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【リオ五輪柔道競技完全ガイド】好組み合わせの追い風吹いてベイカーに頂上までの視界開ける、序盤戦は”五輪滑り込み組”の勢いに注意・リオデジャネイロ五輪柔道競技90kg級直前展望

(2016年8月9日)

※ eJudoメルマガ版8月9日掲載記事より転載・編集しています。
【リオ五輪柔道競技完全ガイド】好組み合わせの追い風吹いてベイカーに頂上までの視界開ける、序盤戦は”五輪滑り込み組”の勢いに注意・リオデジャネイロ五輪柔道競技90kg級直前展望
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90kg級ドロー結果。シード選手はもちろんのこと、面倒なノーシード選手もことごくベイカーの山から外れた

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ベイカーは頂点登攀に視界開けた感あり

→リオ五輪柔道競技90kg級組み合わせ(ippon.orgサイト)
→リオ五輪柔道競技第5日組み合わせ(PDF)

有力選手および階級の勢力図については「階級概況・有力選手」で再確認頂きたい。
ドロー結果は右図。黒字がシード選手でこの位置は予想通りのまま動かず。赤字が抽選の結果配置が決まったノーシードの強豪たちである。

ベイカー茉秋が非常に戦いやすい山に入った。あくまでランキング1位を目指して戦った、その見返りとしてクジ運まで呼び込んだという印象。ガクドンハン、ヴァーラム・リパルテリアニ、キリル・デニソフの危険な3人は計算通り逆側の山、そして技の破壊力ナンバーワンのアスレイ・ゴンザレスまでが抽選の結果逆側に配された。カップリングされたBシード選手もアレクサンドル・イディーであり難易度はさほど高くない。

他の日本代表選手が既に実績を残し、いわばその到達点を「守る」、あるいはそこを陣地に上積みを得ようという立場にあるのに対し、ベイカーは現在まさしくその階段を猛烈な勢いで登攀中。上向きベクトルで大会を迎え得る数少ない選手である。若く、選手キャリアというマクロな視点で伸び盛りの時期にあること、直近の数か月で成績が急上昇していることという勝利者のタイプの1つを満たす。さらにここまでの金メダリストが全員ある種の異常人(内面的な場合と、抱えるバックグランドが過酷な場合とにタイプは分けられるが)ばかりであり、感覚的に突き抜けたものがあるベイカーはこの視点からも勝者の条件に適う。

国際的な評価はメダル候補の一という位相かもしれないが、ワールドマスターズで見せた接近、掌握、攻撃、そしてまた接近というタフな柔道を完遂できれば実はかなり金メダルに近い位置にあるのではないかとみる。肩の負傷が心配ではあるが、頂点への登攀に期待したい。


【プールA】

第1シード: ベイカー茉秋
第8シード:アレクサンドル・イディー (フランス)

ベイカー茉秋のブロック。直下にワールドツアーの番人マルク・オーデンタール(ドイツ)が配されているが、実力よりもツアーに皆勤することでランキングを上げている選手であることを根拠として、アップセットの可能性はほとんどないと考えておきたい。。その他、強豪と呼べるのは第8シードのアレクサンドル・イディー(フランス)のみ。準々決勝は恐らくベイカー対イディーの対決となる。足技一発の怖さがあるが、ベイカーらしいしぶとい戦い方が出来れば勝つのは難しくないはずだ。また、このブロックにはミハエル・ツガング(スロベニア)、アレクサンダー・クコル(セルビア)、シリル・グロスクラウス(スイス)といった五輪直前期に大会の主役を張った「五輪滑り込み組」が多く詰め込まれている。直前期の勢いそのままに乗り込んで来ていることが予測されるだけに、失うもののない彼らの勢いに呑まれないよう落ち着いた丁寧な試合を心掛けたい。

【プールB】
第4シード:クリスティアン・トート (ハンガリー)
有力選手: イリアス・イリアディス(ギリシャ)
第5シード:マーカス・ナイマン(スウェーデン)
有力選手: セリオ・ディアス(ポルトガル)

クリスティアン・トート(ハンガリー)のブロック。直下にチェリャビンスク世界選手権で決勝を争ったイリアス・イリアディス(ギリシャ)が配された。イリアディスは昨年来年齢による衰えからか殆ど実績を残せていない。しかし、同様の枠のベテラン達の今大会でのハイパフォーマンスや、ワールドマスターズ・グアダラハラでのベイカーとの大熱戦を考慮するとトートを破る可能性は大いにあり。ここはあえてイリアディスの勝利を予想したい。一方、下側の山には今年に入って再ブレイクした巴投ファイター、マーカス・ナイマン(スウェーデン)が第7シードとして座る。こちらの山にも刺客として階級きっての不確定要素であるセリオ・ディアス(ポルトガル)が配された。ナイマンとディアスの準々決勝進出をかけた対戦は地力の高さと寝技の巧さでナイマンの勝利を押したい。ディアスの持ち味である鉈を振るうような突如の一発を、そもそも振り上げることを許さないような試合を志向するはずだ。イリアディス対ナイマンの対戦はイリアディスの出来にもよるが、イリアディスの有利な形をナイマンが巴投で塗りつぶして勝利すると予想する。よってこのブロックの勝ち上がりはナイマン。

