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ワールドマスターズ2016日本代表選手採点表

(2016年5月30日)

※ eJudoメルマガ版5月30日掲載記事より転載・編集しています。
ワールドマスターズ2016日本代表選手採点表
※10点満点、eJudo編集部採点

髙藤直寿 2.0
前回まったく相手にしなかったヴィンセント・リマール(フランス)から開始早々に「有効」を奪いながら突如大失速。股間に相手の膝が入った中盤以降におかしくなり「技有」「一本」と立て続けに失って初戦敗退に終わった。雑食系のリマールは昨年来目先の戦術にこだわることで刹那的に成績を残して出世、そしてこの春そのツケを払うかのように全く勝てなくなっていた選手で、地力のあるタイプではまったくない。二度髙藤の顔を手で叩いた前回対戦同様その試合態度は悪し、しかし勝利が決まった瞬間いきなり笑顔でフレンドリー。小物をやっつけられないばかりかつけあがらせたわけで、フラストレーションのたまる試合だった。減量失敗との話が伝わって来たが、見せてはいけないものを見せすぎた大会。五輪の糧にしてもらうほかはない。

髙上智史 4.0
内容に踏み込む以前に、アウトサイダーの選手に1勝、以後水準点にある選手に2敗で7位という成績を高く買うことがまず難しい。五輪代表権を失った中でモチベーションの維持が難しいという事情もあろうが、国内の状況を考えれば「リオ後」に向けてこれ以上ないパフォーマンスの場でもあったはずであるし、何よりこの選手は五輪のバックアッパーである。日本の2番手の意地を見せてほしかった。ダバドルジとアンを叩き伏せて海老沼匡の援護射撃を為したら満点、そこから減算していくと低得点はやむなし。

橋本壮市 6.5
海外の五輪代表選手たちが揃って低調、その中を一種空気を読まぬ、そして結果に徹底的にこだわったガチンコ勝負で駆け上がり、ワールドマスターズ優勝という大戦果を挙げた。相手に良いところを持たせず自分だけが持ちたい「切った張った」を繰り返し続けて組み際の技で仕留めるという戦い方は刹那的、決して魅力的な柔道ではなかったが、ルスタン・オルジョフを撃破してのビッグタイトル獲得は十分な評価を得るべき。日本の73kg級のレベルの高さをあらためて世界に示したと言える。

ベイカー茉秋 7.5
凄まじい勝負力と執念。明らかに一段評価を上げた大会だった。決勝でクーシェン・カルモルゼフ(ロシア)の勝負技である「新型ハバレリ」に怖じず為した、間合いを詰め続けての前進継続による「指導」連続奪取とフィニッシュの投げは圧巻であった。これだけしつこくアタックを繰り返されればどんな相手でも、精神的にも肉体的にも疲弊し切ってしまうはず。おそらく現在の90kg級の選手にとって最も「戦いたくない」嫌な相手がベイカーだろう。サンボ風の「外側から潜る一本背負投」など技種や入り方の上積みも好材料だが、この執念と度胸がなによりの評価ポイント。金メダルしか見ていないということが良く分かる凄まじい肚の括りよう、そして異常な勝負力であった。五輪に向けて厳しい観測を為さざるを得なかった90kg級であるが、ひょっとしたらこれは「ある」かもしれない。

原沢久喜 5.0
準々決勝でワールドツアー7位が指定席のダニエル・ナテアに返し技を一発食って「技有」、さらに裏投「一本」と立て続けに失って敗戦。らしくない試合だった。今月初旬に発症したと伝えられるギックリ腰の影響が心配されるところだが、相四つでサイズのあるナテアを崩しきれず返され、さらに一発放られた絵は五輪に待ち受ける対リネール戦を前に見せてはいけないものであった。ナテアはこの日突然変異、キャリア最高の出来で一気に優勝をさらったが、これはナテアのみならず全ての選手が五輪で最高のパフォーマンスを為すべく「一段上がりつつある」ことを示すものと捉えた方が良いと思われる。ライバル達に比して決してサイズがあるわけではない原沢がフィジカルで置いていかれるのではないかと、一抹不安を感じる大会であった。

