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注目の一番は国士舘が作陽に快勝、日体荏原と崇徳は粛々得点積み上げ2回戦進出・第65回インターハイ柔道競技男子団体レポート①1回戦

(2016年7月30日)

※ eJudoメルマガ版7月30日掲載記事より転載・編集しています。
注目の一番は国士舘が作陽に快勝、日体荏原と崇徳は粛々得点積み上げ2回戦進出
第65回インターハイ柔道競技男子団体レポート①1回戦
■ 1回戦
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開会式。選手宣誓は小平玲雄選手(島根・開星高)。

高校柔道最高峰の舞台である第65回インターハイ柔道競技は30日、島根県立浜山体育館カミアリーナ(出雲市)で開幕。5日間に渡る激戦の幕が切って落とされた。

最注目カテゴリである男子団体戦は全国高校選手権を獲った日体荏原高(東京)と金鷲旗高校大会を制したばかりの国士舘高(東京)の2校が優勝争いの軸。これを埼玉栄高(埼玉)、崇徳高(広島)ら複数のチームが追いかけるという構図だ。

日体荏原には3回戦で崇徳高(広島)、そして国士舘高には1回戦で因縁の作陽高(岡山)と序盤でこれ以上ない「刺客」が配されており、この2試合は単なる戦力の高低だけでは測り切れない、今大会の優勝の行方を直接揺るがす好カード。

まずは大会序盤戦をこの2チーム、そしてこの2カードを中心に、トーナメントを4つに分けて振り返ってみたい。

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東海大仰星の先鋒深山将剛が松垣真弥から払腰「一本」

【Aブロック】

東海大仰星高(大阪) 4-0 大垣日大高(岐阜)
(先)深山将剛○払腰(2:16)△松垣真弥
(次)岡虎×引分×石田拓実
(中)吉村太一○縦四方固(1:16)△松永圭太
(副)海江田充輝○内股(1:21)△早野晃平
(大)奥野友輝○優勢[有効]△高田迪哉

東海大仰星は先鋒にエース深山将剛を投入、まとめ役として奥野友輝を大将に置く分散配置を強いた。入賞ラインから上位を狙う強豪という位置にふさわしい、野心溢れる面白いオーダー。深山は松垣真弥に左一本背負投「有効」で先制を許して立ち上がりにやや浮き足立ったが、2分16秒豪快な払腰「一本」で逆転。この勝利をきっかけに東海大仰星が実力を発揮、最終スコアは4-0の大差となった。

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西田将樹が野上廉太郎から一本勝ち

大牟田高(福岡)3-1つくば秀英高(茨城)
(先)田中優大×引分×奥田拳伍
(次)友清光○合技[内股透・内股透](2:29)△阿部友哉
(中)樽見優作△優勢[有効]○岡田英志
(副)西田将樹○横四方固(2:02)△野上廉太郎
(大)久保大喜○優勢[技有]△村岡巧貴

金鷲旗大会ベスト4に進んだばかりで意気揚がる大牟田高に、攻撃型の好チームつくば秀英高が挑戦。双方1点ずつ取り合って迎えた副将戦のポイントゲッター対決で西田将樹が野上廉太郎に一本勝ちを果たし、流れは一気に大牟田に傾く。大将戦も久保大喜が村岡巧貴から内巻込で「技有」を奪い優勢勝ち、スコア3-1で大牟田の勝利が決まった。

埼玉栄高(埼玉)は比叡山高(滋賀)を相手に4-0の快勝。副将に入ったエース蓜島剛は今村亮太になかなか組ませてもらえなかったが足技に大技一発と相手を追い込み続け、2分45秒で4つの「指導」を奪って勝利。ほか、長崎日大高(長崎)が盛岡中央高(岩手)に4-1、高松商高(香川)が3-2で福井工大福井高(福井)を下してそれぞれ2回戦進出を決めている。

[Aブロック1回戦]

東海大仰星高(大阪) 4-0 大垣日大高(岐阜)
大牟田高(福岡) 3-1 つくば秀英高(茨城)
長崎日大高(長崎) 4-1 盛岡中央高(岩手)
高松商高(香川) 3-2 福井工大福井高(福井)
埼玉栄高(埼玉) 4-0 比叡山高(滋賀)

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崇徳高の次鋒兼藤仁士が青森北高・船橋虎之介から背負投「有効」

【Bブロック】

崇徳高(広島) 4-0 青森北高(青森)
(先)神垣和他○小外刈(2:06)△坂本翔太
(次)兼藤仁士○優勢[有効]△船橋虎之介
(中)福永矩宣○反則[指導4](3:34)△長谷川大陸
(副)森近唯×引分×古田孝成
(大)空辰乃輔○合技(1:31)△白川虎太

