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ワールドマスターズ2016・第1日5階級(60kg級、66kg級、48kg級、52kg級、57kg級)ひとこと展望

(2016年5月27日)

※ eJudoメルマガ版5月27日掲載記事より転載・編集しています。
ワールドマスターズ2016・第1日5階級(60kg級、66kg級、48kg級、52kg級、57kg級)ひとこと展望
ランキング上位16名のみが参加を許されるツアー最高峰大会、「ワールドマスターズ」がいよいよ今日27日の深夜、メキシコ・グアダラハラで開幕する。

リオ五輪柔道競技の直接出場枠獲得選手(男子22名、女子14名)はこの直後、5月30日のランキングをもって決定される。つまり今大会は出場権争いのまさしくファイナルマッチ、当落線上ギリギリの選手(※ランキング上位の選手が欠場を表明した場合には下位が繰り上がって出場することが可能)、あるいは勝ってポイントを積み上げないと自力での五輪出場がなくなってしまう選手たちにとってはこれが最後のチャンスだ。

名だたる強豪が切り結ぶ、「強さ比べ」は勿論だが、これら当落線上の選手の必死さ、そして五輪シード権の確定に向けた主役級の駆け引きも今大会の見もの。少数精鋭の戦いだから当たり前ではあるが、全試合が見逃せない最重要大会だ。

■ 60kg級・五輪金メダル候補筆頭の髙藤の勝ちぶりが最大の焦点、キア、オズルら大物食い資質孕む役者の出来にも注目
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60kg級の優勝候補は髙藤直寿

(エントリー16名)

現役世界王者で髙藤直寿の最大のライバルと目されるイェルドス・スメトフ(カザフスタン)が出場を回避。本トーナメント最大の焦点は髙藤の勝ちぶりと規定して間違いないだろう。昨年5月のワールドマスターズ、10月のグランドスラム・パリ、そして12月のグランドスラム東京のハイレベルマッチ3大会で見せた圧倒的な強さが今回も発揮されるか、イコール「優勝候補筆頭」としての権利を保持したまま五輪に乗り込むことが出来るか、が問われる大会だ。

対戦順は初戦がヴィンセント・リマール(フランス)、準々決勝がモンゴル代表を獲得したばかりのツェンドチル・ツォグトバータル、準決勝がキム・ウォンジン(韓国)かダシュダバー・アマーツブシン(モンゴル)。リマールは昨年のグランドスラム・パリ決勝で対戦経験があるがその際は戦術派のリマールが髙藤との地力の差に手も足も出ず、苛ついて髙藤の顔に2度手を当てるという挙に出たくらいで実力的にはまったく心配なし、フランス代表争いで土俵際に追い込まれているリマールの特攻で余計な怪我をせぬよう気を払いたい。準々決勝は国内4番手の座から世界選手権のメダリスト2人をゴボウ抜きしてモンゴル代表の座を射止めた20歳のツェンドチル・ツォグトバータルとの対戦の濃厚。この選手はまだ国際大会ではさしたる実績がなく、日本選手にも2013年から6連敗中(大島拓海、髙藤、川端、永山、青木、大島優磨)。これも勝利自体は織り込み、国内では無敵の強さだったというこの選手の「危険度」を測っておきたいところ。準決勝のキム・ウォンジンとは取り口が噛み合い、これまで髙藤は4勝0敗。決勝の対戦候補の顔ぶれを見ても、アップセット要素のある選手はおらず、今大会はかなり高い確率で優勝が予想される。

髙藤の勝ちぶり以外の見どころとしては、リマール、ワリーデ・キア(フランス)、ツェンドチル・ツォグトバータル、ベキル・オズル(トルコ)というダークホース4人の出来を挙げておきたい。

キアは20歳、2月のグランドスラム・パリで3位に入賞するや4月の欧州選手権は「投げられたら投げ返す」ギャンブルファイトでなんと一気に優勝。昨年から序列一番手に飛び出した先輩リマールの頭を越して、この大会の勝利に五輪代表選出を掛けるという状況。歩留まりの良いフランス人らしからぬ密着一発狙いスタイルは大物食い要素も十分、五輪に向けてその到達点の高さをしっかり測っておきたいところだ。再逆転を狙うリマールの出来ももちろん注目。

