚も上手。勝者は客観的に見てリネールと予想。持てるリソース全てを組み手で優位を作ることにつぎ込んでくるリネールに対して、原沢が具体的な手立てを持ち込めるかがポイント。日本重量級4年間の集大成を見せて欲しい。


文:古田英毅/林さとる

→「リオデジャネイロ五輪柔道競技完全ガイド」に戻る

※ eJudoメルマガ版8月12日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.