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グランドスラム・バクー第2日4階級(73kg級、81kg級、63kg級、70kg級)レポート

(2016年5月16日)

※ eJudoメルマガ版5月16日掲載記事より転載・編集しています。
グランドスラム・バクー第2日4階級(73kg級、81kg級、63kg級、70kg級)レポート
■ 73kg級・欧州王者オルジョフ陥落、シャリポフが混戦制して五輪出場圏内入り果たす
(エントリー46名)
【入賞者】
1.SHARIPOV, Mirali (UZB)
2.BOBOYEV, Giyosjon (UZB)
3.ORUJOV, Rustam (AZE)
3.SAI, Yinjirigala (CHN)
5.KANIVETS, Dmytro (UKR)
5.UNGVARI, Miklos (HUN)
7.AZOIDIS, Georgios (GRE)
7.SCVORTOV, Victor (UAE)

※日本代表選手の派遣なし

ロンドン五輪以前から中堅層を構成するサインジャガル・ニャムオチル(モンゴル)、ミラリ・シャリポフ(ウズベキスタン)、ミコロス・ウングバリ(ハンガリー)、ヴィクター・スクボトフ(アラブ首長国連邦)、ディルク・ファンティシェル(ベルギー)、デックス・エルモント(オランダ)らベテラン選手が多く出場する一方、トップ層からの出場は欧州選手権を制して波に乗っている地元アゼルバイジャンのルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)のみ。優勝候補はワールドランク1位かつ地元大会で気合いが入っていること間違いなしのオルジョフであったが、そのオルジョフが準々決勝でドミトロ・カニベトス(ウクライナ)に開始早々の腕挫十字固「一本」で敗れたことでトーナメントは一気に大混戦に陥る。上記ベテランたちが五輪で少しでも良いシード位置を確保するために気合の入った試合ぶりを見せる中、決勝へ進んだのは28歳のミラリ・シャリポフと23歳のギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)の2人。

ボボエフは2回戦から登場すると初戦はディダー・カムザ(カザフスタン)を相手に「指導3」対「指導4」(4:46)の反則により勝利。やや低調な滑り出しも次戦でファンティシェルを右内股「技有」で破ると、準々決勝ではジョルジオス・アゾイディス(ギリシャ)に左内股「有効」からの縦四方固で一本勝ち。左右の内股を使い分ける特徴を存分に発揮する形で準決勝へと駒を進める。準決勝の相手は前戦でオルジョフを僅か17秒の腕挫十字固「一本」に仕留める大番狂わせを演じたばかりのノーシード選手ドミトロ・カニベトス(ウクライナ)。ボボエフは勢いにのるカニベトスを「指導2」対「指導3」の小差で退け決勝進出決定。

一方のシャリポフは初戦となる2回戦でダスタン・イキバエフ(カザフスタン)を腕挫十字固「一本」(1:31)で下し、続く3回戦では世界選手権で2度銀メダルを獲得したデックス・エルモントを片手絞で絞め落として一本勝ち。準々決勝では前戦でサインジャルガルを肩車「技有」で破ったサイ・インジリガラ(中国)とマッチアップ、この相手も難なく腕挫十字固「一本」に仕留める。準決勝では前戦で、怪我から復帰したばかりのヴィクター・スクボトフを右内股「一本」で下しているロンドン五輪銀メダリストのミコロス・ウングバリに横四方固「技有」による優勢で勝利、ベテランたちによる潰し合いとなった下側の山を勝ち上がって見事決勝進出を果たした。

決勝はウズベキスタン選手同士の戦い。シャリポフがワールドランク30位、ボボエフが54位ながらも共に500ポイントを積めば五輪圏内に手が届くというまさに運命を賭けた一番である。
このバックグランドを反映して試合は投げて投げられての熱戦。右相四つの試合はボボエフがシャリポフの「やぐら投げ」の入り際を受け止め、右小外掛で浴びせ倒してまず「技有」を先行。ビハインドとなったシャリポフは密着志向を強め、逆にボボエフは距離を取って試合を流しにかかる。地力に勝るシャリポフの前進と引き付けについにボボエフが根負けし、組み合った瞬間シャリポフが切れ味鋭い「やぐら投げ」を繰り出す。ボボエフ今度は受け止められず一気に抱え上げられてしまい、背中から勢い良く畳に叩きつけられ「一本」。優勝したシャリポフは500ポイントを積んだことで一気にワールドランク11位。ワールドマスターズの出場権も得たばかりか五輪のシード権までもあと一歩に迫り、まさに明暗が分かれる形となった。