崇徳は二枚看板の一である長岡季空を決戦カードとしてベンチに取り置いたまま布陣。先鋒神垣和他が放った相手の背を抱えながらの小外刈「一本」で先制すると、次鋒兼藤仁士が左背負投で相手を抜け落とし「有効」を得て追加点。中堅福永矩宣の「指導」連続奪取による勝利でチームの勝利を確定すると、副将戦の引き分けを受けた大将空辰乃輔は白川虎太を相手に隅落「有効」、内股返「技有」と得意の後の先の技で着々加点。最後はここから崩上四方固に抑え込み合技「一本」で勝利を決めた。粘りのある青森北を相手に決して急がず、個々の勝ちぶりも派手ではなかったがまさしく粛々、着々と加点を続けて最終スコアは4-0の大差。まことに崇徳らしい試合であり、上々の立ち上がりであった。

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日体荏原高の次鋒百々雄也が松本第一高・半戸聖人から内股「一本」

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藤原崇太郎が引き出しの小内刈、茂木才跡を鮮やかに畳に沈める

日体荏原高(東京) 3-0 松本第一高(長野)
(先)長井晃志×引分×木崎光輝
(次)百々雄也○内股(3:23)△半戸聖人
(中)塚本綾×引分×深沢亮太
(副)藤原崇太郎○小内刈(1:41)△茂木才跡
(大)ハンガルオドバートル○優勢[有効]△百瀬敦也

高校選手権王者にして、金鷲旗準優勝チーム日体荏原が登場。先鋒戦は長井晃志がもと全国中学大会66kg級の覇者木崎光輝に巴投と寝技で粘られ、「指導1」を失ったまま引き分け。次鋒戦は百々雄也が内股「技有」、内股「一本」と半戸聖人を2度投げて先制に成功するが、中堅戦では塚本綾が背負投を中心に戦う深沢亮太と一進一退の攻防に陥ってしまい見せ場少なく引き分け。副将藤原崇太郎は茂木才跡に釣り手をなかなか持たせてもらえず組み手で膠着に持ち込まれかけたが、前技を警戒する相手を引き出しながら、袖を持たせたまま鮮やかな小内刈で畳に沈めて「一本」。大将戦もハンガルオドバータルが「有効」を奪ってフィニッシュ、無失点の3-0で初戦の勝利を決めた。

スコアは大差となったが、これまで大会序盤戦から元気な試合、派手な試合で波に乗って来ることが続いた日体荏原としてはやや大人しい試合ぶり。爆発は次戦以降に取り置きといったところ。

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開星高の先鋒野口穂高が静岡学園高・伊藤暖から大腰「技有」

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開星高の次鋒松村颯祐が静岡学園高・池田光洋を支釣込足で崩して寝技に繋ぐ

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静岡学園は副将川井康平が河野壮登から一本勝ち、反撃の狼煙を上げる

開星高(島根) ②-2 静岡学園高(静岡)
(先)野口穂高○後袈裟固(1:59)△伊藤暖
(次)松村颯祐○上四方固(1:44)△池田光洋
(中)山口和馬×引分×渡邊良祐
(副)河野壮登△払巻込(0:44)○川井康平
(大)金塚啓五△優勢[僅差]○岡本龍司

地元島根の期待を担う開星高は十分ベスト8が狙える配置。その滑り出しとなる重要な一番。
開星は先鋒野口穂高が左大腰「有効」から後袈裟固に繋ぎ「一本」を得て見事先制。次鋒戦もダブルエースの一である松村颯祐が池田光洋を支釣込足で崩し、そのままガッチリ上四方固に抑え込んで一本勝ち、あっという間に2点を先制する。

しかし中堅戦の引き分けを受けた副将戦では静岡学園のエース・川井康平が開星のポイントゲッター河野壮登から豪快な払巻込「一本」で勝利。大将戦も静岡学園の岡本龍司が僅差の優勢勝ちを果たし、最終スコアは2-2。内容差で開星が勝利はしたが、滑り出しの2連勝を考えれば薄氷の勝利。開星の強さと、エース級が落城した場合のシナリオの危うさが二つながら浮き彫りとなった試合であった。

ほか、このブロックでは前橋商高(群馬)が2-2の内容差で仙台育英高(宮城)を、延岡学園高(宮崎)が岡豊高(高知)を4-0で撃破している。

[Bブロック1回戦]