【プールC】
第2シード:ガク・ドンハン (韓国)
第7シード:キリル・デニソフ(ロシア)

ガク・ドンハン(韓国)のブロック。こちらの山は完全な無風でガクのベスト8進出を妨げる要素は皆無だ。下側の山も同様で、マーマダリ・メディヨフ(アゼルバイジャン)が少々面倒なくらいで、第7シード配置に座るキリル・デニソフ(ロシア)の勝ち上がりは間違いない。ガクとデニソフは昨年のアスタナ世界選手権の決勝でも対戦しており、その際はガクが勝利している。前日の金メダルで勢いに乗るロシアチームではあるが、2本持って相手を組み止めるのが生命線のデニソフの柔道にとってガクは戦い難い相手のはず。

【プールD】
第3シード:ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)
有力選手:コムロンショフ・ウストピリオン(タジキスタン)
第6シード:ノエル・ファンテンド (オランダ)
有力選手:ラグバスレン・オトゴンバータル(モンゴル)、アスレイ・ゴンザレス(キューバ)

ヴァーラム・リパルテリアニ(ジョージア)のブロック。リパルテリアニが第4シード位置に座る上側の山には、今年のアジア選手権王者のコムロンショフ・ウストピリオン(タジキスタン)が配され、第5シードのノエル・ファンテンド(オランダ)は初戦でラグバスレン・オトゴンバータル(モンゴル)、ベスト8を賭けて2013年リオデジャネイロ世界選手権の覇者アスレイ・ゴンザレス(キューバ)と対戦する厳しい組み合わせ。ゴンザレスは昨年のグランドスラム・パリでの負傷以来国際大会の舞台に姿を見せていないが、怪我の状態が改善しているならば最高到達点の高さは階級ナンバー1。ただし今大会ここまでの傾向を見る限り、
異常に全員のコンディションが高いこの場にあって、負傷上がりの実力者は一様にパフォーマンスが出来ていない。
準々決勝はリパルテリアニとゴンザレスの対戦と予想されるが、B、Cブロック同様にこちらも2013年リオデジャネイロ世界選手権の決勝と同じ組み合わせ、更に舞台も同じリオデジャネイロである。ゴンザレスが不調ならばリパルテリアニ、好調でもほぼ五分の勝負となるはず。ここは怪我の分を差し引いてリパルテリアニの勝利と予想したい。ここはガクの勝ち上がりを予想する。

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決勝はベイカーとガクの対戦を予想。写真は201年グランドスラム東京での対戦時。

【準決勝】

ベイカー茉秋対マーカス・ナイマン
ナイマンの巴投弾幕攻撃に対して、ベイカーがどれだけ辛抱強く組み手の手順の多さを活かして対抗できるか勝負の肝だ。「指導」を先行されると厳しくなるので、しっかりと間合いを詰めて優位を確保したい。一昨日以来の偽装攻撃に対して「指導」を積極的にとる方向に変じた審判傾向はベイカーに有利に働くはず。

ガク・ドンハン対ヴァーラム・リパルテリアニ
覆いかぶさる形のリパルテリアニに対して、担ぎ技ファイターのガクは相性がいいはず。リパルテリアニはいかにガクを巻き込みの間合いに誘い出すことが出来るかが鍵になるだろう。相性に鑑みてガクの勝利と予想。

【敗者復活戦】

アレクサンドル・イディー対イリアス・イリアディス
地力に優るイリアディスが有利。イディーは得意の右一本背負投を仕掛けてペースを掴みたい。イリアディスの勝利と予想。

キリル・デニソフ対アスレイ・ゴンザレス
組み止めればデニソフ有利、動き回る余地があればゴンザレス有利のカード。手負いのゴンザレスにデニソフの相手は荷が重いはず。デニソフの勝利と予想。

【3位決定戦】

イリアス・イリアディスvsヴァーラム・リパルテリアニ

真っ向からの力勝負になるはず。そうなった場合は圧倒的にリパルテリアニが有利。リパルテリアニの勝利と予想。

キリル・デニソフ対マーカス・ナイマン
ベイカー対ナイマンと似た試合展開になるはず。デニソフがナイマンの巴投に付き合わず一方的な試合をすればデニソフ有利。地力の差でデニソフの勝利と予想。

【決勝】

ベイカー茉秋対ガク・ドンハン
粘戦ファイター同士の対決。過去の対戦ではベイカーのしぶとさ、泥臭さがガクのそれを凌駕して勝利している。タフな戦いになることは間違いないが、ベイカーに最後まで気持ちを切らさず戦ってもらいたい。ベイカー勝利と予想。

文責:古田英毅
協力:林さとる


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