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平成28年度全日本学生柔道優勝大会男子マッチレポート①1回戦~準々決勝

(2016年7月10日)

※ eJudoメルマガ版7月10日掲載記事より転載・編集しています。
平成28年度全日本学生柔道優勝大会男子マッチレポート①1回戦~準々決勝
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選手宣誓は前年度優勝校・筑波大の神谷快主将

七人制団体で大学柔道日本一を競う学生カテゴリの最高権威大会、第65回全日本学生柔道優勝大会は25日、今年も聖地・日本武道館で開幕。各地区の予選を勝ち抜いた精鋭62校により激戦が繰り広げられた。

今大会の優勝候補筆頭は、昨年ついに連覇が「7」で途切れ今大会に王座奪回を期す東海大。これに昨年1年生で学生体重別最重量級を制した小川雄勢ら好選手を密度濃く揃えた明治大と二連覇を狙う筑波大が続き、育成力と勝負力の高さをテコに悲願の日本一達成を狙う日本大がほとんど差なく後を追う。軸と目される東海大の戦力も絶対ではなく、事前評として掲げるべきは混戦の二文字。

まずはトーナメントを4つのブロックに分けて、ベスト8までの戦いを簡単に振り返ってみたい。

■ Aブロック
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2回戦、筑波大の次鋒石川竜多が拓殖大・田宮悠太から大腰「一本」

準々決勝進出校:筑波大、明治大

上側の山からは連覇を狙う筑波大が順調にベスト8勝ち上がり。まず2回戦で拓殖大を7-0(先鋒から五十嵐純平、石川竜多、根津信太、大橋賢人、新添悠司、尾原琢仁、佐々木健志)で下すと3回戦では九州地区王者・鹿屋体育大を畳に迎える。今代の戦闘力が問われる、序盤の山場となる試合。筑波大は五十嵐と根津を下げ、中心戦力の田嶋剛志とエース神谷快を投入して布陣。

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3回戦、筑波大の中堅・新添悠司が鹿屋体育大・深浦大慈から内股「一本」

【Aブロック3回戦】

筑波大 3-1 鹿屋体育大
(先)田嶋剛希○優勢[技有・大内刈]△関根太三
(次)尾原琢仁×引分×荒巻隆太朗
(五)石川竜多△優勢[技有・払巻込]○安部祥央
(中)新添悠司○内股(1:44)△深浦大慈
(三)佐々木健志×引分×盛田勝
(副)神谷快×引分×飛松直樹
(大)山本幸紀○優勢[技有・内股返]△大石智也

先鋒戦が大きく効いた試合。筑波大の1年生レギュラー田嶋が今春全日本選手権出場の栄を得た鹿屋体育大・関根太三を大内刈「技有」で破り、取るべき人が取られてしまった挑戦者・鹿屋体育大は実質2点のダメージ。

しかし鹿屋体育大は前年度優勝の筑波大に食らいつき続け、五将戦は安部祥央が石川竜多を払巻込「技有」による優勢で破って意地を見せ、続く中堅戦では新添悠司の内股「一本」で突き放されるも以後は三将盛田勝が佐々木健志と、そして副将飛松直樹が神谷快とそれぞれ引き分け、ビハインドながら筑波大の尻尾を握りしめたまま離さず追走。

大将戦に勝利するしかない鹿屋体育大は大石智也が果敢に攻めに出るが、しかし筑波大・山本幸紀はこの構図をしっかり踏まえて冷静な試合ぶり。内股返「技有」を得て手堅く試合をまとめ、最終スコア3対1を以て筑波大が勝利を決めた。

中盤5試合の様相と、最終戦の前提条件である「行かなければならない」構図が最後に勝負を分けたことを考えれば、殊勲者はやはり田嶋。連覇が掛かる歴史的な大会にあって、序盤戦で1年生先鋒がまず1つ大きな仕事を果たした一番だった。

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2回戦、明治大の三将・小川雄勢が岡山商科大・松村文弥から大外刈「一本」

