PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

ワールドマスターズ2016・最終日5階級(90kg級、100kg級、100kg超級、78kg級、78kg超級)ひとこと展望

(2016年5月28日)

※ eJudoメルマガ版5月28日掲載記事より転載・編集しています。
ワールドマスターズ2016・最終日5階級(90kg級、100kg級、100kg超級、78kg級、78kg超級)ひとこと展望
■ 90kg級・ベイカーとゴンザレスが優勝争いの軸、イリアディスの復調なるかに注目
eJudo Photo
第1シードはベイカー茉秋

(エントリー16名)

ランキング5位のベイカー茉秋が第1シード。ベイカーは昨年世界選手権直前のグランドスラム2大会に優勝しているが、その時と同様に今回も不思議な引きの強さを発揮。強豪の数は多くなく、マークすべきライバルがハッキリしている戦いやすいトーナメントだ。

最大の敵は第3シード配置のアスレイ・ゴンザレス(キューバ)。そして決勝で対戦予定のこの選手に至る最大の山場が準決勝でマッチアップ予定のイリアス・イリアディス(ギリシャ)との一番だ。

ゴンザレスはいわずと知れた2013年リオ世界選手権チャンピオン、低く潜り込んで一気に高空で相手を回す、爪先で畳を噛むような強烈な背負投が売り。現在の90kg級でもっとも到達点の高い選手ではないかと思われるが、ベイカーは昨年のグランドスラム東京決勝ではこの選手に「指導2」の優勢でしっかり勝利している。ここは再度の勝利で、五輪に向けて相手に嫌なイメージを重ね塗りしておきたいところ。

ゴンザレスは2月のグランドスラム・パリで右膝を負傷して退場、以来これが初の国際大会。五輪に向けてその復調具合、そして仕上がりのほどが注目される。

29歳となったイリアディスは2014年チェリャビンスク世界選手権で優勝して以降、低調。今季もグランプリ・デュッセルドルフ7位に欧州選手権予選ラウンド敗退と全く力を発揮できていない。合宿の様相などからも力が低下しているとの評が多く聞かれ始めているが、新兵器「小手投げ」を持ちこんで優勝したチェリャビンスク大会のように、ディティールの上積みでひとつで抜け出す可能性はまだまだ十分。五輪に向けて「何か」があるのか、このあたりを見極めたい大会である。

ベイカー、初戦はアウトサイダーのセバスチャン・テメシ(オーストリア)でここは問題なし、準々決勝はシリル・グロウスクラウス(スイス)とのマッチアップが濃厚。グロスクラウスはグランドスラム・バクーの5位入賞で一気に五輪出場圏内にランクを上げたばかり、その「残り火」に注意。

ほか、上位候補として挙げられるのは巴投中心の組み立てで再躍進中のマーカス・ナイマン(スウェーデン)、配置は第2シード。地力はさほどないが今季の試合力の高さはなかなか、ゴンザレス不調となればこの選手の勝ち上がりもあり得るシナリオ。ベイカーは対戦となればつきあい過ぎず、先手の攻撃でペースを掴みたいところ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ベイカー茉秋(日本・WR5位)
Bシード選手:シリル・グロスクラウス(スイス・WR20位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):イリアス・イリアディス(ギリシャ・15位)
Bシード選手:アブデラアマネ・ベナマディ(アルジェリア・WR16位)
有力選手:ヨアキム・ドゥファービ(スウェーデン・WR28位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):マーカス・ナイマン(スウェーデン・WR7位)
Bシード選手:アクセル・クルジェ(フランス・WR18位)
有力選手:シラリ・ジュラエフ(ウズベキスタン・WR27位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):アスレイ・ゴンザレス(キューバ・WR8位)
Bシード選手:チアーゴ・カミロ(ブラジル・WR17位)
有力選手:クーセン・カルムルゼフ(ロシア・WR32位)

■ 100kg級・人材揃ったトーナメント、クルパレクの復調に再登場カブラエフの出来など見どころ多し
eJudo Photo
2013年リオ世界選手権の覇者ルーカス・クルパレク