3位決定戦に回ったオルジョフはウングバリを「指導2」対「指導3」で破り3位を確保。地元大会での面目を守った。

【準々決勝】

ドミトロ・カニベトス(ウクライナ)◯腕挫十字固(0:17)△ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)◯縦四方固(4:44)△ジョルジオス・アゾイディス(ギリシャ)
ミラリ・シャリポフ(ウズベキスタン)◯腕挫十字固(0:42)△サイ・インジリガラ(中国)
ミコロス・ウングバリ(ハンガリー)◯内股(GS0:53)△ヴィクター・スクボトフ(アラブ首長国連邦)

【準決勝】

ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)◯優勢[指導3]△ドミトロ・カニベトス(ウクライナ)
ミラリ・シャリポフ(ウズベキスタン)◯優勢[技有・横四方固]△ミコロス・ウングバリ(ハンガリー)

【3位決定戦】

ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)◯優勢[指導3]△ミコロス・ウングバリ(ハンガリー)
サイ・インジリガラ(中国)◯片手絞(4:26)△ドミトロ・カニベトス(ウクライナ)

【決勝】

ミラリ・シャリポフ(ウズベキスタン)◯内股(2:39)△ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)

■ 81kg級・決勝でイヴァノフを一蹴、第1シードの永瀬が順当に優勝決める
(エントリー42名)
【入賞者】
1.NAGASE, Takanori (JPN)
2.IVANOV, Ivaylo (BUL)
3.MARCONCINI, Matteo (ITA)
3.SILVA MORALES, Ivan Felipe (CUB)
5.DE WIT, Frank (NED)
5.LUZ, Carlos (POR)
7.AVALIANI, Ambako (GEO)
7.CHEN, Asaf (ISR)

第1シードの永瀬貴規と第2シードのイヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)以外にこれといった強豪の参加はなく、順当にこの二人が決勝戦へと勝ち上がった。

2回戦から登場の永瀬は初戦で曲者ナシフ・エリアス(レバノン)を「指導1」対「指導2」で下すと、3回戦では地元のラスル・アブドゥルハグ(アゼルバイジャン)を右大内刈と横四方固の合技「一本」(2:23)。どうやらこれで波に乗ったか準々決勝はカルロス・ルッツ(ポルトガル)から右大内刈「技有」、右内股「一本」(1:19)と連取して余裕の勝利、このまま順調に準決勝も勝ち抜くと思われたが、準決勝では昨年の世界ジュニア王者フランク・デビド(オランダ)を相手に大苦戦。1分30秒に放った右大内刈の戻り際に右大内刈を合わせられ「技有」を失うと、これを取り返せないまま残り10秒まで時計の針を進めてしまう。スクランブル技として再三繰り出した右大内刈も不発、万事休すと思われたが飛びつきながらクロスグリップで相手の頭を下げると起死回生の右大外刈「技有」獲得、残り時間3秒でで試合を振り出しに戻す。ゴールデンスコアでの延長戦は地力の差がそのままこれまで消耗した体力の差となり、GS53秒相手のみに2つ目の「指導」が宣告されて勝利確定。際どい勝負をものにして決勝進出を決めた。

一方のイヴァノフは初戦となる2回戦でルーカス・ブラフ(ポーランド)に片手絞「一本」(3:34)で勝利。3回戦ではコバ・マシェドリシビリ(ジョージア)を内股透と縦四方固の合技「一本」(4:45)で下し、準々決勝はアサフ・チェン(イスラエル)に右背負投「有効」での優勢勝ち。準決勝は昨年の世界ジュニア選手権で3位に入賞しているイワンフェリペ・シウバモラレス(キューバ)を体落「技有」で退けて危なげなく決勝進出。