下側の山からはこちらも優勝候補に挙げられる明治大が勝ち上がり。1回戦ではまず札幌大を6-0(神鳥剛、橋口祐葵、鎌田嵩平、五十嵐永一郎、小川雄勢、田中源大、名垣浦佑太郎)、五十嵐と鎌田を下げて安田圭吾と金山天地に入れ替えた2回戦は岡山商科大を6-1で下し、3回戦は東洋大を4-0で退け余裕をもってベスト8進出決定。

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準々決勝、1点リードを受けた筑波大の次鋒根津信太(白)が明治大のポイントゲッター田中源大から捨身の小外掛「一本」

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神谷快が小川雄勢の圧をいなし続ける

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副将戦の終了直前、田島剛希に「軸足刈り」のダイレクト反則負けが宣告される

【Aブロック準々決勝】

筑波大 ②-2 明治大
(先)新添悠司○大内刈(0:37)△金山天地
(次)根津信太○小外掛(3:21)△田中源大
(五)尾原琢仁×引分×川田修平
(中)神谷快△優勢[有効・大内刈]○小川雄勢
(三)山本幸紀×引分×橋口祐葵
(副)田島剛希△反則(4:59)○名垣浦佑太郎
(大)大橋賢人×引分×三村暁之

優勝候補同士による直接対決が早くもこの段階で実現。大会屈指の大一番である。

この試合は筑波大の先鋒新添悠司が金山天地を僅か37秒の大内刈「一本」で下すという衝撃的な幕開け。その余波冷めやらぬ次鋒戦も根津信太が明治大のポイントゲッター田中源大を小外掛「一本」で下し、筑波大は前衛2枚で2勝という最高のスタートを切る。五将尾原琢仁が川田修平を引き分けで止めて展開を落ち着かせ、中堅神谷快が明治大のエース小川優勢の圧をいなしにいなして「有効」優勢までで抑えて畳を降りた時点でもはや筑波大の勝利は確定的となった印象。明治大有利の下馬評を覆す、完璧なまでの筑波ペース。

明治大の主将・橋口祐葵の猛攻あるかと思われた三将戦は、一発狙いの橋口の意外な淡白さにも助けられて山本幸紀がしっかり引き分け。続く副将戦も畳に上がった田島剛希が得意の担ぎ技で巨漢の名垣浦佑太郎を崩し続け、試合の様相見る限り波乱の可能性は僅少。ところが試合終了直前に大事件。名垣浦の払腰を田島が引き手を切って受けた攻防の際に田島の足が名垣浦の軸足の前に入ってしまい、名垣浦が前に倒れ伏せると審判団が試合を止めて合議。田島が相手の軸足を裏から刈ったとの判断で田島に反則負けを宣告する。

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大橋賢人が得意の膝車で三村暁之を崩し続ける

試合の様相一変、スコアは2対2、もはや余裕の勝利と思われた筑波大のリードは内容差のみとなる。迎えた大将戦は明治大・三村暁之が逆転を掛けて必死の形相で攻め込むが、組み手で状況をしっかり作ってまず「指導」を得ることが攻撃の前提条件の試合巧者タイプ三村に対し、対照的に一発一発の技に威力を持つ大橋賢人は三村の生命線である奥襟確保を強気の膝車で剥がし続けてむしろ攻勢。圧の掛かる状況を作ったはずがむしろポイント失陥の危機に晒される形が続いた三村は徐々に失速、深く内股を入れる場面も作るが博打を打たない普段の試合姿勢が体から抜けず、決め切るところまで技を続けられず。あっという間に5分間が過ぎ去ってこの試合は引き分け。結果、筑波大が2対2の内容差でこの大一番を制することとなった。

先に殴ってリード、中盤をしっかり凌いで後衛に繋ぐというシナリオを大枠成し遂げた
筑波大の、ほぼ完ぺきな勝利。歩留まりの良い三村を大将に置いたことでわかるように明治大のシナリオは先制、中押し、クロージングという王道の前掛かり策。このシナリオの一手目をいきなり崩した筑波大の「先に取らねば勝てない」覚悟が明治大の分厚い布陣を上回ったという一番だった。殊勲者は新添、そして根津。

