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日体荏原余裕を持って決勝ラウンドへ、国士舘はスコアに凹凸も前衛奮戦して無事勝ち上がり・平成28年度金鷲旗高校柔道大会マッチレポート①1回戦~6回戦

(2016年7月28日)

※ eJudoメルマガ版7月28日掲載記事より転載・編集しています。
日体荏原余裕を持って決勝ラウンドへ、国士舘はスコアに凹凸も前衛奮戦して無事勝ち上がり
平成28年度金鷲旗高校柔道大会マッチレポート①1回戦~6回戦
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3回戦、日体荏原高の先鋒原田健士が福岡工高の副将米本匡希から払腰「一本」

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5回戦、日体荏原の次鋒百々雄弥が東海大浦安高・山本晋平から内股「一本」

五人制抜き試合、オーダー順の入れ替えなしという過酷なレギュレーションで高校柔道日本一を争う平成28年度金鷲旗高校柔道大会は22日から24日までの3日間、マリンメッセ福岡(福岡市)で開催された。大会創設100年、90回目となる本年度大会の男子は312校が集い、決勝までの試合数9という巨大トーナメントで覇を競う。

優勝候補は高校選手権で初優勝を果たした日体荏原高と国士舘高の東京勢2校。綺麗にシードが分かれたこの2チームを中心に、まずは各パート決勝(6回戦)までの勝ち上がりを簡単に振り返ってみたい。

【Aパート】

シード校:日体荏原高(東京)、北海高(北海道)
パート決勝(6回戦)進出校:日体荏原高(東京)、国東高(大分)

上側の山は日体荏原が順当にパート決勝進出。スターティングは先鋒から原田健士、百々雄弥、塚本綾、ハンガルオドバータル、藤原崇太郎。補欠登録が長井晃志と大吉賢。

初戦(2回戦)の今治明徳高(愛媛)戦は高校選手権66kg級3位の先鋒原田が4人抜き1引き分けで5人全員を賄って突破、3回戦の福岡工高(福岡)戦も原田が5人抜きを達成して危なげなく勝利。体格差に怖じず、取ることが当たり前だと骨身から信じて「一本」を連発する様は今季前半の日体荏原躍進期にチーム全体が持っていたメンタリティの体現。滑り出しは上々というところ。

4回戦からは対戦相手のレベルが突如上がり、畳に迎えるは東北総体王者の田村高(福島)。この試合は原田の引き分けを受けた次鋒百々雄弥が次鋒熊田海星、中堅斉藤大輔の2人を抜いたが、3試合目で副将瀧澤秀斗の「オモプラッタ」を食って後袈裟固で一本負け。しかしここで中堅塚本綾が登場、体格差を技一発でクリアし、出足払「有効」で優勢勝ち。塚本がそのまま大将国分と引き分け、不戦2人を以て勝ち抜け決定。

東海大浦安高(千葉)との5回戦からは先鋒に大吉賢を入れ、大吉は内股「一本」で1人を抜き次鋒畠山竜弥と引き分けて退場。続く百々と中堅山中賢盛の注目対決は引き分け。1人差リードで登場した中堅塚本は副将戸羽優弥を巴投「一本」で抜いた後に大将村田圭祐に「指導2」で敗れたが、今大会初登場の副将ハンガルオドバータルが村田を裏投「一本」に仕留めて勝負あり。不戦1人を以てパート決勝への勝ち上がりを決めた。

一方下側の山からは国東高(大分)が勝ち上がり。5回戦でシード校北海と対戦、今大会初めて畳に上がった大将中島大貴が副将丹羽福太朗を横四方固「一本」、大将高橋佑人を大内刈「一本」と立て続けに下し、逆転勝利で劇的なパート決勝進出決定。

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6回戦、日体荏原の先鋒大吉賢が国東高の中堅・和泉川武蔵から大外返「一本」

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国東高は大将のエース中島大貴が百々雄弥を大外返「一本」に仕留めて意地を見せる

[Aパート6回戦(パート決勝)]