決勝戦は永瀬、イヴァノフ共に右組みの相四つ。
昨年のグランドスラム・アブダビでいきなり優勝し、以降強豪として定着しつつあるイヴァノフと世界チャンピオンの永瀬はこの試合が初対戦。永瀬に対してイヴァノフがどのような柔道を見せるのかが注目されたが勝負は意外なほどあっけなく決着。永瀬が釣り手で背中を取りに行きつつ右小外刈を放つとイヴァノフは後方に綺麗に飛んで「一本」。敗れたイヴァノフは過去にどちらかと言えば柔道が大味なアブタンディル・チリキシビリ(ジョージア)や階級を上げたばかりのワン・キチュン(韓国)との対戦はあるものの、世界選手権表彰台レベルの選手との対戦はまださして多くない。トップグループに割って入ろうとする新鋭イヴァノフを、永瀬が格の違いを見せつけて弾き返した形だ。

ほか、この日目立った活躍を見せたのはジュニア世代のフランク・ダビドとイワンフェリペ・シウバモラレスの2人。3位決定戦を争ったこの2人の対決は右小外掛と左大内刈の力比べの末シウバモラレスの左大内刈「一本」で決着した。永瀬と延長戦を戦いほとんど手中に収めていた勝利を逃したばかりのダビドは明らかに消耗が激しく、無念の5位。しかし永瀬に善戦したことと、あくまで力勝負に出て投げ一発で勝負を決めようとした3位決定戦の気風の良い柔道でポテンシャルの高さを強く印象づけた。昨年まで上位陣が常連で固まりつつあった81kg級だが、イヴァノフにこの2人を加えた若いグループの台頭は新たなムーブメントとして十分心しておきたいところ。

永瀬は決勝戦で躍進著しいイヴァノフを圧勝で退け面目を保ったものの、準決勝のダビド戦ではスクランブル技の右大内刈を何度も見せてしまった末の辛勝。相四つで腰を引いて守る相手への具体的な手立てと「考え方」という研究材料を与えてしまった形で、少々勿体ない一番だった。

【準々決勝】

永瀬貴規○内股(1:19)カルロス・ルッツ(ポルトガル)
フランク・デビド(オランダ)◯優勢[指導2]△アンバコ・アバリアニ(ジョージア)
イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)◯優勢[有効・背負投]△アサフ・チェン(イスラエル)
マテオ・マルコンチーニ(イタリア)◯内股(0:43)△イワン フェリペ・シウバ モラレス(キューバ)

【準決勝】

永瀬貴規○GS指導2(GS0:53)△フランク・デビド(オランダ)
イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)◯優勢[技有・体落]△マテオ・マルコンチーニ(イタリア)

【3位決定戦】

マテオ・マルコンチーニ(イタリア)◯袖車絞(0:58)△カルロス・ルッツ(ポルトガル)
イワン フェリペ・シウバ モラレス(キューバ)◯大内刈(3:23)△フランク・デビド(オランダ)

【決勝】

永瀬貴規○小外刈(0:46)△イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)

【日本代表選手勝ち上がり】

永瀬貴規(旭化成)
成績:優勝

[2回戦]
永瀬貴規○優勢[指導3]△ナーシフ・エリアス(レバノン)

[3回戦]
永瀬貴規○合技[大内刈・横四方固](2:23)△アブドゥルハグ・ラスル(アゼルバイジャン)

[準々決勝]
永瀬貴規○内股(1:19)カルロス・ルッツ(ポルトガル)

[準決勝]
永瀬貴規○GS指導2(GS0:53)△フランク・デビド(オランダ)

[決勝]
永瀬貴規○小外刈(0:46)△イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)

■ 63kg級・シュレシンジャーが圧勝V、津金恵は結果残せず無念の7位
(エントリー37名)
【入賞者】
1.SCHLESINGER, Alice (GBR)
2.MISKOVIC HASANBEGOVIC, Marijana (CRO)
3.ESPINOSA, Maricet (CUB)
3.KATIPOGLU, Busra (TUR)
5.BAK, Jiyun (KOR)
5.GERBI, Yarden (ISR)
7.PRUVOST, Marielle (FRA)
7.TSUGANE, Megumi (JPN)