ツェンドチル・ツォグトバータルはモンゴル国内の「総当たり×2大会」という過酷な予選を勝ち抜いて五輪代表権を射止めたが、ランキング22位までの五輪直接枠に対して現時点での位置は23位と微妙。かつ今大会には世界選手権の金銀メダリストである先輩のガンバット・ボルドバータルとダシュダバー・アマーツブシンが同時参戦を為しているという面白いバックグラウンドがある。先輩の意地、五輪代表としての実力証明と非常に面白い構図る。前述の通り国際大会ではまだ真価を見せていないツェンドチル・ツォグトバータルの大物食い資質や到達点の高さの見極めが最大のみどころ。

トルコの怪人オズルは不思議な選手。軽量級らしからぬスローな試合展開からおもむろに技を仕掛ける特異なスタイルで、昨年からスメトフやダシュダバー、サファロフやガンバットらハイランク選手を食って存在感を発揮している。表彰台にはなかなか上らないがその怪力ぶりと大物食い資質は選手間の評価も高く、この人も五輪の大きな不確定要素である。ぜひ注目してみてもらいたい。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ガンバット・ボルドバータル(モンゴル・WR1位)
Bシード選手:エリック・タカバタケ(ブラジル・WR12位)
有力選手:ワリーデ・キア(フランス・WR21位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):オルハン・サファロフ(アゼルバイジャン・WR6位)
Bシード選手:シャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン・WR9位)
有力選手:ベキル・オズル(トルコ・WR20位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):キム・ウォンジン(韓国・WR2位)
Bシード選手:ダシュダバー・アマーツブシン(モンゴル・WR11位)
有力選手:フェリペ・キタダイ(ブラジル・WR13位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):髙藤直寿(日本・WR3位)
Bシード選手:ディヨロベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン・WR10位)
有力選手:ヴィンセント・リマール(フランス・WR15位)、ツェンドチル・ツォグトバータル(モンゴル・WR23位)

■ 66kg級・アンら東アジア勢3人が優勝争いの軸
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第1シードはアスタナ世界選手権の覇者アン・バウル

(エントリー17名)

現役世界王者アン・バウル(韓国)の参加はあるものの、海老沼匡やミハエル・プルヤエフ(ロシア)、ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)の3名が欠けてオールスター戦というところまでは上り詰めるに至らず。かつランキング30位のファビオ・バジーレ(イタリア)までが参加を許される少々密度の粗いトーナメントとなった。

優勝争いの軸はアンと高上智史、そして過去髙上に2勝1敗と勝ち越しているダバドルジ・ツムルクフレグ(モンゴル)の東アジア勢3名。これに時折爆発的な勝ちぶりを見せるゴラン・ポラック(イスラエル)にリショド・ソビロフ(ウズベキスタン)、1月のグランプリ・ハバナ(優勝)以来久々の試合出場となるカマル・カンマゴメドフ(ロシア)が絡むというのが今回のトーナメント大枠の展望だ。

アンとダバドルジの出来は勿論のこと、五輪に向けて不確定要素の1人であるポラック、じわじわ66kg級に対応してどうやらメダルを狙える位置につけているソビロフ、1月以来の沈黙をついに破ったカンマゴメドフ、そして五輪目指して虎視眈々とシード権を含む「状況」を積み上げつつある大ベテランのウリアルテらが本番に向けてどのような補助線を描くか、このあたりを注目してみてみたい。

髙上は1回戦が完全なアウトサイダーのネイサン・カッツ(オーストラリア)でこれは全く問題なし。準々決勝ではソビロフかカンマゴメドフ、そして準決勝では宿敵ダバドルジとの対戦が待ち受ける。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):アン・バウル(韓国・WR2位)
Bシード選手:ゴラン・ポラック(イスラエル・WR13位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ドフトン・アスタンスフ(モンゴル・WR6位)
Bシード選手:ディミトリ・シェールスハン(ベラルーシ・WR8位)
有力選手:スゴイ・ウリアルテ(スペイン・WR17位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ダバドルジ・ツムルクフレグ(モンゴル・WR3位)
Bシード選手:ニジャット・シカリサダ(アゼルバイジャン・WR12位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):髙上智史(日本・WR5位)
Bシード選手:リショド・ソビロフ(ウズベキスタン・WR10位)
有力選手:カマル・カンマゴメドフ(ロシア・WR15位)