エントリー16名)

人材多きこの階級、現役世界王者・羽賀龍之介とツアーに皆勤を続けていたドイツの2強は不在だが、今大会も見どころは一杯だ。

ウォッチすべき第1トピックは久々ツアーに現れた2014年チェリャビンスク世界王者ルーカス・クルパレク(チェコ)の出来。なんのかんのでこの戴冠以降ツアー(GP以上)のタイトルは一つもなく、優勝はローランクの選手しか参加していない今年2月のヨーロッパオープン・ローマのみ。昨年12月のグランドスラム東京、2月のグランドスラム・パリ、4月の欧州選手権と現在は3大会連続予選ラウンド敗退を喫している。そろそろ五輪に向けてエンジンを掛けたいはず。

クルパレクは第2シード、配されたプールCは「死の山」だ。2回戦は業師ホルヘ・フォンセカ(イタリア)かどうやらこの大会に五輪代表が掛かる情勢の曲者アドラン・ビスルタノフ(ロシア)のいずれか、準々決勝ではチェリャビンスクで決勝を戦ったホセ・アルメンテロス(キューバ)かエルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)を相手にしなければならない。力を測るには十分過ぎるほどの陣容。

もう1人、特に注目すべき選手を挙げるとすればロンドン五輪金メダリストであるタギル・カイブラエフ(ロシア)。カイブラエフは2014年から緩く戦線復帰、同年の世界選手権(5位)を含め年数回程度のゆったりしたペースで散発的に試合をこなし続けて来た。その真意測りかねるところがあったが、この時期のワールドマスターズに出場となればどうやら本気。ツアーに継続派遣されている後輩ビスルタノフが成績、パフォーマンスともにどうやら本番でメダルに届く器でないことがハッキリし始めていることと掛け算すると、カイブラエフがリオ五輪代表となるシナリオも十分ありえるのではないだろうか。出場大会では得意の背負投一発で相手を屠り去ってモノの違いを見せつけることも多々、相変わらずの存在感を発揮しており今大会の出来は非常に楽しみ。配置はプールB、対戦順は巴投ファイターのマーティン・パチェック(スウェーデン)、トマ・ニキフォロフ(ベルギー)、そして準決勝でエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)。

ほか、第1シードに配されたガシモフの戦闘力、五輪の不確定要素として期待される業師フォンセカの出来、躍進したチェリャビンスクの再現の匂いが立ち込め始めたアルメンテロスの爆発力などが注目ポイント。

ツアー皆勤で五輪代表を競わされてきたカールリヒャード・フレイとディミトリ・ピータースのドイツ勢2人はついにエグジット。どうやらドイツの代表争いは決着したとみるべきだろう。次報を楽しみに待ちたい。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン・WR1位)
Bシード選手:レイズ・ボウヤコウブ(アルジェリア・WR15位)
有力選手:ルシアーノ・コヘア(ブラジル・WR26位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):トマ・ニキフォロフ(ベルギー・WR位)
Bシード選手:マーティン・パチェック(スウェーデン・WR8位)
有力選手:タギル・カイブラエフ(ロシア・WR22位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ルーカス・クルパレク(チェコ・WR4位)
Bシード選手:ホセ・アルメンテロス(キューバ・WR10位)
有力選手:ホルヘ・フォンセカ(ポルトガル・WR位)、アドラン・ビスルタノフ(ロシア・WR19位)、エルハン・ママドフ(アゼルバイジャン・WR17位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):シリル・マレ(フランス・WR5位)
Bシード選手:ラマダン・ダーウィッシュ(エジプト・WR9位)

■ 100kg超級・原沢の勝ちぶり、ブラジル2強の直接対決に期待
eJudo Photo
五輪代表決定後、これが初の国際大会となる原沢久喜

(エントリー17名)