日体荏原高(東京)○不戦2人△国東高(大分)
(先)大吉賢△大内刈○近藤魁斗(先)
(次)百々雄弥○大内刈△近藤魁斗(先)
(次)百々雄弥○大腰△佐藤誠(次)
(次)百々雄弥○大外返△和泉川武蔵(中)
(次)百々雄弥○内股△高橋泰之郎(副)
(次)百々雄弥△大外返○中島大貴(大)
(中)塚本綾×引分×中島大貴(大)
(副)ハンガルオドバータル
(大)藤原崇太郎

国東は前戦で大将中島大貴が作り上げた勢いをそのままに、先鋒近藤魁斗が大吉賢から大内刈「一本」で先制。全国王者を先に一発殴り飛ばす、これぞ挑戦者の戦いというべき見事な立ち上がり。

しかし日体荏原は次鋒百々雄弥がここから4人を立て続けに抜き返す大活躍。百々は最後の難関である中島には大外返「一本」で屈したが、続いて畳に上がった塚本が手堅い試合で引き分け。不戦2人で準々決勝への勝ち上がりを決めた。

日体荏原はこの試合で2つの星を落としたが、取って取られての動きのある試合は、攻め続けなればいかないタイプの今代チームにとってはむしろ良い兆候。手指を脱臼している大吉の元気のなさは気になるところだが、豪快な「一本」4試合は落とした星以上にチームを勢いづけるものであった。

国東は全国中学校大会90kg超級3位の中島を中心に意地のある戦い。超激戦ブロックに配されたインターハイに向けて評価を一段高めた大会だった。

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2回戦、作陽高の次鋒松本隼作が報徳学園高・窪田風雅から払腰「一本」

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3回戦、作陽高の村田大征が東京学館浦安高の大将草間優登を完封

【Bパート】

シード校:作陽高(岡山)、大成高(愛知)
パート決勝(6回戦)進出校:東海大相模高(神奈川)、大成高(愛知)

大会最激戦区の一。上側の山の5回戦では全国高校選手権ベスト8のシード高作陽と、インターハイの出場権を得て上昇気配の東海大相模が激突。

作陽は2回戦で報徳学園高(兵庫)を相手に4勝2敗1分けの不戦2人で勝利。3回戦は大将に関東ジュニア100kg超級王者草間優登を置く東京学館浦安高(千葉)と対戦、先鋒佐藤昭平が2人抜き1分けで退場すると、この試合から投入された次鋒村田大征が副将小泉憧真をまず豪快な袖釣込腰「一本」で抜いて草間と対峙。膂力では草間に圧倒的な利があり刃先を合わせるだけで村田が吹っ飛びかかる場面も数度あったが、担ぎ技の得意な草間に対して短駆重量の村田という対戦相性に加えていかにも作陽らしい「攻めながら守る」柔道で力の差はまったくスコアに反映されない。まともに組めば吹っ飛ぶはずが、しかし組まないわけでもない。この試合は結局引き分けに収着、作陽は3勝0敗2分けという完璧なスコアにより不戦3人でこの試合を勝ち抜け。4回戦の三島高(愛媛)戦も同じく3勝0敗2分けの不戦3人で勝ち抜け、5回戦進出決定。

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東海大相模高の先鋒石川智啓が10人抜き達成。写真は3回戦、飾磨工高の次鋒松嶋大樹から払腰「一本」。

東海大相模は先鋒に置いた石川智啓が2回戦の日田林工高(大分)戦、3回戦の飾磨工高(兵庫)戦と合わせて10人抜き。会心の勝ち上がりで山場である4回戦の四日市中央工高(三重)戦へと進む。

この試合は石川と弓矢凌の先鋒戦、熊木と柳川の次鋒戦、笹谷と弓矢晃の中堅戦と3戦連続の引き分けという息詰まる展開。平下と山口の副将戦も拮抗していたが、山口の大外刈に素早く反応した平下が深く呼び込んで会心の大外返「一本」。しかし四日市中央工は大将堤が「指導」累積で平下を畳から退け、試合の行方は辻湧斗と堤によるエース対決に持ち込まれる。