■ 48kg級・世界チャンピオン4名が全員参加、様相は「プレ五輪」
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アスタナの覇者パウラ・パレトは出場試合を絞り満を持してのエントリー

強豪の密度では14階級随一。ポウラ・パレト(アルゼンチン)、近藤亜美、ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)、サラ・メネゼス(ブラジル)の五輪に参加する4人の世界王者が全て顔を揃え、欧州選手権2連覇中の対抗馬シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)に第3グループのリーダ格ディアラ・ロクマンヘキム(トルコ)にジョン・ボキョン(韓国)、好調維持のジュリア・フィギュロア(スペイン)までが参加。

有力選手と「それ以外」の力の差がハッキリしているこの階級にあって、直前にエントリーを取り消しあエヴァ・チェルノビスキ(ハンガリー)とガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)の2人以外のこれぞという役者は全て姿を現した体で、様相はまさしく「プレ五輪」。本番での戦いに直結する戦いと評して差し支えないだろう。

近藤亜美のワールドランキングは現在7位で、「Bシード」位置。前述の王者3名は全員がAシード圏内である4位以内にランクインしており、近藤は出来ればここでAシード権を獲ってしまっておきたいところ。理想のシナリオは近藤が優勝してプラス700点(=2323ポイント)でランキング3位、かつメネゼスに決勝まで勝ち残ってもらってプラス420点(=2292ポイント)か3位入賞でプラス280点(=2152ポイント)まで稼いでもらってランキング4位をキープさせ、現在ランキング3位(2000ポイント)のガルバトラフをBシードに追いやること。であれば近藤は五輪で面倒なガルバトラフと王者3人のいずれとも準決勝までの対戦を回避できる。ともかく優勝して冬季欧州大会で見せた不安定さを払拭、同時にAシード権を確保したいところだ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル・WR1位)
Bシード選手:タチアナ・リマ(ギニアビサウ・WR11位)
有力選手:マリナ・チェルニアク(ウクライナ・WR15位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ジュリア・フィギュロア(スペイン・WR6位)
Bシード選手:近藤亜美(日本・WR7位)
有力選手:エブル・サヒン(トルコ・WR16位)、ナサリア・ブリヒダ(ブラジル・WR17位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ポウラ・パレト(アルゼンチン・WR2位)
Bシード選手:ジョン・ボキョン(韓国・WR10位)
有力選手:ディアラ・ロクマンヘキム(トルコ・WR13位)、レティシア・ペイエ(フランス
・WR19位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):サラ・メネゼス(ブラジル・WR4位)
Bシード選手:シャーリーン・ファンスニック(ベルギー・WR9位)
有力選手:ダヤリス・メストレアルバレス(キューバ・WR20位)

■ 52kg級・中村美里対ミランダの準決勝が山場
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ケルメンディなき大会で「2強」の座の確保を狙う中村美里

(エントリー17名)

リオ五輪柔道競技52kg級を括る大きなトピックは「ケルメンディvs中村」。パワーのケルメンディに技術の中村、いまだ対戦のない両世界王者が雌雄を決するというシナリオが大会のまさしく目玉であると言えよう。

そして有力選手がほぼ隈なく顔を揃えた今トーナメントにあって、ケルメンディだけは出場を回避。つまり今大会の主役は中村と規定していい。中村が勝利して上記の2強構図を保持したまま五輪に乗り込めるか、これを大会最大の焦点と考えて良いのではないだろうか。