第1シードの原沢久喜の出来を、まず最大の注目ポイントとして挙げるべきだろう。
原沢は現在国際大会で7大会連続優勝、実に33連勝中で七戸龍とともに「リネールの次」の座を完全に確定させている。日本代表の座を得て立場の変わった原沢がこの強さを今回も発揮できるか、つまりは実力評価的にもランキング的にもこの「第一挑戦者」のポジションを確保したまま五輪に臨むことが出来るかどうかが最大の焦点である。

原沢のランキングは現在2位で、この位置であれば五輪でのリネールとの対戦は決勝。3位のイアキフ・カモー(ウクライナ)は今大会出場しておらず、4位のロイ・メイヤー(オランダ)とは438ポイント差、次点のバルナ・ボール(ハンガリー)とは575ポイント差。いずれも原沢が決勝に進出すれば追いつけないはずで、ここはしっかり突き放して五輪の戦いの下ごしらえをしておきたいところ。まずは日大の先輩であるバトトルガ・テムーレン(モンゴル)との初戦をしっかり戦いたい。不確定要素は今月上旬に発症したとされる「ぎっくり腰」。

ほか、第2シードがメイヤー、第3シードがボール、Bシード配置にファイセル・ヤバラー(チュニジア)にダニエル・ナテア(ルーマニア)とトーナメントの中核にはツアーの常連が揃う。今年一貫してどの大会もレベルの高い100kg超級の傾向がきちんと反映された陣容と捉えられる。

注目したいのはともにBシード配置、かつプールCに同居して直接対決が濃厚なラファエル・シウバとダビド・モウラのブラジル勢2人。リオ-ロンドン期の最重量級の主役の1人だったシウバは昨年失速も現在ペースを取り戻しつつあり、シウバ不在の昨年大躍進したモウラを猛追する状況。サイズの大きさを存分にインサイドワークに生かすシウバ、巴投や寝技が上手くソリッドに試合を構成するモウラと対照的な2人による五輪代表争いの、この大会が終着点のはず。直接対決が濃厚の準々決勝はどうしても見ておきたいカードだ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):原沢久喜(日本・WR2位)
Bシード選手:ダニエル・ナテア(ルーマニア・WR15位)
有力選手:バトトルガ・テムーレン(モンゴル・WR20位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ラファエル・シウバ(ブラジル・WR7位)
Bシード選手:ダビド・モウラ(ブラジル・WR9位)
有力選手:ウサンジ・コカウリ(アゼルバイジャン・WR26位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ロイ・メイヤー(オランダ・WR4位)
Bシード選手:オール・サッソン(イスラエル・WR14位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):バルナ・ボール(ハンガリー・WR6位)
Bシード選手:ファイセル・ヤバラー(チュニジア・WR11位)
有力選手:イスラム・エルシャハビ(エジプト・WR23位)

■ 78kg級・ハリソンとアギアールが軸、イギリス勢の注目対決に注目
eJudo Photo
第1シードのケイラ・ハリソン

(エントリー16名)

第1シードのケイラ・ハリソン(アメリカ)と第3シードに入ったマイラ・アギアール(ブラジル)の世界王者2人がトーナメントの軸。優勝争いということではここに現在日の出の勢いにある第2シード選手フッシェ・ステインハウス(オランダ)、表彰台に絡む選手としてプールCに同居したナタリー・ポウエルとジェンマ・ギボンスのイギリス勢2人までを挙げて役者はほぼ締め切り。強者とそれ以外がハッキリしたトーナメントと言えるだろう。