この試合は辻が堤の技を待ち構えて柔らかく嵌め、まず内股透「技有」。ささに横落で転がし2つ目の「技有」を得て快勝。スコア1人残しで5回戦進出を決めた。

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星野太駆が辻湧斗を攻め、幾度もあわやポイントという場面を作る

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辻が星野を後方に崩し、走り込んで小外刈「技有」

[Bパート5回戦]

東海大相模高(神奈川)○大将同士△作陽高(岡山)
(先)河内優斗×引分×佐藤昭平(先)
(次)原伸之介×引分×村田大征(次)
(中)笹谷健×引分×安田夢飛(中)
(副)平下麟太郎×引分×久野壱虎(副)
(大)辻湧斗○優勢[技有・小外刈]△星野太駆(大)


東海大相模は先鋒に河内優斗、次鋒に原辰之輔を入れて勝負オーダー完成。一方の作陽は前戦からオーダー動かさずガチンコ勝負。

先鋒戦から副将戦まではつば競り合いが続き、4戦連続の引き分け。

大将対決は作陽・星野太駆が大技を連発し、あわやポイントという場面数度。体幹の強い星野は両足を畳から離さず前に出続けて前進圧力にも明らかに勝り、状況は星野に優位。しかし最終盤に辻が得意とする二段の小外刈を放つと十分警戒していたはずの星野思わず僅かに下がってしまう。辻はこのチャンスを見逃さず腕をハンドル操作しながら猛ダッシュ、星野の僅かな体勢の崩れと後退ベクトルを増幅しながら凄まじい距離を追い掛ける。星野体勢を立て直すあと半歩の隙間を与えてもらえないまま吹っ飛びこれは「技有」。この時点で残り時間は20秒を切っており、そのまま辻の勝利と東海大相模のパート決勝進出が決まった。

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5回戦、延長戦の末に大成高・東部直希が沖学園高・浦虎太郎から払巻込「技有」

下側の山からはシード校大成が順当にパート決勝進出。

スターティングは先鋒から弓削凛月、岩倉優輝、森部篤知、清水祐希、東部直希。2回戦の日大藤沢高(神奈川)戦は弓削の5人抜きで快勝、3回戦の北越高(東京)戦は弓削の4人抜き1敗を受けた次鋒岩倉が大将山本を引き分けで止めて不戦3人で勝利。高校選手権東北ブロック王者・本荘高(秋田)とマッチアップした4回戦は最初の勝負どころと思われたが、弓削が先鋒木村綜一郎、次鋒板本広大と2人を抜く活躍。中堅の東北100kg超級王者の大場悠斗には「指導」累積で屈したが、次鋒岩倉が引き分けであっさり止め、中堅森部篤知の2人抜き1分けでフィニッシュ。不戦2人で勝利を決めた。

同じメンバーで臨んだ沖学園高(福岡)戦は次鋒同士の対決で岩倉が永瀬晶尚に抜かれ、結果1勝1敗3分けで大将同士の対決に勝敗が持ち込まれる大接戦。東部直希と浦虎太郎による大将対決は延長戦となり、しかも残り40秒を過ぎた時点で「指導2」で浦がリードするという大ピンチ。東部は残り36秒に得た払巻込「技有」で逆転、これで事態を収拾したが最後は浦に腕挫十字固を食らって耐えたまま「それまで」の声を聞くという薄氷の試合。まだ渡辺神威と田中大地を投入する前の「序盤用オーダー」ではあるが、決して雰囲気の良い試合とは言い難い接戦だった。

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6回戦、東海大相模高の副将平下麟太郎が大成高・森部篤知から大外返「一本」

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6回戦、大成高の大将東部直希が東海大相模高・辻湧斗から小外刈「技有」

[Bパート6回戦(パート決勝)]

大成高(愛知) - 東海大相模高(神奈川)
(先)渡邊神威×引分×河内優斗(先)
(次)田中大地×引分×原伸之介(次)
(中)森部篤知○優勢[指導2]△笹谷健(中)
(中)森部篤知△大外返○平下麟太郎(副)
(副)清水祐希×引分×平下麟太郎(副)
(大)東部直希○優勢[技有・小外刈]△辻湧斗
※(延長)