【準々決勝】

アリス・シュレシンジャー(イギリス)が秒殺「一本」を連発して圧勝、全5試合の合計試合時間が4分33秒という凄まじい出来で表彰台の真ん中に立った。

シュレシンジャーは初戦となる2回戦でハンナ・マーティン(アメリカ)から僅か1分28秒の間に「指導」を4つ奪う完勝スタート。3回戦では昨年の全日本学生王者である渡辺聖未(フィリピン)を左腰車「技有」、左内股「技有」と立て続けに投げる合技「一本」(1:24)で下し、準々決勝でもブスラ・カツポルグ(トルコ)に僅か20秒の左腰車「一本」で勝利。準決勝は、元同僚で2013年リオデジャネイロ世界選手権王者のヤーデン・ゲルビ(イスラエル)と対戦、相手の右内股が来るタイミングを狙いすまして谷落に捉え文句なしの「一本」(0:54)奪取で決勝進出。
決勝ではノーシードから勝ち上がってきたマリアナ・ミスコビッツ ハサンベゴビツ(クロアチア)を全く相手にせず、左大腰から繋いだ左内股「一本」で秒殺。試合時間は僅か24秒だった。
シュレシンジャーはイスラエルからイギリスへ移籍した直後の勢いをここのところ発揮出来ておらず階級内の序列に収まりつつある印象であったが、この大会ではキャリア最高とも言えるハイパフォーマンスを披露。五輪直前のこの時期にあって、階級内での存在感を大いに上げた大会であった。

シュレシンジャーに敗れたゲルビは失意ゆえか3位決定戦では全く不甲斐ない出来、マリセット・エスピノーザ(キューバ)に裏投「有効」、左袖釣込腰「一本」(1:37)とあっという間に2度投げられて5位に終わった。パワーファイタースタイルでありながらそれほど腕力があるわけではないゲルビは自身よりも力の強い選手には一貫して取り口が悪く、序列的には下位の選手に対しても取りこぼしてしまう試合が多い。しかしこの選手のもう一つの特徴である試合運びの巧さや試合中の修正能力の高さ、そしていわゆる「ゲルビチョーク」のような初見殺しの秘密兵器を用意してくる勝負師としての面白さは、五輪のような一発勝負ではやはり脅威。直前の試合で惨敗した格好となったゲルビの五輪までの上積みに期待したい。

日本の津金恵は準決勝でゲルビに左浮腰「有効」で敗れ、敗者復活戦でもワールドランキング27位のカツポルグに「指導4」で敗れて表彰台どころか3位決定戦に進むことも叶わず。最終成績は7位、獲得ポイントは僅か80点に留まることとなった。右相四つ時のゲルビの定番技である左の腰技の奇襲をあっさり食い、さらに本来表彰台争いのアウトサイダーであるカツポルグに「指導」4つを連続失陥と、成績だけでなくその戦いぶりに評価すべき点は見出し難し。
4月のアジア選手権、そして今大会と為された津金の連続派遣の目的はリオデジャネイロ五輪の控え選手として五輪出場枠内までランキングを上げることにあったはず。しかしそのミッションはどうやら失敗、日本は田代未来に何かあった場合に送り出す選手が(少なくとも直接枠では)誰もいないという非常事態のまま五輪を迎えることになってしまった。

鮮やかな内股を連発して優勝を飾った2012年のグランドスラム東京からはや4年、なかなか結果を出せない状況が続いているが津金はまだ20歳。強豪の壁の厚い階級ではあるが、東京五輪に向けてより一層の奮起を期待したい。

バク・ジユン(韓国)◯大外返(2:51)△マリセット・エスピノーサ(キューバ)
マリアナ・ミスコビッツ ハサンベゴビツ(クロアチア)◯小内刈(1:50)△マリエル・プリュヴォ(フランス)
ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)◯優勢[有効・浮腰]△津金恵(日本)
アリス・シュレシンジャー(イギリス)◯腰車(0:20)△ブスラ・カツポルグ(トルコ)

【準決勝】

マリアナ・ミスコビッツ ハサンベゴビツ(クロアチア)◯棄権(2:15)△バク・ジユン(韓国)
アリス・シュレシンジャー(イギリス)◯谷落(0:54)△ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)

【3位決定戦】

マリセット・エスピノーサ(キューバ)◯袖釣込腰(1:37)△ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)
ブスラ・カツポルグ(トルコ)◯不戦△バク・ジユン(韓国)

【決勝】

アリス・シュレシンジャー(イギリス)◯内股(0:24)△マリアナ・ミスコビッツ ハサンベゴビツ(クロアチア)

【日本代表選手勝ち上がり】

津金恵(筑波大3年)
成績:7位

[1回戦]
津金恵○優勢[有効・袖釣込腰]△アンリケリス・バリオス(ベネズエラ)

[2回戦]
津金恵○優勢[有効・袖釣込腰]△カタリナ・ヘッカーオーストラリア)