しかし筑波大はここでユーテリティプレイヤーの田島を失う(「頭突っ込み」以外のダイレクト反則負けは以後の試合に出場できない)という大きなダメージも負った。攻めも、守りも、試合も作ることも出来る田島を失って以後をどう戦うのか。優勝候補明治を破るという大戦果を挙げたが、払った代償も非常に大きい試合であった。

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1回戦、明治大の次鋒・橋口祐葵が札幌大・古澤徹から背負投「一本」

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1回戦、明治大の三将・小川雄勢が札幌大・高橋孔雅から崩袈裟固「一本」

[Aブロック1回戦]

拓殖大(東京) 3-2 大阪産業大(関西)
鹿屋体育大(九州) 5-0 愛知学院大(東海)
創価大(東京) 5-1 城西国際大(関東)
明治大(東京) 6-0 札幌大(北海道)
岡山商科大(中国四国) 6-0 甲南大(関西)
東洋大(東京) 4-1 東北学院大(東北)
清和大(関東) 5-0 北陸大(北信越)

[Aブロック2回戦]

筑波大(関東) 7-0 拓殖大(東京)
鹿屋体育大(九州) 7-0 創価大(東京)
明治大(東京) 6-1 岡山商科大(中国四国)
東洋大(東京) 5-0 清和大(関東)

[Aブロック3回戦]

筑波大 3-1 鹿屋体育大
明治大 4-0 東洋大

[Aブロック準々決勝]

筑波大 ②-2 明治大

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1回戦、日本大の先鋒岡村直哉が秋田大・成田大祐から大内刈「一本」

準々決勝進出校:日本大、日本体育大

上側の山からは日本大が順当に準々決勝進出。1回戦で秋田大を6-0、2回戦で順天堂大を4-0、迎えた早稲田大との3回戦は先鋒佐藤和哉が斉藤光星から送足払「技有」、次鋒一色勇輝が佐藤竜から大外刈「一本」と相手のキーマンから連続得点、これをテコに以後5戦をしっかり引き分けて2-0と快勝。結果、無失点でベスト8入りを決めた。

一方下側の山では日体大と天理大が3回戦で激突、これが3回戦全体を通じた大きな山場となった。

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3回戦、日体大の次鋒松井海斗が天理大・具志堅一弘から大内返「一本」

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天理大は中堅大岩郁弥の大内刈「一本」でタイスコアに追いつく

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大将戦、日体大は渕原槙一が白川剛章を内股「一本」に仕留めて勝利決定

【Bブロック3回戦】

日本体育大 2-1 天理大
(先)松村翼×引分×西尾徹
(次)松井海斗○大内返(2:46)△具志堅一弘
(五)嶌田勝斗×引分×北浦大基
(中)中島勇貴△大内刈(0:44)○大岩郁弥
(三)北岡広樹×引分×石山潤平
(副)長井達也×引分×長友幹斉
(大)渕原槙一○内股(0:45)△白川剛章

次鋒戦における松井海斗の大内返「一本」で日体大が先制。中堅戦では天理大・大岩郁弥が中島勇貴を圧倒し大内返「一本」を奪ったが、日体大先制以降この試合以外はいずれも、どちらの側に勝負が転がり込んでもおかしくない壊れやすい試合が続く。

どちらの陣営にとってもまことに危うい拮抗保たれたまま、結果タイスコアで迎えた大将戦は劇的決着。日体大・渕原槙一が開始早々に場外際で素晴らしい内股一発、強敵白川剛章を畳に埋めるというまことに華々しい勝利で母校のベスト8入りを決めた。

日体大は最大の勝負どころを最高の形で勝ち抜けて準々決勝進出決定。一方西の雄・天理はベスト8に残れず3回戦で姿を消すこととなった。地方校でもっとも勝ち上がりの可能性が高かった天理の敗戦により、ベスト8は全て関東・東京勢によって占められることとなった。

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日本大の中堅佐藤和哉が日体大・岡田友徳を小外刈で攻める

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日本大は三将一色勇輝が長井達也から腕挫十字固「一本」、一気の3連勝で勝負を決めた

