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アンドル凄まじい気合いで世界王者2人を連破、五輪金メダリストの栄に輝く・リオデジャネイロ五輪柔道競技78kg超級

(2016年8月12日)

※ eJudoメルマガ版8月12日掲載記事より転載・編集しています。
アンドル凄まじい気合いで世界王者2人を連破、五輪金メダリストの栄に輝く・リオデジャネイロ五輪柔道競技78kg超級
カリオカ・アリーナ(ブラジル・リオデジャネイロ)で行われているリオデジャネイロ五輪柔道競技は12日、最終日の男女最重量級が行われ、男子78kg超級はエミリー・アンドル(フランス)が優勝した。

第4シードで大会をスタートしたアンドルは2回戦でヴァネッサ・ザンボッティ(メキシコ)、準々決勝でニヘル・シェイキロウホウ(チュニジア)をそれぞれ「指導2」の優勢で下して手堅く決勝ラウンドへ進出。ここからは全く人が変わって鬼のような形相でハイパフォーマンス、準決勝では第1シードで昨年の世界王者ユー・ソン(中国)を得意の大内刈「一本」で下し、決勝は五輪連覇を狙うイダリス・オルティス(キューバ)と試合時間合計7分を超える激戦の末、相手の捨身技を潰して横四方固に抑え込み一本勝ち。見事母国フランスに今大会初の金メダルをもたらした。

決勝ラウンドのアンドルは登場時から歯を食いしばり続けて異様な表情、表彰台ではもはや感情のコントロール利かず笑いながら号泣を続け、この試合に掛けたものの大きさと覚悟の高さを垣間見せていた。

日本の山部佳苗は素晴らしい勝ち上がりを見せていたが、準決勝でオルティス(キューバ)に敗戦。3位決定戦を勝利して銅メダルを確保した。

入賞者と準々決勝のスコア、決勝ラウンドと日本代表全試合の結果および寸評は下記。

■ 78kg超級
(エントリー17名)

【入賞者】
1.ANDEOL, Emilie (FRA)
2.ORTIZ, Idalys (CUB)
3.YAMABE, Kanae (JPN)
3.YU, Song (CHN)
5.SAYIT, Kayra (TUR)
5.KIM, Minjeong (KOR)
7.CHEIKH ROUHOU, Nihel (TUN)
7.SAVELKOULS, Tessie (NED)

【メダリスト】

優勝:エミリー・アンドル(フランス)
準優勝:イダリス・オルティス(キューバ)
第3位:山部佳苗(日本)、ユー・ソン(中国)

【準々決勝】

ユー・ソン(中国)○(4:00)△カイラ・サイエト(トルコ)
エミリー・アンドル(フランス)○GS優勢[指導2](GS0:50)△ニヘル・シェイキ ロウホウ(チュニジア)
イダリス・オルティス(キューバ)○(2:32)△キム・ミンジョン(韓国)
山部佳苗(日本)○払腰(3:08)△テッシェ・サベルコウルス(オランダ)

【敗者復活戦】

カイラ・サイエト(トルコ)○横四方固(1:20)△ニヘル・シェイキ ロウホウ(チュニジア)
右相四つ。サイヤトが奥襟を持ち、シェイキロウホウが浮技を狙う展開が続く。シェイキロウホウが十分に背中を持てない状態で仕掛けた浮技を、サイヤトが浴びせ倒してそのまま横四方固。完全に決まった抑え込みにシェイキロウホウが「参った」を表明して決着。浮技の得意なシェイキロウホウ、一方投げ合いや相手の落ち際など「際」を演出して浴びせることが得手のサイヤト、双方のスタイルの噛み合わせ通りに進行し、決着した試合。アフリカから一念発起し国際大会に進出して2年、大会皆勤で勝利の方法論を探り続け、一時沈みながらもついに五輪の大舞台まで辿り着いたシェイキロウホウ、開始線で今にも崩折れんばかりの無念の表情が印象的であった。

