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急成長カルモルゼフがツアーの勢い持ち込み一気の戴冠、決勝進出のスティーブンスは3度目の五輪で初のメダルを獲得・リオデジャネイロ五輪柔道競技81kg級

(2016年8月9日)

※ eJudoメルマガ版8月9日掲載記事より転載・編集しています。
急成長カルモルゼフがツアーの勢い持ち込み一気の戴冠、決勝進出のスティーブンスは3度目の五輪で初のメダルを獲得・リオデジャネイロ五輪柔道競技81kg級
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カリオカ・アリーナ(ブラジル・リオデジャネイロ)で行われているリオデジャネイロ五輪柔道競技は日程第4日の9日、男子81kg級と女子63kg級の2階級の競技が行われ、81kg級は22歳のカサン・カルモルゼフ(ロシア)が優勝した。

カルモルゼフは優勝候補のロイック・ピエトリ(フランス)と永瀬貴規が次々消えた混戦ブロックを、技一発の強さをテコに着実に勝ちあがる。2回戦はサイード・モレアイ(イラン)に「指導3」対「指導2」の辛勝だったが、3回戦では階級きってのパワーを誇るモハメド・アブデラル(エジプト)から小外掛「技有」、準々決勝は試合巧者アントワーヌ・ヴァロアフォルティエ(カナダ)から支釣込足「技有」、準決勝はセルジュ・トマ(UAE)から隅返「一本」と尻上がりに調子を上げて決勝まで進出、決勝はダークホースのベテランであるトラヴィス・スティーブンスが寝勝負を挑まんと谷落に絡みついたところを左内股に捉えて一本勝ち。素晴らしい内容で初の金メダルを決めた。

4月の欧州選手権を初めて制したカルモルゼフは急成長の勢いをそのまま五輪の舞台に持ち込んでの優勝。世界王者のイワン・ニフォントフら同階級に複数の強豪を抱えるロシアの選考の「目」の正しさが証明された戴冠劇だった。

優勝候補の「三強」のうちロイック・ピエトリ(フランス)は初戦敗退。膝の負傷での長期離脱が響いたか明らかにコンディションが悪く、ヴァロアフォルティエの巧みな組み手に力を封じられたまま片襟の右体落「有効」を失って敗れた。

永瀬貴規は集中力を欠いた試合ぶり、それでも準々決勝まで勝ち上がったが曲者セルジュ・トマ(UAE)の変則の袖釣込腰を受け損ねて転がり「有効」失陥で敗退。3位決定戦でライバルのアヴタンディル・チリキシビリ(ジョージア)から内股「有効」で勝利して銅メダルは確保した。

チリキシビリは準決勝で寝業師スティーブンスに敗退。リードを得、時間を消費しようとひとまず入った左一本背負投を当然ながら狙われ、片手絞に捉えられて「参った」。チリキシビリの最終成績は5位。スティーブンスは2位に入り、北京五輪(9位)、ロンドン五輪(5位)に続く3度目の参加で初めて五輪の表彰台に立った。

地元の期待を背負ったヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)は初戦でモザンピーク選手に体落と袈裟固の合技で一本勝ちしたが、次戦でセルジュ・トマに大外返と袖釣込腰の合技「一本」で敗れた。

入賞者と準々決勝の結果、決勝ラウンド8試合と日本代表選手全試合の結果および寸評は下記。

■ 81kg級
(エントリー33名)

【入賞者】
1.KHALMURZAEV,Khasan(RUS)
2.STEVENS,Travis(USA)
3.TOMA,Sergiu(UAE)
3.NAGASE,Takanori(JPN)
5.MARCONCINI,Matteo(ITA)
5.TCHRIKISHVILI,Avtandili(GEO)
7.IVANOV,Ivaylo(BUL)
7.VALOIS-FORTIER,Antoine(CAN)

【メダリスト】

優 勝:カサン・カルモルゼフ(ロシア)
準優勝:トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)
第3位:セルジュ・トマ(アラブ首長国連邦)、永瀬貴規(日本)

【準々決勝】

アヴタンディル・チリキシビリ(ジョージア)○優勢[技有・釣腰]△マテオ・マルコンチーニ(イタリア)
トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)○横四方固(3:03)△イヴァルロ・イワノフ(ブルガリア)
セルジュ・トマ(アラブ首長国連邦)○優勢[有効・袖釣込腰]△永瀬貴規(日本)
カサン・カルモルゼフ(ロシア)○GS技有・支釣込足(GS0:22)△アントワーヌ・ヴァロワ フォルティエ(カナダ)

【敗者復活戦】


マテオ・マルコンチーニ(イタリア)○大内刈(GS3:17)△イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)
マルコンチーニが左、イヴァノフが右組みのケンカ四つ。技の応酬が続き、共にポイントのないまま勝負はGS延長戦へと縺れ込む。GS突入後は地力に勝るイヴァノフが優勢に試合を進めるが、イヴァノフの右小外掛をマルコンチーニが左大内刈で切り返し「一本」。マルコンチーニが3位決定戦へと駒を進める。