【Bブロック準々決勝】

日本大 3-1 日本体育大
(先)山下恭平×引分×松村翼
(次)青木雅道×引分×松井海斗
(五)尾崎央達○優勢[有効・大内刈]△東部雄大
(中)佐藤和哉○反則[指導4](4:46)△岡田友徳
(三)一色勇輝○腕挫十字固(2:18)△長井達也
(副)向翔一郎×引分×渕原槙一
(大)安達裕助△優勢[有効・小外掛]○北岡広樹

2戦引き分けを受けた五将戦が勝負の分かれ目。日本大・尾崎央達が粘戦の末、終了間際の大内刈で東部雄大から値千金の「有効」奪取。

得点源ブロックを前にリードを得た日本大はここから佐藤和哉が試合巧者岡田友徳を押し込み続けての「指導4」、そして一色勇輝が長井達也から腕挫十字固「一本」を得て一気に勝負を決める。利かん気同士がぶつかった副将戦もこの状況にあっては荒れようもなく、向翔一郎が渕原槙一としっかり引き分け。大将戦は日体大・北岡広樹が小外掛「有効」で勝利するも時すでに遅く、結果日本大が最終スコア3-1で勝利を得るに至った。

従来「耐える」属性の駒であったはずの尾崎が、目前に迫った引き分けを受け入れずにあくまで得点を挙げたその姿勢と執念。これが以降の盤面における日本大の優位を決定的にした。選手に染みた意識の高さがそのままスコアに表れた一番だったと言える。日本大、歴代チームの長所であった選手一丸のまとまりと執念は今年も健在。

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2回戦、日体大の五将松井海斗が広島国際大・久保田尚之から小外掛「一本」

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1回戦、天理大の次鋒具志堅一弘が駒沢大・久村大悟から大車「一本」

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2回戦、天理大の先鋒石山潤平が埼玉大・阿河夢斗から背負投「技有」

[Bブロック1回戦]

日本大(東京) 6-0 秋田大(東北)
順天堂大(東京) 4-2 福井工業大(北信越)
早稲田大(東京) 2-0 龍谷大(関西)
流通経済大(関東) 5-1 日本文理大(九州)

天理大(関西) 7-0 駒澤大(東京)
埼玉大(関東) 6-1 北海学園大(北海道)
日本体育大(東京) 5-0 名城大(東海)
広島国際大(中国四国) ③-3 東海大九州(九州)

[Bブロック2回戦]

日本大 4-0 順天堂大
早稲田大 2-0 流通経済大
天理大 5-1 埼玉大
日本体育大 7-0 広島国際大

[Bブロック3回戦]

日本大 2-0 早稲田大
日本体育大 2-1 天理大

[Bブロック準々決勝]

日本大 3-1 日本体育大

■ Cブロック
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2回戦、東海大・ウルフアロンが支釣込足で2つ目の「技有」

準々決勝進出校:東海大、近畿大

優勝候補筆頭の東海大は2回戦で関東学園大を7-0で下して順調な滑り出し。そしてこの東海大への挑戦権を掛ける上側の山は激かなりの戦区。

1回戦ではまず関西大が世界ジュニア100kg級王者・後藤隆太郎を擁する慶應義塾大に3-2で完勝。その勢いを駆って2回戦で桐蔭横浜大に挑戦することとなる。

【Cブロック2回戦】

桐蔭横浜大 3-2 関西大
(先)原田昌寛×引分×村井慎太郎
(次)手塚海△小外掛(3:27)○又場郁哉
(五)田崎拓也×引分×小寺達
(中)佐々木輝○腕挫手固(1:37)△門阪将吾
(三)片桐章男△優勢[有効・内股]○荒木佳祐
(副)大宮勝伍○優勢[有効・内股返]△田中尚輝
(大)伊藤尚将○反則(4:12)△澤井亮一