キム・ミンジョン(韓国)○崩上四方固(2:48)△テッシェ・サベルコウルス(オランダ)
キムが左、サベルコウルスが右組みのケンカ四つ。序盤は両者警戒して組み合わない状態が続き、21秒早くも両者に「指導」が宣告される。さらに43秒には袖口を握った咎でキムのみに2つ目の「指導」が追加され、サベルコウルスがポイントをリードする。しかし、直後の展開でキムは両袖の左袖釣込腰で「有効」を奪い逆転に成功。さらに1分52秒には袖の絞り合いからの左袖釣込腰で2つ目の「有効」を追加し圧倒的優勢。最後はキムが左払腰でサベルコウルスを伏せさせ、所謂「横三角」からの崩上四方固で抑え込み「一本」。この日好調のキムがしっかり3位決定戦進出を決めた。

【準決勝】

エミリー・アンドル(フランス)○大内刈(3:06)△ユー・ソン(中国)
右相四つ。地力に勝るユーに対してアンドルはあくまで動き続けることで対抗。ユーが組み勝つとアンドルが掛け潰れる展開が続く。中盤以降ペースを上げて投げを狙うユーに対して、アンドルは手立てを変え、左で組んでから右奥襟に持ち直すという組み手の手順を選択。両者ポイントが無いまま試合時間がまもなく残り1分というところで、アンドルが奥襟を持っての右内股。ユーはアンドルの背中を抱いて裏投を狙うが、アンドルは振り向きながら右大内刈の形で浴びせ倒す。真裏に重心のかかっていたユーは堪らず背中から畳に落ち、協議の末「一本」が宣告される。優勝候補を破る大番狂わせでアンドルが決勝進出。

イダリス・オルティス(キューバ)○優勢[有効・大腰]△山部佳苗(日本)
右相四つ。釣り手で高い位置を持って技を仕掛けたい山部に対して、オルティスは袖を絞って距離を取り、あるいは背中を抱いて密着してと得意の形で応じる。山部が自分の形を作れず、オルティスが左袖釣込腰に掛け潰れたところで山部に「指導」が宣告される。リードを得たオルティスは袖を絞って腰を引き、少しでも危険を感じると左袖釣込腰に掛け潰れる守りの体勢に入る。しばしこの形が続くが、山部が襟を得ての場外際の場外際の攻防で、腰を引いて守るオルティスに極端な防御姿勢の「指導」が宣告される。勝負を振り出しに戻した山部だが、審判の「始め」の声の直後にオルティスが山部の腰を抱いて強烈な左大腰。山部は堪らず転がってしまい痛恨の「有効」失陥。以降、山部は果敢に攻め続けるも追いくことは出来ず準決勝で敗退。3位決定戦へ回ることとなった。
「指導」宣告直後の1シークエンスをどう捉えるべきか、オルティスの勝負師ぶりが際立った、双方の選手としての属性が浮き彫りとなった攻防が印象的であった。


【3位決定戦】

山部佳苗(日本)○優勢[技有・大外落]△カイラ・サイエト(トルコ)
右相四つ。開始早々、右横変形の組み手から山部が右大外落。引き手の良く効いたこの技にサイヤトは堪らず畳に転がり落ち「技有」。「一本」でもおかしくない強烈な技で山部が大きなリードを得る。初戦で決め、この日手ごたえを得た技に頼った非常に山部らしい選択。しかし、ここから山部は守りに入ってしまい、組み手の巧みなサイヤトに終始優位に立たれる厳しい展開が続く。山部は「指導3」まで失うもなんとかタイムアップまで辿り着き、「技有」優勢を以て見事銅メダルを獲得した。