近藤亜美 6.5
勢揃いした世界王者4人の中で、立ち上がりから出来が良かったのはムンクバットだけ。近藤もメダル争いのアウトサイダーであるナサリア・ブリヒダに「指導1」の優勢で大会をスタートするなど決して素晴らしい出来ではなかったが、相対的に周囲の上を行ったという印象。唯一の勝負どころとなった決勝のメネゼス戦を「一本」で締めたあたりは近藤の売りである大舞台での強さを感じさせた。早期敗退が続いていた海外の国際大会へのトラウマを払拭出来たことは大きいのではないだろうか。決勝まで強豪との対戦はなく、最後にマッチアップしたメネゼスは低調。得たものの大きさを考えればその「費用対効果」は望外。まるで近藤に五輪に至る段差小さき、そして到達点高き階段が用意されているかのようであった。

中村美里 7.5
文句なしの優勝。何が良かったかと言って「普通に戦い、そして勝った」こと、これに尽きる。近視眼的な新兵器の投入やスタイルの変更なく、平常運転で他から頭ひとつ抜けたその戦いぶりを高く評価したい。クズティナがこれしかないとばかりに警戒に警戒を重ねているはずの左小外刈にそれでも引っ掛かり、そして抑え込まれた決勝は圧巻であった。昨年の世界選手権で大消耗戦を演じたミランダを投げたことも以後の対戦に向けて非常に大きい。減点ポイントはミランダ戦の終盤で奥を叩きに行き、叩き返されて頭を下げてしまったこと。最大のライバルであるケルメンディに、「パワー勝負」との決意を一段加速させてしまう場面であったかと思われる。

松本薫 2.5
初戦敗退。相手は国内外で幾度も戦ってきた山梨学院大卒の連珍羚であり、単なる海外選手ではなく国際大会における序列をリセットされてしまう関係にある。確かに厄介な相手ではあるしこの試合の連の出来は確かに良かったが、そんな相性を云々するまでもなく松本自身の歯車が噛み合っていなかった。技を諦めて掛け潰れたことによる偽装攻撃の「指導」、「サリハニ状態」で自ら膠着を作り出した行為による「指導」と、中途で失った2つの反則ポイントにこれは端的。一本負けを喫した横三角は、昨年来武器にしている差し込みの右小内刈を崩されたところが端緒だが、展開は松本が一旦「ヒラメ」状態で伏せ直してからのリスタートであり、寝勝負開始の体勢が物凄く悪かったわけでもない。連の前進に根負けしつつあるしぐさが見えた直後の陥落であったが、何がどうなるとこうまで歯車が狂うのか、解釈に戸惑う試合だった。

田代未来 6.5
第1シードで迎えたライバル少なき大会を破綻なく戦い切り、しっかり優勝。準々決勝では寝技を推進力に存在感を上げているヤン・ジュインシュアを腕挫十字固で仕留め、唯一の勝負どころであるアニカ・ファンエムデン戦もこれまでの相性の良さを消すことなくしっかり「指導2」で勝ち抜けた。この優勝でワールドランキングは3位に上昇、今大会中途で棄権する「得点調整」をすれば五輪本番では準決勝で取り口のあうトルステニャク、決勝では最大の難敵であるアグベニューと対戦ルートを変えることが出来たが、敢えてこれを為さずアグベニューとの準決勝対決を選んだことは決意と覚悟の表れと解釈しておきたい。

山部佳苗 4.5
準決勝、中国の2番手であるマー・スースーの技を返すのではなく「突き飛ばして切る」選択を為した序盤でシナリオ決定した感あり。マーはまず大技で攻めて「指導2」のリードを得、次は圧殺で膠着を作って両者への「指導」を狙うというリスク最小限の安全運転、しかし山部はこのわかりやすいシナリオをほとんど一度も減速させることなく受け入れてしまい、あっさり「指導4」で畳から降りることとなった。人が変わったように本気のパフォーマンスを為した世界王者オルティスと仇敵のアルセマムがガチンコ勝負、アジア王者のマーは髪を紫に染めて会場を驚かし、アフリカ王者のシェイキロウホウは体の力を得て得意の浮技復活と今大会の78kg超級は極めて面白かったが、山部はその流れに乗れないまま。強豪たちのインナーサークルに入れて貰えず、蚊帳の外に置かれている印象すら受けた。取り口の合う相手には「一本」を獲れるところまで復活して来ていることが救い。

※ eJudoメルマガ版5月30日掲載記事より転載・編集しています。

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