崇徳高(広島) 4-0 青森北高(青森)
日体荏原高(東京) 3-0 松本第一高(長野)
前橋商高(群馬) ②-2 仙台育英高(宮城)
開星高(島根) ②-2 静岡学園高(静岡)
延岡学園高(宮崎) 4-0 岡豊高(高知)

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国東高・近藤魁斗が本荘高・板本広大の内股を返して「技有」

【Cブロック】

国東高(大分) 4-1 本荘高(秋田)
(先)近藤魁斗○優勢[技有]△板本広大
(次)佐藤誠○優勢[技有]△木村綜一郎
(中)和泉川武蔵○小内刈△佐藤永希
(副)中島大貴△優勢[僅差]○佐藤光
(大)髙橋泰之郎○内股(1:08)△大場悠斗

注目対決は国東高の圧勝。先鋒戦の最終盤に近藤魁斗が板本広大の内股を振り返して「技有」奪取、これでまず先制に成功。ポイントゲッター板本の失点で以降本荘は意気消沈。ここから国東は本荘の防御壁が薄い次鋒戦、中堅戦で着実に加点する。副将戦はエース中島大貴が81kg級東北王者の佐藤光に「指導」差で屈したが、大将戦では髙橋泰之郎が100kg級東北王者の大場悠斗に内股で一本勝ち。最終スコアは4-1という大差となった。

先鋒戦で勝負あった感あり。66kg級ながらポイントゲッター役を担う板本であったが、行かねばならないバックグラウンドを持ちながら投げを完遂出来ず攻撃は散発。しかも時間がまったくなくなってから一か八かの大技に出て返されて試合自体を壊すという先鋒としては最も忌避すべき試合ぶり。地力は国東が上であったが、この不首尾の試合の影響が全盤面を覆い、実力以上にスコアが離れたゲームという印象であった。

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国士舘高の先鋒・本間壘が作陽高・佐藤昭平の背負投を止めて腕を

国士舘高(東京) 4-1 作陽高(岡山)
(先)本間壘○肩固(3:03)△佐藤昭平
(次)清水雅義△優勢[技有]○村田大征
(中)河田闘志○小外掛(1:38)△久野壱虎
(副)磯村亮太○優勢[有効]△安田夢飛
(大)飯田健太郎○大外刈(3:01)△星野太駆

冒頭書いた通り、1回戦ながらこの試合はトーナメント全体を通じた最注目カード。陣容の純戦力値で見れば国士舘が圧倒的に有利だが、過去の「国士舘を狙った」際の作陽の強さと因縁、作陽のチーム全体を通じた体幹の強さとなにより異様なまでの気迫、そして星野太駆が河田闘志と本間壘を今季それぞれ投げて勝っているという来歴からも全く行方がわからない一番。

先鋒戦は作陽の佐藤昭平が背負投と小内刈で本間壘を攻め続ける。しかし背負投のアフターという体格差がもっとも出る形を本間が図太く待ちかまえ、佐藤の残った釣り手を捕まえて引き落とすと、得意の寝勝負に持ち込む。大型選手が有利な体勢で寝技を展開することになり体格差はますます増幅、この攻防は本間の肩固「一本」に終着。国士舘を焦らせることでメンタルのパニックを誘いたい作陽にとっては痛恨の、落ち着いて戦うことがミッションの国士舘にとっては値千金の一点。作相手方の大将飯田健太郎と対峙する前に2点差のリードを得たい作陽が奪っておくべき得点のハードルはこれで「3」に上がった

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作陽高は次鋒村田大征が清水雅義から小外刈「技有」、国士舘高に離されまいと必死に食らいつく

しかし次鋒戦は作陽が爪を食い込ませるかのように必死に食らいつく。村田大征が清水雅義に両袖の袖釣込腰、ここからヌルリと小外刈に繋いで追い込むと上半身を固められた清水はバランスを失って倒れ「技有」。会場はどよめき、作陽は一気に勢いづき、国士舘は岩渕公一監督が後衛の河田、磯村のもとに歩み寄って何事か声を掛ける。風雲急を告げる村田の優勢勝ちで、スコアは1-1となる。

以後の盤面を考えると明らかに続く試合が分水嶺。中堅戦は河田闘志に久野壱虎がマッチアップ。開始早々久野の手が河田の顔に当たり、コンタクトレンズがズレたか河田は手を挙げて試合を中断。河田のメンタルがパニックを起こすかどうか、そこに作陽がつけ込めるかどうかが最大の焦点となるはずのこの試合で、国士舘にとってはこれは悪い卦。