両者決戦用兵力を並べた総力対決。2戦引き分けを受けた大成の中堅森部篤知が笹谷健を「指導」優勢で破って大成が先制に選考。森部は続く平下戦も始まるなり大声で気合一発、まだまだやる気十分だったが平下の鮮やかな大外返「一本」に沈み、試合はタイスコアに戻る。
続く副将同士の対決は引き分け。大将同士の戦いも本戦4分があっという間に過ぎ去り、勝敗の行方は大将同士による延長戦へ。本戦の様相から小差の決着必至と思われたが、東部直希の小外刈が辻湧斗を捉えて「一本」。ここで大成のベスト8勝ち上がりが決まった。

東海大相模は敗れたりとはいえ、高校選手権に出場叶わなかったチームがシード校作陽を破り、この試合も堂々の撃ち合い。水落健太新監督を迎えてまずひとつ出直しの形を作った大会だった。

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6回戦、木更津総合高の中堅兼原潤が京都学園高の先鋒勝部翔から浮落「技有」

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6回戦、大将同士の対決で木更津総合高・山下魁輝が京都学園高・井口大毅から払腰「有効」

【Cパート】

シード校:木更津総合高(千葉)、京都学園高(京都)
パート決勝(6回戦)進出校:木更津総合高(千葉)、京都学園高(京都)

上側の山からは高校選手権でベスト4に入りセンセーションを巻き起こしたシード校・木更津総合高がパート決勝進出。2回戦の佐久長聖高(長野)戦は1年生先鋒坂東虎之助の3人抜きをテコに4勝2敗1分けの不戦2人で勝利。3回戦の杵築高(大分)戦も坂東の5人抜きで快勝、しかし4回戦の育英高(兵庫)戦は早くも大将山下魁輝が出動する事態となり4勝3敗1分の辛勝。次鋒に長澤大雅を入れてフルメンバー配置となった5回戦も新田高(愛媛)を大将同士の対決の末に下す接戦の末に6回戦進出決定。

下側の山からはこれもシード校の京都学園が決勝進出。2回戦で福岡高(福岡)を不戦2人、3回戦で日大高(神奈川県)を3勝2敗1分けの不戦1人で退けると、4回戦は前戦から投入されて1戦1敗の先鋒勝部が奮起、東海大甲府高(山梨)を相手に5人抜きを演じて快勝。5回戦は修徳高(東京)の大将増山香輔に次鋒嶋崎翔、中堅の奥田将人が抜かれたが副将増田宙が出動して引き分け試合終了。不戦1人で勝利を決め、木更津総合が待つパート決勝へと臨む。

[Cパート6回戦(パート決勝)]

木更津総合高(千葉)○大将同士△京都学園高(京都)
(先)坂東虎之助△優勢[指導2]○勝部翔(先)
(次)長澤大雅△移腰○勝部翔(先)
(中)兼原潤○合技△勝部翔(先)
(中)兼原潤○小外刈△嶋崎太紀(次)
(中)兼原潤×引分×奥田将人(中)
(副)大渕泰志郎×引分×増田宙(副)
(大)山下魁輝○優勢[有効]△井口大毅

大接戦は木更津総合の勝利に収着。前戦に続いて出動した大将山下魁輝が井口大毅とのエース対決を払腰「有効」による優勢で制して勝利決定、ベスト8へと駒を進めることとなった。

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6回戦、大牟田高の次鋒樽見優作が延岡学園高・吉野弘人から隅落「一本」

【Dパート】

シード校:大牟田高(福岡)、津幡高(石川高)
パート決勝(6回戦)進出校:大牟田高(福岡)、延岡学園高(宮崎)