永瀬貴規○大外刈(3:08)△アントワーヌ・ヴァロワ フォルティエ(カナダ)
両者右組みの相四つ。肩車で掛け潰れるヴァロアフォルティエを永瀬が所謂「足三角」で攻める展開が続く。試合中盤、永瀬が片襟を掴み、上体を背負投の形に固定して右大外刈を掛けるとヴァロアフォルティエは綺麗に一回転。文句なしの「一本」で3位決定戦へと駒を進める。

【準決勝】

トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)○片手絞(4:09)△アヴタンディル・チリキシビリ(ジョージア)
チリキシビリが両襟、スティーブンスが右組み。実力に勝るチリキシビリが終始優位に試合を進めるが、スティーブンスはしぶとく凌ぎ続ける。お互いに「指導」1つずつを取り合っての試合終盤、スティーブンスの巴投に対して偽装攻撃の「指導」が宣告される。勝負あったかと思われたが、直後の展開で中途半端な左一本背負投で掛け潰れたチリキシビリにスティーブンスが片手絞。完全に入ったこの技にチリキシビリは「参った」を表明するしかなく、大番狂わせでスティーブンスが決勝進出を果たした。

カサン・カルモルゼフ(ロシア)○隅返(GS0:22)△セルジュ・トマ(アラブ首長国連邦)
両者左組みの相四つ。カルモルザエフがやや優勢のなか、両者「指導2」で並んで勝負はGS延長戦へと突入。GS開始早々、カルモルザエフが相手の背中を掴んで時計回りに引き出すと真裏に隅返。トマはたまらず背中から転がり「一本」。カルモルザエフが決勝進出。


【3位決定戦】

セルジュ・トマ(アラブ首長国連)○優勢[有効・大内刈]△マテオ・マルコンチーニ(イタリア)
両者共に左組みの相四つ。マルコンチーニが左内股で頭から畳に突っ込む場面があるも「反則」の宣告は無し。そのまま試合は進行し、トマの隅返「一本」で決着。相手の背中持って隅返に飛び込むと、最後までコントロールを緩めず決めきった。トマは移籍先であるUAEに初の柔道でのメダルをもたらした。

永瀬貴規(日本)○優勢[有効・大内刈]△アヴタンディル・チリキシビリ(ジョージア)
永瀬が右組み、チリキシビリが両組み。決勝戦での対決が予測されたカード。試合中盤まではメダルだけは逃すまいと異様な気迫を見せるチリキシビリを永瀬が凌ぐ展開が続く。残り時間1分30秒に永瀬が両襟をを得ると、この形を嫌ったチリキシビリが両袖で距離を取りにかかる。永瀬はこの隙を見逃さず右大内刈で押し込んで「有効」を獲得。以降は相手の追撃をしのぎ切り試合終了。初めてのオリンピックを銅メダルで終えた。

【決勝】

カサン・カルモルゼフ(ロシア)○内股(2:42)△トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)
カルモルゼフが左、スティーブンスが右組みのケンカ四つ。スティーブンス相手の背を抱えて谷落に絡みつき、カルモルゼフが耐えると前受け身をさせる形で振り落とし、得意の寝勝負に持ち込む。続く展開でカルモルゼフが左内股、ケンケンで追うがスティーブンスなんとかしのぎ切り腹ばいで落ちて「待て」。
2分半を過ぎたところでカルモルゼフが組み勝つと、スティーブンス再び横から釣り手で背を抱えて谷落に食いつく。前に崩れれば再び寝技が待っているところだが、カルモルゼフは敢えて呼び込んで左内股。スティーブンス耐えるがカルモルゼフは外側ではなくさらに釣り手側に吸いつけながら作用足を揚げる。崩れたスティーブンスの膝が畳について以降のケンケンが不可能となった瞬間勝負あり、スティーブンス高々と宙を舞い文句なしの「一本」。今季急成長のカルモルゼフ、勢いを五輪に持ち込み見事金メダル獲得。

【日本代表選手勝ち上がり】

日本代表選手:永瀬貴規(旭化成)
成績:第3位

[2回戦]

永瀬貴規○優勢[有効・内股]△ラズロ・チョクナイ(ハンガリー)
両者右組みの相四つ。永瀬は引きずり出すような右内股で何度も相手を畳に這わせ、寝技で攻め立てる。相手の偽装攻撃と片襟で「指導」2つをリードし、焦って前に出てきた相手から左袖釣込腰「有効」。以降は余裕を持ってしっかり試合を収めて勝利。順調な滑り出し。

[3回戦]

永瀬貴規○合技[内股・縦四方固](1:47)△ピール・カイビイカイ(ガボン)
両者右組みの相四つ。永瀬は先に釣り手を得ると、相手の背中を抱きながら右ケンケン内股に飛び込み「技有」。そのまま相手の上に被さり縦四方固に抑えこんで合技「一本」。相手を全く寄せ付けず圧勝。

[準々決勝]

永瀬貴規△優勢[有効・袖釣込腰]○セルジュ・トマ(アラブ首長国連邦)
永瀬が右組み、トマが左組みのケンカ四つ。中盤までは永瀬が優位に試合を進めるも、トマが仕掛けた組み際に左袖釣込腰で逆方向に巻き込まれ「有効」を失陥。以降は戦術派のトマを捉えることが出来ず、淡白と称されても仕方のない試合運び。スクランブルを仕掛けることなく試合を終える。

※以降は上記競技記録と重複するため割愛

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