桐蔭横浜大は関西大の先鋒村井慎太郎と五将小寺達のポイントゲッター級2人に仕事をさせずいずれも引き分け。1点ビハインドで迎えた中堅戦で佐々木輝が門阪将吾をしっかり「一本」で退けて流れを掴むと、以降を2勝1敗で切り抜けてフィニッシュ。関西大は慶應義塾大戦同様一種図太い試合を展開して存在感を見せたが、ここは桐蔭横浜大の意地が上回ったという印象。3回戦における東海大への挑戦権は桐蔭横浜大のものとなった。

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3回戦、東海大・前田宗哉が伊藤尚将との投げ合いからあくまで降りず、高空から小外刈を被せて「一本」

【Cブロック3回戦】

東海大 6-0 桐蔭横浜大
(先)小原拳哉○優勢[有効・出足払]△佐々木輝
(次)香川大吾×引分×原田昌寛
(五)西本幸弥○払巻込(3:36)△手塚海
(中)影浦心○小内刈(4:05)△片桐章男
(三)前田宗哉○小外刈(1:41)△伊藤尚将
(副)ウルフアロン○背負投(1:30)△田崎拓也
(大)平野貴之○崩上四方固(2:08)△大宮勝伍

東海大にとって今代の仕上がりが1つ試される試合であったが、結果は無失点完勝というほぼ完ぺきなもの。先鋒から中堅まで、いずれの試合も個々に見れば一方的というわけではなかったが、大枠の優位を具体的な技に昇華出来なかった香川以外は手堅く結果を挙げ続けて前衛4枚で残ったスコアは3-0。ここから三将前田宗哉、副将ウルフアロンが2分掛からず「一本」を奪って勝利を決め、大将戦では平野貴之が崩上四方固「一本」でダメ押し。ポイントゲッターを担うべき香川のもたつきが気になるところではあるが、隙を見せずにしっかりベスト8への勝ち上がりを決めた。

下側のブロックは本命なき混戦。1、2回戦を圧勝で勝ち上がった近畿大が3回戦で帝京科学大をこれも4-0の大差で破り、準々決勝進出の栄を得た。

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東海大の先鋒尾方寿應が近畿大・金鐘成から内股「技有」

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東海大の三将・影浦心が近畿大・内藤竜生から大内刈「一本」

【Cブロック準々決勝】

東海大 6-0 近畿大
(先)尾方寿應○合技(4:25)△金鐘成
(次)太田彪雅○優勢[有効・内股]△浅野純平
(五)西本幸弥○優勢[技有・裏投]△佐藤允哉
(中)香川大吾○大内刈(2:49)△小柳克磨
(三)影浦心○大内刈(0:32)△内藤竜生
(副)古居頌悟○隅返(3:09)△橋詰一輝
(大)奥野拓未×引分×高原大河

東海大が近畿大を一蹴。香川大吾と影浦心の大型2枚を残して3回戦から実に5人を入れ替えて布陣、かつ先鋒から副将までの6連勝で相手を寄せ付けなかった。

東海大はここまで無失点。不安材料もほとんど見せないまま、というよりもそういった不確定要素が露見するような抵抗器を得ぬまま3試合をこなしたという印象で、余裕を持ってのベスト4入り。

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1回戦、桐蔭横浜大の副将佐々木輝が九州国際大・平本貴也から大内返「一本」

[Cブロック1回戦]

関東学園大(関東) 4-2 弘前大(東北)
関西大(関西) 3-2 慶應義塾大(東京)
桐蔭横浜大(関東) 7-0 九州国際大(九州)
帝京科学大(東京) 2-2 徳山大(中国四国)
上武大(関東) 5-1 金沢工業大(北信越)
近畿大(関西) 6-1 専修大(東京)
愛知大(東海) 5-1 旭川大(北海道)

[Cブロック2回戦]

東海大(東京) 7-0 関東学園大(関東)
桐蔭横浜大(関東) 3-2 関西大(関西)
帝京科学大(東京) 4-1 上武大(関東)
近畿大(関西) 5-0 愛知大(東海)

[Cブロック3回戦]

東海大 6-0 桐蔭横浜大
近畿大 4-0 帝京科学大

[Cブロック準々決勝]