高校選手権ベスト8、地元福岡の期待を一身に背に負う大牟田高が快勝続きでパート決勝進出。スターティング起用で抜き役の座を任された先鋒先鋒谷所郁海が2回戦の玉野光南高(岡山)戦、3回戦の熊野高(和歌山)戦と見事2試合をまたいで10人抜き達成。谷所は4回戦の立教新座戦も3人を抜いて引き分けて通算13人抜きで退場。続いて次鋒森優心が相手方のエース長谷川壱星と引き分けこの試合は不戦3人の快勝となる。4回戦からは先鋒に田中優大を投入、田中が73kg級の好選手安田拓洋との先鋒戦を引き分けると、続いて次鋒森が2人抜き2分けとしっかり仕事をクリア。最後は中堅友清光が東京都100kg超級3位の戸髙竜之介と引き分けて不戦3人でフィニッシュ、無失点のまま盤石のパート決勝進出決定。

一方下側の山ではシードピックアップを受けた津幡高(石川)が初戦で大阪産大附(大阪)に大将同士の対決の末敗戦。得点力の高さを存分に発揮した延岡学園高(宮崎)がパート決勝まで勝ち上がることとなった。

[Cブロック6回戦(パート決勝)]

大牟田高(福岡)○不戦1人△延岡学園高(宮崎)
(先)田中優大×引分×増田陽太(先)
(次)樽見優作○優勢[指導2]△立石康平(次)
(次)樽見優作○隅落△吉野弘人(中)
(次)樽見優作△優勢[指導3]○斎藤彪雅(副)
(中)友清光○優勢[指導2]△斎藤彪雅(副)
(中)友清光△優勢[指導2]○羽田野竜輝(大)
(副)久保大喜○優勢[指導2]△羽田野竜輝(大)
(大)西田将樹

互いを良く知る九州勢同士の乱戦となったが一貫してリードは大牟田。大将西田将樹の前に敷いた友清と久保のブロックで延岡学園の追撃を押しとどめ、見事ベスト8進出決定。準々決勝では唯一最大の勝負どころと規定される木更津総合戦に挑む。

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2回戦、国士舘高の先鋒岩渕晃大が瓊浦高の副将菅健裕から釣込腰「技有」

【Eパート】

シード校:国士舘高(東京)、東海大仰星高(大阪)
パート決勝(6回戦)進出校:国士舘高(東京)、東海大仰星高(大阪)

優勝候補の一である国士舘のスターティングは前から順に岩渕晃大、稲垣由生、河田闘志、磯村亮太、飯田健太郎。7月上旬に負傷した清水雅義を次鋒登録から外し、補欠に残したのは本間壘1枚という後戻りの利かないオーダー。

2回戦は瓊浦高(長崎)を相手に岩渕晃大が5人抜き。派手さはないが、自分1人で必ず5人を賄うという強い意志が見える不器用ながらもタフな試合ぶり。3回戦は秀岳館高(熊本)を相手に岩渕が3勝1敗、続いて出動した次鋒稲垣の2人抜きにより不戦3人で勝ち上がり決定。4回戦は名張高(三重)の頑強な抵抗に遭遇、まず先鋒戦を落とし、続く次鋒稲垣が2勝1敗、中堅河田も2人を抜くが大将新井涼に抜き返されて最後は副将磯村亮太まで出動してなんとか収拾。不戦1人の辛勝で勝利を決める。

5回戦の福井工大福井高(福井)戦もオーダーは変わらず。前戦ではいきなり敗れた先鋒岩渕が奮起、宗石忠士を縦四方固「一本」で破りここから3人抜きを果たすが副将利根琢也までは抜けず敗退。続く次鋒稲垣がここを突破、大将北康平には敗れるものの中堅河田の内股「一本」でこれも収拾し、不戦2人でパート決勝進出決定。ここまで通算20勝を挙げたが4,5回戦だけで負けが5つと不安材料もまた多いという勝ち上がり。

