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西山大希がベイカー茉秋の追撃凌いで優勢勝ち、初優勝果たす・平成28年全日本選抜柔道選手権90kg級レポート

(2016年4月27日)

※ eJudoメルマガ版4月27日掲載記事より転載・編集しています。
西山大希がベイカー茉秋の追撃凌いで優勢勝ち、初優勝果たす
平成28年全日本選抜柔道選手権90kg級レポート
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準決勝、ベイカー茉秋が長澤憲大を攻める

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準決勝、西山大希が小林悠輔を支釣込足で崩す

シード配置の強者2人が過たず勝ち残り。決勝はベイカー茉秋(東海大4年)と西山大希(新日鐵住金)によって争われることとなった。

アスタナ世界選手権銅メダリスト、第1シード配置のベイカーは1回戦で大橋賢人(筑波大3年)を「指導3」対「指導1」の優勢、準決勝では大学の先輩でもある難敵・長澤憲大(パーク24)を「指導3」対「指導2」の優勢で凌いで手堅く決勝進出決定。

一方、2月のグランドスラム・パリに優勝して代表戦線に復帰した形となった西山は第2シード配置。1回戦では昨年の学生王者江畑丈夫(国士舘大3年)を「指導3」対「指導1」の優勢で退け、準決勝は小林悠輔(旭化成)から「指導3」奪取、残り19秒で支釣込足「技有」も積んで完勝。気を良くして今回の「的」であるベイカーとの直接対決に臨む。

決勝はベイカーが右、西山が左組みのケンカ四つ。

スタートはベイカーが釣り手を上から、西山が下から持って対峙。引き手争い、釣り手の位置関係の取り合いの中からまず西山が鋭く脚を振って左大外刈。引き手が切れ、ベイカーが潰れて「待て」

30秒を過ぎたところで西山が前へ。引き手で得た袖を絞り込んで相手を下がらせながら支釣込足、上体を崩されたベイカーが伏せて回避し「待て」。ここで主審は西山の攻勢を認めてベイカーに「指導」を宣告する。西山はコンディションが良いのか、グランドスラム東京時よりも体が一段大きく見える印象。

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決勝、西山が左大外刈で先制攻撃

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西山が支釣込足、ベイカー伏せて回避

ポイントを先制されたベイカーは奮起、一手目の入り方を変えてまず釣り手で袖を殺し、次いで奥襟を得て右小外刈、右小外掛と攻め込む。しかし西山の前進行動の骨太さにやがて勢いは止み、攻防のステージは引き手争いに収束。1分58秒双方に片手組み手の咎による「指導」が宣告される。反則ポイントの累積はベイカーが「2」、西山が「1」。

以降はベイカーが一貫して前へ。接近志向の両襟組み手、小外刈、大内刈と背負投と技を撃ちこみ続ける。西山は組み手のやりとりと左内股で防御幕を張って連続攻撃を許さず、決して山場を作らせないが、常に前のめりのベイカーに試合の流れが僅かながら傾きはじめた感あり。

残り1分30秒を過ぎ、ベイカーが奥襟を叩くと瞬間西山は支釣込足ではたき崩してリセット。相変わらずの巧い柔道だが、直後同じくベイカーが奥を叩くと自ら潰れてしまいどうやらついに試合の分水嶺が訪れた印象。

ここぞとベイカーは脇から背を抱かんと前に出るが西山しっかり間合いを取って回避。次いで奥襟を叩くと西山は支釣込足の弾幕を張って崩し、ベイカーが釣り手を巻き返しながら右大内刈を仕掛ければ西山は鋭い出足払で崩し返して応じる。展開を塗りつぶすようなベイカーの突進を西山が持ち前のセンスと技で「散らす」と表現すべき構図の攻防が続く。

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残り1分を過ぎ、「指導」ひとつビハインドのベイカーは猛攻

攻撃を散らされたベイカー、大枠の優位は得るものの主審が明らかな攻勢と判断できるまで攻めを纏めることがなかなかできない。しかし前にのめり続ける姿勢は止まず、4分10秒には掴みかかりながらの右大内刈、これで西山の頭を下げると隅返。続いて残り42秒に放った大内刈は西山の身を引きながらの出足払に捕まって逆に潰されてしまうが、心を折らずに奥襟を叩いての右大内刈、右背負投とさらに連発。一方の西山はベイカーの釣り手による巻き返し行動をいち早く察知してブロックするなど相変わらず「散らす」ことは続け、意地の抵抗。

しかしベイカーの攻撃ますます加速、あるいは「指導」の宣告あり得るかという情勢が現出したところで5分間が終了し、タイムアップ。結果、西山が「指導2」対「指導1」の優勢で勝利し、選抜体重別初優勝を飾ることとなった。

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西山あくまでベイカーに山場を作らせず、猛攻を凌ぎ切ってタイムアップ

「勝因は意地」と戦後語った通り、ベイカーの猛攻を撃退し「散らした」西山の抵抗は頑強だった。鉈を振るうように技を撃ちこむベイカーに対して、撃たれれば必ず撃ち返し、前に出てくれば足技で崩し、と一発一発根負けせずに対応した強気と粘り強さが勝利の因。持ち前の足技の巧さと切れ味ゆえその「撃ち返し」の効果が高かったことは勿論だが、それ以上にこのツールをきちんと繰り出した気持ちの強さが勝因の第一。技の切れ味は抜群だが精神的に脆いところがあった西山が、ひとつその課題に対して前向きの答えを出した試合であったとはいえる。

五輪代表には戦前の序列を確保する形でベイカーが選出された。意地を見せた西山だが、「指導」差の辛勝、それも後半ベイカーの攻撃を散らして逃げ切る「殿戦」の末の勝利ということではここまで積み重ねられた実績を覆すことは難しかった。「12階級選考評」でも書かせて頂いた通り、ベイカーが形上は敗れながらも、その猛攻をもって西山選出の可能性を潰したという試合でもあった。

全7試合のうち、反則ポイントで決まった試合が6試合。計上された攻撃ポイントは西山が準決勝でマークした「技有」ただ1つである。他階級と比較すると、少々低調な階級であった。

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初優勝の西山大希

【成績上位者】

優 勝:西山大希(新日鐵住金)
準優勝:ベイカー茉秋(東海大4年)
第三位:長澤憲大(パーク24)、小林悠輔(旭化成)

西山大希選手のコメント
「今日の大会で勝つしかリオ五輪に繋がる道はない。何が何でも優勝するという気持ちで戦いました。ベイカー選手は90kg級の一番手で、自分の前を走っている。今日勝ったのは、意地、それだけです。結果を残せたことは嬉しいです」

【1回戦】

ベイカー茉秋(東海大4年)○優勢[指導2]△大橋賢人(筑波大3年)
長澤憲大(パーク24)○優勢[指導3]△垣田恭兵(旭化成)
西山大希(新日鐵住金)○優勢[指導3]△江畑丈夫(国士舘大3年)
小林悠輔(旭化成)○優勢[指導3]△大辻康太(日本エースサポート)

【準決勝】

ベイカー茉秋○優勢[指導3]△長澤憲大
西山大希○優勢[技有・出足払]△小林悠輔

【決勝】

西山大希○優勢[指導2]△ベイカー茉秋

※ eJudoメルマガ版4月27日掲載記事より転載・編集しています。

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