東海大 6-0 近畿大

■ Dブロック
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1回戦、国士舘大の大将江畑丈夫が金沢学院大・諸橋佳哉から内股「一本」

準々決勝進出校:国士舘大、國學院大

上側の山は国士舘大が順当にベスト8入り。1回戦で金沢学院大を7-0(先鋒から釘丸将太、山口智広、田﨑健祐、安田隼人、砂田勇登、横田雄斗、江畑丈夫)、2回戦では横田、田﨑、安田の3人を下げて山田伊織、竹村昂大、佐藤正大を投入して福岡大を4-0、この布陣から釘丸将太と吉良儀城を入れ替えて臨んだ3回戦は同志社大を7-0とその道程に関東・東京地区の強豪はなく、危ない場面はほぼ1度もなし。余裕を持っての準々決勝進出。

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2回戦、法政大は次鋒宮田祐三の背負投「一本」で先制点を挙げる

【Dブロック2回戦】

山梨学院大 2-1 法政大
(先)中元岳×引分×平良隼人
(次)中田大貴△背負投(2:27)○宮田祐三
(五)大町隆雄×引分×中村建太
(中)柳原尚哉×引分×瀧田健太郎
(三)春日良太○裏投(4:10)△佐伯夏海
(副)渡辺大樹○優勢[技有・内股返]△橋谷田雄登
(大)藤井靖剛×引分×小室寛人

一方下側の山では、法政大が勝ち上がり候補の一である山梨学院大に大善戦。先鋒戦の引き分けを受けた次鋒戦で宮田佑三の「立ち背負い」による鮮やかな一本勝ちで先制。さらに相手方のエース大町隆雄と中村健太が引き分けるなど以後2戦をタイで凌ぎ、4人終了時点までリードを保つ。

山梨学院大は三将春日良太が「指導」を連続奪取、終盤に得意の裏投「一本」を奪ってここでようやくスコアをタイに戻す。副将戦はもとインターハイ100kg級王者の渡辺大樹が山形工高出身の好選手・橋谷田雄登を相手に内股返「技有」を奪い、リード後は組み手で相手をいなしてリスクを冒さず優勢勝ち。大将戦は藤井靖剛が引き分け、なんとか試合を収拾した格好で最終スコアは2対1。無事3回戦への勝ち上がりを決めた。

法政大は大健闘。保有戦力で大きく劣りながらも単に食い下がるのではなく積極的に投げに行く、あくまで勝ちに行く姿勢にはこの一番に掛ける覚悟と稽古の錬磨がにじんでいた。

一方の山梨学院大はメジャーチームの必須条件であるプライドとチームとしてのまとまり、いずれもその気配薄かった試合。リスクを冒して裏投一発で勝負を取りに行った春日はともかく、順行運転で良しとしてトドメを刺しに行かなかった副将渡辺、最低得点差のまま引き分けを受け入れた大将藤井の試合姿勢は評価が分かれるところ。ことこの試合の勝利に視座を限れば文句のない判断であろうが、学生優勝大会で上位を目指すチームとしては物足りないと言わざるを得ない。2回戦という早い段階の苦戦をどのような勝ちぶりで払拭して次の戦いに繋げるのか、上位を目指すチームの「格」をいかに見せつけるのかまでを織り込んで試合をすべきだったのではないだろうか。ひとまず最低限の力で目の前の試合をなるべく瑕疵なくこなしているかのような後衛の試合姿勢には、大会全体を睨んだシナリオ的な視座がそもそも欠落しているのではないかという印象を受けた。少なくとも、選手獲得に費やし矢リソースと得た陣容に比して正当な結果とは到底言い難いだろう。接戦という結果以上に、上位常連の山梨学院大の意外な自己評価の低さが濃く感じられた一番だった。

【Dブロック3回戦】

國學院大 ①代-1 山梨学院大
(先)神尾啓太△送足払(1:56)○佐藤天信
(次)加藤翔弥×引分×中元岳
(五)二見省吾×引分×大町隆雄
(中)横山尭世×引分×渡辺大樹
(五)松谷鯉太郎○反則[指導4]△山中勇希
(副)桑崎涼輔×引分×春日良太
(大)澁谷裕次郎×引分×藤井靖剛
(代)二見省吾○優勢[有効・裏投]△大町隆雄

