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舟久保遥香が包囲網掻い潜って優勝、決勝も難敵相手に得意の「腹包み」冴える・全国高等学校柔道選手権女子57kg級レポート

(2016年3月30日)

※ eJudoメルマガ版3月30日掲載記事より転載・編集しています。
舟久保遥香が包囲網掻い潜って優勝、決勝も難敵相手に得意の「腹包み」冴える
全国高等学校柔道選手権女子57kg級レポート
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第1シードの舟久保遥香は順当に決勝進出

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全日本ジュニア舟久保を畳に迎え、緊張の面持ちの若藤唯

第1シードに配された舟久保は2回戦で香川瑞希(広島・皆実高)に「指導1」優勢、3回戦で吉光奈菜(山口・西京高)に崩上四方固「一本」(1:20)、準々決勝は中村ゆき(三重・名張高)に「有効」優勢、そして準決勝では山本奈々瀬(兵庫・武庫川女子大附高)に横四方固「一本」(1:15)と徹底マークを跳ね除けしっかり決勝進出を決めた。

一方、第2シードの若藤は2回戦で園田真姫(熊本・九州学院高)に上四方固「一本」(1:40)、3回戦は三上悠姫(北海道・東海大第四高)を払腰「一本」(1:06)、準々決勝は中内柚里(愛媛・三島高)に「有効」優勢、そして準決勝では西口楓雪(滋賀・比叡山高)に小内刈「一本」(1:47)で勝利。4戦して3つの一本勝ちという素晴らしい内容で舟久保の待つ決勝へと駒を進めて来た。

決勝は舟久保が右、若藤が左組みのケンカ四つ。舟久保は釣り手で奥襟、引き手で前襟を同時に狙う。一方、若藤は引き手で舟久保の釣り手を弾きながら釣り手を下から得るテクニカルな手段で対抗。数合のやり取りを経て両者、両襟を持ち合うと奥襟を握った舟久保のプレッシャーを感じたか若藤は釣り手を背中に回して近接戦闘からいったん脱出。双方そのまま腰の入れ合いをしながら場外、「待て」。次いで攻勢権の確保を狙った舟久保が釣り手を背中に回して「ケンカ四つクロス」の片手内股で若藤を伏せさせ、「待て」。ここまでの攻防から推し量ると、組み力は舟久保が上という印象。

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舟久保は練れた組み手を披露、脚を突っ込んで相手を止めながら両手を襲い掛からせる

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舟久保得意の「腹包みからの崩袈裟固」が決まる

1分過ぎ、若藤は舟久保に圧力を掛けられることを嫌い、先に引き手で手前側の前襟を確保してから、釣り手で奥襟を持つケンカ四つクロス。そこから左小内刈、左内股と繋ぎ舟久保を伏せさせる。若藤はこの組み手に手応えを感じたか、次の流れも奥襟を確保するが、舟久保は釣り手を巻き返して奥襟を持ち返す。そのまま煽って若藤の頭を下げさせ、右大内刈、右内股と繋いで攻勢権は再び舟久保。若藤が両手で腰を抱いて堪え谷落で返すが舟久保は伏せてポイントはなし。経過時間1分30秒。

次の流れで舟久保は横変形から両襟に変化、圧力を掛けて若藤を潰すなり得意の寝技に持ち込み「手三角」で良い場面を作る。これを受けた若藤は再び組み手の方針を変更、先程の谷落の手応えが頭に残ったか、釣り手を背中に回す「後の先」を狙った形を選択。機と見た舟久保は奥襟を得て、左内股から左小内刈、さらに左小外刈に再びの左内股と浅く当て続けて若藤をまさしく翻弄。舟久保は崩れた若藤が後ろ重心になったところを引きずって伏せさせると、すかさず左手を若藤の懐に入れて「腹包み」から時計回りに相手の体を乗り越えて返し、頭を後ろ手に抱えた得意の形の崩袈裟固で抑え込む。若藤必死に抗うが、舟久保が右手で若藤の帯を深く握り直すと拘束が一段強まり万事休す。舟久保ガッチリ20秒抑え切り「一本」。所要時間は2分53秒、舟久保が得意の寝技で若藤を下し見事優勝を決めた。

寝技の選手と警戒されながら抑え込みを軸に勝ち上がり、そして度々重要な試合で決めて徹底研究されているはずの「腹包み」で優勝を決めた舟久保のパフォーマンスは見事の一言。あまりの決定率ゆえに寝技に目がいきがちであるが、本人が力を入れているという投技の緩やかな上昇傾向、そして何より組み手技術の高さが見逃せない。決勝で見せた、手で抑えるのではなくまず脚を差し込んで相手の動きを固定し、次いで瞬時に手を襲い掛からせるという師匠・矢嵜雄大ばりの組み手構成は高校生離れした練度。早い時期に寝技を獲得した選手は以後の成長の「天井」の高さが限定されるというのがこの業界の通説であるが、今のところ舟久保に高止まりの気配はなし。どこまで伸びるのか、次の上昇の手立ては何なのか、取るべきタイトルを全て取って迎える28年度の戦いが非常に楽しみである。

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優勝の舟久保遥香

【入賞者】

優 勝:舟久保遥香(山梨・富士学苑高)
準優勝:若藤唯(神奈川・桐蔭学園高)
第三位:山本奈々瀬(兵庫・武庫川女子大附高)、西口楓雪(滋賀・比叡山高)
敢闘賞:中村ゆき(三重・名張高)、平野萌佳(千葉・八千代高)、中内柚里(愛媛・三島高)、玉置桜(東京・藤村女子高)

舟久保遥香選手のコメント
「今日は課題の足技が出せたことが良かった。次の課題は、小内刈、小外刈から大外刈に繋ぐコンビネーションを使いこなせるようになること。去年決勝で負けている大会なのでリベンジしたかったですし、日本武道館が2020年の東京五輪の会場であることをかなり意識して戦いました。絶対優勝しようと思っていました。1年間色々な大会に出て、大舞台で戦いきる精神力がついてきたなと思っています。今年の目標は、まず高校の大会を取りこぼしなく、しっかり優勝することです。」

【準々決勝】

舟久保遥香○優勢[有効]△中村ゆき
山本奈々瀬○優勢[技有]△平野萌佳
若藤唯○優勢[有効]△中内柚里
西口楓雪○優勢[指導1]△玉置桜

【準決勝】

舟久保遥香○横四方固(1:15)△山本奈々瀬
若藤唯○小内刈(1:47)△西口楓雪

【決勝】

舟久保遥香○肩固(2:53)△若藤唯


取材・文:古田英毅、原輝地

※ eJudoメルマガ版3月30日掲載記事より転載・編集しています。

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