最大の敵は昨年の世界選手権で対戦、残り1秒の「技有」で逆転勝利という大接戦を演じたエリカ・ミランダ(ブラジル)。準決勝での対戦が濃厚だ。

中村は初戦で昨年来好調で突如序列を挙げて来ているエヴェリン・チョップ(スイス)、そして準々決勝ではマー・インナン(中国)かプリシラ・ネト(フランス)とミランダ戦に辿り着くまでもなかなかに歯ごたえのある相手が続く。まずここをしっかり勝って勢いをつけておきたいところ。

悩ましいのはワールドランキングを巡る攻防。現在ケルメンディが2位で中村が4位、このままであれば五輪での両者の対決は決勝まで先送りされるが、下手に順位を上げてしまうと直接対決が準決勝まで繰り上がってしまう。具体的に言えば、今回優勝すればケルメンディを抜いて2位、つまり五輪準決勝でのマッチアップが確定となってしまう。残念ながらミランダ(現在WR3位)を破ると、その時点でミランダはケルメンディを抜けないことが確定してしまい、やはりケルメンディ-中村の準決勝対決は不可避。もはや腹を括っておくことが必要な情勢だ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):アンドレア・キトゥ(ルーマニア・WR1位)
Bシード選手:ギリ・コーヘン(イスラエル・WR10位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):アナベール・ウラニー(フランス・WR5位)
Bシード選手:ナタリア・クズティナ(ロシア・WR6位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):エリカ・ミランダ(ブラジル・WR3位)
Bシード選手:オデット・ジュッフリダ(イタリア・WR8位)
有力選手:ローラ・ゴメス(スペイン・WR21位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):中村美里(日本・WR4位)
Bシード選手:マー・インナン(中国・WR7位)
有力選手:プリシラ・ネト(フランス・WR13位)

■ 57kg級・松本の強さ、シウバの爆発力に注目
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松本薫の圧倒的強さは今大会も発揮されるか

(エントリー17名)

ワールドランキング1位から4位まで現時点の「Aシード選手」が全て顔を揃えたが、トーナメントの中心はいずれもこの圏外。2月のグランプリ・デュセルドルフを異常な強さで制した現役世界王者松本薫(WR5位)と、その松本を12月のグランドスラム東京において「巴十字」一発で屠り去ったランキング12位のラファエラ・シウバ(ブラジル)の2人が今大会の軸と考える。

松本は今大会表彰台に上がればAシード入りはほぼ確定。優勝はもちろん、五輪の戦いを有利に進めるべく、周囲が松本に対して抱く「怖さ」のレベルを一段上げるような戦いを期待したいところ。組み合わせは1回戦で連珍羚(台湾)、準々決勝でコリナ・カプリオリウ(ルーマニア)かヘドウィグ・カラカス(ハンガリー)、準決勝でドルジスレン・スミヤ(モンゴル)と非常な難敵続きだが、松本がしっかり力を出せば突破の可能性はもちろん高い。

シウバはランキング12位といえど、ポイント的には今大会優勝すれば一気にAシード入りもありうる位置。相変わらず秋の空のように不安定な試合ぶり、同じ大会の中でも試合ごとにパフォーマンスがまったく違うムラ気は払拭できないままだが、シード順が「閉まる」今大会は地元五輪での優勝に向けて譲れない戦いのはず。常に必死で戦ってくる松本戦以外にも「本気のシウバ」が見られるかもしれない。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ドルジスレン・スミヤ(モンゴル・WR位1)
Bシード選手:ネコダ・スミスデビィス(イギリス・WR11位)
有力選手:ミリアム・ローパー(ドイツ・WR16位)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):コリナ・カプリオリウ(ルーマニア・WR4位)
Bシード選手:松本薫(日本・WR5位)
有力選手:ヘドウィグ・カラカス(ハンガリー・WR14位)、連珍羚(台湾・WR13位)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):キム・ジャンディ(韓国・WR位2)
Bシード選手:キャサリン・ブーシェミンピナード(カナダ・WR10位)
有力選手:サブリナ・フィルツモザー(オーストリア・WR15位)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):マーティ・マロイ(アメリカ・WR位3)
Bシード選手:エレン・ルスヴォ(フランス・WR7位)
有力選手:ラファエラ・シウバ(ブラジル・WR12位)

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