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クルパレクが素晴らしい強さで初の金メダル獲得、準々決勝で現役世界王者羽賀龍之介を破る・リオデジャネイロ五輪柔道競技100kg級

(2016年8月12日)

※ eJudoメルマガ版8月12日掲載記事より転載・編集しています。
クルパレクが素晴らしい強さで初の金メダル獲得、準々決勝で現役世界王者羽賀龍之介を破る・リオデジャネイロ五輪柔道競技100kg級
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カリオカ・アリーナ(ブラジル・リオデジャネイロ)で行われているリオデジャネイロ五輪柔道競技は11日、競技第6日の男子100kg級と女子78kg級の競技が行われ、100kg級はルーカス・クルパレク(チェコ)が初優勝を飾った。

クルパレクは2回戦から登場。業師ホルヘ・フォンセカ(ポルトガル)の背負投崩れの大外刈で「技有」を失ったが、「指導3」まで積み上げた残り20秒に隅返で「技有」を取り返し累積警告さで辛勝。このピンチを乗り越えたことで波に乗ると、3回戦はもと世界王者マキシム・ラコフ(カザフスタン)を「指導2」の優勢、準々決勝で羽賀龍之介(日本)を「指導2」対「指導1」の優勢、準決勝でシリル・マレ(フランス)から横四方固「一本」と強豪ばかりを立て続けに3人破って決勝進出。エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)との決勝では試合終了間際に豪快な大内刈を決めて一本勝ち、見事優勝を決めた。

最強と呼ばれながら長年「無冠の帝王」で扱いであったクルパレクは2014年チェリャビンスク世界選手権でついに優勝したが、以後は冴えたパフォーマンスは1大会もなく衰えが隠せないと観察されていた。それが五輪本番では羽賀、ガシモフとシーンの先頭を走る強者2人に完勝する驚きの仕上がり。堂々たる内容での金メダル獲得劇だった。

3位には羽賀とシリル・マレ(フランス)が入賞。マレはワールドツアーでは活躍するものの世界大会でのメダルがなく「万年5位」状態であったが集大成と呼ぶべきこの五輪は発奮、運命の3位決定戦はカールリヒャード・フレイ(ドイツ)から完璧な大外刈「一本」で勝利して悲願の銅メダル獲得を達成した。

この日絶好調、連続一本勝ちで会場を沸かせ続けたベカ・グビニアシビリはその好調さに引きずられて制動が利かず、準決勝でマレに内股返を食って「技有」失陥で敗退。敗者復活戦も羽賀に敗れて最終成績は7位だった。

入賞者と準々決勝のスコア、決勝ラウンド8試合と日本代表選手全試合の結果および寸評は下記。

■ 100kg級
(エントリー34名)

【入賞者】
1.KRPALEK, Lukas (CZE)
2.GASIMOV, Elmar (AZE)
3.MARET, Cyrille (FRA)
3.HAGA, Ryunosuke (JPN)
5.FREY, Karl-Richard (GER)
5.BLOSHENKO, Artem (UKR)
7.DARWISH, Ramadan (EGY)
7.GVINIASHVILI, Beka (GEO)

【メダリスト】

優勝:ルーカス・クルパレク(チェコ)
準優勝:エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
第3位:シリル・マレ(フランス)、羽賀龍之介(日本)

【準々決勝】

エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)○小外掛(0:54)△ラマダン・ダーウィッシ(エジプト)
アルチョム・ブロシェンコ(ウクライナ)○優勢[技有・浮落]△カール リヒャード・フレイ(ドイツ)
シリル・マレ(フランス)○優勢[技有・内股返]△ベカ・グビニアシビリ(ジョージア)
ルーカス・クルパレク(チェコ)○優勢[指導2]△羽賀龍之介(日本)


【敗者復活戦】

カール リヒャード・フレイ(ドイツ)○浮落(3:10)△ラマダン・ダーウィッシ(エジプト)
フレイが右、ダーウィッシュが左組みのケンカ四つ。大枠体の力が勝るダーウィッシュが優位に試合を進めるも、3分10秒の技一発で逆転。フレイが組み際に釣り手を巻き返しつつダーウィッシュの左小外刈を透かして浮落「一本」。

羽賀龍之介(日本)○優勢[指導1]△ベカ・グビニアシビリ(ジョージア)
羽賀が左、グビニアシビリが右組みのケンカ四つ。序盤はお互いに相手を警戒して組み合わない肚の探りあい。中盤以降はグビニアシビリが背中を狙い、羽賀が釣り手をずらして優位を作る形が続く。左内股を裏投で返されかかる危うい場面があるも、羽賀が終始組み手でグビニアシビリを圧倒。羽賀が奥襟を得て腰を切ったところでグビニアシビリが自ら畳に膝をつき「指導」。このポイントを守り切って羽賀が勝利した。

【準決勝】

エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)○小外掛(2:37)△アルチョム・ブロシェンコ(ウクライナ)
ガシモフが右、ブロシェンコが左組みのケンカ四つ。ガシモフは序盤から肩車や変形の右小外刈をかけ続ける。組み手ではブロシェンコが背中を持って一見優位だが、これはガシモフの形。ガシモフは肩車と小外掛をかけ続けることで「指導」を奪うと、続く展開で再三試みていた変形の右小外掛。潜り込むようにしてブロシェンコを畳に叩き付け「一本」。ランキング1位を守り続けたガシモフがついにオリンピックの決勝進出を決めた。