ユー・ソン(中国)○大外刈(3:06)△キム・ミンジョン(韓国)
ユーが右、キムが左組みのケンカ四つ。試合は序盤からキムが地力で上のユーに対して奥襟を持ち、かつ思い切った左大外刈を仕掛ける強気の攻めを展開。キムが一本背負投の形に腕を抱えた左大外刈でユーを大きく崩した直後の1分5秒、ユーに「指導」が宣告される。以降は互いに攻め合う展開が続き、スコア動かぬまま試合時間は残り1分となる。このままキムの勝利かと思われたが、キムが釣り手を巻き替えて奥襟を得たところにユーが乾坤一擲の左大外刈。両手で相手の釣り手を抱き込む強烈な一撃にキムは為す術なく転がり落ちて「一本」。逆転勝利でユーが銅メダルを獲得した。

【決勝】

エミリー・アンドル(フランス)○GS横四方固(GS3:08)△イダリス・オルティス(キューバ)
右相四つ。入場の時点からアンドルは鬼のような形相。一方のオルティスは王者の余裕か落ち着いた面持ち。序盤は袖を絞り合う展開が続き両者に「指導」が宣告される。ここからアンドルは組み手を左構えに変更。左組みの形から右払巻込を狙う。お互いに遠間から掛け潰れる展開が続いて本戦の4分間が終了。勝負はGSへともつれ込む。GS突入以降、アンドルはペースを上げて勝負に出る。アンドルは本戦と同じ左構えから右払巻込を何度も仕掛けるが、オルティスは落ち着いてこれを捌く。アンドルの技で終わる流れが続いたことで、オルティスは「指導」を警戒したか不十分な体勢から浮技を仕掛ける。十分に密着できていないこの技は不発に終わり、アンドルがオルティスに被さる形で着地。そのまま横四方固で押さえ込んで「一本」。アンドルが優勝候補を立て続けに撃破し、見事世界の頂点に立った。勝ったアンドルは終始気合の入った鬼のような形相。オルティスは良く言えば落ち着いていたが、いまいち元気の無い試合ぶりだった。

【日本代表選手勝ち上がり】

日本代表選手:山部佳苗
成績:

[2回戦]

山部佳苗○大外刈(3:14)△サンタ・パケニテ(リトアニア)
右相四つ。開始早々に山部が右払腰。投げ切れないがパケニケは大きく崩れる。以降も巨体のパケニケ相手に正面から組んで右払腰で攻める。しかし、相手が先に右払巻込で掛け潰れる場面が続き2分12秒山部のみに「指導」宣告。直後、パケニケの右払腰を谷落で返すも腹から落ちてポイントなし。リードを許した山部はここからペースを上げて攻撃志向を加速させる。回し込みの右払腰で相手を大きく崩し、続く展開で組み際に右大外刈。パケニケの巨体が背中から畳に落ちて逆転の「一本」。階級きっての大型選手に怖じず、山部素晴らしい出来で初戦を突破。


[準々決勝]

山部佳苗○払腰(3:08)△テッシェ・サベルコウルス(オランダ)
右相四つ。山部はき引手から持って前進しながら釣り手を狙う丁寧な組み立て。しかし、なかなか釣り手を得ることが出来きないまま、サベルコウルスが担ぎ技で展開を切る形が続き山部のみに1分12秒「指導」が宣告される。1回戦に続きリードを許した山部は直後ペースアップ。釣り手を持たせてくれないならばと場外際で強烈な右払巻込、1分30秒「有効」。持ち味である技の威力で盤面を一気にひっくり返す。大きなリードを得た山部は少しずつ釣り手の位置を上げながらジワジワ前に出る、相手にとっては嫌な柔道を展開。サベルコウルスは担ぎ潰れて展開をリセットして決着の先送りを図るが、3分8秒奥襟を得た山部の右払腰「一本」で試合終了。山部は抜群の勝ち上がり、見事オルティスの待ち受ける準決勝の畳へと駒を進めた。


※以降は上記試合記録と重複するため割愛

※ eJudoメルマガ版8月12日掲載記事より転載・編集しています。

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