下側の山からはシード校東海大仰星が順当にパート決勝進出。習志野高(千葉)との4回戦ではこの試合から投入された先鋒吉村太一が相手の反則、横四方固、合技、大内刈と4人を抜く活躍。大将石渡雅大には2人を抜き返されたが中堅岡虎が引き分けて不戦2人で勝利決定。勝負どころと目された東海大福岡高(福岡)との5回戦は先鋒戦の引き分けを受けた吉村が宮川明之介を袈裟固「一本」、荒木海人を大外刈「一本」と2人抜き。吉村は副将徳持鷹脩には「指導2」優勢で敗れたが中堅岡が引き分けて止め、最終戦は今大会初出動の副将奥野友輝が本部龍仁を合技「一本」で破ってフィニッシュ。不戦1人のスコアを以てパート決勝進出を決めた。

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6回戦、国士舘高の副将磯村亮太が右小外刈、体を捨てて投げ切り東海大仰星高の大将深山将剛から「有効」

[Eパート6回戦(パート決勝)]

国士舘高(東京)○不戦1人△東海大仰星高(大阪)
(先)岩渕晃大○優勢[有効・一本背負投]△稲植晃(先)
(先)岩渕晃大△優勢[有効・小内刈]△吉太一村(次)
(次)稲垣由生○内股返△吉村太一(次)
(次)稲垣由生△内股○岡虎(中)
(中)河田闘志○優勢[指導2]△岡虎(中)
(中)河田闘志○釣腰△奥野友輝(副)
(中)河田闘志△反則[指導4]○深山将剛(大)
(副)磯村亮太○崩上四方固△深山将剛(大)
(大)飯田健太郎

国士舘は2回戦から4戦連続同オーダーでの戦い。この試合は5戦目の時点で畳に上がるのは中堅同士でなかなかスコアに決定的な差がつかない。ここで河田闘志が体格を利して岡虎を「指導2」優勢で抜き、続いて奥野を「やぐら投げ」の「一本」に仕留める殊勲。相手方のエース深山には「指導4」で屈してまたもや試合をまとめることには失敗したが、副将磯村亮太が崩上四方固「一本」で抜き返して試合終了。国士舘、この試合も失点2つと完璧とまでは言い難かったが、結果で内容を塗りつぶした形。ぶじに大将飯田健太郎を座らせたままベスト8進出を決めた。

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2回戦、桐蔭学園高の中堅佐藤城が桜丘高の大将大石由から大外刈「一本」

【Fパート】

シード校:天理高(奈良)、開星高(島根)
パート決勝(6回戦)進出校:天理高(奈良)、桐蔭学園高(神奈川)

上側の山は天理が順当にパート決勝進出決定。2回戦で大原高(千葉)を相手に先鋒仲尾航介が4勝0敗1分けと1人で賄って勝利、3回戦も尽誠学園高(香川)を仲尾が5人抜いて圧勝。4回戦の安田学園高(東京)戦は仲尾が近藤駿介と引き分けたが次鋒冨安一真が金野晃大を内股「有効」、中堅今田光星を払腰「一本」、さらに副将荒井俊貴を内股「技有」と立て続けに3人を抜く活躍。疲労しきった冨安は大将佐藤昌折に「指導3」優勢で敗れたが、中堅笠原大雅が内股「一本」で抜き返して収拾、この試合は不戦2人で勝利。5回戦の九州学院戦は笠原大雅が作り出した1人差リードを背に登場した副将中野寛太が相手方の大将緒方景太に払巻込「技有」で敗れたが、今大会初登場となる大将田中慎太郎が「指導2」優勢で勝利して試合終了。しっかり6回戦へと勝ち残った。

下側の山は桐蔭学園高が激戦を制し続けて快進撃。1回戦の小城高(佐賀)戦を4勝0敗の不戦3人で制すると、2回戦は愛知の強豪・桜丘高と激突。先鋒の66kg級カデ王者石郷岡秀征が見事4人を抜いて、大将に座る昨年度全国中学校柔道大会3位・大石由を畳に引きずり出す。大石は石郷岡を浮落「一本」、続いて佐藤虎太郎も大外刈「一本」で畳に沈めるが、桐蔭学園は中堅佐藤城が貫禄を見せつけ大外刈「一本」で撃退、不戦2人でこの試合に勝利。3回戦は龍谷大平安高(京都)を相手に1年生先鋒賀持喜道が小川大輔を合技「一本」、今川雄斗を内股「一本」、安田奨平を内股「一本」と3人抜き。龍谷大平安は副将林英輝が移腰「一本」で賀持を撃退、林を「指導2」で抜き返した昨年度の全国中学校大会90kg超級王者・桐蔭学園の次鋒千野根有我を大将木村朋弥が内股「一本」で畳から退けるが、最後は桐蔭学園の中堅佐藤城が内股「技有」で勝利しチームの勝ちを決定する。