山梨学院大は國學院大の我慢のしどころである先鋒戦で、佐藤天信が神尾啓太から送足払「一本」で勝利し順調なスタート。しかし以後3戦の引き分けを受けた五将戦では國學院大・松谷鯉太郎が超巨漢の山中勇希を相手に片襟の背負投を連発して果敢な試合。4つの「指導」を得て勝利を決め、スコアをタイに戻す。

さらに2戦の引き分けを受けて縺れ込んだ代表決定戦では二見省吾と大町隆雄のエース同士がマッチアップ。大消耗戦となったこの試合を二見が裏投「有効」で勝ち切り、國學院大のベスト8進出が決まった。

エースで袖釣込腰の得意な二見が、同じく担ぎ技が得意で低く構えるポイントゲッター大町に。減量したとはいえ明らかな重量級属性の横山がサイズもあって柔道が柔らかい試合巧者の渡辺に、さらに重心の高い重量級選手の桑崎が裏が効く春日にと、國學院大にとっては決して良い当たりではなかったと思われるが、我慢すべきところをしっかり耐え、二見に繋いだチームワークの勝利。戦力的にはどちらが勝ってもおかしくない試合であったが、チームの一体感で國學院大が上を行ったという印象の試合であった。

【Dブロック準々決勝】

国士舘大 3-0 國學院大
(先)山口智広×引分×加藤翔弥
(次)釘丸将太×引分×田村優樹
(五)江畑丈夫○内股(2:32)△横山尭世
(中)山田伊織○支釣込足(1:24)△桑崎涼輔
(三)竹村昂大×引分×松谷鯉太郎
(副)砂田勇登×引分×澁谷裕次郎
(大)佐藤正大○優勢[有効・大内刈]△二見省吾

ここまで好調の国士舘大が、この試合も失点なしのまま快勝。
分水嶺となったのは五将戦。昨年度90kg級の学生王者江畑丈夫が、もとインターハイ100kg越級王者の横山尭世から鮮やかな内股「一本」を奪取して先制に成功。その余韻冷めやらぬ中堅戦で1年生の山田伊織が支釣込足「一本」で桑崎涼輔を畳に沈める。この2試合で試合の行方は見えたという印象。

2点をリードした国士舘、続く陣容は竹村昂大に砂田勇登といずれも攻めながら試合をコントロールできる試合巧者2枚。この2人がシナリオ通りに引き分けを得てリードを保つと、大将戦は佐藤正大が二見省吾に力を出させず大内刈「有効」を得てダメ押し。

國學院大のこのところの充実ぶりから接戦が予想されたカードだったが、結果は一方的。3対0という隙のないスコアを以て、国士舘がベスト4への勝ち上がりを決めた。

結果決まった準決勝のカードは

筑波大 - 日本大
東海大 - 国士舘大

の2試合となった。

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1回戦、国士舘大の五将・砂田勇登が金沢学院大・須田晃人から内股「有効」

[Dブロック1回戦]

国士舘大(東京) 7-0 金沢学院大(北信越)
福岡大(九州) 4-2 国際武道大(関東)
同志社大(関西) 2-0 道都大(北海道)
松山大(中国四国) ③-3 大東文化大(東京)

山梨学院大(関東) 5-0 関西学院大(関西)
法政大(東京) 5-1 熊本学園大(九州)
國學院大(東京) 6-1 仙台大(東北)
皇學館大(東海) 2-1 中央大(東京)

[Dブロック2回戦]

国士舘大 4-0 福岡大
同志社大 5-2 松山大
山梨学院大 2-1 法政大
國學院大 5-0 皇學館大

[Dブロック3回戦]

国士舘大 7-0 同志社大
國學院大 ①代-1 山梨学院大

[Dブロック準々決勝]

国士舘大 3-0 國學院大


文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

※ eJudoメルマガ版7月10日掲載記事より転載・編集しています。

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