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【リオ五輪柔道競技完全ガイド】日本選手団の命運握る先鋒髙藤に”最高の組み合わせ”現出、オズル配されたスメトフはダークホース2人を一手に引き受ける・リオデジャネイロ五輪柔道競技60kg級直前展望

(2016年8月4日)

※ eJudoメルマガ版8月4日掲載記事より転載・編集しています。
【リオ五輪柔道競技完全ガイド】日本選手団の命運握る先鋒髙藤に”最高の組み合わせ”現出、オズル配されたスメトフはダークホース2人を一手に引き受ける・リオデジャネイロ五輪柔道競技60kg級直前展望
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→リオ五輪柔道競技60kg級組み合わせ(ippon.orgサイト)
→リオ五輪柔道競技第1日組み合わせ(PDF)


この階級も、既に階級概況・有力選手データで提示したシード順予想にズレはなし。有力選手情報および上位対戦の展望はそちらに譲るとして、まずはドローの結果をお伝えしたい。

ノーシード選手のうち、トーナメントを揺らすような大化け、あるいは大物食いの可能性があるのはベキル・オズル(トルコ)、ワリーデ・キア(フランス)、ツェンドチル・ツォグトバータル(モンゴル)の3選手。この3名は綺麗に分けて配され、オズルは世界王者イェルドス・スメトフ(カザフスタン)がシードを張るプールD上側、キアはプールDの下側フェリペ・キタダイ(ブラジル)の山、ツェンドチル・ツォグトバータルはプールAの第1シード選手キム・ウォンジンの山にそれぞれ配された。

上位シード4名のうちもっとも割を食ったのはスメトフ。噛み合わなさ自体を武器とするオズルとまず戦い、勝っても準々決勝では自爆を厭わぬ狂気の投げを連発する一発屋ディヨロベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)との面倒な対戦が待っている。

もう1人、「引きが悪い」選手を挙げるとすればキタダイ。階級概況・有力選手データで書いた通りきちんと組んで形の整った技を仕掛けるこの階級で数少ない正統派タイプであるキタダイは、ここ数年まさしくキアのような距離の振幅激しく一発だけ狙って来るような新興勢力に押されて成績を落としてきた。地元開催の五輪の初戦(2回戦)でこういう「良い意味で頭の悪い」選手とぶつかるのはさぞ憂鬱なことだろう。

というわけで不確定要素3名を避け得た唯一のAシード選手が髙藤。ノーシード選手から髙藤のブロックに配された選手で多少なりとも面倒なのはツァイ・ミンイェン(台湾)だが、これとて逆側のアミラン・パピナシビリ(ジョージア)が引き受けることとなる。シード選手を込みで考えても、爆発力のあるウロズボエフや警戒していたオズル、世界チャンピオンのスメトフとは決勝まで対戦がなく、自爆タイプのムドラノフと対決するのも準決勝ステージ、しかもムドラノフは髙藤が得意とするキム・ウォンジンが潰してくれる可能性がある。歯ごたえのある相手と対戦するのは準決勝からで、対戦相手は皆難戦を切り抜けて疲弊している上、嫌な相手が先に潰れてくれる可能性もある。非常にわかりやすい言葉で言って、最高に近い組み合わせと言っていいだろう。

リオデジャネイロ五輪開会式翌日に出陣する髙藤の出来、というよりも金メダルを取れるかどうかは柔道競技のみならず日本選手団の浮沈そのもののカギを握る。柔道競技としても、翌日畳に上がる海老沼匡が初戦から非常に厳しい顔合わせであることを考えればここで髙藤に勝ってもらって勢いをつけ、海老沼の精神的な負担を除いておくに如くは無し。是が非でも、金メダルが欲しい、逃してはならない最高のドローである。

各プールの配置選手と寸評は下記。前半戦の山場はプールDのスメトフ対ウロズボエフ、プールAのキム・ウォンジン対ムドラノフ、そしてプールCのサファロフ対キアの因縁対決。

【プールA】

第1シード:キム・ウォンジン(韓国)
有力選手:ツェンドチル・ツォグトバータル(モンゴル)
第8シード:ベスラン・ムドラノフ(ロシア)

キムウォンジンとムドラノフ、世界選手権メダリストによる潰し合いブロック。
先輩である世界選手権の金銀メダリストを倒して五輪出場の栄を得たツェンドチル・ツォグトバータルが配されているが、この選手いまだ国際大会でそれだけの実績を見せたことがない。階級概況・有力選手データで触れた通りかつてムドラノフを食ったことがあるわけだが、配されたのはキムの山であり、かつこの人の柔道はきちんと柔道をして来ることに長けた東アジアの選手にはあまり取り口が良くないのではと見る。キムとムドラノフが準々決勝を戦うと見て間違いないだろう。準決勝進出者は混沌。

【プールB】

第4シード:髙藤直寿
第5シード:アミラン・パピナシビリ(ジョージア)
有力選手:ツァイ・ミンイェン(台湾)

無風区。パピナシビリは強敵だが全盛期を過ぎており、ここ数年の戦いぶりから髙藤を脅かすようなインパクトは感じられない。髙藤のベスト4進出を推す。

【プールC】

第2シード:オルカン・サファロフ(アゼルバイジャン)
第7シード:フェリペ・キタダイ(ブラジル)
有力選手:ワリーデ・キア(フランス)

地元キタダイは残念ながら勝ちあがりの可能性が薄い。サファロフ戦まで辿り着ければレペチャージラウンドからのブロンズマッチ進出はあり得るが、玉砕タイプのキアに勝つには決定的な「一本」を奪うしかなく現在のキタダイにこれはかなりハードルの高いミッション。
サファロフ対キアは今年の欧州選手権決勝における凄まじい投げ合いの再来。このときはサファロフが大内刈で「有効」「技有」と連取したが終盤キアが裏投「一本」で逆転勝ちを果たしている。キアとすれば取り口があうキタダイに勝利歴があるサファロフと願ってもない、出世の道筋が見える組み合わせ。サファロフが意地を見せられるか。

【プールD】

第3シード:イェルドス・スメトフ(カザフスタン)
有力選手:ベキル・オズル(トルコ)
第6シード:ディヨロベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)

実績ではスメトフ1人が抜け出しているが、「死の山」と言って良いブロック。スメトフはともに何を考えているかわからないオズルとウロズボエフという階級きっての怪人2人を一手に引き受けることとなってしまった。特にウロズボエフとはアスタナ世界選手権で凄まじい殴り合いを演じており、勝負はまさしく予断を許さない。


文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

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