ハリソンとアギアール、ステインハウスの強者3名の出来と力関係はもちろん、イギリス勢2人の対決も非常な見もの。ロンドン五輪で驚きの銀メダル獲得、2015年にはワールドツアー2度目の優勝に4度の表彰台獲得とついに実績にふさわしい力を身に着け始めていたギボンスだが直接のライバルであるポウエルには3連敗中、かつ今年に入ってからはツアーで表彰台がまだなく(5位が3回)、前戦のアルマティ大会ではついに初戦敗退と苦しい戦いが続いている。一方ポウエルのほうはグランドスラム・パリ3位にグランプリ・トビリシ3位、欧州選手権も3位と爆発的ではないが常にギボンスの「少し上」を走り続けている印象。どうやらポウエル優勢のようだが、これで五輪代表権選出の材料が出揃う今大会での勝負はどちらも譲るわけにはいかないはず。運命が掛かる一番だ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ケイラ・ハリソン(アメリカ・WR位1)
Bシード選手:ミランダ・ギアムベリ(オーストラリア・WR18位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ナタリー・ポウエル(イギリス・WR8位)
Bシード選手:ジェンマ・ギボンス(イギリス・WR12位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):フッシェ・ステインハウス(オランダ・WR3位)
Bシード選手:ザン・ゼフイ(中国・WR15位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):マイラ・アギアール(ブラジル・WR4位)
Bシード選手:ヴィクトリア・タークス(ウクライナ・WR14位)

■ 78kg超級・オルティスとアルセマンがプールAに同居
eJudo Photo
5月はこれで3大会目の登場となるイダリス・オルティス

(エントリー17名)

第1シードにイダリス・オルティス(キューバ)が配され、第2シードのマー・スースー(中国)とともにトーナメントの中核を為す。これに山部佳苗、キム・ミンジョン(韓国)、マリアスエレン・アルセマン(ブラジル)が絡むところまでがメダル争いの主役。

オルティスはグランドスラム・バクー(7位)、グランプリ・アルマティ(1位)に続いてこれが今月実に3大会目のツアー出場。そしてフォーカスする大会がハッキリしているオルティスはいずれの大会も一貫してその試合ぶりは「乱取り」。アルマティ大会では対戦相手に強豪がまったくおらずこの「乱取り」状態のまま優勝まで届いてしまったが、今回はどう出てくるか。ちなみにオルティスのランキングは現在2位、上下の選手とのポイント差を見ると今大会に優勝しようが負けようが実は変動することはもはや、ない。かつ組み合わせは宿敵であるアルセマムとプールAに同居、1回勝つとこの選手と対決しなければいけないという微妙なものである。少なくとも本気の戦いが見れる状況ではなさそうだ。

山部は初戦でイリナ・キンザルスカ(ウクライナ)、準々決勝では早くもキム・ミンジョン(韓国)との対戦が予想される。キムはこの階級の選手としては非常に良く動いてくる選手で、その点でだけで言えば投げのチャンスが欲しい山部にはやりやすい相手。ただし執念と気迫は毎回凄まじく、ここに気持ちで退かないことが肝要。

準決勝の相手はほぼ間違いなくマー・スースー。五輪代表はおそらくユーだが、この選手も世界チャンピオンを狙えるレベルの超強豪。山部はグランドスラム・バクーで形上は優勝しながら、オルティスには「乱取り」で適度に相手をされてしまい、さらに最大の敵であるユー・スン(中国)には戦ってすらもらえず(ユーが決勝を棄権)、内容的にはまったくの消化不良だった。その山部にとって、このマーは勝つだけで評価が上がるという滅多にない、待ち望んだターゲット選手。どうしても勝ちたい一番だ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):イダリス・オルティス(キューバ・WR2位)
Bシード選手:マリアスエレン・アルセマン(ブラジル・WR14位)
有力選手:クセニア・チビソワ(ロシア・WR20位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ニヘル・シェイキロウホウ(チュニジア・WR7位)
Bシード選手:スヴィトラナ・イアロムカ(ウクライナ・WR8位)
有力選手:ヴァネッサ・ザンボッティ(メキシコ・WR18位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):マー・スースー(中国・WR3位)
Bシード選手:カイラ・サイヤト(トルコ・WR11位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):山部佳苗(日本・WR5位)
Bシード選手:キム・ミンジョン(韓国・WR10位)
有力選手:イリナ・キンザルスカ(ウクライナ・WR17位)

※ eJudoメルマガ版5月28日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.