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5回戦、桐蔭学園高の副将村尾三四郎が開星高・野口穂高から大内刈「有効」

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関根聖隆が河野壮登から大腰「一本」

[Fパート5回戦]

桐蔭学園高(神奈川)○大将同士△開星高(島根)
(先)賀持喜道○優勢[有効・大外刈]△山口和馬(先)
(先)賀持喜道○優勢[有効・支釣込足]△金塚啓五(次)
(先)賀持喜道△出足払○松村颯祐(中)
(次)千野根有我△優勢[技有・一本背負投]○松村颯祐(中)
(中)佐藤城×引分×松村颯祐(中)
(副)村尾三四郎○優勢[有効・大内刈]△野口穂高(副)
(副)村尾三四郎△反則[指導4]○河野壮登(大)
(大)関根聖隆○大腰△河野壮登(大)

大熱戦は桐蔭学園高の勝利で幕。開星は2トップの松村颯祐、河野壮登がしっかり仕事をしたが、大将戦では桐蔭学園・関根聖隆がケンカ四つの河野を緩やかに腰の入れ合いに誘い続け、河野が消耗した終盤にこのやりとりに嵌めて手ごたえを得るや一段高く腰に載せて持ち上げ大腰「一本」。見事パート決勝への勝ち上がりを決めた。

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6回戦、桐蔭学園高の大将関根聖隆が天理高の副将中野寛太から一本背負投「一本」

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天理高の大将田中慎太郎が関根聖隆からまず内股で「技有」

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田中は関根得意の左一本背負投を捩じり返し「技有」追加で勝利決定

[Eパート6回戦(パート決勝)]

天理高(奈良)○大将同士△桐蔭学園高(神奈川)
(先)仲尾航介○優勢[有効・小内刈]賀持喜道(先)
(先)仲尾航介△横四方固○千野根有我(次)
(次)矢野真我○袈裟固△千野根有我(次)
(次)矢野真我△優勢[指導2]○佐藤城(中)
(中)笠原大雅○優勢[技有・小内刈]△佐藤城(中)
(中)笠原大雅△優勢[指導2]○村尾三四郎(副)
(副)中野寛太○払腰△村尾三四郎(副)
(副)中野寛太△一本背負投○関根聖隆(大)
(大)田中慎太郎○合技△関根聖隆(大)

抜きつ抜かれつの大熱戦は天理高の勝利に終着。大将の田中慎太郎が前戦に引き続き最終戦に登場、しぶとい関根からまず左内股「技有」を獲得。外側に逃れた関根を追いかけ、股中に腰を押し込んで図太く決めたこの一撃でほぼ勝負の行方は決した感あり、最後は関根の左一本背負投を捩じり返して浮落「技有」を得て、合技「一本」でフィニッシュ。天理の陣容の骨太さが個性豊かな桐蔭学園の布陣を跳ね返したという一番だった。

高校柔道ファンにとっては勝敗は勿論のこと、桐蔭学園に集った千野根有我、村尾三四郎、賀持喜道の1年生3人衆の出来と評価が非常に気になるところかと思われる。投げ合いを挑み続けて勝利も敗退もその結果のうちにある賀持、線の細さで振り回されるが随所に投げカンの良さを見せた村尾は結果以上の将来性を垣間見せたと評したい。千野根は全国中学大会の圧勝のイメージが強すぎるゆえか印象は悪し、崩れ始めたら止まらない足元の脆さが非常に気に掛かった。全日本カデでは同学年のライバル大石由(桜丘高)に一本負けを喫してもおり、今後の育成の方向性が気にかかるところ。