ルーカス・クルパレク(チェコ)○横四方固(4:50)△シリル・マレ(フランス)
マレが右、クルパレクが左組みのケンカ四つ。序盤からクルパレクが左内股に左背負投、左隅返で一方的にマレを攻め立てる。マレは紙一重でしのぎ続けるが、終盤ついに「指導」失陥。後がなくなったマレをクルパレクが左隅返で引き込んで横四方固「一本」。マレが奥襟と引き手を得ても組み勝てなかったクルパレクの懐の深さは驚異。クルパレク、自身の特性を最大限に発揮して決勝進出。

【3位決定戦】

シリル・マレ(フランス)○大外刈(2:05)△カール リヒャード・フレイ(ドイツ)
両者右組みの相四つ。お互いに警戒して袖をしぼり合い、際にフレイが技を仕掛ける展開が続く。試合時間2分過ぎ、マレが引き手と奥襟を得て100対0の組み手を作ることに成功する。引き手袖を織り込まれたフレイはこれを嫌って2度、3度と手を下げて切り離そうとするがマレあくまで離さず、その都度フレイの体勢が悪くなる。マレはこのチャンスを逃さず切れ味鋭い右大外刈。完全に組み手を封じられていたフレイは綺麗に背中から転がり「一本」。実力者でありながら世界大会ではメダル獲得経験のないマレが、オリンピックという大舞台でついに念願のメダルを獲得した。

羽賀龍之介(日本)○腕緘(3:12)アルチョム・ブロシェンコ(ウクライナ)
左相四つ。双方が警戒して組み合わない展開が続き、1分0秒両者への「指導」が宣告される。羽賀は続く展開で左内股を仕掛けるも不発。しかし、以降は組み手で優位に立ち2分11秒ブロシェンコのみに2つ目の「指導」。2分40秒からの展開では左内股フェイントの左小内刈から左大内刈に繋いでブロシェンコを伏せさせ、三角絞の形で引き込んで崩上四方固に抑え込む。抑え込んだまま相手の腕を極めて腕緘「一本」。強豪ひしめく100kg級で見事銅メダルを獲得した。

【決勝】

ルーカス・クルパレク(チェコ)○大内刈(4:35)△エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
クルパレクが左、ガシモフが右組みのケンカ四つ。開始早々、クルパレクが左大内刈で「有効」を奪うも腹這いとみなされ取り消し。以降は、背中を抱いて投げを狙うクルパレクと、後の先を狙いつつ際で捨て身技を仕掛けるガシモフという構図。この流れが最終盤まで続いたが、本戦終了間際にクルパレクが左大内刈。ガシモフは体を捻って逃れようとするが、クルパレコクは最後までコントロールを緩めずガシモフを背中から叩き落として「一本」。


【日本代表選手勝ち上がり】

日本代表選手:羽賀龍之介
成績:第3位

[2回戦]

羽賀龍之介○内股(2:29)△イェフゲニス・ボロダフコ(ラトビア)
羽賀が左、ボロダフコが右組みのケンカ四つ。ボロダフコは羽賀の内股を警戒し、腰を引いてなかなか引き手を取らせようとしない。両者釣り手だけで探り合う状態が続き、ボロダフコの低い左一本背負投で展開がリセット。続く展開で羽賀は腰を切るフェイントからこの日初めての技となる左内股に飛び込み「一本」。やや狙い過ぎな気もするが一撃で相手を沈め初戦を突破。

[3回戦]

羽賀龍之介○優勢[指導1]△ラファエル・ブザカリニ(ブラジル)
羽賀が左、ブザカリニが右組みのケンカ四つ。2本持って左内股を掛けたい羽賀と、引手は持たずに右一本背負投を掛けたいブザカリニという構図。羽賀は片手の左内股で牽制、ブザカリニの左一本背負投を潰して三角絞で攻めるも仕留め切れず「待て」。羽賀はなかなか自分の形を作ることが出来ず、両者ポイントがないまま試合は残り1分へ。試合時間が1分を切ったところで羽賀がペースアップ。これを嫌って左一本背負投に掛け潰れたブザカリニについに偽装攻撃の「指導」が宣告される。リードを得るも羽賀は極端な守りには入らず、左内股を仕掛けたところでタイムアップ。依然技の出が遅いことが気になるが、地元の曲者ブザカリニを下して準々決勝進出。

[準々決勝]

羽賀龍之介△優勢[指導2]○ルーカス・クルパレク(チェコ)
両者左組みの相四つ。開始直後は羽賀が得意の左内股で攻め立て優位に立つ。しかし、試合時間1分が経過して以降はクルパレクが背中を持つ形が多くなり、場外際の攻防で羽賀に場外の「指導」が宣告される。リードを許した羽賀はペースを上げて追い上げにかかり、左内股で相手を伏せさせる。しかし、続く展開で組み手争いから相手の圧を受けて場外に出てしまい2つ目の「指導」失陥。大きなリードを許した羽賀は更にペースを上げて激しく攻め立てるが、「指導」1つを奪ったところでタイムアップ。「指導1」対「指導2」でクルパレクが勝利し、羽賀は敗者復活戦へと回ることになった。

※以降は上記競技記録と重複するため割愛

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