[3回戦]
津金恵○優勢[有効・内股]△アンナ・ベルンホルム(スウェーデン)

[準々決勝]
津金恵△優勢[有効・浮腰]△ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)

[敗者復活戦]
津金恵△反則[指導4](2:24)○ブスラ・カツポルグ(トルコ)

■ 70kg級・主役なきトーナメントをベルナベウが全試合一本勝ちで制す
(エントリー24名)
【入賞者】
1.BERNABEU, Maria (ESP)
2.PORTELA, Maria (BRA)
3.PEREZ, Maria (PUR)
3.RODRIGUEZ, Elvismar (VEN)
5.NIANG, Assmaa (MAR)
5.ROBRA, Juliane (SUI)
7.GERCSAK, Szabina (HUN)
7.TSEND AYUSH, Naranjargal (MGL)

※日本代表選手の派遣なし

主役級の選手の出場はなく、五輪のシード権獲得(ランキング8位以内)、あるいは出場自体を目指す中堅選手が多く出場したトーナメント。第1シードのラウラ・ファルカスコッホが初戦でマリア・ペレス(プエルトリコ)に敗れて早々に姿を消すという荒れたトーナメントを決勝まで勝ち上がったのは昨年の世界選手権準優勝者のマリア・ベルナベウ(スペイン)とマリア・ポーテラ(ブラジル)の2人。ともに全試合一本勝ちという素晴らしい内容での決勝進出だ。

ベルナベウは初戦となる2回戦をオニキスコルテス・アルダマ(キューバ)の棄権による不戦勝で勝ち上がると、3回戦はエルヴィスマール・ロドリゲス(プエルトリコ)に横三角の形から繋いだ横四方固「一本」(1:39)で勝利。準決勝はファルカスコッホを破って勝ち上がってきたマリア・ペレスを右組みからの左一本背負投「技有」と出足払「技有」の合技「一本」(0:47)で退けて決勝進出。

一方のポーテラは2回戦から登場するとモイラ・デュベリエ(ニュージーランド)を崩袈裟固「一本」(3:02)で下し、準々決勝はアフリカ王者のアッセマ・ニアン(モロッコ)に横四方固で「一本」(3:03)。準決勝はノーシードから勝ち上がってきたジュリアン・ロブラ(スイス)を燕返と袈裟固の合技「一本」(1:46)に仕留めて決勝へと駒を進めた。

決勝はベルナベウ、ポーテラ共に右組みの右相四つ。袖の絞り合いによる両者への「指導」を経て、試合は横変形の形で膠着。ポーテラが展開を切ろうと左背負投に座り込むと、待ち構えたベルナベウはすかさず三角絞、腕を括った側に体を降ろして変形の横四方固で抑え込む。完全に決まったこの技にポーテラがほとんど身動きできないまま20秒が経過し、ベルナベウの優勝が決定。優勝したベルナベウは五輪当落線上の14位から500ポイントを得て、到達した順位はシード圏内の7位。非常に大きな成果を得た大会だった。


【準々決勝】

マリア・ペレス(プエルトリコ)◯優勢[技有・一本背負投]△サビナ・ゲルチャク(ハンガリー)
マリア・ベルナベウ(スペイン)◯横四方固(1:39)△エルヴィスマール・ロドリゲス(ベネズエラ)
ジュリアン・ロブラ(スイス)◯優勢[技有・小外掛]△ツェンド アユシュ・ナランジャルガル(モンゴル)
マリア・ポーテラ(ブラジル)◯横四方固(3:23)△アッセマ・ニアン(モロッコ)

【準決勝】

マリア・ベルナベウ(スペイン)◯大外返(0:47)△マリア・ペレス(プエルトリコ)
マリア・ポーテラ(ブラジル)◯合技[燕返・袈裟固](2:01)△ジュリアン・ロブラ(スイス)

【3位決定戦】

エルヴィスマール・ロドリゲス(ベネズエラ)◯袖釣込腰(0:44)△ジュリアン・ロブラ(スイス)
マリア・ペレス(プエルトリコ)◯優勢[技有・浮腰]△アッセマ・ニアン(モロッコ)

【決勝】

マリア・ベルナベウ(スペイン)◯横四方固(2:16)△マリア・ポーテラ(ブラジル)


取材・文:古田英毅/小林さとる

※ eJudoメルマガ版5月16日掲載記事より転載・編集しています。

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