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6回戦
蓜島剛と佐々木卓摩の大将対決

【Gパート】

シード校:埼玉栄高(埼玉)、足立学園高(東京)
パート決勝(6回戦)進出:埼玉栄高(埼玉)、足立学園高(東京)

高校選手権ベスト4の埼玉栄と前年度この大会で3位に入って旋風を巻き起こした足立学園の2強が順当に勝ち上がってパート決勝で激突。ともに攻撃的属性の両チームの対決は激戦必至。

[Gパート6回戦(パート決勝)]

埼玉栄高○大将同士△足立学園高
(先)焼谷風太×引分×上江一平(先)
(次)長濱快飛△大外刈○山本瑛介(次)
(中)今入晃也○優勢[指導2]△山本瑛介(次)
(中)今入晃也○払腰△白石隼人(中)
(中)今入晃也△横四方固○雨森俊成(副)
(副)岩田歩夢×引分×雨森俊成(副)
(大)蓜島剛○内股△佐々木卓摩(大)

次鋒同士の対決で山本瑛介が長濱快飛を大外刈「一本」で倒し、先制点は足立学園。このまま足立学園がペースを握るかと思われたが、埼玉栄は中堅今入晃也が2人を抜く活躍で主導権はどちらにも振れず。最後は攻撃型の大将同士の対決で蓜島剛が佐々木を畳に埋める強烈な内股「一本」。決勝ラウンド勝ち上がりは埼玉栄となった。

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5回戦、崇徳高の副将空辰乃輔が西日本短大付高・盛坪虎弥太から移腰「有効」

【Hパート】

シード校:崇徳高(広島)、鎮西高(熊本)
パート決勝(6回戦)進出:崇徳高(広島)、鎮西高(熊本)

優勝候補の一角である崇徳と、九州新人大会王者の鎮西がパート決勝で激突。崇徳は5回戦の西日本短大付高(福岡)戦で2人を抜いた先鋒神垣唯が中堅古賀隼太に、1人を抜いた中堅福永矩宣が大将盛坪虎弥太にそれぞれ腕挫十字固「一本」で敗れる場面があったが、副将空辰乃輔の出場までで試合をまとめ不戦1人のスコアで6回戦進出。鎮西は5回戦の沖縄尚学高(沖縄)戦で1人差ビハインドから登場した大将後藤龍真が副将吉元一将、さらに延長戦の末大将新垣慶一郎を抜く活躍で勝利、激戦を制して崇徳への挑戦権を得た。

[Hパート6回戦(パート決勝)]

崇徳高○不戦1人△鎮西高
(先)神垣和也○出足払△清崎竜平(先)
(先)神垣和也△上四方固○星田大希(次)
(次)森近唯○優勢[有効・小内刈]△星田大希(次)
(次)森近唯×引分×北村博樹(中)
(中)福永矩宣△優勢[指導3]○境辰五郎(副)
(副)空辰乃輔○送襟絞△境辰五郎(副)
(副)空辰乃輔△移腰△宮崎悠太朗(大)
(大)長岡季空

鎮西が要所で踏ん張り、崇徳に決定的な差をつけさせずに終盤まで追走。しかし勝負を掛けるべき大黒柱の後藤がこの試合は欠場。延長戦まで戦った前戦の最中に古傷の右太腿痛が再発し、交代選手は補欠枠登録の宮崎悠太朗。最終的には駒数の差否めず、最後は崇徳の空辰乃輔が副将同士の対決から2人を「一本」で抜いて勝負あり。崇徳がシード校対決を制してパート決勝進出を決めた。

結果決まった準々決勝カードは下記。

日体荏原高(東京) - 大成高(愛知)
大牟田高(福岡) - 木更津総合高(千葉)
国士舘高(東京) - 天理高(奈良)
埼玉栄高(埼玉) - 崇徳高(広島)

※ eJudoメルマガ版7月28日掲載記事より転載・編集しています。

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