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河田闘志が久野壱虎から小外掛「一本」

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磯村亮太が安田夢飛から大内刈「有効」

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飯田健太郎が星野太駆から大外刈「一本」

しかし河田は上から釣り手を入れて内股を連発し、ひとまずこの流れを断ち切って弱気発症の気配はなし。しかし互いに掛け潰れが増えた1分過ぎ、河田は明らかに相手を場外際に誘導、辿り着くなり場外に技を仕掛けて潰れ「待て」。河田の泣きどころである気持ちの弱さが見え始めたかに思われたが、続く展開で試合はあっさり決着。河田が場外際で体を寄せて右小外掛に出ると久野あっと言う間に崩れて背中から畳に落ち、河田が被さると文句なしの「一本」。試合時間1分38秒。

スコアは2-1となり、この時点で試合は決した感あり。磯村亮太は相四つの安田夢飛が挑む釣り手を高く置いた組み合いに堂々応じ、取り味のある大内刈を幾度か放って追い掛け、中盤までにしっかり流れを掴む。磯村は手ごたえを得たか時間が経つごとに表情に生気が出始め、残り時間僅かとなったところでこの大内刈をついに決めて「技有」奪取。これで優勢勝ちを果たしスコアは3-1となる。

圧巻は大将戦。体幹のある星野に組み合いを挑まれた飯田は、残り1分に相手の首を固めながら右大外刈の大技。応じた星野、一瞬耐える間があってガクリと仰け反り、背中から真っ逆さまに落ち「一本」。体が強く後の先が巧みな星野に怖じず、真っ向叩き潰した飯田の強さは見事の一言。たとえ超級選手であっても、いまの星野とガップリ組み合って真っ向投げに掛かる度胸と強さのある選手はなかなかいない。かつて弱点とされた線の細さはそこには感じられず、出世期のような凄さだけが印象に残った。

結果、マークされたスコアは実に4-1という圧倒的なもの。国士舘が最難関と目された試合を大差で突破し、2回戦進出を決めた。

分水嶺は明らかに中堅戦。河田はメンタルにエンストを起こしてもおかしくない状況であったがなんとか耐え切り、一方の久野は入れ込み過ぎたかやや浮足立っていた感あり。河田の意外な「我慢」にこの先にあるべき自滅を待ち切れず、一発を食って畳に沈んだ。

難関を乗り越えた国士舘は金鷲旗の優勝で、そしてこの試合自体で一段強くなった感あり。河田の我慢、磯村の攻撃性に最後は飯田の個の強さまで見せつけ、評価を大きく上げたと言って差し支えない試合だった。

[Cブロック1回戦]

常翔学園高(大阪) 3-1 小杉高(富山)
新庄東高(山形) 3-2 平田高(島根)
京都学園高(京都) 3-2 新田高(愛媛)
国東高(大分) 4-1 本荘高(秋田)
国士舘高(東京) 4-1 作陽高(岡山)

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木更津総合高の先鋒・長澤大雅が鎮西高・宮﨑悠太朗から出足払「一本」

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坂東虎之助が裏投「一本」、木更津総合の2連勝で試合の行方は決した感あり

【Dブロック】

木更津総合高(千葉) 4-0 鎮西高(熊本)
(先)長澤大雅○出足払(1:38)△宮﨑悠太朗
(次)坂東虎之助○裏投(1:40)△境辰五郎
(中)大淵泰志郎×引分×星田大希
(副)兼原潤○優勢[技有]△後藤龍真
(大)山下魁輝○大外刈(2:59)北村博樹

注目対決は木更津総合の圧勝。先鋒長澤大雅が見事な出足払で宮﨑悠太朗から一本勝ち、さらに次鋒坂東虎之助が豪快な裏投で境辰五郎からこれも「一本」を奪うと、勢いをそのままに大将戦まで突っ走る。鎮西が後衛に置いた後藤龍真、北村博樹のポイントゲッターブロックも兼原潤と山下魁輝が粉砕、最終スコア4-0という大差で九州新人大会王者鎮西を退けることに成功した。

天理高(奈良)は阿波高(徳島)を相手に隙を見せずに3-0で勝利、大成高(愛知)も東海大札幌高(北海道)を3-0で下して2回戦進出を決めている。

[Dブロック2回戦]

鹿児島情報高(鹿児島) 2-0 豊栄高(新潟)
大成高(愛知) 3-0 東海大札幌高(北海道)
木更津総合高(千葉) 4-0 鎮西高(熊本)
天理高(奈良) 3-0 阿波高(徳島)

※ eJudoメルマガ版7月30日掲載記事より転載・編集しています。

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